万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

慰安婦問題合意-政府説明の”内外使い分け”が効かない時代の反発

2015年12月31日 13時27分37秒 | 国際政治
慰安婦問題合意に「失望」 保守層、ネットで首相に反発
 日本国内のメディア等では、慰安婦問題に関する日韓合意に対する反発は、保守層に限定されているかのように報じています。しかしながら、ヤフーが実施ているネット世論調査の結果では、およそ7割が”評価せず”に投票しており、”合意反対”こそ、日本国の世論と言っても過言ではありません。

 それでは、何故、日本国民の反発がこれほどまでに広がったのでしょうか。その理由の一つは、既に、政府が、外交問題について、国内と国外とで異なる説明を使い分けられる時代が過ぎ去ったからです。両外相の共同記者発表は、日本文と英文とでは、相当にニュアンスの違いがあります。今般の合意を擁護する意見として、”強制連行や法的責任を認めたわけではない”、”10億円で不可逆的に解決できたのは評価できる”、”この合意で困っているのは韓国側である”といった声も聞こえます。しかしながら、これらの擁護論は、あくまでも日本文に沿った解釈であり、英語版を読みますと、韓国側の”歴史認識”を色濃く反映させているのです。このため、CNN、BBC、ガーディアン…といった主要外国メディアは、こぞって”日本国政府が性奴隷問題の責任を認め、問題を解決した”とする論調で報じており、あたかも、”性奴隷”が事実であったかのような扱いをしています(実際には、犯罪被害は少数であり、大半は合法的な雇用契約の下で慰安婦として働いている…)。日本国民の反発は、日本文の表現や韓国の国内事情とは関係なく、国際社会において韓国の誣告によって汚名を着せられ、かつ、事実に反するにも拘わらず、日本国政府がそれを認めたとする認識に基づいているのです。しかも、”不可逆的な解決”が、事実の解明の阻止を意味するならば、日本国民にとりましては、これほど屈辱的なことはないのです。当然に、この日本国民の反感は、誣告をした韓国に及ぶのですから、日韓関係が改善するはずもありません。

 国民の多くが英文を理解し、海外報道にも関心を寄せるグローバル化の時代を迎えたことは、たとえ政府が国民向けと国際社会向けとの二つの説明を用意し、これらを巧妙に使い分けようとしても、もはや、その手法が効かなくなったことを意味しています。否、政府に騙されたとする意識が国民に生じ、さらに反発に拍車をかける結果を招いているのではないかと思うのです。

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 本年は、拙劣な記事でありながら、貴重なお時間を割かれまして本ブログ記事をお読みくださり、誠にありがとうございました。来年も、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

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慰安婦合意―日本国はアメリカに”捨て石”にされたのか?

2015年12月30日 15時29分49秒 | アメリカ
米政府 韓国系団体に活動の自制呼びかけ
 今月28日に、電撃的外相の訪韓で合意に達した慰安婦合意は、あまりにも予想外の展開に、日本国内に激しい衝撃をもたらしました。世論調査によりますと、日本国民の7割を越える圧倒的多数がこの合意を評価しておりません。

 その理由は、慰安婦問題は、日本国にとりましても”お金の問題”ではないからです。日本国の世論の反発は、日本国政府よりもアメリカ政府の方が深刻な事態として把握しており、挺対協を含む韓国世論と共に、日本国政府にも国民への説明を求めています。結局、日本国政府からの詳しい説明はなく、不満ばかりが鬱積した状態となっておりますが、アメリカ政府は、ケリー国務長官をはじめ、日韓の合意を歓迎する声明を発表し、国際的な支持を圧力として当合意を維持させようと必死のようです。しかしながら、アメリカの積極的な働きかけによって、日本国内の世論が沈静化するとも思えません。何故ならば、アメリカが合意を評価すればするほど、日本国民は、第二次朝鮮戦争のため、即ち、韓国防衛のために”捨て石”にされたとする認識が深まるからです。アメリカ政府の説明によれば、日韓の関係改善は、対中よりも対北政策に重点が置かれており、安全保障面での協力強化は、安保関連法案の成立と相まって朝鮮戦争における自衛隊の対韓協力を予測させます。つまり、日本国側からすれば、”慰安婦性奴隷説”の定着のリスクのみならず、第二次朝鮮戦争が発生した場合、アメリカ政府から自衛隊の派遣を要請される可能性が高いのです。ところが、今般の全面的な日本国側の譲歩は、日本国内の反感感情を強めることになりました。たとえ、関係改善がなされたとしても、日本国民は、韓国防衛のために自衛隊が自らの命を賭して活動することを望むでしょうか。韓国のために、日本国の国家や国民の名誉も、経済協力も、そして、自衛隊をも差し出せ、というのであれば、日本国のみが犠牲を払うことになり、到底、受け入れられるものではありません。

 日本一国の一人負けでは、アメリカによる”捨て石”作戦に他なりません。日本国の名誉と国益を切り捨てなければ、この戦略は成功しないのですから。如何なる国も、日本国と同じ立場に置かれれば、憤慨するはずです。これでは、日米同盟にも罅が入り、共通の脅威であるはずの中国を利することになるのではないかと懸念せざるを得ないのです。

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日本国民は慰安婦合意を受け入れていない

2015年12月29日 14時59分47秒 | アジア
【「慰安婦」日韓合意】韓国メディア「劇的妥結」と速報 韓国野党は「受け入れられない」と反発
 昨日、日韓外相会談の結果として、慰安婦問題に関する両国間の合意内容が声明として発表されました。日本国内のネット上では、合意内容のあまりの酷さに”売国奴”の声も飛んでおりました。それもそのはず、全くと言ってよいほど日本国側にメリットがないばかりか、韓国に対する屈辱的な譲歩であったからです。

 慰安婦問題については、朝日新聞社の強制連行記事撤回もあり、日本国民の間では、およそ慰安婦問題の実像が認識されてきた矢先の出来事であっただけに、そのショックは計り知れません。河野談話につきましても、検証の結果、”蒸し返し禁止”を条件に、韓国側と文面をすり合わせた政治的作文であったことが判明しており、国民の殆どが、もはや、韓国に対する謝罪も賠償も必要ないと考えていたのです。安倍首相は、将来の世代に謝罪をさせずに済むことを、今般の合意の意義として説明しておりますが、そもそも謝罪する必要がないのですから、この説明で日本国民が納得するとは思えません。マスメディアは、北朝鮮の脅威に対する日米韓の結束の必要性を強調してはいるものの、この面に関しては、日本国は、自らの負担と犠牲を覚悟に韓国を支援する側にあり、慰安婦問題で譲歩する理由にはなりません(第二次朝鮮戦争を想定した協力を求めるならば、韓国側が譲歩するのが筋…)。また、慰安婦問題の解決を機に、早くも経済面における日韓の協力強化が唱えられておりますが、取り沙汰されている日韓通貨スワップ協定の再開や韓国のTPP参加の協力などは、全て、日本国側による一方的な対韓協力です。唯一、防衛・安全保障上のメリットと言えるのは、対中包囲網の文脈における日韓関係の改善ですが、これもまた、史実としての慰安婦の実態を明らかにすることで、問題が自然消滅するまで待つ方法もありました。どれ一つをとっても日本側にメリットはなく、それどころか、”慰安婦強制連行説”の”不可逆的”な定着に留まらず、台湾から既に同様の要求が表明されているように、慰安婦問題が飛び火する可能性も否定はできません。今般の日韓交渉は、日本国の外交的失敗と言わざるを得ないのです。世論が賛否両論に分かれた韓国では、この交渉結果を”屈辱的譲歩”と非難している人々も少なくないとも報じられておりますが、慰安婦の実像を知れば、朴大統領や尹外相と同じく、対日恐喝の成功に満面の笑みを浮かべることになるのではないでしょうか。

 日本国内のマスメディアは、韓国の世論が受け入れるか否かを問題にしておりますが、日本国民こそ、その大半は、騙し討ちのような日韓慰安婦合意を受け入れておりません。事実に反し、かつ、非道徳的な合意まで遵守する必要はありませんので(仮に「条約法条約」に準ずるとすれば、他の交渉国の詐欺と自国政府の錯誤等は無効の理由となる…)、民主主義国家である日本国政府は、慰安婦合意の白紙撤回をも視野に事後策を検討すべきではないかと思うのです。

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慰安婦問題-アメリカは誤解しているのか?

2015年12月28日 15時03分31秒 | アジア
慰安婦問題、合意なら米が歓迎声明 日韓外相きょう会談
 本日午後から、韓国のソウルでは、慰安婦問題について日韓の外相による交渉が行われております。2時頃には両外相による声明が発表されるのではないか、とする見通しもありましたが、今のところ、音沙汰がないようです。

 ところで、日韓の関係改善については、アメリカの強い後押しが指摘されております。日韓両国ともアメリカの同盟国でありながら、慰安婦問題が喉元に刺さった骨となって、対中、並びに、対北での同盟国間の結束を妨げてきたからです。韓国の”対日歴史闘争”には、中国との連携が確認されており、慰安婦問題の消滅は、近年、歴史問題の共有により急速に接近してきた中韓の絆を喪失させることをも意味します。アメリカが、従来の親中政策を本格的に転換し、”中国との対立も辞さず”の姿勢にシフトしたとするならば、日韓関係改善は、アメリカのアジア政策の一環となるのです。このため、アメリカが、慰安婦問題の不可逆的解決を望んだことは想像に難くありません。しかしながら、仮に、アメリカが、慰安婦問題を韓国が主張する20万人もの朝鮮人女性の強制連行を含む”性奴隷”問題として理解しているとしますと、今般の”妥結”は、日韓関係の根本的な改善に繋がるとは思えません。何故ならば、”性奴隷説”を前提とした”妥結”では、日本国内の世論が納得しないからです。また、アメリカが、史実を正確に掴んでいながら、日本国に妥協を迫っているとしますと、日本国側の屈辱的な譲歩となり、日米同盟にさえ悪影響を与えかねません。米議会では慰安婦問題に関する対日批判決議が成立していますが、過去の米政府の調査や報告書では、慰安婦性奴隷説は否定されておりますので、アメリカは、実のところ、事実を知っている可能性の方が高いのです。そして、アメリカが、史実を十分に把握した上で、韓国側に対して慰安婦問題からの撤退を求めたとしますと、現状では、韓国の世論が沸騰し、対日関係のみならず、対米関係をも損ねるかもしれません。何れのシナリオでも、日韓関係は、アメリカが期待する方向、即ち、改善の方向には向かわないのです。

 事実なき偽りの歴史を認めることは不正行為ですので、”性奴隷説”に基づく日本国側の一方的な妥協は禁物です。となりますと、最も正しい解決は、韓国側が事実を認め、対日要求を取り下げる以外にはありません。韓国では、慰安婦を職業婦人と記した大学教授が起訴されるなど、言論弾圧が蔓延っていますが、この問題の根本的な解決には、正確な史実が韓国国内で広まり、北系団体の挺対協は別としても、韓国国民の多数が諦めの境地に達する必要があります。この状況に至るには時間を要しますので、少なくとも、年内の妥結は回避すべきと思うのです。

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慰安婦問題-対日20億円要求で馬脚を露わにした韓国

2015年12月27日 15時07分44秒 | アジア
【岸田外相訪韓】韓国、20億円の拠出を要求 日本は拒否 「像の撤去」と「請求権協定再確認」など文書化迫る 28日に外相会談 
 明日に予定されている慰安婦問題をめぐる日韓外相会談を、日本国民の多くは、固唾を飲んで見守っているのではないかと思います。懸念と期待の両論が渦巻いておりますが、韓国側は、思わぬところで馬脚を露わにしてしまったようです。

 近年、韓国は、慰安婦問題の焦点を、人権侵害問題にすり替えてきました。世界大で展開している慰安婦プロパガンダでは、日本軍による”慰安婦強制連行”は、人類が記憶すべき歴史的な悲劇であり、20世紀で起きた最大級の人権侵害問題であるとアピールしています。慰安婦問題を普遍的な人権問題に位置づけることで、国際社会の支持を取り付けると共に、対日圧力に利用しようとしてきたのです。このため、韓国政府は、しばしば、”慰安婦問題はお金の問題ではない”と説明してきました。ところが、今般、日韓外相会談に先立って行われている外務省レベルでの交渉では、韓国側は、日本側が提案したとされる慰安婦基金の拠出額(1億円から10円程度…)に対し、額が少ないとして20億円の増額を求めたというのです。そもそも、残されている資料からしますと、慰安婦問題とは、戦時中の事業者による犯罪被害であり(朝鮮人事業者が大半…)、慰安婦の大部分は、合法的な職業として慰安婦業に就いていた婦人達です。”20万人もの朝鮮人女性が強制連行された”と主張されながら、元慰安婦として名乗り出た韓国人女性の人数が少ないのも、全体から見れば、犯罪被害者は少数に過ぎないからです。当時は、犯罪被害者に対する国家による財政的な救済制度は存在せず、日本国内でさえ、犯罪被害者救済は、1980年に至り、損害賠償を受けることができない被害者に対して給付金を支給する法律(「犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律」)が制定されてからのことです。しかも、戦時中の慰安婦の場合、犯罪の事実を証明する証拠は殆どなく、唯一の拠り所は、供述内容が変転するため信憑性に乏しい韓国人元慰安婦証言のみです(犯罪者に対する有罪判決なき被害者救済は、本来、あり得ない…)。一方、当時の慰安婦達の給与額は一般勤労者の平均所得を越えており、所得面においては恵まれていました。韓国人慰安婦の名誉を傷つけたのは日本国政府ではなく、また、当時の日本国が、日本国民であった朝鮮人女性達に対して奴隷的な搾取を行ったわけでもないのです。にも拘らず、韓国は、人権侵害問題を盾にして、日本国を糾弾し続けてきたのです。

 以上の史実に照らしますと、対日20億円要求は、慰安婦に関する韓国の主張の矛盾点を明らかにすると共に、その主張が破綻する切っ掛けとなるかもしれません。例えば、第1に、人類史に刻むべき普遍的な人権侵害問題を主張しながら、お金で解決しようとしたこと、第2に、増額を求めることで、金銭目当てであることを自らの言動で示したこと、第3に、”20万人”を対象とした普遍的人権侵害問題の立場を堅持するのであれば、請求額が低すぎること、第4に、普遍性を主張しながら、大半を占めていた日本人元慰安婦に対する救済に言及しなかったこと…などを挙げることができます。韓国側は、自らの要求を日本国側が飲めば、慰安婦像も自然に消えると説明しているようですが、日本国側が応じなくとも、史実が明らかとなれば、自ずと慰安婦像は消えてゆくのではないでしょうか。

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慰安婦問題-”蒸し返し”より重大な韓国の歴史捏造の罪

2015年12月26日 14時26分28秒 | アジア
【岸田外相訪韓】元慰安婦支援で日韓“折半”出資案が浮上 韓国の蒸し返しを封じる狙い
 今月28日に予定されている日韓外相会談では、漏れ伝わるところによりますと、妥結案として、日本国、あるいは、日韓両国の折半で新たな元慰安婦支援基金を設立する案が浮上しているそうです。この問題の本質は、韓国側の歴史捏造にあるにもかかわらず、何故か、両政府とも、この点に触れようとはしていません。

 日本国内のマスメディアの大半は、歴史捏造よりも、韓国にに対する慰安婦問題の”蒸し返し”禁止要求を最大の問題点に据えております。しかしながら、歴史捏造、即ち、日本軍による強制動員や強制連行を放置したままでは、”蒸し返し”の禁止は無意味どころか、有害でさえあります。韓国は、日本軍の蛮行を事実とした上で、日本国政府に法的責任をも認めるよう迫っているのですから、近代司法の原則からしますと、第一に、両国政府が為すべき作業は、事実の確認であるはずです。すべき事実の確認なくして”蒸し返し”を禁じるとしますと、それは、再審の道を塞いだ上で、”自白の強要”によって、日本国の有罪が確定するようなものです。しかも、有罪を確定させておきながら、基金の設立によって”妥結”を試みたとなりますと、日本国側が”お金”によって自らの犯罪をもみ消したようなイメージを与えまねません。これでは恥の上塗りであり、法的責任をお金で免れた卑怯な国として、日本国は、国際的な批判さえ浴びる恐れもあるのです。現実は、歴史の捏造に基づく韓国側の恐喝にも拘わらず…。韓国の国是は反日ですので、この”妥結”は、ジャパン・ディスカウント活動に悪用されないとも限らないのです。それとも、韓国側からの蒸し返しを封じる一方で、日本国政府は、自らに対しては、慰安婦問題について事実を明らかにし、名誉を回復する道を残しているのでしょうか(仮に、首相が元慰安婦達に謝罪の書簡を送るならばこの線も消える…)。

 法の支配の原則に従えば、日本国政府は、紛争の解決を定めた日韓請求権協定の第3条に従ってこの問題を仲裁に付すのが筋ですし(仲裁手続きの過程で、証拠に基づく事実確認が行われる…)、韓国側も、日本国に対して法的責任を求めるならば、司法解決に訴えるべきです。韓国は、法の支配を蔑にしておりますが、法の支配を掲げてきた日本国までもが、韓国のペースに嵌って政治的解決という名の”人治”に堕すとしますと、アジア、並びに、国際社会の将来を悲観せざるを得なくなるのです。

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慰安婦問題-日本国民に冷淡な日本国政府とマスコミ

2015年12月25日 15時33分32秒 | アジア
外相訪韓「電撃的」と韓国メディア、大きな関心
 懸案となってきた慰安婦問題の”妥結”を図るため、岸田外相が年内に韓国を訪韓する件について、日本国内のメディアでは、日本側が韓国世論を満足させる解決案を提起できるか、否かに焦点を当てた報道が目立ちます。首相も外相も、年内の”妥結”に意気込みを見せているようですが、日本国も日本国民も置き去りにされたかのようです。

 報じられているように、慰安婦問題について、韓国側の蒸し返しを許さず、最終的な解決とし、かつ、日本大使館前の慰安婦像を撤去したとしても、韓国側の主張する”慰安婦強制連行”や”国家ぐるみの強制動員”が既成事実化しますと、”最終的な解決”とは、韓国側の歴史認識の承認のみを意味し、日本国の名誉は回復されません。韓国側は、慰安婦の名誉回復を訴えておりますが、日本国の国家としての名誉は、韓国の慰安婦の名誉とはゼロ・サムの関係にあり、慰安婦の名誉回復とは、日本国の汚名定着に他ならないのです。日本国内の世論調査の結果を見ましても、日本国民の多くは、日本国政府の謝罪や新たな救済措置に対して反対しており、この問題は、近年の対韓感情の悪化と無縁ではありません。国際社会を舞台に恐喝まがいの名誉棄損や誣告を繰り返されて、憤慨しない人はいないのですから。人であれば、当然の心理的な反応であるにも拘わらず、日本国政府もマスコミも、日本国民には、あたかも人としての感情を持つ権利さえないような冷たい無視の仕方なのです。かつて、奴隷は、如何なる仕打ちを受けても自らの感情を表現することは許されませんでしたが、政府、並びに、マスコミの”日本国民など眼中にない”と言わんばかりの徹底した無視ぶりには、不快感を禁じ得ないのです。

 怒りや憤りといった悪感情の表出については、しばしば、”大人げない”として鼻であしらわれがちですが、不条理や不正に対する人々の自然な怒りこそ、誤りを正し、正義を実現する原動力でもあります。日本国政府もマスコミも、この問題に対する日本国民の声に、真摯に耳を傾けるべきではないかと思うのです。

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日韓請求権協定は破棄されるのか

2015年12月24日 16時53分41秒 | アジア
 昨日、日韓請求権協定について韓国の憲法裁判所が示した脚下の理由は、あくまでも”審査の対象外”というものであり、当協定締結を合憲と認めたわけではありませんでした。つまり、将来において、”違憲”となる含みを持たせているのです。

 マスメディアの反応を見ますと、大方のところ、今後、韓国国内で違憲判決が下された場合には、日韓請求権問題は再交渉となると予測しているようです。しかしながら、通常、戦後処理に関する国家間の交渉や協定では、政府のみならず、個人の請求権問題も扱われますので、徴用工や慰安婦問題も含めて、韓国で起きている訴訟は国際法の慣例から逸脱しています。況してや、日韓の間では戦争状態は存在していませんので、両国間の請求権交渉は、本来、対等な立場で行われるべきものです。にも拘わらず、韓国の裁判所が日韓請求権協定を違憲とし、その判決が韓国政府を拘束する場合、一体、どのような事態が生じるのでしょうか。協定の解釈問題を越えて、協定そのものの効力が問われるとなりますと、協定破棄も視野に入ってきます。違憲を理由とした条約破棄について国際法を見てみますと、「条約法に関するウィーン条約」の第46条には、「いずれの国も、条約に拘束されたことについての同意が条約を締結する権能に関する国内法の規定に違反して表明されたという事実を、当該同意を無効にする根拠として援用することができない」とあります。ですから、原則として、国内法を以って条約を無効とすることはできないのです。もっとも、特別な場合として、「ただし、違反が明白でありかつ基本的な重要性を有する国内法の規則に関わるものである場合は、この限りではない」とする記述が続きます。この場合でも、1965年の協定締結当時、韓国政府は、自国の正式な批准手続きを経て当協定を締結し、また、今般の憲法裁判所でも、明白な違憲判決とはならなかったのですから、無効を主張する要件は満たしていないはずです。また、韓国が、日本国の同意なく、一方的に条約破棄の通告をした場合にも、日本国政府は、異議を唱えることができます。そして、この問題は、当事国に対して、国連憲章第33条に列記された平和的解決手段によって解決することが義務付けられているのです。

 もっとも、韓国側から協定破棄の打診を受けた場合、日本国政府が、破棄に応じる可能性もないわけではありません。何故ならば、当協定は、日本国側にとりまして極めて不利であったからです。当協定が破棄されると同時に、日本国政府、並びに、国民共に、当協定で補償なくして”解決”された対韓請求権が復活し、本来の請求額より大幅に水増しされて支払われた経済協力資金の返還を求めることができるのです。韓国側は、当協定を対日要求の格好の材料と見なしていますが、史実を正確に知れば、自らの姿勢を改めざるを得なくなるのではないかと思うのです。

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日韓請求権協定-消滅したのは日本国民の請求権では?

2015年12月23日 17時25分02秒 | アジア
日韓請求権訴訟、遺族側の訴え却下…韓国憲法裁
 本日、韓国の憲法裁判所において、日韓請求権協定を憲法違反とする訴えに対して、”審査の対象ではない”とする判断が示されたと報じられております。戦後補償をめぐる裁判の経緯を見ておりますと、韓国側が、如何に日韓請求権協定の内容を理解していないのかが分かります。

 この訴訟、軍属として動員された韓国人男性の遺族が、日韓請求権協定で定めた国民を含む財産・請求権問題の完全かつ最終的解決が、憲法が定める個人の財産の保障に違反するとして訴えたものです。しかしながら、この協定に関する日韓交渉は、サンフランシスコ講和条約の第4条に基づくものであり、日韓両国の政府並びに法人を含む国民間の財産権の処理として行われています。当交渉では、いわゆる「八項目」と呼ばれた「韓国の対日請求要綱」を受け入れており、その要求項目には、動員者の未払い賃金等も含まれておりました。過去の徴用工裁判では、韓国の最高裁は、個人の請求権は消滅していないとする判断を示していますが、実際には、韓国国民の財産権は、日韓請求権協定の補償の対象に含まれているのです。しかも、日本国側は、根拠のある請求額の3倍余りを経済協力として支払うに留まらず、日本国民の対韓請求権の問題も”解決”されています。つまり、韓国国民の対日請求権は補償付で”解決”される一方で、日本国民が朝鮮半島に残した財産等に関する請求権は、補償なしで”解決”されたのです。対韓個人請求権が消滅したのは日本国民の方であり、韓国国内で戦時動員者に対する賃金未払い問題が残されているならば、それは、韓国政府の責任なのです。

 日韓請求権協定とは、基本的には日本国側の国・国民両者の請求権の放棄と韓国側国・国民両者の補償及び経済協力で成り立っており、明らかに日本国側に不利な内容でした。今般の憲法裁判所では判断を回避していますが、韓国側が、あくまでも個人請求権は対象外と主張するならば、日韓請求権協定の第3条に従い、仲裁に付すべきではないかと思うのです。

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議員の育児休暇取得-ネガティヴな権力の私物化?

2015年12月22日 17時03分44秒 | 日本政治
自民党若手議員が育児休暇の取得を検討
 報じられるところによりますと、自民党の若手議員が育児休暇の取得を検討しているそうです。衆議院事務局によれば前例がないそうですが、国会議員の育児休暇には首を傾げざるを得ません。

 民間の企業であれば、育児休暇の取得は社員の権利として認められており、周囲の人々が替わりを務めることで、仕事や業務に支障を来さないよう配慮されています。一方、国会議員は、有権者が国民の代表として選出した公人ですので、民間企業と同列に育児休暇を論じるには無理があります。何故ならば、選挙区選出であれ、比例代表選出であれ、国会議員には、”替わりとなる人”がいないからのです。仮に、育児休暇によって国会を欠席するとなりますと、当該議員を選出した選挙区は政治とのリンケージを失い、育児休暇の期間の間、無代表状態となります。つまり、政治家を選出する国民の権利が、事実上、損なわれるのです。さらに国会での採決にも欠席ともなれば、当然に棄権となりますので、立法の行方をも左右しかねず、全国民にも重大な影響が及びかねません。当該議員は、自らが替わりのいない唯一無二の国民の代表であることを忘れているのでしょうか(育児は代替ができないわけではない…)。

 議員の育児休暇取得は、公人による私事優先の職務放棄とも言えますし、公務不履行という形のネガティヴな権力の私物化とも言えます。国会議員が私事を優先する姿勢は、国民の政治不信を増しこそすれ、政治家としての評価を高めるとは思えないのです。



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中国最大の偽装は共産党の”プロレタリアート偽装”

2015年12月21日 15時21分27秒 | 国際政治
中国、IMFへの出資3位に 米議会承認へ、日本に肉薄
 ピルズベリー氏の『China 2049』によれば、中国の国家戦略の基本的な手法は、相手を巧妙に騙す”偽装”にあります。表面に見えている姿だけで中国を判断すると、真の姿を見誤るリスクがあるのです。

 ところで、これまで中国は、”民主化偽装”、”平和国家偽装”、”経済自由化偽装”を繰り返してきましたが、最大の偽装は、共産党による”プロレタリアート偽装”ではないかと思うのです。カール・マルクスが唱えた共産主義思想では、人類の未来を”自ら額に汗して働く者達の階級が、最後には搾取階級である資本家から権力を奪い、プロレタリア独裁に至るもの”としてと描いています。この未来予測は、必然的な歴史法則にまで祭り上げられており、実際に、法則の絶対性を信じ込んだ共産主義者達は、ロシア帝国をはじめ暴力革命によって既存の国家を崩壊に導きました。それでは、共産革命によって権力を独占した共産党の人々は、マルクスの言う”自ら労働する者達、即ち、プロレタリアート”なのでしょうか。ソ連邦の共産党員の実像が特権階級であったことはよく知られていますが、改革開放路線を選択した中国の共産党は、ソ連邦に輪を掛けて表看板と実像とが乖離しています。急激な経済発展によって強大な”利権”まで手にし、金融まで牛耳った共産党員達は、資本家であり、経営者であり、かつ、政治的な支配者なのです。マルクスが批判した”資本家”以上に富も権力を独占しているのですから、搾取される側にあるはずの”プロレタリアート”とは対極の存在です。ソ連邦でも中国でも、共産主義思想の論理は、”無知蒙昧なプロレタリアート、あるいは、人民を指導する少数エリートの権力独占”にすり替えられているのです。

 中国の一党独裁体制とは、共産党による”プロレタリアート偽装”の上に成り立っています。そして、この”偽装”は、全世界の共産主義者にも共通して見られる特徴でもあります。富と権力の独占のための”偽装”であることが誰の目にも明らかとなっている今日、中国が、このまま一党独裁体制を維持できるとは思えないのです。

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オリンピックは消滅するのか?-巨額費用問題

2015年12月20日 15時06分05秒 | 国際政治
東京五輪費用、1兆8千億円 当初の6倍、大幅な公的資金投入避けられず 大会組織委試算
 2013年9月、2020年のオリンピック・パラリンピック開催地に東京が決定した時、日本国内は、歓迎の声で沸返りました。しかしながら、この時、国民の多くが実際の経費負担額を知っていたならば、別の反応が起きていたかもしれません。

 先日、大会組織委員会が試算した大会運営費用が公表されましたが、その額、誘致時の「立候補ファイル」では3013億円であったところ、その6倍の1.8兆円にも上るというのです。この巨額費用につきましては、納得しがたい面が少なくありません。第1に、誘致時における3013億円は、過小に試算されています。前年の2012年に開催されたロンドンオリンピックでも予定額を大幅に越えており、2.1兆円が費やされています。つまり、誘致時おいて、東京オリンピックでも凡そ2兆円あまりの費用がかかることは、既に分かっていたことなのです。国民からの反対を警戒して予定額を低く見積もったのでしょうが、実際の経費が6倍ともなりますと、国民は、騙されたとする被害者意識を持ちかねません。第2に、6倍にも跳ね上がった主たる理由は、人件費や資材の高騰が原因として挙げられています。しかしながら、日本国の場合、2012年度と比較して人件費が急速に伸びた事実はありませんし、また、高騰と表現できる程の物価の上昇も見られません。むしろ、国際市場では、資材価格の低下が見受けられます。第3に、委員会側は、当初は見込んでいなかった”選手らを輸送する首都高速道路に専用レーンを設置するための補償費”や”会場周辺の土地賃貸料”なども高騰要因として挙げておりますが、これらが必要不可欠の経費であるのか疑問なところです。代替方法があるかもしれないのですから。

 以上に、主要な疑問点について述べてみましたが、最大の問題点は、仮に、オリンピック・パラリンピックの開催に凡そ2兆円の経費がかかるとしますと、今後、立候補する都市が消滅するのではないか、ということです。あまりにも開催地の財政負担が重すぎるからです(持続可能性の喪失…)。オリンピックを全世界の人々が楽しむことができるスポーツイベントして残すためには、東京オリンピックでは、せめて平均的な首都レベルの都市でも開催可能な額に納める必要があるのではないでしょうか。

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米利上げで中国経済は縮小方向へ?

2015年12月19日 14時57分02秒 | 国際経済
債券ファンドから131億ドル流出、米FOMC前=週間調査
 米FRBの利上げを前にして、既に、131億ドルもの資金が債権ファンドから流出したと報じられております。巨額の資金流出は、早くも利上げの影響力を見せつけておりますが、米利上げは、中国の金融立国化に黄信号を灯しているようです。

 AIIBについては無格付け債権の発行となるなど、先行きが危ぶまれている一方で、IMFの舞台では、人民元のSDRの構成通貨への採用に加えて、出資率でも中国は第3位に浮上しております。一先ずは、国際金融において地歩を固めたようにも見えますが、中国経済は、必ずしも盤石ではないようです。中国政府債務はそれほどではないものの、政府系を含めた企業部門でのドル建て債務は、米金融緩和の期間に右肩上がりに膨張しております。こうした中、緩やかではあれ、アメリカが利上げを決定したわけですから、中国企業のドル調達の勢いが鈍るのは必至です。しかも、中国四大銀行の一つであり、かつ、世界最大の銀行とされる中国工商銀行(株式の約70%が政府機関による国の所有であるが、ゴールドマン・サックス等も大株主…)も、既に凡そ148億ドルのドル建て債務残高があります。他の市中銀行も同様にドル建て債務を抱えているとしますと、中国の融資能力の低下は否めません。これらの銀行が、AIIBの債権引き受けに名乗りを挙げなかったのも、国内の景気減速による不良債権の増加に加えて、ドル建て債券の引き受けに起因する債務不履行を怖れたからとも推測されます。あるいは、今後の米利上げによって、AIIBを介した新興国へのインフラ融資は焦げ付くものと読んでいるのかもしれません。

 中国の金融機関の融資能力が陰りを見せていることは、国際経済においてチャイナ・マネーの膨張に歯止めがかかることを意味します。否、国内からの資金流出を補うために、中国の金融機関は、諸外国に対して”貸し剥がし”や資金の引揚を試みる可能性さえあります。経済危機が連鎖した場合、新興国を支えるのは、日本国の金融機関であるかもしれません。何れにいたしましても、アメリカの利上げは、拡大路線を歩んできた中国経済を縮小方向に転換させるのではないかと思うのです。

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産経前支局長無罪判決-慰安婦問題における”見返り要求”に警戒を

2015年12月18日 10時02分02秒 | 国際政治
不信感の一つ解消=浅羽新潟県立大院教授―産経前支局長無罪
 昨日、ソウル中央地裁において、大統領に対する名誉棄損罪で在宅起訴されていた産経前支局長に対して無罪の判決が示されました。大方の予想が有罪であっただけに、無罪の主文が読み上げられた際には、日韓メディアが押しかけていた傍聴席は、一瞬、静まり返ったそうです。

 考えてもみますと、韓国検察による在宅起訴そのものが、批判されるべき政治的な言論弾圧行為です。実際に、韓国の国家保安法と名誉棄損罪は、国連やアメリカ、そして、アムネスティー・インターナショナルといった国際人権団体からさえ撤廃や改正を求められてきました。現代という時代にあっては、無罪判決は、当然過ぎるほど当然の判決なのです。この判断によって、韓国は、法の支配に一歩近づいたようにも見えるのですが、安心は禁物のようです。何故ならば、裁判官は判決言い渡しの冒頭で、韓国外務省からの要請として、「日韓関係改善の流れを鑑み、日本側の意向に配慮してほしい」とする一文を読み上げているからです。言論の自由を無罪理由に掲げながら、この一文は、地裁の判決が、言論の自由の尊重でも、司法の独立の原則に沿ったものでも、国際社会からの批判への対応でもなく、日本国に対する政治的な配慮が働いたことを示唆しています。敢えて対日配慮に触れた背景には、無罪判決を外交カードにしたい韓国側の意図が既に指摘されています。折も折、年内での妥結は諦めたものの、慰安婦問題のタイムリミットは”事実上2月”とされ、韓国側は、日本国から譲歩を引き出す必要性に迫られているからです。言い換えますと、韓国政府は、無罪判決を巧妙に日本国に対する”見返り要求”のカードとして利用することを目論んでいると推察されるのです。

 無罪判決は現代国家として当然のことなのですから、日本国が、韓国に対して特別に恩義を感じることも、見返りを用意する必要もありません(政治的言論弾圧こそ”罰”に値する…)。況してや慰安婦問題で安易に妥協しようものなら、国家的な汚名を未来永劫に亘って着せられます。日本国政府は、法の支配とはほど遠い、韓国側の”司法の政治利用戦略”に決して惑わされてはならないと思うのです。

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自己矛盾に満ちた習演説-南シナ海の対中取締もOK?

2015年12月17日 15時15分04秒 | 国際政治
習主席、「中国式空間」拡大狙う=ネット自由より秩序―世界大会主催、反応冷ややか
 報道によりますと、中国の習近平主席は、浙江省で開催されていた「世界インターネット大会」において、「法に基づき良好なネット秩序を構築し、ネット空間を無法地帯としない」と述べ、自国のネット言論の統制を正当化したとそうです。この発言、自己矛盾に満ちているのではないかと思うのです。

 自国の体制維持のための情報統制を念頭に置いた”ネット自由より秩序”ということらしいのですが、自由と秩序は必ずしも二者択一ではなく、今日では、むしろ、自由のためにこそ”良き秩序”を必要とするものです。現代における”良き秩序”の構築とは、個々の基本的な権利や自由に対する侵害を取り除くことであり、いわば、不当な侵害行為や犯罪が発生しない状態を実現することを意味します。ネット空間であれば、機密情報や知的財産権の盗取を目的としたサイバー攻撃やネットを介した闇取引といった行為であり、これらのどれもが中国が国家ぐるみで手を染めている分野であることは、まことに皮肉なことです。そして、何にもまして看過し得ない自己矛盾は、国際社会では、中国こそ、法に基づいた秩序の破壊者であることです。海洋法に違反した南シナ海での中国の振る舞いは無法者以外の何ものでもなく、南シナ海から東シナ海、さらには全世界の”無法地帯化”を企んでいるとしか思えないのです。

 南シナ海での”航行の自由作戦”は、まさに、海洋における全ての船舶の航行の自由、即ち、海洋秩序を守るための正当なパトロール活動の一環です。中国は、果たして、この自己矛盾に気が付いているのでしょうか。


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