鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

年俸1ドルの米IT企業トップ

2007-04-07 | Weblog
 7日付けの毎日新聞によると、米グーグルは2004年以来続けている経営トップの年俸1ドルを06年も継続した、と発表した、という。対象は共同創業者のs-ゲイ・ブリンとラリー・ペイジの両氏と最高経営責任者(CEO)のエリック・シュミット氏の3人で、いずれも自社株のはか、ストック・オプション(自社株購入権)を保有し、業績を伸ばして株価が上昇すれば巨額の収入が得られる仕組みとなっている。いかにも株式市場が健全に発達している米国ならではのことで、そのまま日本に導入はできないが、とかく不埒な日本の経営者にその精神だけでも見習ってほしいものだ。
 実はこのニュースは毎日新聞のオリジナルニュースでなく、共同通信社発であるが、それによると、グーグルだけでなく、ヤフー、アップルなど他のIT関連企業のCEOでも年俸1ドルのところがある、とも伝えている。
 実際、経営トップの給料が年間1ドルというのはそれ自体どう考えてもおかしいし、年1ドルで暮らしていけるわけがない。年俸以外の役員賞与がどうなっているのか、伝えていないので、詳細はわからないが、業績が上がれば役員賞与を計上し、株式配当もなにがしかしていることだろう。それらで、他のIT企業のトップが得ているであろう収入は確保していることだろう。
 それにしても年俸1ドルとは思い切った金額である。そもそも賃金なり年俸は行った労働に対して給付するという原則からはいささか離れるが、公平中立な経営判断が下せることだけは確かだろう。役員も従業員も年俸1ドルのトップから指示を受けるのは小気味いいものだろう。
 日本で大手商社の伊藤忠商事がかつて経営不振に陥った時に当時の丹羽宇一郎社長が半年か、1年無給を宣言して実行した、と記憶しているが、大体は業績低迷時のカンフル剤として打ち出されることが多く、業績のいい時にそうした例を耳にした記憶がない。
 年俸1ドルはともかく経営者イコール株主というのは経営にバイアスがかかるという点で必ずしも歓迎されることではない。逆に言えば、株主でない限り、年俸1ドルでのお勤めなんかできない。それよりも経営というスキルを公平な第三者が査定したうえで、出てきた成果に見合った報酬は支払われるべきだろう。
 米国の経営者は日本と比べベラ棒に高い報酬を得ている、というのが定説であったが、その一方で年俸1ドルの経営トップがいる。米国というのは底の深い国である、と思った次第。

追記 18日に米アップルの共同経営者、スティーブ・ジョブス最高経営責任者も年俸1ドルである、との記事が出た。ジョブス氏の場合、97年以来ずっと年俸1ドルというから、筋金入りだ。でも同氏はフォーブス誌の世界富豪番付でも資産57億ドルで132位にランクされている。 
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1 コメント

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こんにちは (株で稼ぐ野郎)
2007-04-07 10:14:29
こんにちは

いつも役立つ情報ありがとうございます


私もサイトを開設しましたのでもしよろしければ

一回見に来てください


ではこれからも良い情報待っています


ではがんばってくださいね

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