prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「ロリ・マドンナ戦争」

2019年05月03日 | 映画
フェザー家とガットシャル家という土地争いで対立する二つの家に架空の存在であるロリ・マドンナという女と間違えられた女の子ルーニー・ジル(シーズン・ヒューブリー)が拉致されたのがきっかけで、かねてからの両家の間の確執が表に出て爆発する。
原作小説のタイトルはThe Lolly Madonna Warだが、映画化タイトルは The Lolly Madonna XXX。なぜXXXになったのかはわからないが、暗喩的な印象を強調したかったのかもしれない。

両家の違いというのが食卓シーンに典型的に出ていて、フェザー家では男たちだけ席について女たちが給仕しているが、ガットシャル家は女性も一緒に食べている。
フラッシュバックで過去にフェザー家の娘が事故死しているのが大きく影を落としているのが描かれ、それが外部から「ロリ・マドンナ」(なんという名前か)が介入したのがきっかけで一気に「女がいない」欠落感(性欲面だけでなく)が噴出するのがわかる。

1973年作だが、両家の家長(という言葉がぴったり)がロッド・スタイガーとロバート・ライアン、その息子たちがジェフ・ブリッジス、エド・ローター、ランディ・クエイド、ティモシー・スコット、ポール・コスロ、ゲイリー・ビューシイと、70年代アメリカ男優を結集したようなすごいキャスト。

それで豪華という感じというより、ニューシネマの時期だがニューシネマという範疇からもこぼれ落ちてしまうような、ど田舎でくすぶらざるを得ない男たちのやりきれなさを、鬱屈とともに叙情的に出した。
エド・ローターがエルヴィス気取りでショーに出ている幻想に耽るうら悲しさ。

「ロリ・マドンナ戦争」 - 映画.com


5月2日のつぶやき

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