万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

入国資格は「ポイント制」よりも就業を条件に

2010年03月31日 15時54分32秒 | 日本政治
 昨日、法務省は、今後5年間の出入国管理政策に関する基本計画を公表し、専門知識や技能のある外国人を優遇する制度などを導入する方針を示しました。専門知識や技能については「ポイント制」を採用するとのことですが、この制度、運用次第では、中国人優遇制度、あるいは、無制限な移民受け入れ制度に転化しかねないと思うのです。

 つい数ヶ月前のネット上に、中国の大学では、諸外国と比較して大量に博士号が乱発されており、このことが、中国内外で非難を浴びているというニュースが流されていました。中国では賄賂文化が定着していますので、党幹部による博士号の”購入”も眉を顰めるようなお話なのですが、諸外国と比較して、中国の博士号の質の低さも問題とされていました。つまり、中国では、博士号の”インフレ”が発生しているのです。もし、ポイント制が導入されるとしますと、国ごとにレベルの違いがあるにもかかわらず、学歴として同一のポイントが与えられそうです。このため、我が国への入国に際して、優遇措置を受けられる中国人の数は相当数に上りそうです(実績などについても、証明書の偽造が心配・・・)。急激な経済成長とは裏腹に、中国でも高学歴者の失業問題は深刻なそうですので、ポイント制の導入が、我が国に中国人失業者を大量に呼び込むことになるかもしれません。

 そこで、我が国への入国に際しては、ポイントの数で許可するのではなく、企業による雇用や就業を条件とし、雇用期間に合わせて滞在期間を設定してはどうかと思うのです。統計によりますと、我が国に居住する外国人の数は、毎年、万単位で増加しているそうですが、国内の雇用が増えていないにも拘わらず、居住者だけが増えているのは不自然です。より雇用を重視した条件を設けませんと、雇用状況と治安の悪化の原因になりかねないのではないでしょうか。

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安価な医療技術の開発が先進国の課題

2010年03月30日 15時48分11秒 | 国際政治
米大統領支持率51%に上昇=医療保険改革、不支持が56%-CNN(時事通信) - goo ニュース
 先日、アメリカ議会で医療保険改革法が成立したものの、世論調査では、同制度に対する不支持は56%にも上っているそうです。様々な反対理由があるのでしょうが、医療保険というものの性格を考えますと、財政悪化の心配は理解に難くありません。

 アメリカには、1000万人もの無保険の人々がおり、今回の法案では、これらの人々も医療保険に加入できるようになるそうです。当制度では、公営ではなく、民間の保険会社への加入を事実上義務付けるという形になるそうですが、10年間で9400億ドルの予算が見込まれていることから、赤字保険会社に対する政府補填があると考えられます。しかも、制度の運営が開始されますと、実際には、この予算を上回るかもしれません。何故ならば、人とは、より高いレベルの診療を受けることを望むものですので、医療費には上限がないからです。費用は保険でカバーされるとなりますと、医療費の増加にさらに拍車がかかりそうです。

 アメリカのみならず、我が国を含めた先進国では、年々社会保障費が増え続け、どの国でも財政を圧迫しています。アメリカの医療制度の行方はまだ未知数ですが、高度な先端医療技術の開発と並行して、安価で安全な医療を実現するための研究・技術開発が急がれるのではないかと思うのです。政府が率先して研究機関を設立したり、民間企業にプロジェクトへの参加を呼びかけたり、あるいは、国際レベルで技術協力を進めれば、医療保険の如何に拘わらず、財政問題の解決に役立つと共に、国民の健康に大いに貢献することになるのではないでしょうか。

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財政危機は予測不可能なリスク

2010年03月29日 15時38分44秒 | 国際経済
財務省の破綻論には裏がある:高橋洋一(政策工房会長)(Voice) - goo ニュース
 国と地方を合わせて1000兆円もの赤字国債を抱えながら、なおかつ、多額の国債を発行し続けている我が国の財政状況は、”危機的”というしかありません。にもかかわらず、財政破綻が”何時起きるのか”を明確にしない議論は、無意味との説があります。しかしながら、財政危機とは、破綻する時期が予測できないからこそ恐ろしいのではないでしょうか。

 実のところ、正確に予測できるリスクの方が管理しやすいという側面があります。一方、財政の破綻リスクとは、国内外の経済状況の影響を強く受けますので、これは、予測不可能なリスクの一種となります。ユーロの信頼性を揺るがしたギリシャの経済危機も、リーマン・ショック以来の世界金融危機の発生が引き金となり、急激に国債の利回りが上昇したことで顕在化しました。何らかの外的、あるいは、内的ショックが働いた場合に、突然に財政危機が表面化するのです。風船を膨らませてゆけば、誰もが破裂することは予測できるのですが、限界が近づくまで、見ている人は、呑気に”まだまだ大丈夫”と考えるかもしれません。もちろん、そのまま膨らませて破裂することもありますが、外から針が一刺しでもさされば、ひとたまりもありません。

 財政危機は、予測不可能であるからリスクが低いのではなく、自然災害と同様に、発生時期を正確に予測できないからこそリスクが高いと考える方が妥当なようです。そうであるからこそ、政府は、防災と同じく、財政の徹底した管理と破綻予防を怠ってはならないと思うのです。

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有事に日米同盟軍は機能するのか

2010年03月28日 16時16分34秒 | 国際政治
「ヘリ部隊、分散移転」 普天間 防衛相、県内外で検討(産経新聞) - goo ニュース
 国家間で同盟条約を締結しますと、それは、有事に際して同盟軍を結成して戦うことを意味してます。NATOなどで同盟軍としての演習を行うのも、実戦に備えてのことです。しかしながら、普天間基地移設をめぐる政府の対応は、むしろ、日米同盟による防衛力や抑止力を削ぐ方向に向かっているように見えるのです。

 そもそも、基地とは軍事上の戦略拠点となるのですから、まずは、軍事力が最大限に発揮されるよう、配置するのが常識です。北沢防衛相は、部隊の分散移転を提案しているようですが、アメリカの戦略との間に整合性が確保できませんと、同盟相手国の軍事力を弱めてしまう結果を招きます。もし、アメリカ軍が、有事に際して陸海空の兵力を機動的な展開する作戦を温めてているならば、分散の提案は、そのネットワークを切断してしまう可能性さえあるのです。中国が軍拡を進めていることを考慮しますと、我が国一国で、完璧に自国を防衛できる状況にはなく、同盟の弱体化は、即自国の安全保障問題として跳ね返っています。

 有事に当たって、日米同盟軍をどのように展開するのか、という視点が抜け落ちたままで、軍事基地の問題を政治的妥協よって解決しようとしますと、自国のみならず、アジアの安全をも危うくします。政府は、沖縄を防衛するためにも、軍事力の弱体化を招く安易な”解決”は避けるべきと思うのです。

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国会を法案修正の舞台に

2010年03月27日 15時48分05秒 | 日本政治
首相「修正困難」の認識 郵政法案で全閣僚懇を30日開催(共同通信) - goo ニュース
 議会には、法案を充分に審議し、欠陥を是正すると共に、多数が合意に達するよう、原案に修正を施すという機能があります。国会での審議も修正もパスしてしまう我が国の現状は、立法システムとしては機能不全に陥っているように見えるのです。

 郵政法案にしても、多くの方々が既に指摘しているように、預金の政府保証額の引き上げは民業を圧迫しますし、放漫財政を支える財投の復活となります。また、優遇措置を受ける金融機関の存在は、市場における競争条件を歪めます。しかも、今後は、住宅ローンを中心に貸し出し業務を始めると報じられていますが、政治家の利権が絡む杜撰な融資が、不良債権の原因となる可能性もあります。国レベルでの巨大な”新銀行東京”が誕生するかもしれないのです。議論することは山のようにあるにも拘わらず、閣僚が委員会で説明した数字であることだけを根拠に、修正は困難とするのは、国会の役割を無視するに等しいと思うのです。

 委員会での政府の説明は、法案の問題点を洗い出し、修正に向けてのスタート時点に過ぎません。如何なる法案も完璧ということはあり得ないのですから。国会が審議・修正機能を果たしてこそ、我が国の政治もより国民の声にこたえる形に”修正”されてゆくと思うのです。

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ギリシャ救済策―IMF関与の心配ごと

2010年03月26日 15時27分11秒 | 国際政治
ギリシャ問題にIMF関与 EU、自力支援を断念(朝日新聞) - goo ニュース
 ユーロの通貨価値の維持を考えれば、ギリシャの経済危機に対してEUが、何らかの取り組みを行うことはよく理解できます。しかしながら、IMFも支援に関与するとなりますと、別の方面からの心配事が発生するようにも思うのです。

 それは、加盟国の財政危機をIMFが救うという形態が一般化すれば、放漫財政の国が増えるのではないか、という心配事です。ドイツが、これまでギリシャ支援を渋ってきた理由も、安易な救済がモラル・ハザードを起こし、長期的にはユーロの信頼性を揺さぶるのではないか、とする懸念があったからとされています。同様のことは、IMFレベルでも言えることであり、ギリシャ救済の前例が、財政悪化に対する各国政府の危機感を低めてしまうかもしれないのです。

 IMFは、これまで外貨準備不足に陥った諸国に救いの手を差し伸べてきましたが、今回は、財政危機を抱えた国への融資となります。もっとも、ユーロ救済が主要な目的となりますと、IMFの出番とも言えますので、IMFの基本的な役割から逸脱するわけでもないかもしれません。しかしながら、起こり得るモラル・ハザードを事前に予防すべく、財政規律に関する国際的な合意の形成を進めるべきではないかと思うのです。


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中井国家公安委員長は潔く辞任を

2010年03月25日 15時32分02秒 | 日本政治
中井国家公安委員長、女性問題巡り官房長官に陳謝(朝日新聞) - goo ニュース
 国家公安委員長とは、外国の諜報機関や工作活動から日本国の安全を守る重職です。誰よりも隙のない人物が適任であることは言うまでもないことですが、中井国家公安委員長は、あろうことか、議員宿舎の鍵を女性に渡していたというのです。

 国民の多くは、中井公安委員長の陳謝だけで納得するはずもありません。何故ならば、もし、この女性が”工作員”や”スパイ”であるならば、国家機密が漏れている可能性が高いからです。国家公安委員長の職にありながら、家族でもない他者に鍵を渡す行為は、申し開きの余地のないほど迂闊で軽率な行為と言うほかありません。無責任な行動によって国家の安全を脅かしたのですから、中井氏の辞任は避けられないと思うのです。これでは、内側から鍵を開けるに等しく、国民に対する背信行為でもあります。

 中井氏に国民に対する責任感があるならば、国家公安委員長としての最後のお仕事は、この女性の背景を調査し、国民に事実を公表することなのではないでしょうか。人事に当たって、"身体検査"をしなかった民主党にも、重大な責任があると思うのです。

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郵政民営化の後戻り―ユニバーサル・サービスはインターネット活用で

2010年03月24日 17時22分29秒 | 日本政治
郵政改革、官への先祖返り=大島自民幹事長(時事通信) - goo ニュース
 民主党政権は、全国津々浦々まで郵便や金融サービスを提供すべきとして、郵政民営化を後戻させる方針のようにです。しかしながら、普及著しいインターネットを活用するれば、この問題は解決するのではないでしょうか。

 現在、郵便事業そのものがeメールに押されれる傾向にありますが、離島や山岳部の過疎地こそ、eメールの利便性が活かされる可能性があります。政府の公報や地方自治体からのお知らせも、メールを用いてば、郵便物として配達する必要はなくなります。また、金融にしましても、インターネット・バンキングが整備されてきておりますので、郵便局がなくても、住民は金融サービスを受けることができます。もし、お年寄りが多く、住民がインターネットに不慣れな場合には、地方自治体が代理人としてネット上の手続き操作や口座の管理を代行するという方法もあります。

 情報・通信技術の発展によって時代は変化しているのですから、やはり、民主党政権の郵政民営化の後退は、時代にも逆行しているように思うのです。

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中国本土撤退―グーグルの良心に敬服

2010年03月23日 15時56分59秒 | アジア
グーグル、中国本土撤退…香港拠点検索サービス(読売新聞) - goo ニュース
 グーグル社は、モットーとして”悪をなさない”を掲げているそうです。お金儲けのためには、良心をも売る企業が多い中で、グーグルの決断は敬服に価します。

 おそらく、このモットーを最初に唱えたPaul Buchheit氏は、情報技術の持つ善悪両面の作用を極めてよく理解していたのでしょう。情報化社会は人々の可能性を広げ、自由な社会の到来を後押しする反面、それが悪人の手に渡りますと、権力者の悪行や都合の悪い事実を隠し、人々を統制する手段となります。そうであるからこそ、情報を扱うビジネスが備えるべきモラルとして、”悪をなさない”を掲げたと考えられるのです。情報産業の発展が、人々により良い社会を約束をするために。善悪が相対化される風潮にある中で、グーグルが”国家権力による検閲”は”悪”であるとする価値判断を明確にしたことは、自由の価値を問う行為でもあるのです。

 中国政府は、情報・通信技術を国民に対する情報統制の手段として用いていますので、まさしく技術の悪用を行っているということができます。グーグルの勇気ある撤退によって投げかけられた問いに、中国政府はどのように応えるのでしょうか。

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変動相場制の役割を無視する中国

2010年03月22日 15時49分49秒 | 国際経済
人民元めぐり“米中通貨戦争”懸念 「制裁」「報復」なら世界経済に波及…(産経新聞) - goo ニュース
 中国の元安政策が貿易の不均衡をもたらすとして、アメリカ政府は、中国政府に対して元高容認を求めています。この問題、”米中通貨戦争”としても取り上げられていますが、国際通貨システムの観点から見ますと、国際貿易における変動相場制の役割を中国政府が無視していることも原因していると思うのです。

 変動相場制には、貿易の不均衡を自律的に調整するという機能があることは、よく知られています。古くはヒュームが唱えたことに始まりますが、およそ、以下のようなメカニズムとして描くことができます。ある一国の輸出が増大した場合、それに比例して貿易決済に伴う通貨取引も増加しますので、自然に輸出国の通貨の相場は上昇します。加えて、輸出国の経済が発展すれば、海外からの投資も増加するわけですから、これもまた、通貨相場が上昇する要因となります。ある国が、経済成長を遂げれば通貨価値も上昇するのが自然なのです。その一方で、為替相場の上昇は、グローバル市場における価格競争における優位性を失うことを意味しますので、輸出量は減少します。こうして、一国だけが一方的に輸出を増加させることはできなくなり、為替相場の変動を通して、貿易の不均衡は自律的に調整されるのです。

 ところが、中国のように、頑として変動相場制を拒否し、事実上の固定相場制を維持するとなりますと、この自律的な調整メカニズムは働かなくなります。現在においては、為替市場の相場が投機的な行為により人為的に変動することもありますが、基本的には、元相場が上昇しない限り、貿易不均衡は改善されないのです。しかも、この問題は、通貨のみならず雇用問題も伴いますので、事態はさらに深刻です。中国政府は、貿易相手国の懸念を理解し、自国の通貨政策が国際通貨制度そのものに脅威を与えている現実を直視すべきと思うのです。

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朝青竜引退―裏目に出た曖昧な対応

2010年03月21日 15時43分20秒 | 社会
英雄消えて残る春もや モンゴル、日本への失望やまず(朝日新聞) - goo ニュース
 モンゴルでは、元横綱朝青竜の引退をめぐって、日本国に対する失望感が漂っているようです。このような対日感情の悪化を招いた原因は、引退の原因を曖昧にしたからではないかと思うのです。

 日本国内では、朝青竜が暴行事件を起こしたことが広く報じられており、被害者との示談が成立したことで、角界からの”追放”ではなく、”自主引退”という形で、朝青竜の横綱としての体面を保たせたと理解されています。いわば、穏便な形での幕引きを図ったわけであり、それは、横綱の名誉を重んじたからこその措置であったのかもしれません。しかしながら、事件をうやむやにしたことで、朝青竜は、モンゴルに帰国後に暴行事件を否定することができたわけですので、日蒙関係を考えれば、この措置は、裏目に出てしまったとも言えるのです。

 きちんと最初から刑事事件として対応し、裁判のプロセスで事実が明らかとなっていれば、モンゴルの国民の大半を納得したはずです。このままでは、"モンゴル出身の横綱を計略にかけて追い出した日本"、という誤ったイメージが定着してしまいますので、事実の解明を急ぐべきと思うのです。

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子ども手当は憲法違反―属人主義と属地主義の巧妙なまやかし

2010年03月20日 15時40分39秒 | 日本政治
参院選公約づくりに着手=子ども手当の扱い焦点-民主(時事通信) - goo ニュース
 先日、数々の問題点の指摘がありながら、子ども手当法案が衆議院を通過しました。特に問題視されたことは、外国人の子どもたちは母国に居住していても支給対象となりながら、海外に親が居住している場合には、子供が日本国に居住しても支給対象とならないという点です。

 何故、このようなナンセンスな法案になったのかと申しますと、それは、民主党が、属人主義と属地主義を巧妙に使い分けたからです。まず、支給対象者については、日本国に居住する者とし、日本国籍を持つ日本人であっても、外国に居住する国民を排除しました。その次に、属人主義を持ち出して、外国人であっても、居住対象者と親子関係にあるものは、支給対象に含めたのです。このために、日本人であっても、法の適用を受けられないという信じられない法案が誕生してしまったのです。外国人だけに属人主義と属地主義の両者を適用していますので、民主党が示した方針は、外国人優遇策と言えるのです。

 憲法第14条は、全ての国民は、法の下の平等と定めていますので、居住地によって差別を設ける本法案は、憲法違反である可能性が極めて高いと考えられるのです。参議院では、この点を含めた徹底した議論が必要なのではないでしょうか。

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東アジア共同体―どちらに転んでも悪夢

2010年03月19日 14時50分10秒 | アジア
東アジア共同体、5月具体化=鳩山首相が取りまとめ指示(時事通信) - goo ニュース
 鳩山首相は、何故にか、東アジア共同体の創設を急いでいるようです。この構想、日本国にとりまして、どちらに転んでも悪夢なのではないかと思うのです。

 東アジア共同体の具体策とは、政権発足当初に示した安全保障機構や金融・通貨統合からEPAに方針を転換したようです。ところが、EPAには、先の案とは別な意味での問題が潜んでいます。EPAを締結しますと、財、人、もの、資本などの移動が活発化します。中国が安い労働力と元安政策を放棄しないままに東アジア共同体を結成しますと、我が国は、競争上、極めて不利な立場に置かれます。また、中国政府が元高を容認したとしても、今度は、中国資本による企業買収の脅威にさらされることになります。買収される日本側の企業が、先端的な技術力を誇る企業となりますと、根こそぎ、我が国の競争力が中国に移転しかねません。また、移民が増加しますと、国内の雇用不安が高まります。中国も韓国も、極めて自己中心的に行動しますので、相互利益など考えず、手段を選ばずに我が国の経済掌握にかかることは目に見えています。我が国の企業が、法整備の不十分な中国市場で不利な状況下で悪戦苦闘している間に、自国の本丸を落とされるとも限らないのです。

 おそらく首相は、EUを先例と見ているのでしょうが、EUには、加盟国間にイデオロギーや安全保障上の対立はなく、むしろ、価値の共有がEU加盟国を結ぶ絆となっています。また、欧州市場では、EUを中心に共通のルール作りを進め、秩序ある競争を目指しています。東アジアにこれらの条件を当て嵌めることはできず、無理に”共同体もどき”をつくりますと、結局、混乱をもたらすだけになるのではないでしょうか。

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鳩山首相の東アジア共同体構想の矛盾

2010年03月18日 15時33分54秒 | 日本政治
首相「日本はまだ鎖国的」 東アジア共同体で持論(産経新聞) - goo ニュース
 鳩山首相は、東アジア共同体のヴィジョンに関連して、日本はまだ鎖国的として、より開かれた国家を目指す方針を示したそうです。しかしながら、このビジョンには、矛盾があるように思えるのです。

 明治以来、積極的に海外の学問、技術、生活様式などを取り入れてきた我が国が、中国や韓国といった東アジア諸国と比較して、取り立てて閉鎖的であるとは思えません。中国に至っては、外国人どころか、自国民でさえ、国内の移動の自由が認めれていません。また、両国とも、教育内容を見れば判るように、自国中心の世界観と強固な民族意識に縛られています。言論の自由さえ充分に保障されていない国と東アジア共同体を結成しても、世界に開かれた”東アジア共同体”が出現するはずはないのです。

 このことは、我が国だけが自国を開放したところで何もならず、より自己中心的な国家によって、我が国が占領されてしまう可能性を示しています。つまり、開かれた日本国を目指して”東アジア共同体”をつくったところ、閉ざされた意識をもった諸国に自国を無血開放したにすぎなくなり、結局、大国が支配する閉鎖的な東アジア共同体が出現することになりそうなのです。”開かれた”という言葉は、他の東アジア諸国に対する要求においてこそ、使われるべきと思うのです。

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朝鮮学校無償化問題への国連の介入は越権行為

2010年03月17日 15時44分36秒 | 国際政治
朝鮮学校無償化除外の動きに懸念 国連人種差別撤廃委(朝日新聞) - goo ニュース
 高等学校の授業料を無償化する法案について、国連の人種差別撤廃委員会が懸念を表明したと報じられています。しかしながら、この勧告は、越権行為なのではないかと思うのです。

 何故ならば、国連人種差別撤廃委員会の設立の根拠ともなっている人種差別撤廃条約にの第1条2項には、「この条約は、締約国が市民と市民でない者との間に設ける区別、排除、制限または優先については適用しない」とあるからです。また、第1条1項には、人種差別の定義として、「この条約において「人種差別」とは、人種、皮膚の色、世系又は民族的もしくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限または優先であって・・・」とあります。一般の学校に通学している朝鮮系の人々は、無償化の対象に含まれますので、朝鮮学校の無償化排除は、この条文にいう民族差別ではないことも明らかです。つまり、日本側の措置は人種差別ではなく、本国の独裁体制を擁護し反日教育を施す学校に対する政治的な拒否なのです。

 人種差別撤廃条約は、外国人への児童手当や子供手当の支給の根拠ともなったと言われていますが、日本国政府が、本条約の第1条2項をどのように理解したのか、不思議なところです。

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