prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「白夜行」

2011年10月26日 | 映画
原作は主人公二人が強い絆で結ばれているのにも関わらず一緒に出てくるシーンがなく、ラストで同じ場所に居合わせても女は見向きもしない、という描き方をしているので映像化はものすごく難しい、と思われ、実際難しさがもろに出た。

ブリッジ役に船越栄一郎の刑事をもってきているのだれど、この人でつなげるというのはいささかムリがありましたね。他に事件抱えてないわけでもあるまいし。
受け手の想像に任される「裂け目」の部分を出来事の推移のなぞりで埋めてしまっているものだから、どうも散漫。

原作では時代の推移をコンピューターの記憶媒体が音楽テープからフロッピー・ディスクの5インチから3.5インチに、さらに今使われているようなハードディスクなどの大容量媒体にと移っていくのに象徴させているわけだが、単純に字幕で昭和何年と出してしまう。原作であえて避けているやり方なのに。
大道具小道具などの時代色はよく出ていたと思うけれど、積み重なった「時間」の重みは必ずしも出ていない。

堀北真希はふつうに可愛い役を避けて暗い役が多い感じがするけれど、そうムリしなくてもいいと思う。
(☆☆☆)

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