prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「わたし出すわ」

2009年11月18日 | 映画
高校時代を回想シーンを作らずに校舎のいろいろな場所の静止カットに「オレ、魚と話せるひとなんだ」といった字幕がかぶさるだけで、学校生活がどのようなものだったのか想像させるのがうまい。「ハル」で字幕の喚起力と格闘した成果がここでも現れた。

北海道のヒヤッとするようなだだっ広い風景が、森田芳光作品らしいクールな感触を出す。

人にやたら無償で金をあげてまわるという、およそありそうにない行為をどう説得力を持たせるのかと思ったが、単純にどうもムリのある話です。
やたら無償で金をやるのは当人のためにならないという展開に当然なるのだけれど、わざわざ教えてもらうことではない。

ラストで母親に起こる奇跡のもっていきかたが、タルコフスキーの「サクリファイス」をちょっと思わせる。以前、タルコフスキーの特集番組で森田が出てきたのを見た先入観だけではないと思う。
(☆☆☆)


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トイレの鏡に貼られたお金に関することわざ。

「人生に大切なのは、勇気と想像力と、ほんの少しのお金だ」
チャールズ・チャップリン。


「貧乏だから正しく、金持ちだから間違っているとは限らない」
ユダヤのことわざ。