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神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

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台湾茶旅2018 茶縁その4

2018-07-02 | 茶旅
10年前にC小姐に連れて行ってもらって以来、
台北に行くと必ず九壺堂を訪れます。

今回も旅の二日目にkemiちゃんと一緒に新茶を買いに行きました。

何故か九壺堂では知り合いに会うことが多いのですが、
今回は食養山房の橘さんと再会。
日本に一度帰国していた橘さん、この4月からまた食養山房にお勤めなんだそうです。

旅行中にお茶と食事に来ませんか、と誘っていただいて、
その日の夜に合流したカトリーヌたちに聞いてみたら、是非行ってみたいと。
なかなか予約が取れないお店なので、このご縁はとてもありがたいです。


四日目の夕方、カトリーヌ、Kさん、Iさんと汐止の食養山房六號茶室に向かいました。

まずはいつものように二階の裏庭に面した部屋でしばし瞑想し、心を落ち着けます。

そして茶室へと案内され、橘さんが淹れてくださるお茶を堪能しました。
緑に囲まれたこの環境の中でいただくお茶は格別です。



霧淞烏龍茶 2017冬
東方美人 阿里山 2016

橘さんのお茶はお人柄が現れるよう。
しみじみ美味しく優しく体に染み渡ります。

その後一階に移り、お食事となります。



贅沢な空間で美味しい創作懐石料理をいただきながら
台北での最後の夜が更けていきました。


食養山房
  新北市汐止區汐萬路三段350巷5號/366巷6號
  料理(お任せコースのみ)1,250元
  料理と茶席 2,200元
  要予約(海外からの予約の場合は二日前にコンファームの必要あり)+886-2-26462266  
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台湾茶旅2018 茶縁その3

2018-07-01 | 茶旅
東方美人の製茶は夜を徹して行われます。

夕方、室内にカレキを移動させてからは
茶葉の様子を見ながら揺青、撹拌、静置、を繰り返します。


その合間にいろいろな烏龍茶や紅茶を試飲させていただきました。

翠玉、金萱、白鷺、青心大有(有の字は実際は月の二本線はなし)などの品種茶、
蜜香烏龍茶、蜜香紅茶、紅茶のそれぞれの作り方の違いによる味わいの違いなど、勉強になりました。




萎凋が終わると、布をかけて発酵に入ります。

その間に少し仮眠を取らせていただきましたが、いつの間にかぐっすり寝込んでいたような。危ない、危ない。

茶葉からは既に甘い香りが漂ってきます。



そして殺青に入ります。
目安の温度と時間はありますが、
殺青機の中の茶葉の音を聞きながら調整していくという経験値の高さが必要な工程です。



そして揉捻。
今回は手工による揉捻を見せていただきました。
芽の多い東方美人はとても繊細ですし、
均一に揉捻を加えるのはとても大変です。

最後は乾燥機でゆっくりと仕上げます。

二日目の午後は他の予定が入っていたため、
乾燥機から出した瞬間を見ることはできなかったのですが、
出来上がった茶葉は五色茶と呼ぶに相応しい色合いでした。



お世話になったLさん、Lさんご家族、Wさん、ありがとうございました!
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台湾茶旅2018 茶縁その2 

2018-06-19 | 茶旅
今回の台湾では幸いお天気に恵まれ、傘を使うことはほとんどありませんでした。
予定していた製茶体験も希望通り三日目に現地入りすることになりました。

今回の製茶体験は東方美人。場所は桃園。
こちらの茶廠では通常は製茶体験は受け付けていないようですが、
茶友のKさん、Iさん、カトリーヌの強力なコネに便乗させていただきました。

茶廠のLさんには全工程を見せていただき、とても充実した体験をさせていただきました。
現地でアテンドしてくださったWさん(日本で烏龍茶の製品化を進めていらっしゃいます!)にも本当にお世話になりました。

まずは茶摘み!



この可愛い籠に摘んだ茶葉をいれていくのですが・・・
2時間摘んでも全然一杯になりません。



それもそのはず、この大きさで摘むのですから、なかなか貯まらない。
おまけに腰痛持ちの私は休み休みだったので、皆の半分も摘めませんでした(ゴメンなさい)。

でも、それはもちろん想定内。
主力はLさんがあらかじめ頼んでくださったプロの茶摘みおばさん達です。

摘んだ茶葉はすぐにカレキに振り分け、室内萎凋に入ります。



萎凋は水分を飛ばすための大切な工程。
時間や場所などその日の茶葉の状態や天候を見ながら判断していきます。
ちょっとしたミスも出来上がりに影響してくるので、気が抜けません。

美人を作るには繊細な気配りが必要ですね・・・。
(その3へつづく)
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台湾茶旅2018 茶縁その1

2018-06-17 | 茶旅
今年も恒例、台湾へ。

今回は一緒に行こうと言っていた友人が行けなくなったり、
同じ日に合流するはずだった友人が用事で一日遅れで入ることになったり、
マイレージのキャンセル待ちが全然取れなかったりと当初から波乱気味。

その上、お天気頼みの製茶体験予定を入れていたので、
なかなか旅のスケジュールが確定せず。

一番の問題は私自身が5月初めにギックリ腰をやってしまい、
ずっと調子が戻らず、ギリギリまで製茶体験に行くかどうかを考えあぐねていたこと。
結局決心がついたのが出発4日前でした。

そんなこんなで今回は予定をしっかりと立てていませんでしたが、それでもやっぱり台湾の旅は最高です。
行ってしまえば茶縁を辿って旧交を深めたり新しい出会いがあったり。
こんなに楽しい旅ができるのも、お茶をやっているお蔭ですね!

第一日目は単独行動だったので、10年来の茶友のC小姐に連絡し、永康街で待ち合わせ。
C小姐の旦那さまと紫藤盧の元同僚Eくんと先輩Gさんも合流して『呂桑』で宜蘭料理をいただきました。

その後C小姐の家に場所を移し、試飲会。

前日に開催された台北書院の茶会でもお茶淹れをされたというG先輩が
茶海を使わない双杯品茗式で淹れてくださいました。
やはり最近は茶海を使わない茶人が増えているのかな。

5種類ほど飲ませてもらいましたが、
こだわりのC小姐のチョイスはさすがにどれも美味。

特に坪林雪山の包種茶が美味しかった。
この茶園は比較的新しく、去年から飲ませてもらっているのだけれど、
10年ほど前によく買っていた高山包種茶を初めて飲んだ時の感動が甦る感じ。

最近は発酵度高めの烏龍茶や蜜香タイプが流行っているので、
こういうクリアで爽やかな喉越しのお茶は逆に新鮮です。

教室で使える分をいただいてきたので、日本ではどんな風に入るのか楽しみです!
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広州茶旅2017 エピローグ

2017-12-07 | 茶旅
四泊五日の広州の旅もそろそろ終わりです。

広州はとても温かく親しみやすく居心地のいい場所でした。
同じ都会でも北京や上海は少しよそよそしい雰囲気を肌で感じるのですが、
広州でそういう疎外感を味わうことはありませんでした。


それにしても中国の経済発展は想像を超えるスピードでした。
噂には聞いていましたが、現金を持ち歩く必要など全くないくらいキャッシュレスが浸透しています。

普通の商店はもちろんのこと、タクシー(タクシー配車アプリの滴滴は現金決済ができない!)、
屋台まで「微信支付(WeChatペイメント)」のQRコードの看板が出ています。
スマホの微信アプリでQRコードを読み取って支払い手続きを取れば完了。
残念ながら日本でDLした微信アプリではペイメントは使えないようですが・・。

私は今回は日本で銀聯クレジットカードを作っていきました。
茶城でも茶館でも使えました。
ただ、このカードはATMのキャッシングはできないので、
銀聯デビットカードの方が使い勝手はいいかもしれません。


広州の魅力の一つは朝の飲茶。
今回は茶城の中にある「順日徳酒家」、
上下九路の「蓮香楼」、
同じく上下九路の「陶陶居酒家」に行きました(トップ写真)。

お料理は香港よりも素朴な感じ。
ポット式だけでなく、工夫茶式もあるので、お茶をじっくり味わえます。
自分で茶葉を持参するのもOKのようです。

一杯目のお茶は飲まずに食器を洗うのに使うのがデフォルト。
自分の身は自分で守れ、が浸透しているのが中国だ、と改めて実感しました(^^)。


広州、とっても楽しかったです!

Yuiちゃん、Kさん、お世話になりました。
広州の茶人の皆さま、またお会いしましょう!
ありがとうございました。
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広州茶旅2017 第六幕

2017-12-02 | 茶旅
旅の最後に訪れた茶荘は
以前から注目していて、
広州に来たら必ず行こうと思っていた場所。

広州天河区にある「老茶客」。
店主の柯科宇氏は「茶家十職」の李曙韵老師のお弟子さんでもあります。

YuiちゃんもKさんもお馴染みということで、
とても歓迎していただきました。

飲ませていただいたお茶は鳳凰単そう。
2016年の雪鳳凰(蜜蘭香)と老叢八仙(樹齢300年)。



雪鳳凰は最初はお店のスタッフの方が工夫茶式で濃いめに淹れてくれたのですが、
Kさんが3年ほど前に買った雪鳳凰よりも渋みが強いのでは、と言うと
柯さんが茶壺を替え、改めて淹れてくださいました。

リベンジ雪鳳凰は香りが立ち、バランスが良く感じられました。



鳳凰単そうは中国茶の中でも比較的淹れるのが難しいお茶です。
潮州ではかなり皆さん濃く淹れています。
そのままの淹れ方だと私たち日本人にはちょっと渋く感じられるかもしれません。

柯さんは潮州人。
潮州人のプライドをかけて鳳凰単そうについては
Kさんからの合格点をもらいたかったのでしょうね。

柯さんの潮州茶盤のコレクションも見せていただきました。
磁器製、陶器製、錫製、何と、タイル製まで!
何故タイル?とお聞きしましたら、
昔は庶民が安く買って工夫茶を楽しむためにいろいろな材質のものを作ったのだろう、と。



「老茶客」はとても理想的な茶荘だと思いました。

どんなタイプのお客さんにも対応しています。
茶葉も茶器も手ごろなものから高級なもの、老茶、骨董まで揃います。
スタッフの方もとても感じよく、オーナーの柯さんのお人柄が素晴らしい。

「老茶客」には近所からのお客さんのグループも多いようです。
購入した茶壺をお店に預けておくと、育ててもらえるサービスもあるとか。


こんなお店が身近にあれば・・と思いましたが、
お店を育てるのはお客さんなんですよね。
カリスマ店主の力だけではどうしようもない。
日本でこういうお店を支えていけるだけの中国茶人口はあるだろうか?
2000年前後の日本の中国茶ブームの頃を少し懐かしく思い出しました。
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広州茶旅2017 第五幕

2017-12-01 | 茶旅
黄埔を後にして向かったのはとある茶空間。
「未名東方」。

天河区の住宅地の一角にひっそりと建つ瀟洒な平屋。
一歩入れば広々としたギャラリー空間。
奥にはそれぞれ雰囲気の違う三つの茶室。
庭もほどよく手入れされ、都会の真ん中とは思えない心地よいサロンです。

YuiちゃんもKさんも初めての訪問。
オーナーの谷さんは楚々とした感じのマダム。
中国華道を嗜み、お茶は「茶家十職」で学んでいらっしゃいます。

ちょうど開店一周年記念ということで茶器のセールコーナーがあり、一同興奮気味。
宜興茶壺、日本作家の茶器が並ぶ中、広州の工房「浅喜」の道具がとても素敵でした。

私たちが「浅喜」に強く反応したことで谷さんが「浅喜」代表の陳さんに連絡を取ってくださいました。
陳さんは近くにお住まいとのことで、わざわざ立ち寄ってくださり、
奥の和室で谷さんが淹れてくださる武夷岩茶黄玫瑰を一緒にいただきながらお話をしました。

陳さんも「茶家十職」で茶を学ばれ、茶文化の奥深さと可能性に感動したお一人。
日本の茶文化にもとても興味をお持ちで、日本にもよくいらっしゃるということです。

「未名東方」の谷さんも今後はサロンで華道や茶文化を中心とした学びの場を拡げていく予定とのこと、
広州にも新しい茶文化の世界が展開し始めているのを実感しました。


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広州茶旅2017 第四幕

2017-11-30 | 茶旅
四日目の午前中は黄埔古港へ。

蓮香楼で朝飲茶をしてそのままタクシーで向かいます。
黄埔古村のバスターミナルでYuiちゃんと待ち合わせていたのですが、
渋滞で約束の時間に少し遅れたらYuiちゃんがいない!

場所もここでいいの?と不安になり、
ターミナルや警備のおじさんに聞いて確かめてみるものの
広東語なまりの言葉がよくわからず不安は募るばかり。

そうこうしているうちにYuiちゃんが泣きそうな表情で現れ、ハグし合いました。
Yuiちゃんはタクシーで違う場所に降ろされたそうで、焦って小走りで来たそうです。
広州のタクシーは地方から来て道を知らない運転手さんも多いし、
知ってて遠回りする運転手さんもいるし、油断なりません。
とりあえず会えて良かった!

それからは古い町並みを散策して楽しみました。



客家の乾物屋さんあり、
蜂蜜専門店あり、
小吃店や御菓子屋さんあり。



日曜日の昼ということもあり、大勢の人で賑わっていました。



「奶婆姜撞奶生姜」の生姜ミルクプリンが美味!
お椀に生姜を入れてもらい、そこにお姉さんが新鮮な牛乳を注いでくれます。
みるみるうちに固まって、プリンの出来上がり。

屋台を冷やかした後は、古港の近くにある「粤海第一関紀念館」を見学。
無料で参観できます。
広州が清代に唯一の対外貿易港だった時代を伝える写真や蝋人形や模型などが展示されています。



お茶が最も重要な輸出品であったことがよーくわかります。
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広州茶旅2017 第三幕

2017-11-24 | 茶旅
広州三日目は英徳紅茶の畑と工場の見学へ。

英徳へは広州市内から高速を使って車で3時間余り。
訪れたのは「怡品茗」というブランドの茶畑と工場です。

英徳市内にある工場から茶畑までは1時間くらいの距離があり、
まずは茶畑の近くの寺廟で担当者の方と待ち合わせ、そこで軽くランチを取ってから茶畑へ(トップ写真)。

こちらは新しく開いた茶畑だそうで、ほとんどが英紅九号の品種だそうです。



その後大湾鎮の生態茶園へ。
こちらは英徳紅茶が作られ始めた1950年代からの茶畑で、在来種(英紅種)や黄旦、英紅九号など様々な品種が植えられています。
山の奥には剪定などの手を入れていない古樹もあるとのこと。



(途中まではワンちゃんが案内してくれました)

標高はそれほど高くはありませんが、霧が出やいそうです。

茶畑を分け入って展望の一番いい場所に案内してもらいました。



何故か茶畑と工場は離れていて、その後1時間近くかけて工場へ。
(現在茶畑の横に作業場を建設中。)

工場は製茶の時期が終わり、すっかり綺麗に掃除されていました。



工場のブレンダーの方が試飲をさせてくださいました。

怡品茗の市販の缶装は基本的にはブレンドをしているそうです。
輸出を意識しているからでしょうか。

工場にはちょうど春茶と秋茶がそれぞれストックされているとのことでしたので、
市販の英紅九号の2017年《金装》缶、
英紅九号の2017年春茶、出来立ての2017年秋茶、
英徳紅茶(いろいろな品種のブレンド)の2017年《金装》缶を飲ませていただきました。
一芯二葉の上質な紅茶です。
怡品茗ブランドとしてブレンドされた≪金装≫の味の安定感が印象的でした。

英紅九号の≪金毫≫も飲ませていただきました(上写真、右下)。
一芯一葉の貴重な紅茶です。
品種の違いのせいか、雲南の金毫紅茶に比べるとちょっとパンチが足りないような気もしました。
英徳紅茶の良さは一芯二葉の方が出ているかもしれません。

工場を後にしたときにはもうすっかり日も暮れ、
夜の高速をタクシーはひた走り、広州へと戻りました。
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広州茶旅2017 第二幕

2017-11-21 | 茶旅
広州二日目、茶城でショッピングした後は嶺南古玩城へ。

ご一緒してくださったのはYuiさんの茶友in広州、Kさんです。
Kさんは上海でお茶を学ばれ、その後台湾にもお住まいになり、現在は広州在住、
中国茶も台湾茶もスペシャリストの方です。

骨董は玉石混交?
茶器はそれほどたくさんありませんでしたが、
お手頃価格で少し年代ものの蓋碗をひとつ持ち帰りました。

そのまま広州の古い町並みを散策し、軽く夕食を取ってから向かったのはとある茶館。

出発前にYuiさんからどこか行きたい場所の希望は?と聞かれ、
飲茶のできる茶館以外に、現代的な茶館もご紹介くださいとお願いしていました。

YuiさんとKさんがチョイスしてくださった一軒目は「嘆茶来」茶館。
広州茶文化促進会の副秘書長を務め、茶藝の指導に携わって20年近くのキャリアを持つ鄧婷老師がオーナーの茶空間です。

窓際や仕切りの棚に茶や茶器がディスプレイされ、
中央に長机が置かれた部屋は心地よい広さで、茶館というよりはサロンの趣。

まずはプーアル生茶を飲ませていただき、同席の方々とご挨拶。

続いて鄧老師は日本から来た私たちのために特別に擂茶を用意してくださっていました。
江西省出身の鄧老師は小さい頃から擂茶に親しんでこられたとのこと、
お客様が見えた時には必ず振る舞われるのだそうです。



茶の生葉はあらかじめ細かくすりつぶしておきます。
そこにピーナツ、ゴマ、ミントを加え、湯を適宜足しながらすり鉢ですりつぶしながら混ぜます。



一人一人すりつぶし体験!

出来上がったらお好みで砂糖を加えていただきます。



ゴマとピーナツの香ばしい香り。
ピーナツに塩分があるので、ほんのり塩気と砂糖の甘さで飲みやすく美味しい。
特に決まったレシピはなく、その家庭の味というのがあるというのも面白いですね。

この日は鄧老師のリクエストで表千家茶道をたしなむKさんが茶の湯をその場で点ててくださいました。
これぞ日中お茶交流ですね。



表千家の点て方と裏千家の点て方の違いも体験していただくために、
僭越ながら私も裏千家の方法で茶筅を振らせていただきました。

今、中国では抹茶のお菓子がとても人気だとか。
宋代の点茶に通じる日本の茶の湯にもとても関心が高いようです。


鄧老師のお話を伺っていて、今の中国の茶文化復興の思いの強さを感じます。
茶藝のやり方もしつらえも刻々と変化しています。
今はお茶は健康志向、しつらえはシンプルイズベストに向かっているという印象を受けました。

そして、茶藝館などでの茶藝披露や
茶会での華美な演出よりも
これからは生活の中に茶文化を取り入れ、
茶によって生活に潤いを持たせ、精神的にも余裕を持つ、
という意識にベクトルが向いているのを感じました。

店名の「嘆茶来」ですが、広東では飲茶を「嘆茶」とも呼ぶのだとか。
「嘆」は広州の俗語で、「享受する」という意味。
英語で言えばENJOYに通じる意味でしょうか。
鄧老師の思いが「嘆茶来」の文字に表れているような気がしました。
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