prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「映画に賭ける~脚本家・橋本忍~」

2008年03月15日 | 映画
「砂の器」の後半40分にわかるクライマックスが語りと演奏と芝居の三つを組み合わせる浄瑠璃の構造から来ている、というのにびっくり。
またその追い込み方を競輪の「マクリ」にたとえるなど、縦横無尽な発想。
「幻の湖」では縦横無尽が過ぎた感。
未映画化の「鉄砲とキリスト」も、大胆ともトンデモともつかない、他の誰にも書けないシナリオ。

「複眼の映像」で、黒澤作品は「用心棒」(これに橋本は参加していない)で近松から南北へと転調したと評したが、橋本当人に近松と南北が同居しているのではないか。

父親が忍の作品で二つ選んだのが「切腹」と映画化前の「砂の器」で、それでなんとか映画化にこぎつけなくてはと奔走して十年以上かかって自ら橋本プロを設立し映画化したという。
「砂の器」のやたら長い原作からつかみだした父と息子というモチーフに反応したのか。どういう父親だったのか知りたい気がする。


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