prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「アオラレ」

2021年06月04日 | 映画
邦題勝ち。笑ってしまうけれど、見たくはなる。
原題はUnhinged
  1. ヒンジ[蝶番]の外れた
  2. 〔精神的に〕不安定な、気の動転した、動揺した、錯乱した
冒頭でテレビの動画編集特番でやっているようなキレて暴れたり無謀運転したりする人の実写が並ぶ。
だけでなく、ラッセル・クロウのサイコぶりを明かしてしまう。ある意味こういうイカれた連中は珍しくはないというのを社会派風に示すけれど、あまりマジメな方にはいかない。

「激突!」みたいに正体のわからない顔も見えない運転手に嫌がらせをされるという抽象的な恐怖とは違って、クロウは後半はほとんど「13金」のジェイソンみたいなフィジカルな暴力をふるう大男の殺人鬼と化すし、車も乗り換えるから車そのものが怪物的に見えてくるということもない。

いや、わざわざ「激突!」と比べることもないのだが、シンプルなB級テイストのスリラーかと思ったらかなり乱暴でごった煮風。
車の追っかけもあるけれど、姿を見失った上でのスマホやタブレットを使った鬼ごっこ式の趣向も多い。なんで居場所がわかったのか突っ込みたくなるところも散見する。(「激突!」はハイウェイの一本道だから逃げようがない一種の密室になっていたのに改めて気づく)
いくらヒロインは無事といっても、他の人が死にすぎなのはどうもひっかかる。

ヒロインのカレン・ピストリアスが端正な美人なのはお楽しみ。