万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

フィギュア―審査員にも”ドーピング”検査を

2010年02月28日 15時15分37秒 | 国際政治
浅田真央は扇子片手に踊る エキシビション(共同通信) - goo ニュース
 オリンピックをはじめ、国際スポーツ大会では、公正で公平な競技を目指して、選手たちに厳しいドーピング検査を課しています。先日放映された冬季オリンピックのフィギュア・スケートの演技と結果を見ますと、審査員にも”ドーピング検査”が必要なのではないかと思うのです。

 フィギュア・スケートについては素人ですので確かなことは言えないのですが、多くの方々が指摘してるように、選手たちの演技と評価との間には、辻褄の合わないところがあったようです。日本の浅田真央選手は、トリプルAをオリンピック女子のフリーで二度成功させるという快挙を遂げながら、金メダリストとなったキム・ヨナ選手との間には、点数に大きな開きがありました。その理由は、審査員の加点と採点基準にあるとのことですが、難易度の高い技を成功させた方の評価が低いというのは、スポーツの一般的なルールには反しています。また、特定の選手に”下駄をはかせる”ことができる加点のシステムも、審査員の恣意が働く余地が大きすぎます。キム選手の演技が男子の一位をも上回る史上最高点に値するとは思えず、何とも表現のしようもない不信感が残ったのです。

 スピードを競う競技とは違って、フィギュアは、審査員の評価によって大きく結果が左右されます。選手自身ではなく、他者の評価で順位が決まるというフィギュア・スケートの特徴を考えますと、誰からも疑問を持たれることがないように、審査員の立場と評価基準の公正・公平性をチェックする何らかの仕組みが必要なのではないかと思うのです。スポーツマンシップは、選手のみならず、審査員にも求められるべきなのではないでしょうか。

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現代の自由貿易協定は新興国に有利

2010年02月27日 15時42分07秒 | 国際経済
FTAとEPAの潮流に取り残される日本 ~高まる韓国の存在感!(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 産業革命を原動力としたイギリス中心の自由貿易体制の成立は、先端的な技術力で廉価な製品の製造することができた先進国に有利な体制でした。しかしながら、市場がグローバル化した現代という時代は、19世紀とは異なる様相を呈していると思うのです。

 20世紀後半以降、経済は、単なる関税の引き下げのみならず、相互の市場開放をも積極的に進めてきました。このため、”物”の取引のみならず、国境を越えて、工場、資本、技術、人材などが自由に移動する時代を迎えたのです。この結果、新興国は、自前の技術がなくとも、先端技術を外国から導入することで、技術力における遅れをカバーできるようになりました(中国の場合は、産業スパイとの説もありますが・・・)。また、自国において資本の蓄積がなくとも、外国の金融機関から多額の融資を受ければ、大規模な工場を建設することも容易になりました。もとより人件費も低く、不動産価格も廉価なのですから、競争力はさらに強化されます。加えて、為替操作によって自国通貨安に誘導すれば、自国の製品の輸出競争力をさらにアップさせることもできるのです。

 このように考えますと、EUと韓国とのFTAの締結は、おそらく韓国側に有利に働くと予測されるのですが、EU側にとってのメリットが見えてきません。一説によりますと、世界標準を視野に入れた欧州基準の全面的な受入にあるとも言われていますが、それが、EUに実質的な利益をもたらすかどうかは未知数です。この協定が発効すれば、最も不利益を被るのは我が国であり、EUにとりましては、日本製品をより廉価な韓国製品に替えるだけ、ということなのかもしれません。現代という時代を見据えつつ、我が国は、サバイバルをかけて、経済戦略を練り直す必要があるように思うのです。

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中国が描く21世紀の国際社会のヴィジョンとは

2010年02月26日 16時53分18秒 | 国際政治
21世紀の最有力国は中国=米国の役割は縮小-世論調査(時事通信) - goo ニュース
 第二次世界大戦の終結後の世界において、アメリカは、”世界の警察官”の役割を務め、”世界の市場”を提供することで、政経両面の国際秩序を維持するという重い役割を担ってきました。もし、アメリカという国が存在しなければ、世界は、依然として19世紀と同様、弱肉強食の論理によって支配されていたかもしれません。アメリカが理想として掲げた自由と民主主義、そうして、自由主義経済の旗印は、ソ連邦を盟主とする東側にとっては憎しみの対象であっても、あらゆる国に希望を与えたことも確かなのです。

 冷戦の崩壊によって、人類が、自由と民主主義が支配する世界の入口に立ったと思った瞬間、それは、思わぬ共産主義の伏兵の出現によって足を掬われてしまったかのように見えます。政治における一党独裁と経済における市場経済の結合によって、急速な経済成長を遂げた中国という伏兵。大国中国は、果たして国際社会をどの方向に導こうとするのでしょうか。戦後のアメリカは、理想主義のヴィジョンに基づく使命感に満ちていましたが、中国からは、こうしたオーラは感じられません。むしろ、19世紀以前の世界観との間に親和性があり、その世界では、どっかと大陸に腰を下ろした中国は、虎視眈々と周辺諸国を狙っているのです。チベットや東トルキスタンを植民地化する国家である以上、侵略行為の取り締まりなど、中国に期待すべくもありません。

 アメリカの一国主義の終焉と多極主義の到来は、マスメディアなどでは、21世紀の新しいヴィジョンとして肯定的に評価されています。しかしながら、そこには、国際社会の秩序を維持する者の不在という暗黒の世界が待っているかもしれないのです。

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チベットは独立できる―17条協定終了のもう一つの理由

2010年02月25日 15時23分15秒 | 国際政治
ダライ・ラマもツイッター=中国を刺激?(時事通信) - goo ニュース
 1951年にチベットと中国との間で締結された「17条協定」は、当事者の一方である中国の条約違反を理由として、合法的に終了させることができることは、以前のブログ記事で述べました。もうひとつ、この協定を終了せることができる理由として挙げられるのは、条約の根拠となった共同防衛の必要性の消滅です。

 「17条協定」の第一条には、「チベット人民は団結し、チベット外の帝国主義勢力を放逐する。チベット人民は、中華人民共和国という祖国の家族に戻る。」とあります。この条文は、チベット侵略を狙う外国勢力を排除するという共通の目的のために、チベットは、中華人民共和国の一員となる、と解釈することができます(もちろん、軍事力を背景とした脅迫により調印されていますので、この条約自体の効力さえ疑問があるのですが・・・)。続く条文では、人民解放軍の進駐とチベット軍と人民解放軍の合同なども定められており、この協定の第一義的な目的が、防衛の共同化にあったことを示しています。しかしながら、帝国主義や植民地主義がほぼ終焉した現代という時代にあって、既に、この共同防衛の必要性は失われています。むしろ、現代に残る帝国主義国家とは、協定の相手国である中国に他ならず、チベットが今必要としているのは、中国の侵略と植民地主義から自らを守る術なのです。

 当時の国際情勢に鑑みますと、”チベット外の帝国主義勢力”とは、イギリスを意味していたのでしょう。時代の変化によって、”共通の目的”は、その存在意義を失ったのですから、この協定も、速やかに終了させるべきと思うのです。

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中国とイスラム諸国は相互依存関係に?

2010年02月24日 15時59分22秒 | 国際経済
リンク: サウジアラビア産原油の輸入量で中国が米国抜く=高まる原油の海外依存―中国紙 - 速報:@niftyニュース.
 地球温暖化問題がグローバルな課題として注目されるようになってから、各国とも、化石燃料の消費を減らすために、代替エネルギーの模索、エネルギー効率の向上、新たな環境技術の開発といった努力を払ってきました。温暖化ガスの議論の行方に拘わらず、脱石油時代は、目の前に迫っているとは言えそうです。こうした流れのなかで、国際的な交渉の場では、石油産出国の代表からの目立った発言はないようですが、この傾向が、脱石油時代の国際社会に、どのようなパワーバランスの変化をもたらすのかは、予め、分析しておいた方がよいのではないかと思うのです

 本日のニュースによりますと、サウジアラビア産の石油の輸出先は、アメリカを抜いて中国がトップに躍り出たようです。その背景には、リーマンショック以来の景気後退も指摘されていますが、アメリカが本格的に脱石油の方向に舵を切るとしますと、この傾向は、さらに強まることが予測されます。一方、中国は、温暖化ガス削減交渉においてGDP比で目標を示したように、経済成長を鈍化させるつもりはなく、今後とも、「世界の工場」の地位を維持したいようです。つまり、先進国が石油消費を減しても、中国やインドを筆頭に新興国がそれを上回る大消費国となりますので、石油産出国は、先進国よりも新興国との関係を強化するのではないかと考えられるのです。

 この結果、軍事大国と化した中国とイランを含む石油産出国が相互依存を強め、政治と経済の両面にわたって連携するというシナリオは、大いにあり得ることになります。そうしてそれは、国際社会に動乱を招く可能性もあるのですから、先進国は、脱石油を前にして、先を読んだ対策を準備しておくべきように思われるのです。

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朝鮮学校の問題点を問う

2010年02月23日 15時44分13秒 | 日本政治
高校無償化、外交は考慮せず=朝鮮学校の扱いで-川端文科相(時事通信) - goo ニュース
 高等学校の授業料無償化政策自体にも問題があるのですが、議論の渦中にある朝鮮学校もまた、一般の国民から見ますと、国内にありながら北朝鮮本国と同じぐらい不透明なヴェールに覆われた”見えない”存在です。”見えない”存在は、人々に不安感を与えるものです。

 朝鮮学校が得意な民族教育をハングル語を用いて実施し、北朝鮮の金正日体制の礼賛を強要することが許される理由は、将来的には、本国に帰国することを前提としているからと説明されています。帰国しても、直ぐに本国の体制に馴染み、生活に困ることがないように、という配慮からです。このため、”在日朝鮮人”の人々は、排他的な民族集団を形成し、一般の国民から離れて独自の部分社会を形成することになりました。これは、”在日朝鮮人”の人々が自ら望んだ措置であり、日本国政府が、差別したわけではありません。一方、この結束力の強い”見えない”集団は、一般の日本人にとりましては不安要因となります。終戦直後の混乱期における在日韓国・朝鮮人の人々の傍若無人な不法行為もまた、両者の間の心理的な距離を広げたようです。しかも、拉致事件のみならず、国家ぐるみで麻薬の製造販売やにせ札づくりをしてきた国家が背後に控え、独裁体制に親近感を持つ人々となりますと、日本人の多くが、警戒心を抱いても不思議はありません。

 果たして、母国語の教育のみならず、民主主義を否定し、独裁容認の政治教育まで行う朝鮮学校の存在は許されるのでしょうか。また、朝鮮戦争が休戦となった時点で、帰国するという選択肢はなかったのでしょうか。朝鮮学校に関する疑問は尽きません。少なくとも、公然と我が国の政治体制を否定し、自由や民主主義の価値をも蔑にする教育を施している学校に、無償化の対象としての適格性があるとは思えないのです。

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ギリシャ救済―EUが抱える新たなジレンマ

2010年02月22日 15時30分52秒 | 国際経済
ギリシャ救済、負担額3兆円も=ユーロ圏全体で-独誌(時事通信) - goo ニュース
 ギリシャの経済危機が表面化して以来、EUは、ギリシャを救うか、ユーロの価値を維持するのかという、難しい選択を迫られてきました。言い換えますと、ギリシャを救えばユーロそのものの信頼性が著しく低下するという、深刻なジレンマに陥っていたのです。

 そもそもECBは、条約において、個別の加盟国政府の財政危機を救済するために、国債を引き受けたり、特別融資を行うことを禁じられており、この制約がある限り、金融政策でギリシャを救うことは無理なことでした。アメリカのドルのように国力が通貨価値を支えているわけではありませんので、共通通貨としてのユーロの信頼性は、加盟国の財政規律に大きく依存しているのです。このため、ECBの設立に際して、厳格な財政規律を定めた協定まで締結し、欧州委員会に監視等の権限まで付与しました。

 本日のニュースを読みますと、EUは、金融政策によるギリシャ救済を諦めて、加盟国に奉加帳をまわして、直接に財政支援を行う方法を検討しているようです。金融政策から財政政策へ、ということになりますが、今度は、モラル・ハザードと負担の不均衡いう別のジレンマに直面しそうなのです。最善の解決方法は、ギリシャ経済の立て直しなのでしょうが、EUが、どのようにしてこの難しい局面を脱するのか、注目されるところなのです。

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”在日朝鮮人”とは誰なのか

2010年02月21日 15時56分22秒 | 日本政治
「無償化対象、朝鮮学校は除外を」拉致担当相、文科相に(朝日新聞) - goo ニュース
 日本国内には、”朝鮮籍”で外国人登録されている人々が多数居住し、全国各地に朝鮮学校を設立し、北朝鮮の教育方針に従って教育を行っていることはよく知られています。しかしながら、”在日朝鮮人”と呼ばれている人々の法的地位というのは、どうやら曖昧なようなのです。

 何故ならば、日本国政府は、”北朝鮮籍”を認めておらず、”朝鮮籍”とは、戦前の日韓併合時代に使われた戸籍の名称なのです。つまり、法律上の名称としては、”大日本帝国の国民”ということになるのですが(もちろん、効力は失われていますが・・・)、その実態は、北朝鮮にシンパシーを持つ人々ということらしいのです。ところが、”朝鮮籍”=”北朝鮮籍”ではないにもかかわらず、奇妙なことに、朝鮮学校は、北朝鮮から送られる支援資金を受けて運営されておりますし(将来的な帰国を前提として認められている・・・)、また、朝鮮総連は、北朝鮮の出先機関とも言われています(拉致事件にも関与・・・)。ということは、”朝鮮籍”の人々は、北朝鮮では”公民”として登録されている可能性も否定できません。もしそうであるとしますと、さらに奇妙なことになります。”在日朝鮮人”の多くは、朝鮮戦争における難民認定を受けていますが、本国における戦闘状態や迫害がないにも拘わらず、難民認定を受けることはあり得ないからです。難民どころが、北朝鮮の公民として、本国の手先として働いていることになるのですから(難民として保護する必要はない・・・)。

 日本国民の多くは、謎に満ちた”在日朝鮮人”の実態について、ほとんど知らされておりません。拉致事件を起こした北朝鮮の組織が国内に存在していることは、国民にとりましては、重大なリスクでもあり、治安上の不安要因でもあります。外国人地方参政権の問題もさることながら、まずは、戦後の混乱の中で曖昧にされてきた、この奇妙な実態を明らかにし、錯綜した状況を整理する必要があるのではないでしょうか。

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韓国籍付与による北朝鮮合併という秘策

2010年02月20日 15時28分47秒 | 国際政治
北崩壊時中ロ共同で北朝鮮占領の可能性も、米研究者(聯合ニュース) - goo ニュース
 北朝鮮が崩壊した場合、中ロ共同で北朝鮮を占領するというシナリオが存在しているそうです。民族自決の原則を考えますと、両国による北朝鮮占領には、国際法上の合法性があるとは思えません。ここは、やはり韓国が北朝鮮を吸収合併すべきなのではないでしょうか。

 北朝鮮崩壊に際しては、大量の難民の発生と無政府状態による混乱が予測されています。こうした混乱を回避するためのソフト・ランディング策として、北朝鮮の国民に対して、韓国政府が、即時・無条件に韓国国籍付与してはどうかと思うのです。つまり、国民を先に韓国に吸収し、治安部隊を派遣して自国民として保護するのです。当面の混乱を避けることができれば、後は、正式に韓国による国家承継の手続きを進めればよいことになります(あるいは、北朝鮮が国家消滅の扱いとなり、韓国を唯一の半島における合法的な国家とすると、この手続きも不要かもしれない・・・)。

 そもそも韓国と北朝鮮は南北分断国家ですので、韓国による北朝鮮の吸収に異議を唱える国はないはずです。北朝鮮の不安定化が報じられるなか、韓国は、如何にして安定した形で北朝鮮を吸収するか、真剣に考える時期に来ているのではないかと思うのです。

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「17条協定」の終了でチベットは独立できる

2010年02月19日 15時18分16秒 | 国際政治
米大統領、チベットの独自性維持「強い支持」(読売新聞) - goo ニュース
 チベットと中国との間の関係は、国際法から見ますと、1951年4月に結ばれた「17条協定」を根拠とした法的な繋がりに過ぎません。しかも、軍事力をバックとした脅迫による条約締結を、条約法条約は無効としていますし、この協定に記されたチベット尊重の規定さえ、中国は守っていないのです。

 実のことろ、チベットは、この「17条協定」を終了させることで、法的には独立を手にすることができます。条約法条約も、一方の当事国に条約違反があれば、相手側は条約を終了させることができるとしていますので(第60条)、チベットは、中国に対して条約違反を理由に「17条協定」の終了を求めることができるのです(中国も条約法条約の締約国・・・)。最近になって、中国は、国際社会の圧力をかわすためにか、チベット亡命政府と会談を行った模様です。しかしながら、何らの進展もなく、中国によるチベットの植民地支配は依然として進行しており、状況は一向に改善されていません。チベット亡命政府は、「17条協定」の終了を中国側に通達することで独立を回復するか、あるいは、交渉の梃子とべきなのではないでしょうか。

 国際社会もまた、チベットの民族自決を尊重し、「17条協定」の終了とチベット独立を承認することで、植民地支配の終焉に協力することができます。中国に配慮しては、いつまで経ってもチベットは救われませんし、国際社会における法の支配を否定することにもなります。願わくば、オバマ大統領には、チベットには独立の望みがあることを、ダライ・ラマ14世を伝えていただきたかったと思うのです。

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検察と小沢氏の問題は混戦状態に

2010年02月18日 16時11分47秒 | 日本政治
「検察の裏金」調査する=行政評価使い、けん制球?-原口総務相(時事通信) - goo ニュース
 原口総務相の”検察の裏金を調査する”という発言が、中立・公平であるべき検察に対する政治介入の示唆であるならば、当然、非難を受けるべきは総務相の側ということになります。その半面、もし、週刊誌で報じらているように、小沢氏と検事総長との癒着によって不起訴処分が決定されたのであるならば、原口氏は、両者の怪しい関係を暴こうとしたとも理解できるのです。

 週刊誌の記事そのものを読んでおらず、見出しからの憶測であることを断らなければなりませんが、確かに、突然の小沢氏不起訴処分は、国民の目から見ましても、あまりに不自然でした。このため、国民の中には、検察に対して何らかの圧力がかかったか、あるいは、両者の間に違法性を見逃すにような密約があったのではないかと疑った方も、少なくはなかったはずです。もし、この不自然さに、何らかの表にできない原因があるとしますと、実際に検察を調査した結果として明らかになるのは、”藪蛇”のように、検察トップと小沢氏との”闇の取引”である可能性も否定できないのです。

 一連の事件によって、国民は、小沢氏のみならず、検察に対しても不信感を抱くようになりました。この結果、事態は混戦状態となり、原口総務相の発言の真意もどこにあるのか、判らなくなりました。行政評価の文脈ではなく、ここは、オンブズマンのような第三者に、真相究明を委ねたほうがよいのかもしれません。

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国母選手服装問題―公私の区別は大事

2010年02月17日 15時29分05秒 | 社会
異端児・河野氏「頑張れ国母」 服装問題、自民内で賛否(産経新聞) - goo ニュース
 日本選手団のユニフォームを”自分流”に着こなして非難を浴びた国母選手。自民党の河野氏は、多様な価値観の尊重から擁護の言葉を述べているようですが、この事件の最大の問題点は、公私の区別の欠如にあるのではないでしょうか。

 もし、国母選手が、”自分流”のファッションを楽しんだ場所が、プライベートな場であったならば、これ程までに苦情が殺到することはなかったはずです。もちろん、それは、国母選手の個性として認められたことでしょう。一方、オリンピックとは、日本国が代表選手を送る公の場であり、それゆえに、国費でユニフォームも支給されています。選手の強化費も、国庫から支出されているかもしれません。いわば、オリンピック選手たちは日本国の代表なのです。それ故に、日本国民の多くが、選手に声援を送ると共に、国の代表として国際舞台で礼儀を失することがないよう求めるのは、当然いえば当然の感情であるのかもしれません。この点を考えますと、河野氏の擁護論にも、首をかしげてしまうのです。

 もし、オリンピックの場で”多様な価値観”が認められるならば、選手が私服で参加したり、外国のユニフォームて出場することも許されることになります。公私の区別を知ることこそ、国母選手が社会人になる道の第一歩と思うのです。

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地球温暖化―メタン対策に切り替えては

2010年02月16日 15時47分48秒 | 国際政治
「大雪だから温暖化なんかウソ」と主張するロシアン・ルーレット(gooニュース・ニュースな英語) - goo ニュース
 本日のテレビのニュースで、観測衛星「いぶき」から送られてきた情報の解析によりますと、地球上には、メタンが高濃度に噴出・滞留している地域(中国やインド・・・)があるそうです。世界各地で大雪と寒波が報告され、二酸化炭素による地球温暖化説が疑わしい状況にあることを考えますと、まずは、メタン対策を優先してはどうかと思うのです。

 二酸化炭素の排出量を高い率で削減しようとしますと、COPでの合意が難航していること示すように、経済にのしかかる負担が重すぎます。また、近年の気温上昇が、地球の自然な気候変動の結果であれば、二酸化炭素の削減努力は徒労に終わる可能性もあります。二酸化炭素による地球温暖化が事実であるにも拘わらず、それを放置することも”最悪の事態”かもしれませんが、無理な対策を強行して経済を衰退させながら、真の原因が別のところにあったとなりますと、これもまた”最悪の事態”です。

 両面の”最悪の事態”が起こりうるのですから、ここは、別のアプローチが必要なのではないかと思うのです。二酸化炭素とメタンでは、後者の方がはるかに温室効果が高く、確か26倍程であったと記憶しています。小氷期とも指摘されている寒冷化現象が今後も続くのかは、ここ数年の観測が要しますので、原因が確定されるまでの間は、メタン対策に取り組めば良いのではないか、と思うのです。

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波乱をもたらす中国の時代感覚

2010年02月15日 15時22分14秒 | 国際政治
日本の日米中正三角形論「非現実的」 ロバート・サター ジョージタウン大教授(産経新聞) - goo ニュース
19世紀末、明治時代の幕開けとともに、我が国は、国際社会の一員として恥じぬよう、国際法の遵守に努めたことは、昨日の記事で書きました。その結果、欧米諸国と同様に、幾つかの戦争を遂行し、富国強兵のスローガンのもとで国力を充実させ、自国の勢力圏を広げたことも確かです。当時の国際ルールは、必ずしも植民地の保有や覇権の拡大を否定していませんでした。

 一方、中国が国際社会に本格的に登場した21世紀には、既に覇権主義は過去に葬り去られ、他国の支配は正当化できなくなりました。第二次世界大戦において、連合国側が、侵略との闘いを大義として掲げたことが、国際社会のルールの転換に決定的な意味を持ったのです。また、植民地の側からの独立の要求は、民族自決を国際社会の原則と化し、国民国家体系の世界大での成立を促すことになりました。こうした国際社会のルールの変化を、中国は理解しているのでしょうか。

 中国では、”中原に鹿を逐う”という表現があるように、異民族が武力で王朝を開くことは、正当な行為として認められてきたようです。秦の始皇帝にも西域出身説があり、隋、唐、元、清といった歴代王朝の初代皇帝もまた異民族出身でした。しかしながら、現代の中国は、満州事変以降の戦争については、近年のルールを受けれて”侵略”として非難しつつも、チベットやウイグルについては、”侵略”として認めようとはしません。しかも、台湾や尖閣諸島などへの対応を見る限り、今後も、”侵略”を狙っている様子が窺えるのです。

 中国の国際法に対する態度は、自己に都合のよい部分だけは利用して、不都合な部分は無視するというものです。国際社会に参加する以上は、そのルールを全面的に受け入れる必要がありますが、中国に、その意思があるとは見えません。こうした中国のご都合主義の態度こそ、国際社会の波乱要因となっているのではないでしょうか。中国の覇権主義を抑えることは、国際社会における日米同盟の重要な役割であると思うのです。 

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国民国家体系の維持という課題

2010年02月14日 15時49分00秒 | 国際政治
【コラム】 「日米安保」がなかったらどうなってしまうの?(R25) - goo ニュース
 現在の国際システムである国民国家体系は、1648年のウェストファリア条約により成立したとされていますが、世界大にこのシステムが拡大するのは、第二次世界大戦後の植民地独立を待たねばなりません。国民国家体系は、国家間の戦争をもたらすとして非難されることもありますが、曲がりなりにも全ての国家が並列状態となり、それぞれの国民が、主権国家を持つに至ったことは、評価に値するのではないかと思うのです。国際法もまた、侵略を違法化する方向に歩むことで、国家の独立と権利を保障しています。

 しかしながら、現在、急激な経済成長を梃子とした中国の台頭は、ようやく成立した国民国家体系を揺さ振り、新たな”帝国主義の時代”に世界を引きずり込みつつあるように見えます。開国と共に、我が国は、国際社会の一員として国際法を遵守し、その規範を受け入れようと努力しましたが、現在の中国は、国際法を欧米のルールの押し付けと理解し、すすんで受け入れようとはしません。他国の権利侵害を躊躇せず、法の支配を否定する態度は、中国のみならず、ロシア、イラン、北朝鮮といった諸国にも共通しています。既存の国際秩序が重大な挑戦を受け、体系そのものが動揺する時、何が起きるかは、歴史が証明するところです。

 民主党政権の成立以来、日米同盟の揺らぎが幾度となく指摘されてきましたが、21世紀における日米同盟の意義とは、両国が協力して、覇権主義国家による国民国家体系の破壊を阻止することにあるのではないでしょうか。国際体系を維持するということは、我が国への侵略行為を防ぐと共に、脅威に晒されている全ての国家を守ることでもあります。国連が頼りにならず、アメリカ一国による国際秩序の維持が困難となった時代であるからこそ、同盟を基礎とした協力の下で、安全かつ安定した国際秩序の維持に貢献すべきと思うのです。一国では不可能なことも、複数の国が集まれば、可能となることもあるのです。

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