神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

「楽」の壁

2016-07-15 | 自宅サロン
今年度に限り、自宅サロンの中国茶教室「Salon de Leecha 麗茶」では
5月から10か月のスケジュールで「茶席コース」を設けています。

ご自身で茶席を作り、お茶を選び、お客様にお茶をお出しして楽しんでいただくことが最終目標です。
月一回のマンスリーコースに通う皆さんのほとんどが参加してくださっています。

麗茶のレッスンは基本的にお茶を美味しく楽しく味わう、というコンセプトですので
しつらえや茶藝についてはあまり細かく指導はしてきませんでした。

入ってくる知識量や情報量が急激に増え、
考える範囲が広がって少しとまどう生徒さんもいらっしゃるようです。

今までは教室に来て美味しくお茶を味わい、
おしゃべりを楽しみ、リラックスして過ごすだけだったのが
お茶のことをしっかり頭に入れ、
コーディネートや茶器についても考え、
美しい所作でお茶入れする練習もしなくてはならない。
確かに「自分にできるかしら?」「そこまでする必要があるの?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

先日の読売新聞の「人生案内」で回答者の増田明美氏が
音楽教師になるという夢を諦めきれない会社員の男性の相談に対する返信の中で
論語の「知・好・楽」について書かれていました。

「知っているだけの人はそれを好きな人に及ばない。
 好きな人は、それを楽しんでいる人には及ばない」※
と言う論語の一節についてのお話です。

楽しめることが一番、
でも楽しむのは決して楽な道ではありません、
覚悟も必要です。
やると決めてやれば後悔しません。がんばってくださいね、
要約するとそんな風に増田氏は回答されていらっしゃいました。

苦あれば楽あり、楽の前には必ず壁があります。
もちろんそれが苦痛やストレスになってしまったら本末転倒ですが、
お茶をただ飲んで楽しむというステージから、
美味しいお茶を人と分かち合う、というステージに向かうことで
今までとは違う景色も見えてくるのではないかと思います。

お茶の奥深さをより身近に体感し、
誰かと一緒に分かち合うことの喜びを知っていただけたら。
自分らしさを見失わず、お茶を真に楽しんでもらえたら、と願っています。


※「子曰、知之者不如好之者、好之者不如楽之者」(『論語』雍也第六 140)
  書き下し文は「子曰く、これを知る者は、これを好む者に如かず。
         これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」


■お知らせ■

★7月23日(土)開催のコラボ茶会「三涼物語」の第3部 15:30~17:15、2席余裕がございます。
 詳しくはブログ記事をご参照ください。

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