万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

郵政法案―採決を急いではいけない法案

2010年05月31日 15時57分06秒 | 日本政治
郵政法案、きょう中に衆院通過=与党方針、攻防ヤマ場に(時事通信) - goo ニュース
 本日、衆議院を通過する見通しの郵政法案は、いわば、郵政民営化法案とは逆方向の、”郵政公営化法案”ともいうべき内容の法案です。郵政民営化法案が成立した経緯を考えますと、この法案、あえて急ぐ必要はないと思うのです。

 そもそも、”郵政解散”とも呼ばれた小泉政権下での衆議院の解散選挙では、郵政民営化が争点となりました。アジェンダを明確にして国民に問うというスタイルは、争点選挙の典型的な事例でもあります。また、争点選挙は、国民が、法案への賛否を示すという点において、国民投票に近い機能を果たしていると言えます。郵政解散にあっては、国民多数は、郵政民営化の方向を支持したのですから、この決定は、重く見るべきと考えられます。つまり、政権交代があったとしても、こうした法案は、方針の転換を行うならば、最も慎重に扱い、改めて国民の合意を形成すべき法案なのです。

 民営化後の日本郵政への非難は、経営のスタイルではなく、資産売却の不透明性などに向けられていたはずです。こうした欠点を是正するために法を制定するのであれば、道理に適いますが、公営化の方向へと大きく転換するとなりますと、民意に反する可能性は高くなります。党利党略のために採決を急ぐとなりますと、民主党への信頼性は、さらに低下するのではないかと思うのです。

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中国の賃上げは不可避では

2010年05月30日 16時45分01秒 | 国際経済
国有企業でも大規模スト=1万人が工場封鎖―中国(時事通信) - goo ニュース
 最近、外資系民間企業のみならず、国有企業の工場でも、賃上げを要求するストライキが続発しているそうです。

 中国では、急激な経済成長と元安政策の影響が国内の資産インフレにも現れており、上海の不動産バブルの崩壊が懸念されていることは、新聞等でもしばしば報じられています。我が国のバブル期と同様に、不動産価格が、一般の勤労者が購入可能なレベルを超えれば、一生懸命に働いても、人並みに持ち家を手にすることができなくなります。加えて、インフレは、不動産部門ほどではないにせよ、日常品の商品価格にも及んでいるようです。これでは、勤労者の生活は苦しくなるばかりです。

 統制の厳しい中国において、1万人もが参加するストが起きることは、国民の間に不満が相当に高まっていることの現れでもあります。中国当局は、低賃金政策を続けてきたようですが、この政策は、国民の不満を前にして、転換せざるを得なくなると思うのです。

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中国の賃金上昇は貿易不均衡を是正する

2010年05月29日 15時52分53秒 | 国際政治
日本人駐在員との給与格差「50倍」やり玉 中国ホンダ系工場スト(産経新聞) - goo ニュース
 ギリシャ危機の余波を受けて、アメリカ政府の中国政府に対する元安是正要求も、トーン・ダウンしているとの報道があります。中国が、貿易黒字と外貨準備を積み上げる構図は、貿易不均衡として非難されていますが、もう一つ、対外通貨政策以外に貿易不均衡を是正する方法があるとしますと、それは、中国における賃金の上昇ではないかと思うのです。

 中国製品の競争力の源泉は、元安のみならず、労働賃金の低さにもあります。多国籍企業が、こぞって中国に工場を建設するのも、人件費を大幅に削減できるからです。ストが起きている中国ホンダ系工場では、女性従業員の手取りの給与が日本円で1万3500円程度とのことですので、先進国との間の給与水準の差は歴然としています。もし、伝えられるように、”同一労働同一賃金”の原則の下で、中国人従業員の給与がアップするとしますと、製造拠点の中国移転にブレーキがかかる可能性があります。また、給与のアップ分は、商品価格に上乗せされますので、中国製品の輸出価格も上昇し、グローバル市場における輸出競争力も低下します。

 中国国民にとっては、給与が上がることは喜ばしいことですし、貿易不均衡と雇用流出に苦しむ他の諸国にとっても、朗報となります。歪んだ構図は、どこかで調整されなければならないと思うのです。

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民族・宗教問題―国籍法の盲点

2010年05月28日 17時51分07秒 | 国際政治
仏ブルカ禁止法案巡り、イスラム教徒社会に亀裂(読売新聞) - goo ニュース
 フランスをはじめ、欧州各国では、戦後に経済を目的に移民してきたイスラム教徒の人々が多く定住し、独自のコミュニティーを形成しています。ブルカ禁止法が下院で採択されたことをめぐって、イスラム社会も揺れているようですが、この問題、そもそも、国籍法に盲点があるからなのではないかと思うのです。

 建国当初から移民国家であるアメリカには、移民数の国別割り当てがあるそうです。割り当て制度がある場合では、予め、国民の民族構成をコントロールすることができます。その一方で、移民国家ではない一般の国では、国籍法は、個人を対象として審査されます。審査の基準とは、言語や慣習の習得、居住年、犯罪歴・・・などであり、定められた条件を満たせば、国籍は取得できます。後者の方法は、一見、開放的なように見えますが、個人として国籍を取得した人々が同化せず、国籍取得後に国内において民族集団を形成することに対しては無防備です。また、特定の国の移民の増加をコントロールすることはできません。そうして、移民社会が自らの独自性を主張しますと、全く景観の異なる国家内国家、あるいは、外国の飛び地が出現してしまうのです。

 既存の国民にとっては、この現象を脅威に感じることは理解に難くありません。いつのまにか、自国であって自国ではない部分が発生してしまうのですから。個人の自由と民族や宗教集団の問題は、もう一度、考え直す時期に来ているのかもしれません。
 
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哨戒艦沈没事件―中立的な第三者の検証が必要

2010年05月27日 17時16分26秒 | 国際政治
ロシア、韓国に専門家派遣=哨戒艦沈没事件で物証検討(時事通信) - goo ニュース
 北朝鮮が絡む事件が起きるたびに、陰謀論が囁かれ、どれが真実であるのか分からなくなります。今回の哨戒艦沈没事件もまた、北朝鮮は、韓国の”でっちあげ”を主張しているようです。

 韓国もまた、これまでの行動や発言からしますと、誇張や虚偽が多いという問題点があり、北朝鮮による魚雷攻撃説の信憑性が疑われる原因となっております。今後、朝鮮戦争の休戦破棄という展開も充分に予測されますので、国際社会が納得するように、どちらの主張が正しいのか、原因究明だけは怠ってはならないと思うのです。原因が判明しないうちに戦争に突入するとなりますと、後々、陰謀説が根強く残り、その悪影響が尾を引きます。ここは、中立的で公平な第三国、あるいは、国際機関に調査を依頼するべきなのかもしれません。

 この点、ロシア政府が、物証を得るための調査に名乗りを上げたようですが、ソ連邦が北朝鮮の建国に関わったという歴史的な関係を考慮しますと、ロシアが、中立的で公平な第三国とい言えるかどうか、いささか疑問があります。もしかしますと、原因究明そのものが、国際紛争の発端ともなりかねず、充分な注意が必要なように思うのです。

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南北統一は戦争以外の方法で

2010年05月26日 14時20分59秒 | アジア
北、制裁に反発「韓国政府との関係すべて断絶」(読売新聞) - goo ニュース
 韓国の哨戒艦の沈没事件以来、韓国と北朝鮮との関係は、一触即発の状態のようです。ところで、北朝鮮の戦争目的とは、一体、何なのでしょうか。

 北朝鮮の挑発行動が、朝鮮戦争の休戦破棄の意思表示であるとしますと、戦争の目的は、南北統一と言うことになります。しかしながら、もし、本気で、南北の統一を目指すならば、戦争は、唯一の手段ではありません。1991年に、両国は国連に同時加盟をしているのですから、まずは、平和的な解決を目指すのが筋であり、一方的な武力の行使は、憲章違反となります。半世紀前ならいざ知らず、南北とも同一民族の国なのですから、戦争に訴えなくても、平和裏に統一できるはずです。連邦制の案もありますし、双方で民主的な選挙を実施して、統一政府を形成するという方法もあります(もちろん、北朝鮮の体制が崩壊すれば、より容易に選挙による統合ができるのですが・・・)。また、日頃から戦争反対を訴えている平和団体が、この件について、北朝鮮の行動を制止しようとすることなく、押し黙っているのも不思議なところです。

 北朝鮮が、自国の独裁体制を押し付けるために、半島の統一を目指しているとしますと、時代錯誤も甚だしいと言わざるを得ません。北朝鮮は、戦後築き上げてきた国際社会における法の支配を道ずれにして、自滅へと突き進むというのでしょうか。日本国政府は、韓国と北朝鮮に対して、平和裏の統一を求めるべきと思うのです。

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日本国は”托卵”されているのか

2010年05月25日 12時52分58秒 | 日本経済
ニュースを斬る サムスンを寄せつけぬ半導体 世界一は譲れない!日本企業が死守できる分野はここだ(日経ビジネスオンライン) - goo ニュース
 本日の新聞に、日本の大学で行われている先端技術研究の成果を、サムスンが積極的に取り入れようとしているという記事がありました。しかも、特にターゲットとなっているのが、ナノテクなどの先端技術分野、つまり、将来の成長が期待される分野とのことです。

 このお話、カッコウの”托卵”に似ていると思うのです。何故ならば、日本の大学が、韓国企業を育てることになるからです。おそらく、サムスンから莫大な寄付金を提供されているのかもしれませんが、私立大学でも、政府から助成金を受けていますし、国立大学ともなりますと(高価な実験設備も公費支出では・・・)、なおさらのことです。先端技術は、将来の我が国の競争力大きく左右し、雇用を生み出す原動力ともなるのですから、政府は、外国企業からの資金提供を受けなくても研究がすすめられるように有望な研究には積極的な財政支援を行うと共に、研究の成果の実用化は、産業政策の戦略上、自国企業を優先すべきではないかと思うのです。

 仕分け作業に見られるように、民主党政権の研究・技術開発に対する冷遇は、衰退の原因を自らつくるようなものでありますので、大学での研究が、自国の企業を育てる仕組みをつくるべきではないかと思うのです。

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小沢ガールズに何も言わないフェミニスト

2010年05月24日 15時30分22秒 | 日本政治
苦しい時の「小沢ガールズ」民主重鎮を応援(読売新聞) - goo ニュース
 ”小沢ガールズ”という存在ほど、不気味なものもないように思うのです。どことなく、オウム真理教を思い起こさせるのですが、フェミニストの人たちが非難しないことも、また不思議なことでもあります。

 そもそも、若い女性とはいえ、一国の国会議員を”ガールズ”という軽々しい言葉で呼ぶこと自体、フェミニストならずとも、一般の国民から見ましても眉を顰めたくなるようなお話です。しかも、”小沢”という一個人の固有名詞がその上に付くのですから、なおさらのことです。これでは、国民の代表ではなく、小沢氏の取り巻きか、民主党の宣伝要員であることを、自ら宣言しているようなものであり、議会制民主主義を否定しているとも受け取られかねません。

 真っ先に口をとがらせて非難しそうなフェミニストが口をつぐむ一方で、国民の多くから顰蹙を買っている”小沢ガールズ”。”小沢ガール”を担ぎ出す状況は、我が国の政治風景をうすら寒くしているように思えるのです。

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中国企業への資本市場開放は大丈夫?

2010年05月23日 14時55分17秒 | 国際経済
レナウン、中国企業の傘下に 数十億円出資受ける方針(朝日新聞) - goo ニュース
 経済成長著しい中国は、企業戦略として、積極的に海外企業の株式取得に乗り出しているようです。ところで、共産主義国の企業に自国の資本市場を開放しても、大丈夫なのでしょうか。

 共産主義国家の企業に対して、自由主義国が、自らの市場を開放することにはリスクが伴うものです。先端技術の流出に加えて、本国主義が一方的に適用されますと、自国の企業が、中国当局のコントロール下に置かれる可能性もあるからです。また、中国政府は、経済への政治介入を是としていますので、中国資本の出資を受けた企業の経営が、中国市場や中国人雇用重視に偏ることも考えられます。また、現在は、元安円高なのですから、日本企業による中国企業の買収や合併があってしかるべきなのですが、そうしたニュースも、あまり聞こえてきません。もしかしますと、中国の資本市場には、海外企業に対して何らかの規制が設けられており、市場開放のレベルに不公平が生じているのかもしれません。

 今後、元高となりますと、さらに中国企業の海外企業の買収が増加すると予測されますので、共産主義リスクに鑑みて、中国当局にさらなる自由化を求めるとともに、もし、中国側に不公平の原因となる規制があるならば、相互主義に照らして、何らかの対抗措置を検討すべきと思うのです。

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暴力肯定―革命国家中国の悲劇は終わっていない

2010年05月22日 15時40分17秒 | アジア
中国で護身術習う子どもが急増、一連の学校襲撃事件で(トムソンロイター) - goo ニュース
 中国では、貧富の格差への不満からか、本来、子どもを守るべき立場にある大人が、あろうことか、子供を襲撃するという事件が頻発しているそうです。この問題、中国が、暴力革命を肯定する共産主義国家であることにも原因があるのではないかと思うのです。

 共産革命とは、資本主義体制では、搾取する資本家と搾取される労働者に二極化することを非難し、プロレタリアート独裁による平等な社会の実現を目指した武力闘争として理解されています。その実現手段として、革命という名の暴力の行使を認めているわけですから、共産党政権の正当性は、まさに、この暴力に依拠しているということになります。国家が、不満の解消方法として暴力を認めるとしますと、国民もまた、暴力の行使に対する抵抗感が弱くなることは、当然に予測できます。国家か、個人かの、レベルの違いでしかないのですから。

 弱者にも平気で刃を向けるとなりますと、中国社会は、暴力の蔓延により、修羅場と化すかもしれませんし、もし、政府当局が、それを暴力で抑え込もうとしますと、今度は、政府と国民との間の暴力の応酬となるかもしれません。暴力で誕生した国の悲劇は、まだ終わっていないように思えるのです。

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小沢氏上申書提出は検察審査会への介入

2010年05月21日 18時05分48秒 | 日本政治
小沢氏側が上申書検討、検察審に異例の「潔白」主張(読売新聞) - goo ニュース
 検察が、再度、小沢氏の起訴を見送ったことを受けて、小沢氏側は、検察審査会に対して自らの潔白を主張する上申書を提出するとのことです。しかしながら、この上申書、検察審査会の公平・中立性を揺るがす被告発人側の介入となる怖れがあると思うのです。

 検察審査会とは、検察同様に、検察が聴取した被疑者の証言や入手した証拠に基づいて、起訴の是非を判断する機関です。検察にも提出されていない上申書を、検察審査会に向けて送りつけることは、検察審査会の判断に、影響を与えことになりかねません。あるいは、この上申書に、検察審査会のメンバーは、政治的な圧力を感じるかもしれないのです。小沢氏が、もし、潔白を主張したいのであれば、それは、法廷において主張すべきことであり、検察審査会に対して行うことではないのではないでしょうか。

 検察審査会法には、被告発人からの上申書の提出について規定がないとのことですが、こうした法の抜け穴を見つけては、自己に有利となるように利用するのが、小沢氏の基本的な行動パターンです。強制起訴を避けようとしてとった行動が、あらためて小沢氏の法に対する歪んだ感覚を明るみにしたように思うのです。

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予防を軽視する民主党政権

2010年05月20日 17時47分05秒 | 日本政治
「初動に遅れ」自民が農相不信任決議案提出へ(読売新聞) - goo ニュース
 宮崎県で深刻化している口蹄疫の原因は、民主党政権の杜撰な感染リスクの管理と初動の遅れにあると指摘されているようです。つまり、感染が予測できたにもかかわらず、予防を怠り、感染が拡大しても、対策が後手後手であったということになります。

 民主党政権の欠点の一つは、”予防”を忘れていることではないかと思うのです。口蹄疫の問題のみならず、子ども手当についても、不適切な給付申請が予測されながら、法案の修正に応じなかったために、結局、懸念された通りの事件が発生してしましました。普天間基地問題も、抑止力、つまり、予防の必要性に気づくのが遅すぎたために、混乱を極めることになりました。外国人参政権に至っては、内政干渉や主権侵害といった、かなり現実的な問題が各方面から提起されているにもかかわらず、全く聞く耳を持とうともしません。口蹄疫の上陸を水際で止めることができず、感染拡大を許したのも、政府が、予防を甘く見ていたからなのではないでしょうか。

 政策への批判とは、”予測できる危機は避けよ”、という警告のシグナルでもあります。民主党は、こうした声を自党に対する攻撃として頑なに拒絶するのではなく、国民の当然の懸念として、誠実に対応すべきと思うのです。起きてしまってからでは、遅すぎることはたくさんあるのです。

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毒入り餃子事件―責めを負うべきは日本の警察か

2010年05月19日 16時11分53秒 | アジア
ギョーザ袋の穴見逃し「捜査ずさん、誠に残念」(読売新聞) - goo ニュース
 最近になって、中国国内で毒入り餃子事件の犯人が逮捕されたことを受けて、中井国家国安委員長は、我が国での捜査が杜撰であったとする”反省の弁”を述べたようです。

 あたかも、犯人逮捕が遅れたのは、我が国側に原因があったような言い方なのですが、この事件、捜査が行き詰ったのは、中国側が、日本国内での毒物の混入を主張したことにもよります。事件発生後、我が国の警察は、いち早く毒物であるメタミドポスの成分を分析し、中国国内で使用されている農薬が使われた可能性が高いことを突き止めています。つまり、中国国内での犯行を示唆したわけですが、中国側の強い反発を前に、捜査が停滞してしまったのが実情であったのではないでしょうか。国民は、この顛末に、政府の圧力さえ感じたはずです。

 小さな注射器後を発見できなかったことは、確かに警察の落ち度であるかもしれませんが、このことは、むしろ、犯人の供述を裏付ける証拠が見つかったと評価すべきこのなのかもしれません。これまでの主張を一転させて、中国政府が、突然に犯人逮捕を公表した途端、自国の警察を責め始めた中井委員長の態度豹変には、どこか卑屈な傲慢さを感じるのです。

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中国への北朝鮮の支援要請―まさか軍資金では

2010年05月18日 15時50分36秒 | アジア
中国、金総書記の大規模支援要請断っていた(読売新聞) - goo ニュース
 ここ一カ月ぐらいの間に、北朝鮮の不穏な動きが頻繁に報じられるようになりました。韓国の哨戒艦の沈没事件も、北朝鮮の魚雷によるものと断定されたようです。

 こうした”きな臭い”事件が相次ぐ中、北朝鮮の金総書記が中国を訪問し、大規模な支援を要請したものの、断られたとする情報が伝わっています。この大規模支援、もしかしますと、軍事行動を起こすに際しての、資金援助の要請ではなかったのかと疑うのです。北朝鮮は、デノミの断行と失敗により、経済状況がさらに悪化したとの指摘があります。このため、軍資金ではなく、通常の経済支援である可能性ももちろんあります。しかしながら、経済が行き詰まっているならばなおさらのこと、北朝鮮が、起死回生を期して戦争という”賭け”に出るシナリオも否定はできません。”大規模な支援”という表現は、一般的な予算を大幅に超える支出が見込まれていることを暗示しているようにも思えるのです。

 この憶測が外れていることを望むばかりですが、かの国の独裁国家という体質を考えますと、北朝鮮の暴発には、充分な警戒と注意を払う必要があるのではないでしょうか。

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北朝鮮は正々堂々とは戦わない

2010年05月17日 15時11分56秒 | アジア
韓国艦沈没、米含め緊密連携し対応…日韓外相(読売新聞) - goo ニュース
 報道によりますと、韓国艦の沈没の原因は、北朝鮮による魚雷攻撃であった可能性はかなり高いそうです。もし、今後、北朝鮮が戦争を仕掛けるとしますと、それは、宣戦布告なきゲリラ戦、あるいは、テロ攻撃となるのではないかと思うのです。

 通常の戦争よりも、ゲリラ部隊やテロ集団との闘いの方が遥かに難しいと言われています。何故ならば、戦場が限定されているわけではなく、神出鬼没であり、また、兵士と民間人との区別も曖昧となるからです。北朝鮮という国は、”抗日戦線”の英雄とされる”金日成”という人物によって建国された国です。つまり、その出発点にあって、ゲリラ戦を正当な闘争手段と見なしてきた国でもあるのです。その延長線上に現在の北朝鮮があるとしますと、かの国が、正々堂々と戦争に訴えるとは考えられません。民間人を巻き添えにしながら、陰湿で突発的な破壊活動を繰り広げることが予測されるのです。

 拉致事件や核開発にも見られるように、北朝鮮は、徹底して相手を欺き、法やルールを破ることで自らの利益を追求してました。また、民間人の犠牲を厭わない非情さを備えています。相手が気づき、防備を固める前に、意表を突いて攻撃することを得意技としているのですから、韓国艦沈没は他人事ではなく、我が国もまた、こうした攻撃に対して準備を怠ってはならないと思うのです。 

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