異端審問が拷問で無実の罪を強要するあたりはいやでも社会主義国家の恐怖政治を連想させ、処刑される前に三角帽を被らされているのはどの程度時代考証に忠実なのかわからないが中国の文化大革命を思わせる。
もっとも、こういうアナロジーが割とミエミエに感じられるのはどうかと思うけれど。
牢から出てきた後のナタリー・ポートマンのメイクがゴヤの絵の人物みたいなグロテスクに歪んでいて、よくやったと思わせる。
同じミロス・フォアマンの「アマデウス」のメイクもかなりデフォルメされていたし、「カッコーの巣の上で」のキャラクターも独特の歪みがあって、監督の体質かなと思わせる。
(☆☆☆★)