鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

予測できない事態に備えて社会の構造の2重化を図ることも必要

2010-04-21 | Weblog
 欧州アイスランドの火山噴火の影響が欧州全域どころか、世界各国にまで広がっている。噴煙が西風に乗って欧州全域にまで達し、視界をさえぎるだけでなく、飛行機の航行に障害をもたらすとして空港が閉鎖となってしまったからで、文明社会の意外な弱点が浮かび上がった。噴火から6日目の20日になってようやく欧州の空港が再開され、元に戻りつつあるが、あまりにも航空に頼りすぎた社会の仕組みを反省すべきなのかもしれない。
 アイスランドの噴火は14日、首都レイキャビックの120キロ東のエイヤフィヤトラ氷河の真下で起きた、という。世界地図を見ると、アイスランドにはヘクラ山とハワナダルスフニュークル山の2つの山があり、いずれも赤い三角の印のついた活火山であることを示している。最初は単なる火山噴火で、西風に乗って欧州全域に噴煙が流れ、せいぜい天候不順をもたらす程度と思われていたのが、噴煙に含まれる石、ガラスの破片などが航行する飛行機のエンジン部分に入ると飛行障害を起こすので航行できないとなり、欧州各国の空港が閉鎖されるに及んで、大変なことになったとの認識が広がった。もちろん、遠く離れた日本から欧州各国への飛行機が飛ばなくなり、人、物の行き来が途絶えてしまった。
、当初は日本の大手旅行代理店8社の計1万2千人が欧州各国で足止めを食っているとか、成田空港で寝泊まりする外国人観光客が出始めて、そうした外国人観光客に対して炊き出しや、日本文化を理解するための講習が行われるなど微笑ましい出来事も行われていたが、北欧産のサーモンが入荷しなくなったとか、アイスランド産の自動車部品が輸入できないため、日産自動車が福岡県・九州工場や神奈川県・追浜工場で9車種の製造停止を決めるに及んで、経済面へも影響が広がりだした。
 噴火活動がさらに続くようだと、こうした経済活動にも重大な影響が出てくることは避けられない。ただ、6日経って、噴煙の高さも当初1万メートルもあったのが、3000メートル程度に収まってきたため、欧州各国のなかでも空港の業務を再開するところが出始めたので、20日には日本からミュンヘン、チューリッヒ、ウイーン行きの飛行機も跳び立ち始め、21日から欧州向け8便とも出発する見込みとなってきた。
 もちろん、天災なので、予断は許さない。地球の内部はマグマの塊で、アイスランドに限らず、いつ世界のどこにでも噴火の形で爆発しても不思議ではない。地震もそうだが、いつ、どこで起きるかを予測することは至難の技である。過去の地震なり、噴火のデータをいくら解析、分析してもいまの科学技術では予測することはまず無理だろう。有史以来、人類の知恵で、地震とか噴火の影響の及ばない地域に集落を作ってきたはずであるが、今回のようなことが起きるのはだれも予想していなかったことである。今後もこうした予測できないことが起きることは十分に考えられる。
 となれば、不測の事態が起きた時への備えをしておくこと以外に対処すべきことはない。あまりにも飛行機に依存しすぎた社会の構造を見直して、鉄道なり、海運の効用をいま一度見直して、対応できるように考えておくしかないのではなかろうか。グローバルに構築されつつある経済の構造を2重に構築することはそれこそムダなことと思えるかもしれないが、予測つかない自然災害に備えるにはそれしかないような気がする。少なくとも考えるだけでもいいのかも知れない。
 おそらく今回のアイスランドの噴火の影響についてだれも予測した人はいなかったのだろうから、次回こうしたことが起きた際に社会の構造が揺るがないような仕組みを考えておくことだけでもいいだろう、と思う。
 
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