鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

”安倍なにがしも米国のトランプもだれかの足先で踊っているコマのひとつに過ぎない”

2017-06-10 | Weblog
 9日は川崎・武蔵小杉の川崎市民アカデミーでの経済講座「1917年と2017年ーーアメリカ発ふたつの大転換点の世界経済を読み解く」の第6回目の授業「資本の集積と集中」を聴講に行った。駒沢大の瀬戸岡紘名誉教授によるもので、1917年にイギリスの客船ルシタニア号がドイツ軍の潜水艦に撃沈され、米国人128人が死亡したことから米国は第一次世界大戦に参戦し、世界の経済と政治の覇権を握ることになったが、それから100年経ってトランプ政権の登場により米国はその座を降りることとなった、それで世界の政治経済はどうなるかを読み解こう、というのがこの講座のテーマで、農業から始まって産業ごとに点検してきた。

 この日は金融がテーマで、米国は1944年のブルトンウッズ体制に入るとともに米国が世界の金融を圧倒的に支配し始めたところから始まり、ケインズ主義、独占企業、金融資本と進み、第二次世界大戦以降70年間で世界の人口が3倍になったのに比べGDPは9倍になっていることを指摘するとともに、資本は巨大化していく魔力を持っているとも指摘した。新自由主義のもとでは政府主導でなく、金融資本が経済を主導するようになり、かつては「農業」があるから「工業」が起こり、「商業」、「金融」が発展していく構造となっていたのがいまや「金融」が「商業」をリードし、あわせて「工業」も「農業」も動かしていくような時代になった、という。

 そして以前は「他人の財産を泥棒しない」ことを前提に自由な資本蓄積活動をしてきたアダム・スミス以来の理想の経済が「他人の財産を泥棒してまでも資本の蓄積を強行する」に置き換わってしまった、という。もちろん、公然と言われているわけではないが、いまの金融資本の行動パターンはこうでも考えなければ理解できないものとなっている。もちろん、正面切ってそう言っているわけではない。表面的には金融工学なる言葉でオブラートに包んだものの言い方で庶民をうまく乗せて、投資の世界に誘い込んで、最終的にはお金を巻き上げてしまう。

 なるほどいまの経済を牛耳っているのは金融資本で、世界の富のほとんどを握っているのは米国でいえばロックフェラー、モルガンといった財閥であり、アングロサクソンのユダヤ商人である。ごく表面的にはトランプという名前の政治家が保護主義への回帰なるお題目を唱えて大改革らしきことをやろう、としており、世界がその一挙手一投足に一喜一憂しているが、その後ろで糸を引っ張っているのはロックフェラーであり、モルガンということなのだろう。

 瀬戸岡教授は安倍なにがしなる人物もトランプ同様、世界の金融資本の足先で踊る一ダンサーに過ぎない、と喝破した(そういえばその安倍は昨年末にトランプと意気投合した、と帰国早々に欣喜雀躍していたことがあったことを思い出すと可笑しい)。その舌鋒で、問題の金正恩も単なる看板役を務めているだけで、後ろで糸を引いているのは軍で、彼らは決して表には出てこない、とも語った。その北朝鮮の軍がいかなるルートで金融資本とつながっているかは明らかではないが、どこかでだれにも知られない形で結びついていることは容易に想像できる。北朝鮮の核実験やサイバー攻撃などの話を聞くにつけ、北朝鮮の国力を超えたパーフォーマンスが出ていることを考えれば、そう思わざるを得ない側面もある。

 瀬戸岡教授は以前に川崎市民アカデミーはもともと市民大学を目指して設置されたもので、単なる文化センターではない、と発言したことがあり、そうした思いで講座で講演している、とも語ったことがある。だからか、時々、眠って聞いていると目を覚まされられるような言辞が飛び出し、目を瞠らせられるようなことがある。この日の講座がまさにそうであった。こうしたことがあるからせっせと川崎市民アカデミーに足を運ぶのである。
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