prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「上海の伯爵夫人」

2009年11月04日 | 映画
伯爵夫人とは革命で亡命したロシア貴族なのですね。アメリカ、ロシア、日本、世界中から主要登場人物が集まっているが、すべて根無し草。やたら上海の魔都的なイメージにとらわれず、吹き溜まり的な侘しさを出している。

ナターシャ・リチャードソンがこう早く亡くなると思わなかったので、異様な感じ。

上海のクラブで催されるさまざまな歌や踊り、芸能がエキゾチックで、丹念に見せてくれるのはいいけれど、その分テンポが遅くなった。

真田広之がよくある「怪しげな東洋人」のイメージとは違う、リアルに怪しい人物の感じをよく出した。
レイフ・ファインズが初め盲目の役だとわからないくらい、目をつぶったり、あるいはやたらかっと見開いたりしない普通の調子で目が見えない演技をしている。
(☆☆☆★)