鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

凶悪犯罪流行の陰になにがある

2006-07-25 | Weblog
 またぞろ岩手県洋野町で52歳と25歳の母娘2人が惨殺され、山奥に埋められる、という凶悪事件が発生した。詳細は犯人の自供を待つしかないが、山間の一軒家に住む2人暮らしの住まいに若い男が押し入り、相次いで2人を殺したのは事実のようで、事件の背景にどんな事情が隠されているのか。最近、秋田で我が子を含む幼い児童を殺害した事件といい、奈良、栃木、広島で続発した幼女の誘拐殺人事件、保険金目当て、もしくはうらみ、つらみからの放火殺人事件の多発などなど以前にはなかったような凶悪事件が連続して起きている。世の中が工業化社会に入り、何事も瞬時のうちに処理されるようなコンピュータ社会にあんると、犯罪も都市型、米国型されてくるが、最近の凶悪犯罪は必ずしも都市型ではなく、むしろ地方で起きている。
 情報化、工業化の進展などすざましい勢いで変化している日本の産業、社会のなかで地方は取り残され、疎外感を味わっている。昔ながらの村、コミュニティが崩れるようで崩れない、景気も中央ほどよくはなく、貧富の差も拡大している。ところによっては外国人も移入してきて、地域と必ずしも融和していないこともあるかもしれない。歳出を極端に切りつめているローカルの自治体も様々な問題に適切に対応できなくなってきている。
 かつてなら村なり町のコミュニティで隣にだれが住んでいて、どういう家族構成で、いまどういう状態で暮らしているか、お互いわかっていて、お隣同士困ったことがあれば助け合い、話し合うような形が出来ていたのが、どこの家も東京へ出て行ったり、外へ働きに出て行ったりで、自分の家の中ですら面倒を見られないような状態になってきて、極端なことを言えば、隣に誰が住んでいるのかもわからないようなことになってきてしまったのではなかろうか。世話役といったことをするような余裕のある人がいなくなった。いまや、世話役といった言葉すら死語になっている。
 地方がというか、どこの家庭もよその家庭を考慮するだけの余裕がなくなってきたのだろう。それだけ地方も都市化してきているわけだ。それでいて、その間隙を埋めるだけの行政の措置がいっていない。行政サイドも中央からの指示基づいて事務をこなすだけで精一杯ということなのだろう。
 小泉首相の推し進めた小さな政府、地方のことは地方でという行政改革のもたらした結果とも言える。北海道夕張市が500億円にものぼる債務を抱えて破産したが、人口1万5千人で長年にわたり10万人クラスの都市並みの大盤振る舞いをしてきたつけであるが、人口3万人を切った段階で市から町へ降格させるべきだったのだろう。丸投げで指示したあとは何が起きても我関せずのスタンスを取る小泉首相が地方にもたらした禍根、歪みは大きい。
 地方自治体で地域住民の心に巣くう闇にメスを入れて、そこから地方自治体として何を為すべきか、を問うことから地方行政を始めてほしい。
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