prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「デスノート the Last name」

2006年12月01日 | 映画
ライトvsエルのチェスのように何手も先を読んでの丁々発止の知恵比べぶりは、よくこれだけ考えたと思わせる一方で、できすぎじゃないか、とかそんなにうまくいくのかい、ともしばしば首をひねらせながらも、もともと荒唐無稽な話なのを盾に、最後までそれほど飽かさずひっぱる。

テレビでこんな報道やったらいくら視聴率とっても会社も担当者も命取りだぞ、と思うし、キラ信者などの群集や犯罪者の描写があまりに安っぽい。
あんまりほいほい簡単に人が死ぬので、なんだか人が死んでる感じがしなくなってくる。

ライトの本棚の世界文学全集とか法学部のテキスト、六法全書などの置き方が、あまりにそれらしい本を小道具さんが置きましたという形そのまんまなのは、いくら生活感を徹底して廃してゲーム的世界を構築している作りにしてもどうかと思う。使っている感じが全然しないのだもの。

本来、罪と罰の関係とか、人の命の軽重とか、法の存在意義といった倫理的なテーマにつながる話なのだけれど、こう軽いノリだとあまりマジメに考える気がしない。

出てくる女の子たちがまた、揃いも揃って生活感ゼロで美脚を競っている。
監禁シーンなど変態的になりそうであまりなっていない。「商品」としての線に従うとそうなるのかなという感じ。
(☆☆☆)