prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「猫と庄造と二人のをんな」

2006年09月27日 | 映画
昭和31年製作、谷崎潤一郎原作、八住利雄脚本、豊田四郎監督
出演 森繁久彌 山田五十鈴 香川京子 浪花千栄子

森繁の女たちに尻に敷かれっぱなしのダメ男ぶりが見事。尻に敷かれっぱなしのくせに、結局ワガママを通しているのだからほとんどご立派。
猫を溺愛して女たちよりよっぽど大事にしているのだが、当人が猫みたいなところあり。一方で、女たちがほいほい猫をぶん投げたりしている。アレ、今の猫好きが見たらひきつるかも。
題名は「二人のをんな」だが、浪花千栄子の母親が凄くて、お引きずり気味の女の山田五十鈴と三人に包囲されている観。

香川京子が享楽的な現代娘役っていうのが意外。初め誰だかわからなかったぞ。享楽的といったら、今は当時とは比較にならないくらいエスカレートしているし、今の目で見るとスタイル悪いので損している。
谷崎好みのフット・フェティシズムに適応する足の持ち主は、今だったら見つかるかもしれない。

三浦光雄の撮影は、特に室内シーンで表の明るさとのコントラストで夏の暑さをよく出した。

舞台は芦屋らしいのだが、地平線が見える。踏み切りにバーがなく、列車が近づいていても平気で横断できる。ともに今では考えられない情景。


本ホームページ

猫と庄造と二人のをんな - goo 映画