prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「モテキ」

2011年10月18日 | 映画
麻生久美子が吉野屋の牛丼を食べるところは、近来もっともおいしそうな食事シーン。牛丼そのものはほとんど写らないでほっぺたに米粒がついているだけ、周囲がびっくりしているところを見るとすごくたくさん食べているのだろうが、重なった丼とか見せない。おいしそうなのは変な風に「見せない」せいか。
撮影の時は、わざわざ吉野屋の腕のいい店長がみごとにきちっと盛り付けてくれたと監督の大根仁がTBSラジオのDigで話していた。ちなみに監督は自称・吉野屋原理主義者。学生時代は盛り付けが悪いと店を出たという。

なんだかふだんラジオやポッドキャストなどで聞いている連中の出演多し。吉田豪、杉作J太郎、ピエール滝などなど。ラジオにレギュラー出演している監督の人脈か。

画面がそのままカラオケビデオ調になったり、ミュージカルシーンになったりするあたりに音楽センスを見せる。
森山未来はもう見ていられないくらいイタい役なわけだが、突然身を翻したり踊りだしたりするところで身体能力を見せる。考えてみると冴えない男が幻想のミュージカルナンバーで颯爽としたところを見せるのは昔からの定番なのだね。(後註 五歳の時から踊っているそうです。うまいわけだ)

会社の上司・先輩たちが主人公のツィッターを見て大笑いしているというのはいいけれど、パスワード知らなくたって、本名でやっているツイッターをフォローするのに支障ないでしょ。というか、誰が見ているかわからないのに、無用心すぎ。

美女が四人そろい踏みというので見に行ったようなものだが、実質は長澤まさみが主で麻生久美子が従、あとの二人はおつきあい程度。四人揃うのはタイトルバックだけだし。
真木よう子は男でもいい役(なのを美人にやらせてるから、なおさらイタいわけだが)。仲里依沙に子持ちの役をふったのは工夫だけれど、出てなくても筋は通ります。

現代風の意匠をまとっていても、最終的にオーソドックスというか古典的な恋愛コメディに収まる。そのせいかキスシーンに力が入っている。
(☆☆☆★)

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