prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「修道女」

2021年06月10日 | 映画
前半、静謐な修道院での生活が、一方でヒロインのアンナ⋅カリーナの反抗との緊張感と共に描かれる。
色彩も寒色系で画調もロー⋅キー。
それが屋外シーンになると花の赤が入り込んで光も強くなる。
そして終盤にかけて加速度をつけて展開が速くなり、ほとんど一瞬でラストが決まる。

古典的でゆったりした感触のようで主にヒロインが不穏で異質な存在であり続け、次第に映画そのものも異化しだす。
古典的完成とその破綻が同時進行している。