prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」

2003年09月06日 | 映画
原題は「マイ・ビッグ・ファット・グリーク・ウェディング」。この省略されたgreek(ギリシャの)が大きい。何かというとギリシャ語ギリシャ文化を誇り家長面している割に完全にかみさんの尻に敷かれている父親、学校の一クラスほどの人数でのべつ押しかけてくる親戚たちなど、とにかくギリシャ色一色。

そこでヒロインがギリシャ系でない相手と結婚するまでになるのだが、これといった障害がないのが珍しい。キャリアを身につけるのも容貌をぱっとしたものに変えるのも仕事を軌道に乗せるのも恋人を作るのも結婚するのにも、ふつうのアメリカ映画だったら、人種の違いとか父親の頑固さとか、障害物をいろいろ設定してそれを突破していく工夫でひっぱっていくのだが、ここではヒロインにふつう考えられる以上の努力をムリにさせていない。

二人が結婚するまでの話というより、一族が大きくなる話という感じで、ファットというのはヒロインが太っているというより、一族の繁栄のことを現わしているのかと思わせる。善意の人たちばかりなのは珍しくないが、すごく押し付けがましい割に、それが気にならないのは珍しい。

結婚相手の人種が何系なのかよくわからない。イアン・ミラーという名からアイルランドかなとも思うが、それらしい、よくある親戚が多いといった描写はない。(ヨーロッパの)言葉はすべてギリシャ起原だとしきりと言う父親の口癖からして、どれでもいいということか。
(☆☆☆★)


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