prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「白ゆき姫殺人事件」

2014年04月24日 | 映画
テレビのワイドショーやツイッターで情報が歪んで伝達され、周囲の人間の思い込みとあいまって何もはっきりした証拠のないまま誰が犯人という決め付けが暴走するのを、角度を変えて何度も繰り返して描くたびに真相が変わって見える「羅生門」的なスタイルで描く。
「羅生門」のように今更何が本当なのかわからないことを強調してもはじまらないわけで、無責任に噂がふらふらと暴走し、しかも自分を棚に上げて間違えたメディアを袋叩きする匿名集団の身勝手さをよく描き出した。
同じ出来事が見方が変わるとまるで意味づけが変わるあたりもよく出来ている。

画調がデジタルカメラで撮ったのがけっこう丸出しで、ツイートがかぶる都合もあるし、フットワークの適度な軽さがスタイルのないようなスタイルを生み出しているのだが、ちょっと安く見えるところあり。
朝ドラの「花子とアン」に合わせたわけでもないだろうが、一部「赤毛のアン」がモチーフになっている。実は未読。映画でもドラマでもアニメでも見たことない。本好きの女子の間では一種の基礎教養みたいなものになっているみたい。読んでみないといけないか。
この蝋燭の明かりを生かした画面は映画館向けに出来ていたと思う。

誰が見ても美人、という役に菜々緒をあてているのだが、美人かどうかは主観によるだろうけれど、冗談みたいなプロポーションを買ったのだろう。
平凡で目立たない女という設定の役の井上真央は、一般ピープルに混ざったら十分美人で通ると思うけどなあ。このあたりは映画の嘘になります。
(☆☆☆★★)



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白ゆき姫殺人事件@ぴあ映画生活

映画『白ゆき姫殺人事件』 - シネマトゥデイ


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