1978年、イタリアのモロ元首相が誘拐されて殺された史実をもとに誘拐した極左集団「赤い旅団」の内側から描く。
一味のマヤ・サンサが美人というのがありそうな話で、過激派に紅一点というのは目立つからにせよ、美しさで「階級」が上になりそうなのを拒絶しているという理屈なのだろう。
結婚式でロシア民謡を歌ったり、交霊会を開いたりといった場違いなようで、そういうこともありえただろうなと思わせる描写の分量が多い。
ラストでモロが解放されるイメージシーンなど明らかにその範疇からも逸脱している。キリスト教民主党のメンバーだったせいもあるのか、教皇が関わる描写がたびたび挟まる。