万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の電力は大丈夫?-三峡ダム問題

2020年07月31日 12時35分11秒 | 国際政治

 中国大陸に降り続く記録的な雨は、世界最大級のダムとして長江中流域に建設された三峡ダムを瀕死の状況に至らしめているようです。決壊も懸念される事態となりましたが、同ダムは、世界最大の水力発電所でもあります。

 

 同ダムの発電量は年間2250万キロワットに上り、原子力発電所や大型火力発電所で換算しますと16基分に当たるそうです。中国当局は、目下、上下流域における水害被害を承知の上で大量の水を放出し続けているのですが、決壊危機の中、同ダムの発電所は稼働しているのでしょうか。上流から濁流が流れ込み、既に警戒水位を超えているのですから、水力発電所は稼働を停止していると考えてしまいがちです。それでは、中国の電力事情は、実際には、どのような状況なのでしょうか。

 

 記録的な豪雨は6月に既に始まっていたのですが、人民網日本語版によれば、少なくとも7月9日頃の時点では、三峡ダムを含めて長江流域に設置されている4つのカスケード式ダムが今年初めてフル稼働と記録したことを誇る記事を発信しているのです。「経済・社会の質の高い発展にクリーンエネルギーの原動力のサポートを提供した」として…。発電総量は、全84基で3953万キロワットとされています。三峡ダムの発電量が中国の消費電力総量の2%ですので、4%弱が長江の水力発電に依存していることとなりましょう。

 

 新型コロナ禍による都市封鎖により経済活動が一時停止した中国では、習近平国家主席の旗振りの下で、経済のV字回復政策が推進されています。同記事の論調からしますと、中国政府は、水害による国民の被害を心配するよりも、電力供給量の増加を‘経済回復に力強く信頼性の高い「電力エンジン」’をとして賞賛しているのです。そして、いささか気にかかる点は、同記事は、「発電機年間検査・修理及び複数の重要設備の改造を速やかに完了」と記している点です。もしかしますと、中国政府は、異常気象等による豪雨の発生を予測しており、上流域から大量の泥水が流れ込んだとしても、それに耐えうるように予め水力発電施設の強化を図っていたのかもしれないのです。つまり、治水よりも発電を優先していたとも言えましょう(人工降雨説の論拠もこの点にある?)。

 

 水害については、記事の最後の部分において、4つのカスケード式ダムの共同調節の実施によりピークをずらし、「長江流域の洪水対策の安全、人々の生命・財産の安全を保証する」と申し訳程度に述べていますが、実施には、広範囲に及ぶ洪水が発生していますので、長江の治水には失敗しています。それでは、同記事の発信から20日以上を経た今日、水力発電所は、正常に稼働しているのでしょうか。実のところ、発電所が現在どのような状態にあるのかを知るすべはありません。中国当局による情報統制のために、水害のみならず発電関連の報道も乏しいからです。

 

もっとも、三峡発電所の電力供給範囲は、湖北省、湖南省、江西省、河南省、広東省、上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、重慶市とされていますので、これらの地域における電力供給状況を観察すれば、ある程度、長江流域の水力発電所の状況を推測することはできます。仮に、電力供給に不足が生じているとなれば、水力発電所は稼働停止の状態にある可能性は高くなります。そして、三峡ダム決壊論も現実味を帯びてくるということになりましょう。三峡ダムが決壊する、あるいは、大量放水によって大都市が水没すれば、当然に、長江流域に設置されている原子力発電所も稼働停止となりますので、中国は、深刻な電力危機を迎えるかもしれません。それは、中国政府のV字回復シナリオを打ち砕くと共に、既に揺らいでいる「世界の工場」としての地位をも揺さぶることでしょう。

 

果たして、中国政府は、水害に苦しむ自国民を犠牲に供しつつ、今なお、豪雨による水力発電の最大出力にほくそ笑んでいるのでしょうか。それとも、予想外の水力発電所の稼働停止のみならず、三峡ダムの決壊、あるいは、未曽有の洪水の発生を目前にして、狼狽えているのでしょうか。何れにいたしましても、新型コロナウイルス時と同様に情報隠蔽体質の中国政府が正確な情報を提供するはずもなく、日本国政府を含む各国は、中国の電力状況の変化などの僅かな兆候も見逃さず、リスク管理として、在中自国民の退避措置の準備にも取り掛かるべきではないかと思うのです。


‘前門の虎後門の狼’とは中国とIT大手?

2020年07月30日 11時59分34秒 | 国際政治

 新型コロナウイルス禍を自らの勢力拡大のチャンスとした勢力は、凡そ二つあります。その一つは、武漢を発祥地としながら同感染症のパンデミック化を放任し、他国の混乱に乗じて拡張主義政策に乗り出した中国であり、もう一つは、都市のロックダウンや自宅待機要請を機にオンライン化を社会全体に浸透させたGAFAといったIT大手です。

 

 新型コロナウイルスに関する謀略説の真偽は不明なものの、中国とGAFAとは、密接な関係にあります。グーグル社については、中国市場からは撤退しているものの、米軍統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォード氏は、議会において同社が中国からプロジェクトを受注していたと証言しています。この証言については同社が否定したために一旦は収まったものの、その後も、同社の急進左派的な政治スタンスが‘国家反逆的’であるとしてトランプ政権から批判を受けているそうです。

 

他の三社はより中国との関係が明白です。アップル社の世界最大の工場は中国に設けられてきましたし、今般の米中対立の流れにあって、今後、2割ほどはインド等に製造拠点を移すそうですが、昨日の報道によりますと(7月29日)、新たに中国の「舜宇光学(Sunny Optical Technology)」をサプライヤーに加えるそうですので、脱中国の本気度は疑われます。

 

一方、フェイスブック社と中国との関係は、同社の創始者であり、かつ、同社の株式の75%を保有するマーク・ザッカーバーグ氏と中国の習近平国家主席との間の個人的な繋がりに見出すことができます。同氏の夫人はベトナムに移住していた華僑出身であり、子供の名付け親は習主席その人であったとされます。中国人民元のデジタル化構想とリブラ構想が凡そ同時期に打ち上げられたのは、単なる偶然出会ったのでしょうか。

 

そしてアマゾンもまた、中国との間には密接な繋がりがあると言わざるを得ません。アマゾンの通販サイトを見ますと、とりわけ、IT機器や日用雑貨にあって商品の大半を占めているのは中国製品です。同社は、ネット通販事業についてはアリババに押されて中国から撤退することとなりましたが、今なお、中国に同国製品の輸出ルートを提供し続けているのです(しかも、ユーザーに対して中国製とは明記していない…)。

 

以上に述べましたように、中国とIT大手が強く結びついている故に、謀略説も実しやかに囁かれることとなったのでしょうが、今日、両者とも、日本国を含めた普通の国家や国民にとりましては看過し得ない脅威となりつつあります。中国の場合には、軍事面に関心が集まりがちですが、情報収集による国民監視システムの脅威については、両者は共通しています(この点、中国のIT大手も脅威…)。全体主義国であれ、自由主義国であれ、ITの急速な普及は、広範な個人情報をも掌握している国家、もしくは、民間のIT大手によって、全国民が厳格な監視体制に置かれる恐怖を与えているのです。この脅威は、IT大手のお膝元であるアメリカにおいても同様であり、米司法省がこれらの企業の寡占を問題視して規制強化に動いているのも、故なしとは言えないのです。

 

GAFAを4人の騎士に喩えて称賛する向きもありますが、4人の騎士が忠誠を誓い、仕えているのは中国なのでしょうか。それとも、中国の背後に潜む国際金融財閥といった影の組織なのでしょうか。マイクロソフト社も、新型コロナウイルスのパンデミック化を好機としてワクチン事業を世界大に展開しようとしていますが、同社は、5人目の騎士なのでしょうか。もっとも、新型コロナウイルスについては、中国とIT大手との間には何らの協力関係もないのかもしれませんが、少なくとも、人類の対する脅威と言う側面においては、中国が前門の虎であれば、IT大手は後門の狼のように思えるのです。


安倍首相土下座像の題は‘永遠の不和’では?

2020年07月29日 11時39分23秒 | 国際政治

 親韓派の政治家やマスメディアは、口を揃えるかのように日韓関係には相互理解が大事であると語り、両国間の交流の促進を促してきました。政治関係が冷え込んでいる時でも、民間レベルでの交流は継続すべきと主張してきまたのですが、この方針、今般、韓国で設置された「永遠の贖罪」と題された安倍首相の土下座像を見ますと、およそ現実離れした空論のように思えます。

 

同像を造ったのは平昌市の私営植物園(韓国自生植物園)の園長である金昌烈氏であり、れっきとした民間人です。そして、同像をめぐって賛否両論の論争が韓国国内で起きているように、これを支持する民間の韓国人も少なくないのです。仮に、土下座像に自らの願望の実現を託したとしても、それは、公衆の場ではなく、自宅の一室や庭などの私的な空間でも構わないはずです(それでも、密かに呪詛しているようで不気味…)。しかしながら、金氏は、敢えて自身が経営する植物園に設置して来園者に公開しようとしたのであり、同植物園を訪れる来園者の多くも同像に共感し、留飲を下げると考えたからなのでしょう。韓国の一般の人々は心の中では親日であるとする主張は、今般の騒動を見る限り、親韓派の希望的観測に過ぎないようなのです。

 

 そして、多くの日本人は、まずは同像の構図に驚いたことでしょう。否、背筋が寒くなったと表現する方が適切であるかもしれません。土下座は、誤る方が自らの非を認め、許す側に完全に屈服する構図となりますので、‘慰安婦’とされる少女を前にして日本国の首相、否、日本国の代表が土下座のポーズで謝罪を請う姿は、日本人にとりましては正視に堪えません。しかも、歴史的一場面を記念として再現したわけでもなく、完全なる空想の産物なのです。人とは、自らの理解の範囲を越えた存在に出会いますと、恐怖心や嫌悪感を懐くものです。安倍首相の土下座像は、まさにこのケースに当たると言えましょう。

 

一方、たとえ憎しみや恨みの抱く相手国であったとしても、日本人の多くは節度をわきまえていますので、たとえ不快な相手国であっても、その公人を公然と侮辱するような表現は避けるものです。仮に、文在虎大統領が戦争末期にあって朝鮮半島で虐殺された日本人少女に対して土下座する像を造ろうとすれば、提案者に対して誰かが必ず反対することでしょう(ベトナムにあって、文大統領がライダイハンの少女を前に土下座する彫像が設置されれば、韓国の人々は激怒するのでは…)。否、土下座の構図の発想さえ頭に浮かんでこないかもしれません。金園長の発想自体がおよそ日本人の理解を越えているのです。

 

加えて、慰安婦問題は、昨今、韓国国内でも‘賠償金ビジネス’であった実態が明るみになると共に、元慰安婦たちの証言が二転三転しているように歴史的根拠も曖昧です。日本軍が強制連行して強制的に労働を強いたわけではないことは当時の資料からも明らかです。それにも拘わらず、‘永遠の謝罪’と称して平然と既成事実化しようとする態度の厚かましさに、多くの日本人の理性が悲鳴を上げていると言っても過言ではありません。韓国人に対しては、理性も道理も通じないのですから。

 

結局、今般の一件によって、日本人の多くは、韓国の人々とは、日本国を徹底的に貶めるようとする傾向にあり、自国が日本国よりも上位にあるためには、手段を択ばない人々であると理解したことでしょう。日本人に対して不快感や屈辱感を与えることを十分に承知しながら敢えて侮辱的な行動をとるのですから、民間レベルにあっても友好関係など望むべくもありません。一般社会にあっても、一度でもこうした底意地の悪い行為を行えば、自ずと隣人は離れてゆき、もはや良好な関係を築くことは殆ど不可能となりましょう(もっとも、中国から謎の種子が米英の一般宅に送付されるという事件が多発しており、仮に留意点があるとすれば、同像の設置場所が植物園であったこと…)。韓国では、同土下座像は「永遠の贖罪」と命名されているそうですが、日本国にとりましては、両国間の「永遠の不和」を象徴する像となったのではないかと思うのです。

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次期総選挙では米中選択を争点に―試される日本国の民主主義

2020年07月28日 12時30分55秒 | 国際政治

 7月13日のポンペオ国務長官の演説を機に、米中の間では総領事館閉鎖の応酬に至り、米中対立のステージは一段上がった感があります。こうした中、日本国内では、‘日本国は、米中のどちらにつくのか、旗幟を鮮明にすべき’とする声も聞かれるようになりました。

 

 しかしながら、考えても見ますと、このような問いかけは、本来であればあり得ないはずです。何故ならば、日本国はアメリカと軍事同盟を結んでいるのですから。しかも、中国は、虎視眈々と尖閣諸島を狙っており、同諸島を手にした後は、沖縄、九州と侵略の歩を進めてくることでしょう。安全保障上の最大の脅威が中国であるのに、日本国がその中国を選ぶはずもありません。少なくとも日本国民の大多数は、同選択の回答についてはアメリカ一択と考えているはずです。

 

 ところが、現実には、米中対立の激化を背景として、あり得ないはずの米中間の二者択一が問われております。その理由は、日本国政府、あるいは、政権与党内部における‘菅・二階・今井・公明ライン’とも表現すべき親中派勢力の伸長にあるのでしょう。近年の日本国政府の親中に向けた方針の急転換は、日本国の政治の中枢において親中派勢力が多数を占めつつある現状を示しているのです。そして、こうした日本国政府の中国傾斜は、今日にあって日本国民との間に軋轢を生んでおり、国民の多くが政府不信を募らせる原因ともなっているのです。

 

 この流れからしますと、日本国政府が、国民世論を完全に無視して中国を選ぶシナリオも想定され、日本国民にとりましては最悪の事態です。自らの意に反して突然に中国陣営に組み込まれ、昨日まで同盟国であったアメリカと戦わされることとなるのですから。しかも、中国陣営の対米最前線として…。自衛隊の士気も著しく低下するでしょうし、日本国民の間からも対米戦争に対する反対運動が起きるかもしれません。

 

 それでは、こうした事態は、どのようにすれば回避することができるのでしょうか。この問題の解決の鍵は、日本国の民主主義にあります。つまり、国政選挙にあって、各政党、並びに、各候補者に対して、選挙公約に米中の何れを選択するのかを明記するよう、国民の側が要求するのです。いわば、‘踏み絵’を踏んでもらうということにもなるのですが、この方法ですと、有権者は、自らの政策選択として中国支持を公約とした候補者を落選させることができます。言い換えますと、米中選択を国政選挙における争点に設定すれば、自ずと親中派の政党や議員を排除することができるのです。

 

 もっとも、政治家とは得てして狡猾なものですので、IRの誘致などでも観察されたように、国民からの反対を受けそうな政策については、選挙の争点から外してしまう、賛否を明言しない、あるいは、虚偽の公約を掲げるといった姑息な手段を以って、国民から迫られた選択を避けようとするかもしれません。こうした場合には、これらの忌避行動をとった候補者は、親中派とみなしても構わないのかもしれません。同候補者は、親中派であることが選挙にあって不利であることを自覚するが故に、同選択から逃げたと推測されるからです。そして、自らの本音を隠そうとする行為自体が国民に対する不誠実さの現れであり、本心を誤魔化し、重大な局面にあって自らの姿勢を表明できないような小心な候補者は、そもそも政治家の資質を欠いているとも言えましょう。

 

 政界では、既に衆議院の解散時期も議論されるに至っているようですが、次期国政選挙にあって最も必要とされ、かつ、日本国の民主主義が試される争点は、米中選択ではないかと思うのです。‘米中のどちらにつくのか、旗幟を鮮明にすべき’とする問いについては、政治家の多くが、両国から迫られている選択のように捉えがちなのでしょうが、実のところ、同選択への誠実なる回答は、主権者である国民が政府に対して求めている回答でもあるのではないでしょうか。


三峡ダムも新型コロナウイルスの二の舞に―中国の情報隠蔽問題

2020年07月27日 12時39分46秒 | 国際政治

新型コロナウイルス感染症のパンデミック化により、日本国を含め、目下、多くの人々が感染リスクに晒されると共に、不自由な生活を強いられております。経済的な損害も甚大であり、同パンデミックの元凶となった中国政府に対する批判は高まるばかりです。共産党一党独裁体制下における情報隠蔽こそ諸悪の根源であるとして…。

 

 新型コロナウイルス禍に際して、中国は、その発症のみならず、人から人への感染など、同ウイルスに関する重大な情報を国際社会に提供せず、その隠蔽を選択しました。自国の体制維持のためには自国民おろか、ましてや他国の人々の命など歯牙にもかけなかったのでしょう。この結果、今日、全世界で凡そ63万人が犠牲となり、一日の新規感染者数も20万人を越えています。諸外国に比べて死亡者数が少ないとされる日本国でも、死亡者数は1000人に迫っており、昨今の感染者の増加傾向からすれば予断を許さない状況にあります(もっとも諸説が入り乱れ、正確な予測は難しい…)。国家による情報隠蔽の恐ろしさを誰もが経験したことになるのですが、中国政府は、またもやこの過ちを繰り返しそうなのです。

 

 中国が繰り返している過ち、それは、長江の中流域に建設された世界最大規模の三峡ダムに関する情報隠蔽です。中国では、異常気象に起因してか、今年は例年になく豪雨が続き、流れ込む膨大な水量に耐え切れず三峡ダムが決壊の危機にあるというのです。この三峡ダムの決壊危機をめぐる状況は、どこか、新型コロナウイルスの発生時の際の中国政府の対応を思い起こさせます。中国政府も、ようやく同危機を公式に認めたものの、それまでの間、三峡ダムが決壊の危機にあり、下流並びに上流において深刻な水害が発生している事実について報道を控えてきました。ようやく公式に水害の発生を認めたものの、7月13日に中国応急管理部が公表した水害による死亡者数は僅か141人あまりです(全国の被害住民数は3789万人…)。

 

 その一方で、ネットに投稿されている動画は、水害の深刻さを映し出しています。新型コロナウイルス時にあっても、民間人が投稿した動画では、街路を歩いている人が突然に倒れたり、病院内で子供たちの遺体が無造作に袋詰めにされるなど、武漢における凄まじい感染状況を伝えていました。今般の水害についても、ネット上にアップされた動画を見る限り、中国政府は、被害を過小に見積もっているとしか考えられないのです。今般の九州地方の豪雨では、熊本県を中心に57名の方々が犠牲となられ、2人の方が心肺停止の状態となり、12人の方々が未だに行方不明となられております。日本国は山がちとはいえ、これ程の人的被害が発生しているのですから、中国大陸を横切るように滔々と流れる長江の水害にあって141人と言う数字は俄かには信じられません。新型コロナウイルス時においても、中国政府は、感染者数や死亡者数について過小な数字を公表し、正確な数字を隠していますので(今なお、中国が公表したデータには疑問が呈されている…)、おそらく、今般の水害の被害者数も桁数が違っているものと推測されるのです。

 

 こうした被害者数の数字の操作のみならず、中国政府は、三峡ダムの崩壊リスクや水害予測についても、正確な情報を国際社会に対して提供しようとはしていません。三峡ダムの強度についてはそれを建設した中国政府しか知り得ませんし(常識を超えるかなりの突貫工事であったらしい…)、水害を受ける地域につきましても、中国政府の放水方針の如何によって、大きな違いが生じるからです。下流地域を援けるのか、上流地域を援けるのかをめぐり、習近平国家主席と李克強首相との間で対立があったとする指摘もありますが、今や、放水方針の決定は、重大な政治問題と化しているのです。

 

 このことは、三峡ダムの決壊、あるいは、中国政府の放水方針の決定次第では、中国に在住している外国人の命が危険に晒されていることを意味します。仮に、何らの事前警告や退避措置もなく濁流が押し寄せるとしますと、中国国民のみならず、在中邦人を含め、外国の人々にも被害が及ぶこととなりましょう(同ダムが決壊した場合、最悪の場合には、下流域に居住している凡そ6億人が被害に遭うとも…)。長江の中流域にはかの武漢もあり、河口南岸には人口2400万人の大都市、上海が位置しています(上海には凡そ4万人の邦人が在住…)。新型コロナウイルスとは違い、水害が国境を越えてパンデミック化することはありませんが、在中国の外国人が犠牲になると共に、東シナ海の環境汚染や原発事故も起こり得ますので、三峡ダム問題は、最早、中国の国内問題とは言い切れないのです。

 

 今や中国の三峡ダム問題が国際問題化しているとしますと、今般の中国政府による情報隠蔽、あるいは、情報操作は無責任極まりなく、未必の故意と言う意味において犯罪的行為とも言えましょう。日本国政府を含む各国政府とも、中国に対して情報の開示、並びに、自国民の安全確保を、強く求めるべきなのではないでしょうか。このまま中国の情報隠蔽体質を放置しますと、新型コロナウイルスにおける教訓は、全く活かされていないこととなるのではないかと懸念するのです。


‘ファーウェイ排除のリスク’を上回るリスクの存在

2020年07月26日 11時40分40秒 | 国際政治

 本日の日経新聞朝刊には、フィナンシャル・タイムズの元編集長であったライオネル・バーバー氏が「英のファーウェイ排除が招くリスク」と題する論考を寄稿しておられました。アメリカの呼びかけに応じて日本国、イギリス、フランスなどの自由主義国によるファーウェイ製品排除の決定が続く中、同氏は、ファーウェイ排除には対中ビジネス全般にマイナス影響を及ぼすリスクがあり、このリスクから判断すれば望ましい政策ではないと主張しております。

 

 その論拠は至って単純であり、中国から経済上の報復を受けるからというものです。同氏は、新型コロナウイルスの発生源に関する独自調査を要求したオーストラリアが、畜産食肉をはじめとした特産品を中国市場から締め出された事例も挙げていましたが、同氏の立場からすれば、最も恐れているのは、HSBCホールディングスやスタンダードチャータード銀行など、香港に足場のある英系金融機関の収益悪化なのでしょう。両行とも、香港国家安全維持法の制定に際して、既に北京政府に対して‘忠誠’を誓っていますが、英中関係がさらに悪化すれば、何らかの制裁的な措置や妨害を受ける可能性が高まるからです。

 

 中国は既に報復を警告しており、バーバー氏の見解は、香港にあって北京政府によって人質に採られている英系金融機関、あるいは、中国との関係強化を望むロンドンのシティーの利益を代表しているとも言えましょう。世界に先駆けてオフショア人民元取引を始めたのはシティーであり、人民元の国際化にも一役買っています。もしかしますと、中国の経済・金融政策の指南役であり、かつ、同国の急成長を裏から資金面で支えたのも、シティーであったかもしれません(シティーは、香港に代わる中国本土の金融の中心地として北京政府が育てている上海証券取引所との関係強化も求めているとも…)。こうした背景を考慮しますと、同氏は通商や金融上の利益しか眼中になく、同氏の言う‘リスク’とは、経済上の損失や不利益に他ならないことは疑いようもありません。

 

それでは、アメリカやオーストラリアは、バーバー氏が指摘したリスクに思い至っていない、あるいは、これらを完全に無視して排除に踏み切ったのでしょうか。経済以外の諸リスクに目を向けますと、そうとは思えません。むしろ、自らも損失を被るリスクを承知の上で、ファーウェイ排除を決断しているように思えます。政策決定に際し、これらの政府は、起こり得るあらゆるリスクを比較考量しており、その結果、経済的なリスクよりも政治的なリスクを重く見たのでしょう。政治的リスクとは、最悪の場合には、全世界の情報通信ネットワークを掌握した中国によって自国が支配され(中国が制空権や制海権を握ったに等しいのでは…)、自国が共産党一党独裁体制をモデルとした全体主義体制に移行させられると共に、国際法秩序が根底から破壊され、国際社会全体が無法地帯化するリスクです。言い換えますと、オーウェルの『1984年』に描かれたような徹底した国民監視体制が敷かれ、自由も民主主義も法の支配もなき暗黒時代を迎えるという、ディストピア化のリスクです。

 

経済的リスクは織り込み済みなである以上、喩えバーバー氏が自説に基づいて‘リスク’を力説し、アメリカやオーストラリアの政策決定者に翻意を促したとしても、これらの諸国が、同氏の意見を受け入れるとは思えません。経済的なリスクは、代替的な手段の模索やビジネス戦略の立て直しに等によって対応ができますが、政治的なリスクは、一旦、それが現実のものとなりますと、自由、民主主義、そして法の支配を取り戻し、暴力と脅しを強制力とする全体主義体制から脱するには、より大きな犠牲を払わなくてはならなくなるからです。実際に、アメリカやオーストラリアの対中姿勢は厳しさを増すばかりです。

 

バーバー氏は、結論として、‘イギリスは中国との全面対決は避けるべき’と述べていますが、おそらく日経新聞に掲載された理由も、日英ともにアメリカとは一線を画し、中国との関係を維持しようという‘お誘い’なのでしょう。つまり、アメリカから旗幟を鮮明にするように迫られたとしても、お茶を濁して‘コウモリ’に徹しましょう、と言うことなのかもしれません。現状にあっては地政学的に中国の脅威に晒されておらず(もっとも、将来的にはイギリスも蚊帳の外ではいられない…)、また、中国経済の育ての親とも目されるシティーを擁するイギリスとしては、こうした宥和的な政策も選択肢の一つなのでしょうが、日本国にとりましては、中国の拡張を許すことは死活問題となります(この点、オーストラリアも同様の立場に…)。そして、対中経済関係の維持は、同盟国であるアメリカに対する背信行為ともなりましょう。日英両国が、利己的動機から国際社会が暴力主義に覆われるのを手助けしたともなりますと、それはあまりにも罪深く、人類の未来に対して無責任ではないかと思うのです。


日本企業は中国撤退を急ぐべきでは?

2020年07月25日 11時45分19秒 | 日本政治

 日本国内におけるネット上の世論の反応を見ておりますと、新型コロナウイルス感染症のパンデミック化もあり、中国の共産党一党独裁体制、並びに、香港国家安全維持法の制定を含む政策を積極的に支持する意見は殆ど皆無に近い状況にあります。一つ二つ肯定的な意見が見られるとすれば、それは、中国が世論誘導を目的に全世界に放った工作員による書き込みなのでしょう。文章表現にどこか共通の‘くせ’がありますし、人を人とも思わない残虐性や醜悪な支配欲に耐えうるメンタリティーを持っている人は、人類にあって僅かしか存在しないからです。

 

 誰もが、一刻も早くに危険極まりない中国という国から離れたいと思うのは、人としての自然な感情あり、理性に照らしても当然の判断でもあるのですが、残念なことに、日本国政府をはじめ、日本国の政界の反応は一般世論とは違っています。未だに親中派が政権の中枢にあって影響力を維持し、中国に対して明確な対決姿勢を示せずに狼狽えています。同盟国であるアメリカとの温度差は歴然としており、ここでも日本国政府は、中国への配慮を優先されていると言わざるを得ないのです。

 

 それでは、何故、日本国政府の態度はかくも煮え切らないのでしょうか。その理由として挙げられているのは、経済界からの圧力です。中国市場において利益を得ている日本企業が、中国からの撤退を渋っているというのです。しかしながら、この説、しばし吟味してみる必要があるように思えます。

 

 そもそも、経済界圧力説が想定している‘経済界’とは、日本企業、とりわけ、大企業です。しかしながら、‘規模’が競争上の優位性を約束し、質よりも量を求めるグローバリゼーションとは、必ずしも日本企業にとりまして決して有利な流れではなく、その実態が、‘チャイナライゼーション’であればなおさらのことです。実際に、家電分野に象徴されるように、日本企業の多くは世界市場でシェアを失い、‘集中と選択’の掛け声の下で収益性が見込める一部の事業を残しつつも、赤字事業部門は中国系企業に買収される運命を辿っています。規模に優る中国企業の躍進を前にして、日本の経済界が一致団結して政府に対して親中政策を進言しているとは思えず、現状を見れば、むしろ、保護政策を求める局面にあるのではないでしょうか。この点に鑑みますと、ここで言う‘経済界’が日本の経済界とは限らない可能性も見えてきます。

 

 そこで、推測されるのが、日本政府に圧力をかけている‘経済界’が、実のところ、海外の経済界である可能性です。仮に、日本国政府がマネーの力に弱く、日本国民よりも自らの利益の多寡を以って行動しているとするならば、より規模の大きなマネーにより強く反応するはずです。日中間の経済規模を比較すれば、中国企業の資金力、否、中国政府をバックとした‘チャイナ・マネー’が優るのは言うまでもなく、中国が賄賂政治の国である点からしましても、日本国政府が、チャイナ・マネーに靡いたとする憶測も成り立ちます。あるいは、その背後には、中国市場に莫大な投資を続け、グローバル戦略として日本国から中国への技術移転を促進させてきた国際金融勢力も隠れているかもしれません。何れにしましても、日本の経済界よりも、中国をはじめとした海外の経済勢力の方が、余程、日本国に親中政策を採らせたい動機を有しているのです。

 

 何れにしましても、日本国政府の親中政策は、大企業であれ、中小企業であれ、日本企業にとりましては望ましくはありません。少なくとも日本の経済界は、自己判断として中国市場からの撤退を急ぐべきではないでしょうか。中国と運命を共にすれば、米ドル決済からも除外されますし、技術協力や資源入手のルート、そして海外市場をも失います。また、中国排除が日本企業にとりましてチャンスともなることは、5G関連製品からのファウェイ排除により日本企業が復活する機会を得ていることからも伺えます(中国製品のシェアが消える…)。そして、中国と日本国を含む自由主義諸国とのデカップリングは、中国の軍事的脅威を平和裏に取り除く唯一の手段ともなりましょう。

 

 もっとも、日本国政府は、11月のアメリカ大統領選挙を前にして、親中派とも目される民主党の候補者であるバイデン氏の当選に備えて様子見をしているのかもしれません。しかしながら、喩え民主党政権が誕生したとしても、アメリカの世論からすれば、同国の対中政策がオバマ政権時代の宥和策に逆戻りするとは思えず、何よりも、自由、民主主義、法の支配の擁護は、政権の如何に拘わらず、自由主義国が結束して護るべき人類普遍の価値のはずです。ポンペオ米国務長官が警鐘を鳴らすように、日本国、少なくとも日本国政府が既に中国によって‘変えられている’ならば、日本国民は、今日、自らの国を取り返すべき局面にあるのではないでしょうか。


自民党が‘偽旗政党’になる日?

2020年07月24日 11時20分12秒 | 日本政治

 自由民主党と申しますと、結党以来、日本国の保守政党として不動の地位を築いてきた政党です。保守層からの信頼も厚く、支持政党を問う世論調査においても、常に第一位を安定的に保ってきました。日本国の国民性として、しばしば急激な変化を好まず、強いリーダーシップよりもコンセンサスを重視する保守的傾向が指摘されてきましたが、民主党政権時代の一時期を除いて自民党が長らく政権与党の座にあり、一党優位体制を維持してきたのも、こうした国民性にマッチしていたからなのかもしれません。

 

 自民党の政治的スタンスは、日米同盟を基盤とする親米保守にあり、防衛や国益を重視する点において愛国主義的でもありました。平和主義の理想に走りがちな左派とは一線を画しており、米ソが鋭く対立した冷戦時代にあっては、共産主義とは対極の立場にあったのです。‘村政治’と揶揄されながらも、‘自民党を支持してさえいれば日本国は安泰である’、とする一種の安心感が国民の間にも広がっていたと言えましょう。

 

ところが、近年、その自民党に大きな地殻変動が生じてきています。おそらくそれは、田中角栄政権の時代に芽を出し、アメリカのオバマ政権時代に急激に成長し、オバマ大統領去りし後も党内に蔓延ってしまった親中勢力によるものです。とりわけ、親中派のドンである二階俊博議員が幹事長に就任し、選挙における立候補者の選考・調整や政党助成金等の配分の権を握り、かつ、中国との間に強固な絆を有する公明党と連立を組むに至ると、自民党は親中色を強め、何事につけても中国配慮が目立つようになるのです。

 

例えば、グローバリズムの名の下における自国市場の一方的な対中開放、自国企業に対する中国市場進出の推進、技術流出の黙認、中国人留学生や観光客の積極的な呼び込み、中国出身者を含む移民政策への転換、習近平国家主席の国賓訪日など、自公政権は次から次へと親中政策を繰り出し、中国に操られているかのように同国を利してきました(交通分野では中国語や韓国語が併記に…)。しかも、国民的なコンセンサスを形成することもなく…。新型コロナ禍においては、親中配慮のあまりに政府の入国禁止措置が遅れ、‘日本国民の命よりも中国が大事なのか’とする批判も浴びることにもなりました。そして、尖閣諸島において中国公船の活動が活発化し、不当な領土要求を受けても‘遺憾の意’を表することしかできないとなりますと、国民の多くも自民党内の異変に気が付かざるを得なくなるのです。

 

そして、自公政権による親中路線への転換は、政権与党である自民党に対する懐疑心を呼び起こすこととなりました。保守政党としての表看板とその実態とが逆転してしまっているからです。このことは、自民党が、‘偽旗政党’に堕してしまうことを意味しています。‘偽旗作戦’とは、戦時にあって、味方と見せかけて敵方をおびき寄せて殲滅してしまう偽計の一種ですが、仮に、自民党が中国に傀儡政党と化すとしますと、それを知らずして保守政党・親米政党と信じて同党に投票した国民の多くは、中国にまんまと騙されてしまうこととなりましょう。新しく組織を結成して育てるよりも、既存の組織を乗っ取る方が簡単であるのは世の常ですが、自らの‘敵’としてきた組織を内部から掌握できれば、労せずして相手を倒したに等しいのです。

 

かつては、親米派から親ロ派、並びに、親中派に至るまで幅広い政治勢力を併せ飲んでいるところが自民党の美点とし、その内部的な多様性がプラス面に評価された時期もありました。しかしながら、中国が領土拡張、否、世界支配を目的に軍拡を推進する今日、日本国に対しても牙を剥く中国が日本国の政権与党を乗っ取るとしますと、これは、日本国民にとりましては重大な危機となりましょう。新型コロナウイルス禍を機に中国の悪行が露呈し、日本国民の対中感情も頓に悪化しております。中国に逆風が吹き荒れる中、自民党が親中姿勢を貫くとしますと、偽旗作戦を見抜いた日本国民は、同党に対して保守政党の看板を下ろし、既にある‘日本共産党’ではなく、正直に‘中国共産党’と名乗るように求めるのではないでしょうか。


米中断交もあり得るのでは

2020年07月23日 11時37分08秒 | 国際政治

 アメリカと中国との関係は、日本国政府の想像を超えるスピードで悪化の一途を辿っているように思えます。中国外務省の報道官によりますと、アメリカのトランプ大統領は、今月21日に中国に対してテキサス州の州都、ヒューストンの中国総領事館を閉鎖するよう命じたそうです。この件に関し、翌22日にポンペオ国務長官は、中国による知的財産の盗取は許さないと語り、同省の報道官も「米国の知的財産と国民の個人情報を保護するため、同総領事館の閉鎖を指示した」と説明し、同措置を事実として認めています。

 

 それでは、何故、アメリカは、サンフランシスコ、シカゴ、ヒューストン、ニューヨーク、ロスアンゼルスの5つの中国の在米総領事館の内、敢えてヒューストンの総領事館を選んだのでしょうか。知的財産の保護と言えば、IT産業の中心地であるシリコンバレーの所在するカリフォルニア州のロスアンゼルス総領事館を真っ先に閉鎖しそうなものです。しかしながら、アメリカは、敢えてヒューストンの総領事館を閉鎖しており、それには、何らかの特別の理由があったはずなのです。

 

 そこで推測されるのは、新型コロナウイルスとの関連です。何故ならば、ヒューストン市には、世界最大規模を誇るテキサス医療センターがあり、同センターには49もの数に上る先端的な研究機関が軒を連ねているからです。同地は医療研究機関の集積地であり、いわば、医療分野におけるシリコンバレーなのです。同センターでは、一般向けにも同ウイルスの感染状況に関する詳細なデータを公開しており、当然に、遺伝子解析から治療薬、並びに、ワクチンの開発に至るまで、新型コロナウイルスに関する多面的な研究もおこなわれていることでしょう。

 

 報道によりますと、ヒューストンの中国総領事館では、閉鎖命令が下されたその日の夜に、敷地内の中庭から煙が上がっているのが目撃されたそうです。通報を受けて消防と警察が駆け付けたものの、構内への立ち入りは拒絶されたと伝わります。おそらく、機密書類の焼却作業を行っていたのではないか、と推測されていますが、中国側の動きからしますと、アメリカが閉鎖の理由として指摘したように、中国は、ヒューストンにあって行われていた新型コロナウイルス、並びに、その治療薬や治療技術に関するあらゆる研究の情報を、領事館を通して違法に収集していた可能性は極めて高いと言わざるを得ないのです。

 

アメリカ側も詳細を説明していないため、盗取された情報の具体的な内容は分からないのですが、新型コロナウイルス感染症のパンデミック化の責任を問われ、莫大な損害賠償を請求されかねない立場にある中国が、アメリカ側が掴んだ武漢研究所起源説を裏付ける決定的な証拠を隠滅するため、あるいは、アメリカ側が入手した関連情報のレベルや内容を確認するために、ハッキングや協力者として取り込んだ研究員等を介して情報を違法に入手した可能性があります。もしくは、同ウイルスの治療薬やワクチンの国際開発競争において自国企業が勝利するために、世界最先端を行く関連技術をテキサス医療センターから盗取したのかもしれません。何れにしましても、アメリカ政府が総領事館の閉鎖を決断する足るレベルの違法行為であったことだけは確かであり、中国の総領事館が、米国内での諜報活動の拠点となっている実態を明らかにしたとも言えましょう。

 

 この推理を裏付けるかのように、中国は、同総領事館閉鎖への対抗措置として、武漢に設置されているアメリカ総領事館の閉鎖を示唆しているそうです。同総領事館は、新型コロナウイルスの蔓延に際して採られた都市封鎖と同時に業務を停止してきましたが、6月下旬に再開されたばかりです。アメリカは、成都、瀋陽、広州、武漢、上海、香港の六ケ所に総領事館を開設していますが、中国は、‘報復’として敢えて新型コロナウイルスの震源地である武漢を選んでいるのです。

 

 今般、米中双方が総領事館の閉鎖合戦に及んだことで両国間の対立の深刻さが表面化しましたが、水面下では、両国の間で新型コロナウイルスを機に壮絶な情報戦が繰り広げられているのでしょう。今後にあっては米中の断交も否定はできず(中国の大使館や領事館の存在自体が脅威に…)、日本国政府も、中国との対峙を覚悟せざるを得ない局面を迎えることとなるのではないかと思うのです。


政府主導の新型コロナウイルス・ワクチンは危ういのでは?

2020年07月22日 13時15分43秒 | 国際政治

 新型コロナウイルスのワクチンについては、どうしたわけか、各国政府とも前のめりの姿勢が目立っております。ロイター発の情報では、かのトランプ大統領でさえワクチン開発については中国とも協力する意向を示したとされ、米中対立が激化する中での豹変ぶりには驚かされます。日本国政府も、既にイギリスのアストラゼネカ社との間で調達交渉に入っているとも報じられておりますが、ワクチンについては、むしろ科学的な見地からの否定的、あるいは、悲観的な情報の方が多いように思えます。

 

 ワクチンに関する科学的な情報としては、(1)抗体が二から三か月程度で激減する、(2)新型コロナウイルスは変異が容易なRNA型であり、ウイルスの型が違う場合、海外の治験の結果は他国に適用できない、(3)変異が生じた場合、新しいウイルスにはワクチンが効かなくなる(抗原原罪…)、(4)ワクチン接種が、変異したウイルスに感染した場合、重症化を引き起こす可能性がある(抗体依存性感染増強)(5)インフルエンザやSARSはおろか、HIVでさえワクチン開発に成功していない、(6)ワクチンの効果には個人差がある、(7)ワクチンの効力持続期間は限られている(インフルエンザワクチンで凡そ4か月程度…)(8)長期的な副反応(副作用)については全く分かっていない…などがあります。こうした情報に接すれば、誰もが、ワクチンの接種には二の足を踏むはずです。新型コロナウイルスの発祥からわずか1年も経過せずしてワクチンの安全性が確認されるはずもなく、しかも、現状にあって、新型コロナウイルスの特性さえ十分に明らかにはされてはいないのです(新たな症例の報告が未だに続いている…)。

 

 この状況下にあって、仮に、政府がワクチンを大量に購入し、国民に対する接種を始めるとしますと、どのような事態が起きるのでしょうか。優先的なワクチン提供対象者は、医療従事者や介護施設で働く方々、あるいは、重症化しやすい高齢者や基礎疾患を持つ方々など、高い感染リスクに晒されている方々とされています。しかしながら、仮に、接種によって上記のような副反応が発生するとしますと、意図せずとも、これらの方々をワクチンの‘実験’に供してしまうことにもなりかねません。とりわけ、新型コロナウイルスとの闘いの最前線にある医療従事者の方々が健康を損ねてしまうことにでもなれば、日本国の医療も崩壊する事態となりましょう。そして、アストラゼネカ社は日本向けに1億回分のワクチンを供給する方針とされていますので、やがて、全国民がワクチン接種対象となりましょう。ワクチンを大量購入した手前、日本国政府は、あらゆる手段を用いて国民をワクチン接種に追い込むかもしれません。その導火線は、既に敷かれているようにも思えます。

 

 アストラゼネカ社といったワクチン開発・製造にいち早く成功した製薬会社も、副反応リスクについては自覚しているようであり、仮にワクチンによる薬害が発生した場合には、調達した側の政府が賠償責任を引き受けるとする条件を付しているようです。即ち、既に製造者側が薬害の発生を予測しているのですから、安全宣言どころか、リスク宣言とも解されるのです。

 

アメリカでは、CDC(アメリカ疾病管理予防センター)の長官が国民の三分の一がワクチン接種を拒否すると予測しており、ワクチン警戒論が広がっておりますが、日本国内のネット上の反応を見ましても、およそ反対、あるいは、疑問一色のようです。国民の多くがワクチンに懐疑的な中で、政府のみが巨額に上ると予測される賠償責任を引き受けてまでワクチン調達に奔走する姿は、どこか不自然でもあります。中国では、中国カンシノ・バイオロジクス(康希諾生物)<6185.HK>と人民解放軍の軍事科学院が共同開発を行っているそうですが、人民解放軍の名が挙がるところを見ますと、あるいは、国民には知らされていない何らかの情報を各国政府は掴んでいるのでしょうか。

 

科学的な情報や知見に耳を塞いで政府がワクチン調達に走っているとしますと、重大な情報を隠蔽した中国と同罪ともなりましょう。危険を察知した多くの人々がワクチン接種を拒否する事態も予測され、巨額の予算を投じつつも、政府は、ワクチン在庫の山を抱えかねないのではないかと思うのです。

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米軍による南シナ海人工島爆破はあり得る

2020年07月21日 11時30分17秒 | 国際政治

 先日、7月13日、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、南シナ海問題に関して中国を痛烈に批判する声明を発表しました。各国政府が新型コロナウイルス禍の対応に忙殺される中、震源地でありながら一早く危機を脱した中国は、南シナ海一帯の自国領化を一方的に進めており、もはや見過ごすことはできない段階に達したのでしょう。同海域に中国が建設した人工島に対する米軍による爆破も取沙汰されていますが、このシナリオ、あり得るのではないかと思うのです。

 

 南シナ海において中国が正当な法的根拠を有していないのは、2016年7月12日に常設仲裁裁判所がその判決によって明らかにしています(ポンペオ国務長官の声明発表が7月13日であったのも、同判決の日付を意識してのことでは…)。南シナ海への中国の進出は、同国の‘黒歴史’といっても過言ではなく、ベトナムからの武力奪取のみならず、スプラトリー諸島に至っては、国連のユネスコを枠組みとした気象観測プロジェクトへの参加を足掛かりとして人工島を建設しています。いわば、国際社会を騙す形で既成事実を積み重ねてきたのですから、南シナ海の諸島は東南アジア諸国が領有権を争う係争地であるとはいえ、中国による一方的な現状の変更は、国際法上の‘侵略’と言っても過言ではないのです。

 

 しかも、中国の脅威は、南シナ海一帯の自国領化のみではありません。同国は、この海域一帯を軍事基地として利用しており、SLBMを搭載した原子力潜水艦の配備も懸念されています。同地域一帯が中国の軍事基地ともなれば、東南アジアの全諸国を核で脅すことが可能となると共に、太平洋に向けて原潜を自由に出入りさせることができるようになることは、地図を眺めれば一目瞭然です。つまり、地政学的な障害となってきた日本国、台湾、フィリピンを迂回して中国海軍は太平洋に進出し得るのであり、アメリカの軍事力による‘パックス・アメリカーナ’は終焉を迎えかねないのです。近年、中国が、太平洋諸島諸国に急接近しているのも(オーストラリアとの対立激化の一因…)、太平洋の海洋支配を狙う、あるいは、近い将来における米中戦争を想定してのことなのでしょう。

 

 南シナ海における中国の行動が、世界征服計画の一環であるのは明らかである以上、国際社会は、中国による違法・不法行為を黙認はできないはずです。しかしながら、近代以降、常設仲裁裁判所や国際司法裁判所の設置など、国際司法制度を整える方向に進みながらも、現行の制度には重大な欠陥があります。それは、これらの裁判所で下された判決を強制的に執行することができない、という点です。国際司法裁判所の場合には、最終的に国連安保理に執行が委ねられるのですが、南シナ海問題を扱った常設仲裁裁判所に至っては、判決の強制執行に関する手続きが設けられていません。このため、中国は、無視を決め込んでいたのですが、今般、アメリカが独自に軍事力を行使し、判決の強制執行行為として南シナ海一帯から中国を追い出したとしても(原状回復…)、それは、国際法上に根拠を有する合法行為と見なされることとなりましょう。言い換えますと、米軍が中国が建設した人工島、即ち、軍事基地を破壊したとしても、その行為の違法性が問われることはないのです。

 

 今日、南シナ海問題をめぐり米中間の緊張が極限まで高まるに至ったのも、2016年における常設仲裁裁判所の判決時にあって、オバマ前大統領、並びに、国際社会が何らの制裁的な措置も採らなかったからなのでしょう。この意味において、判決後の自由主義国の融和的な対応は、今般の中国の拡張主義を誘引した‘第二のミュンヘンの融和’であったのかもしれません。この時、中国は、国際法に違反して領土を拡張しても、何らの制裁や罰を受けることはない、と確信したのかもしれないのですから。

 

果たして、中国は、アメリカによる事実上の法の強制執行、即ち、事実上の人工島破壊の警告に対して、どのような反応を示すのでしょうか。中国は、急ピッチで空母の建造を急いでいますが、この動きは、対米開戦を意識してのことなのでしょうか。同国にあって建造中の3隻目の空母は「電磁カタパルト」が搭載されており、同空母の進水は1年以内とされていますが(来年前半…)、アメリカが、その完成を待つとも思えません。

 

もっとも、中国が開戦の準備を以ってその回答を示したとしても、アメリカ側には軍事力行使の正当性があります。異例の長雨による長江の三峡ダム決壊が懸念されている折、中国は、領土拡張よりも自国の災害対応に集中すべきであり、南シナ海からの名誉ある撤退の決断こそ、同国が‘面子’を保つ唯一の道なのではないかと思うのです。

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危うい石破政権の誕生-日本国は中国の傀儡国家に?

2020年07月20日 11時08分17秒 | 日本政治

 本日の日経新聞朝刊には、直近に同社が実施した世論調査の結果が掲載されておりました(7月17日から19日に実施)。質問には「ポスト安倍」を尋ねる項目もあったのですが、同質問にあって26%の支持を得て一位となったのは石破茂氏であったそうです。しかしながら、今般の国際情勢を考慮しますと、石破政権の誕生は、日本国を危機の淵に立たせる結果を招くように思えます。

 

 何故ならば、次期首相に石破氏を推しているのは、親中派で悪名高き二階幹事長であるからです。石破氏の後ろに二階幹事長がおり、さらに同氏の背後には中国が控えているとしますと、石破政権の誕生は、間接的であれ、日本国に中国の傀儡政権が成立することを意味しかねません。新型コロナウイルス禍に際しての初動の遅れには中国への配慮があったと再三指摘されてきたように、現在の安倍政権にあってさえ、国民の多くが危惧するほどに政府は中国に対して及び腰です。石破政権ともなれば、親中傾斜にさらに拍車がかかることは十分に予測され、日米同盟をも危うくする事態さえ現実味を帯びてくるのです。

 

 しかも、中国は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック化の責任をとろうともせず、同ウイルス禍に翻弄される諸国の混乱に付け込んで、より暴力的な行動に訴えるようにもなりました。香港国家安全維持法の制定に留まらず、日本国に対しても、尖閣諸島周辺海域での軍事的行動を活発化させ、日本漁船の取り締まりや地名改名の中止さえ求めてもいます。‘内政問題’と言い張って諸外国からの批判を跳ねのけるのが中国の常套手段ですが、一方的に他国の領域を自国領と主張し、‘内政問題’と言い募るのは明らかに国際法に違反する行為です。中国とは、有体に言えば国際社会における暴力団であり、国際犯罪の常習犯なのです。

 

 こうした傾向からしますと、やがて中国は、明時代における鄭和の遠征を根拠にアメリカ大陸の第一発見者は中国人であると主張し、アメリカに対して領土を明け渡しを求めるかもしれません(ギャビン・メンジーズが記した『1421-中国が新大陸を発見した年』という書物がある…)。荒唐無稽のようにも思えるのですが、尖閣諸島や南シナ海における領有権主張にも見られるように、中国は、‘それらしく見える記述’を過去の文献から掘り出し、これらを根拠として現状を一方的に変更しようとしてきました(こうした虚偽や府会による領土主張は、常設仲裁裁判所や専門家によって否定されている…)。常識や善意を嘲笑うかのような言動によって、国際社会はしばしば中国に不意打ちをくらい、その暴挙の前に呆然と立ち尽くすこととなったのです。

 

 現代という時代にあって風林火山の戦法を得意とする中国にかかっては、日本国の未来も危ういというしかありません。日本国の首相も、あれよあれよという間に政界内の謀略やチャイナ・マネーの力によって、石破氏に決まってしまうかもしれません(二階幹事長は、近々、派閥横断型の研究会を発足させるとも…)。日本国民は、蚊帳の外に置かれ、全てが決まった後になって事の重大さに気が付くのです。

 

 マスメディは、しばしば‘国民からの人気が高い石破氏’という枕詞を付けますが、親中派に与する石破氏が国民からの信望が厚く、人気を博しているとは思えません。日本国民の多くが石破政権の誕生が親中政権の誕生と凡そ同義であることを認識していれば、石破氏が一位の座を得るはずもないのです。あるいは、習近平国家主席の国賓来日に反対とする回答は62%ですので、石破氏が獲得した26%の支持率とは、残り38%の同訪日賛成派の数字と重なっているとも考えられます。

 

このことは、複数の候補者の中から最も多くの得票を得た人が選ばれるとする方式であれば(小選挙区の問題と同じ…)、国民の大多数が反対する人物でも、トップに選ばれてしまうリスクを表しています。もっとも、幸いにして自民党の総裁選挙は最多得票者を当選者とする方式ではなく、「当選者は国会議員票と党員投票の算定票を合計して、過半数の得票を得た者」とされ、一回目の投票で決まらない場合には、上位二名による決戦投票となるそうです。しかしながら、それでも、党内力学によって石破氏が選出される可能性も否定できず、日本国の先行きが懸念されます。暴力と謀略を以って世界の覇権を握ろうとする中国を封じ込めるためには、中国に対して毅然と対峙する反中派の政治家こそ、日本国の首相に相応しいのではないかと思うのです。

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Go Toトラベルの東京除外は致し方ないのでは?

2020年07月19日 11時28分32秒 | 日本政治

観光業は、新型コロナウイルス禍による被害を最も強く受けた産業の一つです。突然に観光客の姿が消えたのですから、廃業に追い込まれた宿泊施設やお店等も少なくなかったかもしれません。そこで、観光業存続の危機とも言える事態を救うべく、緊急事態宣言の解除を待って、日本国政府は、Go Toトラベルと命名された観光復興キャンペーンを今月22日から開始することとしました。同政策の骨子は、旅行者に対して一定の補助金を支給するというものです。

 

 ところが、宣言解除後にあって、新型コロナウイルスの感染者数は増加傾向を見せており、予断を許さない状況に至っています。とりわけ、東京都での感染者数が激増しており、解除以前の状況に戻りつつあります。もっとも、情報不足のためにこの数値がPCR等の検査数を増やした結果なのか、実際に広範囲に感染が拡大しているのか、あるいは、一部の業界のみでの感染拡大なのか判然とせず、危機のレベルについては諸説があるのですが、この事態に危機感を懐いた政府は、Go Toトラベルによる補助金支給対象者から東京都民を除くこととしたのです。この措置に対して、東京都民からの不満の声も上がっており、政府与党も、都民からの反発を警戒しているとも報じられています。

 

 都内でメディアが実施したインタヴューの様子などを見ますと、東京都除外に不満を漏らす都民も少なくないようです。しかしながら、この措置、致し方ないように思えます。何故ならば、補助金の対象は旅行者ですので、新型コロナウイルスによって不自由な生活を強いられてきた国民一般に向けた癒し系の政策のようにも見えるのですが、同政策の第一の目的が新型コロナウイルスで甚大なる損害を受けた観光業の経済的な支援にあるからです。被害者重視の観点において、政策の趣旨は地震等の自然災害に見舞われた被災地への支援に近いとも言えましょう。

 

 そして、政策の性質が被災地支援であるとしますと、観光地に同ウイルスが持ち込まれる事態は、政策目的を水泡に帰する結果を招きます。仮に、観光地がクラスターの発生地ともなれば、その被害は、自粛期間による損害を上回ることとなりましょう。しばらくの間、誰もが感染を恐れて同観光地を訪れようとはしなくなるからです。否、自粛期間にあって観光地の‘無ウイルス状態’が保たれたからこそ、今日、Go Toキャンペーンを実施できるとも言えましょう。東京都民による予約分のキャンセルは短期的には損失とはなりますが、新型コロナウイルスが持ち込まれるリスクと比較しますと、長期的には後者の方が深刻となるかもしれません。

 

 旅行者の視点からしますと、政策の受益者から外されてしまった東京都民の不満も理解に難くありませんが、流入ルートの遮断は、今なおもウイルスの持ち込み回避の有効な手段です。観光地の苦境に思い至れば、無用なリスクを負わせない配慮も必要となりましょう。日本国の観光地が荒廃してしまいますと、都民を含め全ての国民が国内旅行を楽しむこともできなくなるのですから、観光業の救済は国民的な課題とも言えるかもしれません。

 

 このように考えますと、東京都の政策対象からの除外は(感染者が比較的多い大阪等も除外すべきかもしれない…)、観光業救済と新型コロナウイルスの感染リスクの回避の両者を両立させるための苦肉の策であって、必ずしも批判すべきことではないように思えます(もっとも、より効果的な方法があるはず、といする意見も…)。そして、この観点からすれば、感染者数の少ない県に住む人々が‘旅して応援’の意味を込めて積極的に旅に出ることが、観光地を安全に回復軌道に乗せる上で最も望ましい状況なのかもしれません(県民による県内観光地の訪問も奨励すべきかもしれない…)。出入国規制が敷かれている今であれば、落ち着いた雰囲気の中で日本国の自然の美しさや旧所名跡などのすばらしさを再発見することができるかもしれません。

 

なお、支援を受ける側の観光地も、ポスト・コロナの時代にあっても、もはや中国人観光客のインバウンドは望めませんので、これまでの拡大路線を転換し、上手にサイズ・ダウンを図る必要はありましょう。Go Toトラベルの実施期間は、日本国政府、観光業、そして国民もまた、将来に向けた観光の在り方を模索する貴重な時間ともなるのではないかと思うのです。


グーグル社が新型コロナ陰謀論を封じる理由とは?

2020年07月18日 12時42分47秒 | 国際政治

 報道によりますと、GAFAの一角を占めるグーグル社は、コロナ陰謀論を唱える広告を禁止する方針を公表したそうです。IT大手の広告については、フェイスブックがNAACP(全米黒人地位向上協会)からの要求を受け入れた企業が広告を中止するという事例がありますが、今般のグーグル社の対応には、理由らしい理由が見当たらないのです。

 

 禁止される広告の具体的な内容とは、1)新型コロナが生物兵器として中国の研究施設で開発された、2)マイクロソフトの共同創業者のビル・ゲイツ氏が新型コロナを製造した、3)新型コロナは作り話の三者のようです。しかしながら、これらの説は、必ずしもフェイクニュースとは断定できない側面があります。その理由は、感染拡大から半年以上が経過した今日にあっても、新型コロナウイルスには様々な謎が付きまとっているからです。

 

 実際に、武漢研究所起源説については、親中派で知られるWHOでさえ武漢への調査団の派遣を決定しており(おそらく、中国配慮による‘茶番’となるのでしょうか…)、新型コロナウイルスの起源が未だに謎であることを認めています。‘自然界における突然変異でもウイルスは人への感染能力を得ることができる’とする説明を以って、武漢のウイルス研究所起源説や生物兵器説が否定される向きもあるのですが、自然界にあって偶然の変異があり得るならば、人の手による遺伝子操作であればなおさらのことです。特定の塩基配列に狙いを定めれば、より簡単に遺伝子を変異させることができるのですから(実際に、武漢の研究所では機能獲得性研究が行われていた…)。また、ビル・ゲイツ氏の異様なまでのワクチンへの拘りと執念は、同氏が新型コロナウイルスのパンデミック化に関わっているとする疑惑を呼ぶに十分な状況証拠を提供しているとも言えましょう。そして、3つ目の‘作り話説’もまた、各国政府やマスメディア等の対応が一貫しておらず、しばしば矛盾も見られることが、多くの人々が新型コロナウイルスの存在に疑問を抱く要因ともなっているのです。

 

 中国による情報統制もあって新型コロナウイルスの実態が闇に覆われている現状において、グーグル社のみが十分、かつ、正確な情報を入手しており、情報の真偽を確認し得る立場にあるとは思えません。WHOでさえ把握していない情報をグーグル社が掴んでいるとしますと、全世界の情報は、中国の最高機密情報を含めて全てグーグル社に‘筒抜け’と言うことにもなりましょう。おそらく、そのような事はあり得ないでしょうから、グーグル社による独断的な‘フェイクニュース判定’は根拠に乏しいと言わざるを得ないのです。

 

 それでは、何故、グーグル社は、敢えて広告禁止を決定したのでしょうか、フェイスブック社のケースは人種問題に起因していましたので、NAACP(全米黒人地位向上協会)からの圧力があったのも頷けます。しかしながら、今般のグーグル社のケースでは、前者ほどには背景の動きがはっきりとはしていません。そこで、広告禁止によって最も利益を得るのは誰なのか、あるいは、誰が広告を禁止させたいと考えてみるか、という視点から推測してみますと、やはり、中国、並びに、ビル・ゲイツ氏しか思い当たらないのです。あるいは、中国を陰から支援している国際ネットワークが加担している可能性もあるかもしれません。何れにしましても、全世界のグーグル・ユーザーのために広告を禁止したとは思えず、むしろ、中国やビル・ゲイツ氏の意向を受けての措置なのではないかとする疑いが、否が応でも生じてしまうのです。そしてそれは、私企業による情報統制を意味するのかもしれません。

 

 ‘隠れたるより現るるはなし’とも申しますように、人の心理からすれば、隠そうとすればするほどにかえって怪しまれてしまうものです。たとえ疚しいことがないとしても…。グーグル社の広告禁止は、むしろ、禁止された内容こそ事実であるのではないか、とする疑いを深めてしまったようにも思えるのです。

 

 


オンライン教育の盲点

2020年07月17日 12時52分46秒 | 国際政治

 新型コロナウイルス禍による‘ステイホーム’の広がりは、今日、日本国の教育現場を一変させています。学校の休校措置もあってオンライン教育の導入が一気に進み、教室や講義室に行かなくとも教育を受けられるようになったからです。ITが活躍する場を広げたため、先端的な教育システムとしてメリット面が強調される傾向にありますが、良い面ばかりではないようにも思えます。

 

 オンライン教育の最大のメリットは、空間による制約から解放されたことにあります。授業をオンラインで発信すれば、学校の規模やキャパシティーに縛られることなく、無限大に学生数を増やすことができます。この点について、東京大学の柳川範之教授は、日経新聞の紙上で(2020年7月16日付朝刊)、‘東京大学で入試を廃止してだれでも入学できるようになる’といった趣旨の意見を述べておられ、‘無入試によるオンライン講義において合格した履修者にのみに少人数の討論型授業に出席する資格を与える’という新たなシステムを提唱されていました。

 

 同新システムは、今日のITレベルにあっても技術的には実現可能でしょうし、全ての人々に教育機会を均等に与えるという意味では評価されましょう。しかしながら、仮にこのシステムが新たな教育システムとして既存のシステムに取って代わるとしますと、おそらく、‘東京大学の一人勝ち’となるのではないかと思うのです。何故ならば、東京大学の定員枠が撤廃され、希望者全員の入学が認められるとすれば、同大学に入学者が殺到することが容易に予測されるからです(サバイバルできるとすれば、京都大学や私立において最高峰とされる大学くらいかもしれない…)。実習や実験を要する理系の学部では定員枠は外せませんが、文系の学部であれば、無制限に学生を受け入れることはできます。

 

 この結果として予測されるのは、首都圏のみならず、全国津々浦々の全ての大学、少なくとも文系の学部が存立の危機を迎える事態です。全国の学生が東京大学に独り占めされ、入学希望者がいなくなってしまうのですから。全ての文系の大学生が高レベルの講義を受けることができるのですから、このシステムを歓迎する声も聞こえそうです。今日、全国規模で大学入試センター試験が実施されているように、テストの採点や評価の問題もITが解決することでしょう。

 

その一方で、日本全国から多くの大学が消えてゆき、学生の姿もまばらとなった地方都市の光景は、どこか殺風景でもあります。大学生とは申しましても、キャンパスライフを楽しむこともなく、学友に出会うこともなく、家にあってパソコンやスマートフォンを前にしてひたすらに講義を受ける日々が続くのです。これまで、学生が勉強せずにアルバイトや遊びに興じる傾向が問題視されてきましたが、新たなシステムの下では、大学生の‘引きこもり’問題が発生するかもしれません。

                                        

同記事によりますと、合格履修者のみにキャンパスでの学習を許すとはしていますが、これでも、トップ大学による人材選抜、あるいは、人材独占の制度ともなりかねないリスクがあります。今度は、キャンパス学習では収容人数は限られており、無制限ではなくなるからです。大多数の学生が不合格者となりますのでしょうから、大学卒業の資格を得るわけでもなく、極めて中途半端で不安的な状態のままに社会に放り出されることとなりましょう(その人数は莫大な数に…)。

 

また、長期的な視野に立てば、教育者や研究者の育成という面においてもデメリットが予測されます。その理由は、講義を担当する講師は、全ての講座にあって一人、あるいは、数人で済むからです。講義には、一人や二人しか要しないとなりますと、東京大学の狭い範囲の中でしか教育人材を養成できないこととなります。他の大学や学部は既に消えているのですから、選択のしようもないのです。即ち、日本国の教育者や研究者の層は急速に菲薄化してしまい、幅広い教育者や研究者を育成してきたシステムも崩壊してしまうのです(科目によっては、遠隔授業用のビデオ教材ができてしまいますと、毎年、同じビデオ教材を流すのみとなり、やがては、講師の数もゼロになる可能性も…)。

 

このことは、教育内容の画一化をも意味します。一人、あるいは、少数の講師が全学生に同一の内容を講義するのですから。多様性が自由主義国の強みであるとしますと、教育の画一化はその強みを弱め、人々の発想や思考の多様性を失わせてしまうかもしれません。一党独裁国家である中国でも政府の旗振りの下でオンライン教育が推進されているそうですが、画一化という面において全体主義に近づくのであれば、自滅行為のようにも思えます。

 

そして、同システムの導入は、長期的には東京大学にも安泰を約束してはいません。日本国内ではナショナル・チャンピョンではありますが、オンライン教育の普及は、国境を越えた海外勢の参入をも意味しかねないからです。既にアメリカのハーバード大学等がオンライン講義を実施しておりますが、入試や選考なくして入学できるならば、日本国の高校生も海外の有名大学を選ぶかもしれません(中国の精華大学がオンライン教育を日本国内で展開すれば孔子学院以上の脅威に…)。同大学もまた消え去る運命が待ち受けているとしますと、同システムに対して諸手を挙げては賛成できないはずです。

 

もしかしますと、オンライン教育の導入促進には、大学経営のグローバル化、並びに、世界規模でのエリート人材の獲得を目的とした海外勢の後押しがあるのかもしれません。何れにしましても、オンライン教育につきましては、教育崩壊に繋がりかねませんので、メリットばかりに注目せず、デメリットにも十分に注意を払うべきように思えるのです。