万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

イランの”タリバン化”は悪夢

2009-07-31 15:08:45 | 中近東
デモ死者追悼に2000人 イラン、参加者10人拘束か(産経新聞) - goo ニュース
 デモで亡くなった方々の追悼式までも力で粉砕しようとしたとしますと、イランの強硬派は、全く慈悲の心も寛容の精神をも失っているようです。これというのも、権力の維持のためなのでしょうが、イランがタリバン化することは、人類の悪夢なのではないかと思うのです。

 世界地図を見ればすぐ分かるように、イランとアフガニスタンとは国境を接しています。原理主義者であるタリバンが民主主義を頭から否定している一方で、イランは、イスラム体制における民主主義を追求したことにおいて、両者の間で明確な相違がありました。しかしながら、アハマディネジャド大統領の登場以降、イランの民主主義も雲行きが怪しくなり、イラン情勢は一進一退のせめぎ合いを繰り返しているようです。もし、強硬派が改革派を排除して強権体制を確立するとしますと、イランはタリバン化の様相を呈するかもしれません。それは、アフガニスタンにも悪影響を与え、西側諸国との関係は、さらに悪化の一途を辿ることになりましょう。

 イランの核兵器の開発は決定的な意味を持つことになりますし、西アジアでの緊張の高まりは、中東の不安定化にまで波及する可能性もあります。良識あるイランの人々が、イスラムの名誉のためにも、自国の”タリバン化”を防いでいただきたいと思うのです。

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中国はウイグル調査団の受け入れを

2009-07-30 16:49:36 | アジア
「ウイグル分裂活動の一環」=カーディル議長訪日を非難-中国(時事通信) - goo ニュース
 来日されている「世界ウイグル会議」のカーディル議長に対して、中国は、自己正当化と議長に対する個人攻撃で応えているようです。中国の政府発表が疑わしいのはいつものことですので、どこまでが事実であるのか判然としません。

 一方、カーディル議長は、日本国政府に対して、(1)日本独自の調査団の派遣、(2)国連の調査団結成に向けての外交努力、(3)不当に拘束されている人々の釈放の働きかけを訴えたと報じられています。これらの要請に沿うとしますと、日本国政府は、(1)中立的な第三者機関として自国の調査団の受け入れと、拘束されている人々の即時解放を中国政府に求める、(2)国連人権理事会に対して調査団結成を要請する、(3)国連事務総長に対して、調査委員会の設置、あるいは、調査団派遣を安保理に提案するよう求める、といった行動を取ることができます。安保理での決議となりますと、常任理事国である中国の拒否権に阻まれる可能性が高くなりますが、国連人権理事会であれば、47か国の多数決で議決されるますので、決議成立の余地は残されています。

 もし、中国が自らの主張が事実であることを証明したいならば、中立的な調査団の受け入れるべきですし、また、中国政府が調査団の受け入れを拒否するとなれば、それは、ウイグル人に対する重大な人権侵害があったことを示唆することになりましょう。日本国政府は、迫害を受けている人々の声に耳を傾け、誠実に、かつ、正義に照らして救済の道を探るべきと思うのです。

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ウイグルの独立運動を阻む中国の植民地主義

2009-07-29 16:22:11 | アジア
亡命ウイグル組織議長が来日…中国は抗議(読売新聞) - goo ニュース
 異民族に支配されている人々が、植民地支配からの脱却を求め、独立を主張することは自然なことですし、また、国際法においても認められた権利でもあります。にもかかわらず、中国は、ウイグル独立運動をあたかも不法な暴力行為の如くに扱おうとしているのです。

 もし、60年代に中国がこの行為を行ったとしたら、国際社会から植民地主義として猛烈なる批判を浴びられたことでしょう。しかも、当時、西欧列強による植民地支配への反対を唱えた急先鋒は、当の中国でもあったわけですから、現在の中国の矛盾した態度は際立ちます。今となっては、中国は、最後に残った植民地主義の国となり、厚かましくも、中国支配からの解放を求める人々を暴力で弾圧しているのですから。政府のみならず、インターネットでも、中国国民の世論が自らの加害性に無自覚であり、一方的にウイグルの人々を罵っていることには驚くばかりです。誰も、自らに非があることに気付かないのでしょうか。

 昨日、「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル女史が来日されましたが、是非、言論の自由が保障された日本国から、道を踏み外した中国の行為を、日本国民に、国際社会に、そうして中国に対して訴えていただきたいと思うのです。

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中国には別の格言を

2009-07-28 16:50:37 | アメリカ
孟子で中国の心つかむ?=米大統領、演説で名言引用(時事通信) - goo ニュース
 米中の戦略対話も始まり、アメリカのオバマ大統領は、中国に対して世界を率いるリーダーの役割を強く期待しているようです。しかしながら、チベットやウイグルでの暴虐なふるまいを見ますと、中国に導かれる世界の行く手には暗雲が垂れこめそうです。

 ところで、会議が開かれたワシントンで、大統領は、中国の思想家・孟子の言葉である「人が歩かない道は、すぐ雑草でおおわれてしまう」を持ち出して、米中間のより緊密な連携を促したと言います。しかしながら、孟子の格言を引くならば、

「義を後にして利を先にするを為さば、奪わんずばあかず(義ということをあと回しにして、まず利を追い求めるということになると、結局は人のものを奪いつくさなければ満足しないことになろう)」とか、

「一の不義を行い、一の不辜を殺して天下を得るは、皆為さざるなり。(ただ一つでも不義なことをし、また、ただ一人でも罪のない人を殺すようなことをして、あえて天下を取るなどということは、古聖人は誰もしていない。)」

といった格言の方を述べた方が、中国政府を牽制をやんわりと牽制することになったかもしれません。もちろん、当会議は、両国の友好促進が目的ですので、こうした格言が飛び出すことはあり得ないのですが、古の思想家達が、現在の中国政府の行為を目の当たりにしたならば、痛烈な戒めの言葉を投げかけたのではないかと、つい想像してしまうのです。

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中国のウイグル人監視を許すキルギスの弱腰

2009-07-27 17:22:45 | アジア
中国の監視恐れ…ウイグル族、キルギスやカザフで沈黙(朝日新聞) - goo ニュース
 伝えられているように、もし、キルギス共和国政府が、国内における中国政府によるウイグル人監視を容認しているとしますと、国家として何とも情けない行為のように思えるのです。

 ウイグルの人々が中国政府から迫害を受けていることは、既に国際社会の共通認識となっております。また、迫害されている人々を保護することは、一般的な倫理にも道徳にも適っています。キルギス共和国もまた、ソ連邦に支配された経験があるのですから、ウイグル人の人々の独立の願いと現状の苦しみを理解しているはずです。それにも拘わらず、経済関係ばかりに気をとられて、中国政府のウイグル監視政策に手を貸しているとしますと、これは、あまりにも非情な対応と言えましょう。

 今月23日に行われた大統領選挙において、OSCE(全欧州安全協力機構)の選挙監視団によって、現職のバキエフ大統領による不正選挙が指摘されたそうです。バキエフ大統領は、2005年に民主化を訴えて大統領に当選したということですので、”権力は必ず腐敗する”を自ら体現したことになりますが、国境を接するキルギスが腐敗から立ち直ることができれば、ウイグルの人々にも希望が見えてくるのではないか、と思うのです。

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イランの行方は歴史を変えるのか

2009-07-26 15:41:15 | 中近東
イラン大統領の首脳人事、最高指導者が「待った」(朝日新聞) - goo ニュース
 密かに核開発を計画していると噂されてきたイランに対して、好印象を持ってきた人はそう多くはなかったはずです。しかしながら、大統領選挙の不正疑惑から始まったイラン国内での強権体制成立阻止の動きを見ますと、この認識は改めるべきであるのかもしれません。

 イスラム革命を経て成立したイランのイスラム体制は、とかくに民主主義的な要素が薄く、また、国民の自由や権利の保障についても後ろ向きと理解されがちです。しかしながら、少なくともイラン憲法を読む限りでは、共産主義体制よりははるかに多くの民主的な要素を取り込んでいますし(普通選挙や国民投票・・・)、権力分立も認めています(むしろ、権力は諸機関の間でかなり分散している・・・)。宗教的な指導者会議、最高指導者、護憲評議会などが設置されているところは、イスラム体制と称される所以でもありますが、大統領による権力濫用や独裁化を阻止する役割を果たしているところをみますと、無碍には非難はできません。

 もし、現体制の枠内において、アハマディネジェド大統領の下で進行中の弾圧体制路線が是正され、しかも、軍事目的の核開発の見直しが行われるとしますと、イスラム国家に対する人々の認識は大きく好転するのではないかと思うのです。アフガニスタンの旧タリバン政権とも違うイスラム国家のあり方をイランが示すことができたならば、それは、宗教対立の緩和に大きく貢献することになるのではないでしょうか。

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黒人教授宅を守ろうとした白人警察官

2009-07-25 15:31:13 | アメリカ
「誤認逮捕」で沈静化呼び掛け=黒人教授と白人警官招待へ-オバマ米大統領(時事通信) - goo ニュース
 ハーバード大学の黒人教授が、不法侵入者と誤認されて逮捕された事件については、現場の詳しい状況が分かりませんのではっきりとしたことは言えませんが、報道されている内容から判断しますと、白人警察官の行為が人種差別的であったとする非難は、行き過ぎなようにも思うのです。

 それというのも、白人警察官が誤って逮捕してしまったのは、黒人教授の自宅を窃盗犯から守ろうとしたからです。たとえ、教授が黒人ではなくとも、住宅に忍び込もうとする行為は、誰から見ても窃盗犯に間違われても仕方がありません。むしろ、白人警察官は、自己の任務を誠実に遂行したのであり、正真正銘の人種差別主義者であったならば、見て見ぬふりをしたかもしれないのです。また、もし、本物の窃盗犯を逮捕していたとしたら、黒人教授は、窃盗被害を未然に防いでくれた白人警察官に感謝したことでしょう。

 おそらく、売り言葉に買い言葉で言い争いに発展したのでしょうか、些細な感情の食い違いが論争となるところに、この問題の難しさがあるように思われるのです。

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女性優遇のパラドックス

2009-07-24 16:06:36 | 社会
女性差別解消で国内法不備=慰安婦問題でも日本批判-国連委(時事通信) - goo ニュース
 国連の女性差別撤廃委員会では、日本国に対する非難が相次いだと報じられています。日本政府は、各分野での女性登用の”数値目標”を掲げた第2次男女共同参画基本計画を説明したそうですが、この数値目標方式は、果たして狙い通りの効果を上げることができるのでしょうか。

 マイノリティーの人々に枠を設けるという方式は、”アファーマティヴアクション”と呼ばれ、これまで、アメリカなどで、リベラル派が積極的に推進してきた手法です。一見、男女の平等化に貢献しそうにも見えるのですが、この方法には、隠れたパラドックスがあると思うのです。それは、枠を設けると、人事権を握った人物の権力が強まってしまうことです。もし、この権力を行使するポストに就いている人物が男性であるとしますと、この男性に取り入り、媚びる女性が枠を獲得することになり、狙いとは反対に、男性優位の社会が強化される可能性もあります。つまり、枠によってポストを得た女性幹部は、男性にとって都合のよい女性達で固められてしまうかもしれません。

 この方法ですと、数字の上では女性の地位が向上したように見えますが、量ではなく質から判断しますと、必ずしも男女が平等なのではなく、むしろ、実力派の女性が排除されてしまします。数合わせよりも、評価における男女の平等を目指すべきなのではないか、と思うのです。

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ウイグル独立戦争という選択肢

2009-07-23 15:40:45 | アジア
世界ウイグル会議 カーディル議長来日へ 都内で講演、中国反発も(産経新聞) - goo ニュース
 中国政府は、ウイグルの人々による独立運動を過激派による暴動として糾弾し、国際社会においても”テロ組織”というレッテルを貼りたいようです。この”テロ認定作戦”を意識してか、ウイグル人の活動家の方々も、国際社会に対して平和的手段をしきりにアピールしているようです。

 しかしながら、相手が話し合いを拒否し、一方的に武力による弾圧を繰り返している場合、独立戦争の選択肢を最初から放棄し、平和的な解決を訴えることが正しいのかどうか、これは、十分な検討を要する問題であると思うのです。少なくとも、国際法では、独立のための戦いを認めております。侵略の定義に関する決議の第7条には・・・

「この定義のいかなる規定も、特に第三条は、憲章から導き出された自決、自由および独立の権利を強制的に奪われ・・・人民の自決、自由、独立の権利をいかなる意味でも害するものではない。これらの人民には、特に植民地体制および人種差別体制その他の外国支配体制の下にある人民が含まれる。・・・そうした目的のために闘争し、ならびに支援を求めまたは受け入れるこれらの人民の権利を、いかなる意味でも害するものではない」

 ・・・とあります。決議ですので法的な拘束力はありませんが、これまで数多くの民族が独立戦争を通して自らの国家を手にしてきた歴史を考えますと、ウイグルの人々にも、当然、中国による植民地支配から脱却するために戦う権利があると理解することができます。

 多くの人々が望むように、この問題を平和的に解決するためには、まずは、中国政府が柔軟な対応に転じ、ウイグルの人々との間に交渉の窓口を設ける必要があります。中国政府を話し合いの席に着かせるためにも、最後の手段としての独立戦争というカードは温存すべきではないかと思うのです。国際社会もまた、東トルキスタンは不法に占拠されたのですから、中国政府による”テロ認定路線”に惑わされることなく、ウイグルの人々の独立要求の権利と独立戦争に訴える権利を承認すべきなのではないでしょうか。

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イスラム独裁を阻止するイスラム

2009-07-22 15:40:28 | 中近東
テヘランで改革派支持者らデモ、治安当局が数十人拘束(朝日新聞) - goo ニュース
 1979年にイラン革命が起きたとき、西側諸国は、すわ、前近代的な神政政治の国家が登場したと、戦々恐々としたものです。しかしながら、今になって考えてみますと、イスラム教という倫理上の枠があるからこそ、イランの独裁国家化に歯止めがかかっているのではないかと思うのです。

 キリスト教世界でも、かつては国王と謂えども神の下にあるとされ、絶対君主でさえ、それを超えることは許されないとされてきました。一方、コーランにおいても、神は、人間の不正や嘘つきを嫌い、暴力による支配にも反対していると、読み取ることができます。このため、イスラム教の教えに忠実であればある程、不正選挙の疑いがあり、暴力を手段に統治を行おうとする現政権は、教義上、許されない存在となってゆくのです。現政権を擁護しているハメネイ師は、国家の不安定化を招くとして改革派を威圧的に牽制しているそうですが、改革派の抗議が一向に収まらないのも、それが宗教的な信念に基づくものであるからかもしれません。

 イラン革命が、もし、倫理的な規範を伴わない共産主義による革命であったならば、政府の不正行為や欺瞞に対して、国民から強い反発の声は上がらなかったことでしょう。イランがイスラム体制であるからこそ、道を踏み外した政府に対して、宗教的な信念と良心に基づいた批難が起きていることを考えますと、現政権によるイスラム独裁化を阻止するのは、真正のイスラム教しかないのではないか、と思うのです。

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『不気味の国の北朝鮮』

2009-07-21 15:41:19 | アジア
北朝鮮は幼児並み?クリントン長官「相手にするな」(読売新聞) - goo ニュース
 昨晩、7時のNHKニュースで、北朝鮮では”キム大将の歌”という謎の歌が流行っており、それは、金体制の新たな後継者の登場を暗示しているのではないか、と解説していました。その歌詞は、と言いますと、確か”・・・足踏み・・・タッタッタ”というものでした。

 NHKは、大真面目でこのニュースを報道していたのですが、この歌を聞いた時、北朝鮮という国が、現代人の理解の範囲にはないと感じた方は多かったのではなないかと思います。北朝鮮が醸し出す違和感は、強面の暴力主義と幼児性の同居、時代遅れな権威主義と科学礼賛の混同、俗物主義とカルトの結合など、およそ理性から離れた多様な要素が混ざり合った結果なのかもしれません。かの国だけが、地球上において暗黒のスポットとなり、時間も空間も感覚も共有していない、”不気味な国”を作り出しているかのようなのです。

 ”不思議な国”にはユーモラスな楽しさがあり、夢から覚めますと現実の世界に戻ってくることができますが、”不気味な国”は、夢の世界ではなくて、この世に存在していることが、ホラーよりも恐ろしい現実なのかもしれません。

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過激な手段を選ぶ中国

2009-07-20 15:52:11 | アジア
ウイグル族12人を射殺、自治区当局者が認める(読売新聞) - goo ニュース
 中国当局の発表は、常に政治的に歪曲されていますので、ウイグル側の実際の犠牲者の数が、僅か12人という少数であったかは定かではありません。過少報告を疑うのですが、それでもこのニュースからは、中国側が、力ずくで弾圧を行った様子を窺うことができます。

 先進国でデモや抗議運動から暴力沙汰の混乱が発生した場合、治安当局は、通常、国民の生命や身体が損なわれないように、最大限の配慮するものです。実弾の銃を用いるのは、他に選択肢がなくなった時の最後の手段であり、空砲や催涙ガスなど殺傷力の弱い武器を用いることで、事態の収拾に努めるのです。一方、中国では、発表された内容から判断する限り、最初から治安部隊は、殺傷力のある実弾を用意していたようです。つまり、中国当局は、他の手段を考えず、弾圧の過程で死傷者が出ることを承知の上で、治安部隊を投入したことになるのです。

 これまで中国は、ウイグルの人々の声を聞こうしませんでした。民主的な制度も話し合いの場もないのですから、ウイグルの人々は、不満を直接行動によって表現するしかありません。中国政府は、ウイグル側を暴力主義と決め付けていますが、暴力の連鎖を招いているのは、むしろ中国の側の頑なな態度とも言えます。かつて、西欧諸国が植民地の独立を認めたように、中国政府もまた、ウイグルの人々の独立や自治の要求に耳を傾け、この問題に誠実に善処すべきと思うのです。 

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これからが勝負のイラン

2009-07-19 10:39:44 | 中近東
ムサビ氏、金曜礼拝参加 支持者十数万人集まる イラン(朝日新聞) - goo ニュース
 先日、イランの改革派が、内外の反イスラム勢力との繋がりが疑われたため、一般大衆からの支持を失い、弱体化したという記事を読みました。改革派は風前の灯となったようで、イランの将来を深く憂いたわけですが、金曜礼拝にムサビ氏の支持者が十数人万人集まったとの報道に、イランの行方はまだ決まったわけではないと安堵を覚えたのです。

 イランにおける内部対立の発端は、現政権が不正選挙に関与したという疑いにありました。現政権の行為は、イスラムの教えにも反するものであり、反体制派の人々は、この”不正”に抗議したのです、。しかも、一時の不正行為に留まらず、暴力的、かつ、強圧的な国家体制の構築を目指していました。現政権は、武装警察やバシジといった国民を監視し、弾圧するための装置を手中にしていたからです。もし、この強権体制の成立を容認するとしますと、イラン国民は、長期に亘って自国政府の手によって苦しめられることになるのです。

 暴力的な手段を自在に使用できる政府との対立は、改革派にとって危険に満ちた道となりましょう。しかしながら、もしかしますと、改革派だけが、将来、被るであろう苦しみから国民を救うことができるかもしれないのです。果たして、正しきを愛でるアラーの神は、どちらの勢力に微笑むのでしょうか。

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日本国政府こそ韓国の不法占拠に抗議を

2009-07-18 14:53:27 | 日本政治
防衛白書記述で抗議=韓国(時事通信) - goo ニュース
 竹島の歴史を調べてみれば、日本国側に、竹島の領有を主張する正当な法的根拠があることは、否定の出来ない事実です。にもかかわらず、韓国は、日本国政府に対して強く抗議をすれば、日本国が領有権を放棄し、自国の竹島領有が確立すると本気で信じているのでしょうか。

 竹島について抗議をすべきは、韓国政府ではなく、日本国政府の側なのではないかと思うのです。実効支配を強化している韓国の行為は、一方的に相手国の領域を武力で占領するに等しく、こうした行為は、国際法においても禁じられているはずです。不法行為を行っている加害者の側が、被害者側に対して権利の放棄を要求することは、”恐喝”とも言える行為なのではないでしょうか。

 もし、韓国が、それでも竹島が自国の固有の領土であると言い張るのならば、領有権の放棄を要求するのではなく、国際司法裁判所での解決を申し出る方が道理にかなっています。近年では、韓国は、対馬に対しても領有権を主張し始めており、日本国政府は、韓国の行動が国際社会の行動規範から逸脱しないよう、抑制しなければならないと思うのです。

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ウイグル問題は同化政策では解決しない

2009-07-17 15:52:27 | 国際政治
ニュースを斬る 新疆ウイグル「純粋な悪魔はいない」 中国当局の民族政策が破綻した(日経ビジネスオンライン) - goo ニュース
 上記の記事では、ウイグル問題の解決のために、中国政府は、従来の少数民族優遇政策をやめて、同化政策に切り替えるべきことを提言しています。アメリカをモデルに、人種や民族の違いに拘わらず、すべての国民を同等に扱い、言語教育も施してはどうかというものです。しかしながら、両者の置かれている立場は、あまりに隔たっていると思うのです。

(1)定住者と移民
 現在、新疆ウイグル自治区として中国に不法に植民地化されている地域は、もとより、ウイグル人といった西域の人々が住む地域でした。かつては、東トルキスタンとして独立した経験もあり、ウイグル人から見ますと、漢人は後から来たいわば”侵略者”と映るのです。アメリカの場合は、移民として自国に渡ってきた人々に対して英語を教えるには何らの問題もありませんが、もとからその地に定住している人々に対して、後から移住してきた人々の言語を教育するとなりますと、これは、征服地における被征服民族の同化の強制となります(独自性の破壊?)。

(2)独立問題の有無
 アメリカは、1776年に独立宣言を発し、既に本国から独立していますが、ウイグルには、将来において中国から独立する可能性があります。現時点で、漢人への同化政策を進めますと、ウイグル人が、中国に吸収される結果を招きかねません。

(3)信教の自由と思想統制
 アメリカでは、信教の自由が認められていますが、中国では、共産主義を国是としているため、同化政策が宗教にまで及ぶ可能性があります。ウイグルの人々の多くはイスラム教の信者ですので、反発を招くことは必至です。

(4)意識の違い
 アメリカに移民してきた人々にとって、英語を学ぶことはアメリカ社会でチャンスを掴むことでもありますので、高い英語習得意欲を持っていますし、社会もまたがアメリカン・ドリームの実現としてそれを受け入れています。一方、ウイグルの人々にとりましては、反感を持つ人々が使っている言語の習得となりますので、モチベーションが下がってしまいます。また、相互憎悪がある中で、漢人がウイグル人を快く受け入れるとも思えません。

 以上の点から考えますと、中国当局による上からの同化政策は、民族対立に”火に油を注ぐ”ことになるかもしれず、この問題の根本的な解決方法は、ウイグル独立か、連邦制における自治権の拡大のいずれかなのではないか、と思うのです。

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