万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

「日本未来の党」は「日本過去の党」になる?

2012年12月04日 15時42分38秒 | 日本経済
衆院選2012 未来が公約発表 「卒原発」工程表作成(産経新聞) - goo ニュース
 突如、女性の嘉田滋賀県知事を看板に、卒原発を掲げて登場してきた「日本未来の党」。ネット上で世論調査を実施したものの、大多数が脱原発に反対に投票したことで、既に、この路線は行き詰っているようです。

 卒原発路線の行き詰まりは、卒原発の道筋についても言えることです。嘉田代表は、卒原発の実現によって生じた電力料金の値上がりは、交付国債を発行することで、対応すると述べています。卒原発が、電力料金の大幅値上げを招くことを率直に認めている点は、評価すべきことなのですが(電気料金値の大幅上昇を伏せている政党もある…)、その額、一体、どのくらいになるのでしょうか。今でも、原発稼働停止により、3兆円ほどの火力燃料費がかかっております。加えて、再生エネが普及すれば、さらに電力料金は上昇し(太陽光に至っては、42円という法外な高値…)、卒原発に伴う廃炉費やスマート・グリッドの整備のための費用なども合わせれば、恐ろしい額に上ります。増税を避けるために、交付国債と主張しているのでしょうが、毎年、電力補助金のためだけに、最低3兆円以上の交付国債を発行し続けるとしますと、財政破綻は目に見えています。霞が関の埋蔵金も掘り尽くされているそうですし、電力料金の値上がり分の補填の他にも、「日本未来の党」は、民主党以上に民主党の政策を引き継ぎ、”ばらまき政策”を公約に掲げてもいます。たとえ、政権与党となっても、こうした給付中心の政策が、早晩、財源問題で立ち往生することは、民主党政権の3年4カ月を振り返れば、誰もが理解できます。

 「日本未来の党」は、自らの政党が示す悲惨な未来の予測図を冷静に分析することができず、かつ、過去の失敗した政策を引きずっているとしますと、現実の世界では、自滅してしまうのではないかと思うのです。そして、掲げる公約の理想が、現実には逆となるのと同様に、「日本未来の党」もまた、「日本過去の党」となるかもしれないのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

 
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする