prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「悪の教典」

2012年12月03日 | 映画
ツッコミどころは満載で、あれだけズサンで証拠残しまくっているだろう犯行なのにあまりに警察が無能すぎとか、山の中の一軒家ではあるまいし猟銃を撃ちまくって近所に聞こえないものなのか、とかいろいろ気になるけれど(とはいえ、オウム事件などを思うと信じられないようなことが現実に起きるのは、犯人側だけでなく捜査側にもいえる)、途中にはさまるスクリーミング・マッド・ジョージ風の目がくっついている猟銃といった幻想シーンなどからしてリアルな話ではないのは、はっきりしている。

エラ・フィッツジェラルドが歌う「マック・ザ・ナイフ」がにぎやかに流れ、殺戮の陰惨さとコントラストをなしている。昔でいう音楽の対位法というか、異化効果というか。
もともとブレヒト作の芝居「三文オペラ」の曲(作曲クルト・ヴァイル)なわけだが、「酔いどれ天使」での山本礼三郎のヤクザが登場するシーンで黒澤明=早坂文雄チームがこの曲を使いたかったのだが版権の問題で諦めた、という話がある。殺気と相対して切り結ぶ曲、といったところ。

なんでああいう犯行を行うのかという心理的・社会学的にもっともらしく意味付けすると、どうしてもはみ出てくる部分が出てきて納得できない感じがつきまとうわけで、そういう矮小化の陥穽を避けて通る一種の直感的な運動神経に賭けたような作り。

殺される生徒たちが安いホラーにありがちな、淫行に走る奴がより残虐な殺され方をするといった裏返しのモラルを避けるのには成功していて、筒井康隆の「死にかた」みたいな一種の透明感に接近している。

文化祭の飾り付けにthe world is yoursと出ているのは大殺戮映画の先輩「スカーフェイス」(さらにはそのオリジナル「暗黒街の顔役」)に出てきた標語。
(☆☆☆★★)

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12月2日(日)のつぶやき

2012年12月03日 | Weblog

あの、これは本当に、心から知りたいんですが、石原慎太郎の魅力ってどこにあるんですか? あなたはなぜ慎太郎を支持してるんですか? 慎太郎はまちがいなくあなたのことをバカにしてますよ?

小暮 宏さんがリツイート | 458 RT

「バッドランズ」の燃える家の中、「天国の日々」の広大な麦畑の中の三人だけの遊び #映画の好きなシーンをあげろ


「タクシードライバー」のデニーロの腕立て伏せと俺に言ってるのか。#映画の好きなシーンをあげろ


「ミツバチのささやき」で子どもたちが焚火を跳ぶところ、「エル・スール」で父親のそばの窓の外に現れる娘。 #映画の好きなシーンをあげろ


「突撃」の塹壕の中の長い長い縦移動、突撃シーンの長い長い横移動。#映画の好きなシーンをあげろ


「バリー・リンドン」のリンドン卿が心臓発作を起こしているところに死亡記事のナレーションがかぶる、そしてラストの字幕「美しかったにせよ醜かったにせよ、富んでいたにせよ貧しかったにせよ、幸せだったにせよ不幸だったにせよ、今は同じ、全てあの世」 #映画の好きなシーンをあげろ


「2001年宇宙の旅」で冬眠中の宇宙飛行士たちの生体反応がすべて停止するのを告げる機械の声と、機能が低下していくにつれて唄いだすHAL #映画の好きなシーンをあげろ


「ワイルドバンチ」の大乱戦の後、一発も撃たれないままのピースメーカー。#映画の好きなシーンをあげろ


「戦争のはらわた」で撃ち終った後の弾倉を投げ出すのを捉えたスローモーション #映画の好きなシーンをあげろ


「わらの犬」のクライマックスにかかるバグパイプ音楽と踊りだす侵入者たち #映画の好きなシーンをあげろ


「48時間」の冒頭、人種差別絡みの喧嘩から一転して渡した銃を二人同時に看守に発射、仲間であることがわかる一瞬。人種差別を乗り越えるというモチーフは悪党側にも共通しているわけ。#映画の好きなシーンをあげろ


コピペ日記 : 現代の音楽  -エリオット・カーターをしのんで-東京 blog.livedoor.jp/katikujin/arch…


年末はつまんね(回文)

小暮 宏さんがリツイート | 116 RT

「エクソシスト」で造影剤を注射するところ #映画の好きなシーンをあげろ 好きというよりイヤだけど見てしまう。後半の怪異現象よりむしろイヤ


「アラビアのロレンス」で贈られたアラブの衣装をまとってはしゃぐロレンス #映画の好きなシーンをあげろ