prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「クイーン・オブ・ダイヤモンド」

2024年05月27日 | 映画
タイトルそのままのダイヤのクイーンのトランプがアップになるが、ちょっと煌めいてるような効果が加えられている。
そのキラキラした画とは裏腹に本編に入るとラスベガスのディーラーをしながら老人の介護を兼業でやっているざらっとした日常を過ごしている女の爪を延ばした手がアップになるが、何か掴むでもなくぶつっと次のカットに替わる。
なめらかにカットからカットに流れないで、ブロックを積むように繋いでいる印象。
木が燃える↓カットも、炎が収まりかけるまでまるまる据えっぱなしで撮っている。

象が列車から並んで姿を見せていたり、あからさまにシュールではないが現実離れした画面が随所に見える。

ルーレットの前に立っているヒロイン↑を手前に客を置かずに見せる画は
「マグダレーナ・ヴィラガ」の鏡の前に座って人を直接写さない画の作り方と共通している。
介護で老人を清拭(せいしき)するときに背中を向かせてタオルで拭くときも、顔は合わせない。

結婚式で、プレスリーの格好をしている新郎?というだけで大木を投げ出したような諷刺を通りこしたオブジェ感がある。