万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

強欲な中韓-大陸棚はEEZに優先しない

2012年12月28日 15時47分20秒 | アジア
 東シナ海をめぐり、最近、中国と韓国は、相次いで自国の大陸棚を延長するよう、国連に申請したと報じられております。驚くことに、両国とも、沖縄トラフまでを自国の大陸棚と主張しているというのです。

 沖縄トラフと言いますと、沖縄の目と鼻の先であり、日本国のEEZに含まれていることは一目瞭然です。この無謀な申請から見える両国の態度とは、”日本国のEEZは無視せよ”と言うものです(沖縄トラフに面してもいない韓国に至っては、全くナンセンスな主張…)。確かに、国連海洋法条約は、200乖離を越えての大陸棚延長を認めていますが、この条約をひっくり返しても、どこにも、”大陸棚はEEZに優先する”という条文はありません。日本国のEEZもまた、同条約によって保障されている権利なのです。仮に、中国と韓国が、日本国のEEZの権利は、国際法において保障されておらず、自国の大陸棚の権利だけが認められるべきと考えているとしますと、その態度は、あまりに利己的で強欲です。しかも、日本国の尖閣諸島と男女群島は、中韓の主張する大陸棚の上にありますので、日本国もまた、大陸棚に対する権利を保有しているのです。

 国連海洋法条約では、複数の国の間で境界画定に関する争いがある場合には、当事国間の合意によって解決すると定めており、合意に達しない場合には、他の平和的な手段(調停、国際海洋法裁判所、ICJ…)が選択されることになります。この規定に基づけば、中韓の大陸棚延長が承認されるはずもなく、中韓は、同条約の条文のうち、自国の都合のよい部分だけをピックアップしているのです。こうした利己的な国際法の解釈に基づく要求を繰り返すようでは、中国も韓国も、国際社会からの信頼を失うのみで、得るものは何もないと思うのです。

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コメント (2)
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