prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

LAW & ORDER シーズン6 第21話「妄想と現実の狭間で」

2013年04月02日 | 海外ドラマ
第21話「妄想と現実の狭間で」
PRO SE/ [ シリーズ通算 #132]

統合失調症を患う犯人がぼさぼさの頭に髭ぼうぼうのホームレス状態からきれいに身だしなみを整えて法廷に現れた時には、あまりに印象が違うので同一人物だと初めわからなくて新しい弁護士かと思った。
もともと秀才で自分の頭脳に自信があって、それだけにちょっと症状が良くなると薬を飲むのをやめてしまうのだから困る。薬の副作用で頭脳が鈍ってしまうのがプライドに関わるかららしい。

犯行時心神喪失状態だったことは明らかなのだが、被告が弁護士を解任して自分で弁護を始めると、どう見ても普通以上に頭脳明晰で、どこが心神喪失なのかと見えてしまう。

法廷で妄想と幻覚を再発させた被告に対し、検察が弁護側の主張の無効を申し立てて心神喪失が逆に成立しなくなる、というねじれた展開に、大量殺人者がちゃんと刑務所に入るのだからいいという思いと、それがこういうひねくれた形で成立するのがいいことなのだろうかという、毎度ながら複雑な後味を残す。

頭脳明晰なところを見せるところと妄想を述べ立てる壊れ方の演じ分けがデニス・オヘアの芝居の見せどころ。こういう見事な「芝居」を見たら確実に素人には精神病に見えてしまうはずで、そのあたりの弁別の難しさも考えさせる。

※ 古着店で店員と客が襲われ、3名が死亡、1名が重傷を負う。店内にいた客の目撃情報から、被害者の1人、リンダ・バウアーズをつけ回していたホームレスの男が逮捕される。ジェームス・スミスというその男は統合失調症を患い、以前にもストーカー行為で逮捕されていた。その時に保護観察と罰金刑のみで放免にしたキンケイド検事補は非難の的となる。

ゲスト:デニス・オヘア「アメリカン・ホラー・ストーリー」
脚本:ルネ・バルサー、I・C・ラポポート
監督:ルイス・グールド

LAW & ORDER season6 #21 PRO SE - IMDb

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