万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

クリミア問題-エネルギー価格上昇のリスク

2014年03月31日 15時42分48秒 | 国際政治
電気・ガス料金、最高に=5月、消費増税分を転嫁(時事通信) - goo ニュース
 日本国の貿易赤字は一向に改善の兆しが見えず、原発再稼働の遅れによる火力発電用の燃料費の輸入が赤字要因として指摘されています。経産省のエネルギー基本計画の策定にあっても、原子力発電に対して負の圧力がかかる一方で、再生エネの普及率の数値目標化なども検討されているそうです。

 しかしながら、エネルギー政策とは、国際情勢や外部環境の変化から直接的な影響を受けるものです。言い換えますと、長期的、かつ、厳密な計画を立てることは極めて難しい分野でもあり、硬直的な計画の実施は、経済にとって命取りにならないとも限りません。新技術の確立、エネルギー資源の枯渇と発見、並びに、資源国の政策などによって、エネルギー事情は一変するのです。ウクライナでの政変に端を発したクリミア問題も例外ではありません。ロシアは、世界有数の天然ガスの輸出国であり、パイプラインの敷設によってウクライナのみならず、ドイツといったヨーロッパ諸国にも天然ガスを供給してきました。ところが、現在、ロシアのクリミア併合に対する経済制裁として、ロシアからの天然ガスの輸入を制限する方向に向かっています。代替エネルギーとして、アメリカやブラジルなどのシェールガスが有望視されていますが、このことは、国際経済における全般的なエネルギー価格の上昇を示唆しています。需要と供給のバランスからしますと、供給が減少すれば、当然に価格は上昇するからです。

 日本国政府は、原発の稼働停止状態が長引いても、アメリカからの安価なシェールガスの輸入に望みを繋いでいたのでしょうが、この予定も狂う可能性があります。クリミア問題は、政治のみならず、日本国の経済にも難題をもたらすと思うのです。

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日米韓首脳会談―低下した韓国の信頼性

2014年03月30日 15時52分29秒 | アジア
菅長官「核サミットで中韓だけ外れていた」 “安重根談義”を批判(産経新聞) - goo ニュース
 オランダのハーグで開かれていた核サミットでは、日韓関係の改善を積極的に促してきたアメリカによる仲介が功を奏し、日米韓の首脳会談が実現しました。しかしながら、安倍首相が韓国語で挨拶したものの、朴大統領は、憮然とした表情をを変えることなく、両国間の関係の冷やかさを印象付けることになりました。

 ところが、その一方で、カメラが入らない首脳等に会場では、一転して朴大統領はにこやかな表情で安倍首相とも握手したとも報じられています。この報道に対して、日本国内では、”朴大統領は、内心では親日である”とか、”挨拶に応えなかった非礼は表向きに過ぎない”といった擁護する声も聞かれるようになりました。外交の場では本音を語らないともされ、このあまり誉められたものではない慣例に従ったのかもしれませんが(結局、二枚舌外交は解決困難な問題を残す…)、韓国の大統領の豹変ぶりは、むしろ、韓国という国の信頼性を低下させたのではないかと思うのです。何故ならば、表の顔と裏の顔の二面性がはっきりと見えてしまったからです。このことは、たとえ、表向きは敵対していても、裏では、友好関係を維持している可能性を示唆しています。しばしば指摘されているように、韓国と北朝鮮との関係も裏では協力関係が構築されており、両国は、国際社会や世論を欺き、利益を引き出すために”プロレス”を演じているのかもしれないのです。また逆に、たとえ表では笑顔で友好的であっても、裏では敵意を煮えたぎらせているかもしれません。つまり、どちらの顔であっても、逆である可能性が否定できないのです。

 核サミットでは、中韓が”安重根”の歴史問題で共闘を約す場ともなり、結局は、日米韓の結束強化を示す機会とはならなかったようです。韓国の本音での政策方針を探るには、政治家の顔色に一喜一憂することなく、情報収集にこそ務めるべきと思うのです。

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歴史の検証が世界を救う

2014年03月29日 15時37分32秒 | 国際政治
中国主席、南京事件に言及=「30万人」犠牲―ベルリンで講演(時事通信) - goo ニュース
 昨日の記事ではホロコーストの再検証について述べましたが、歴史の検証は、時には耐えがたい痛みをも伴います。しかしながら、大袈裟な表現ではありますが、長期的に見ますと、歴史の検証は世界を救うのではないかと思うのです。

 歴史の検証が世界を救う理由として挙げられるのは、第1に、”賠償ビジネス”と揶揄されるような被害の水増し請求を防止することができることです。水増し請求の被害国は、戦争の二次被害に遭っているに等しく、歴史の検証は、こうした犯罪行為を世界から一掃します。第2に、過去の被害を過大に見積もることで、将来における加害行為を正当化しようとする国の動きを封じることができます。中国は、ドイツにおいて”南京虐殺30万人”に言及し、日中戦争での犠牲者の数は3500万人を数えると力説していますが、共産革命時の犠牲者を日本に責任転嫁していると共に、復讐を口実とした日本侵略に備えているとしか言いようがありません。第3に、歴史をつぶさに検証すれば、戦勝国や責任を他国に転嫁してきた国もまた、自らの行為を省みることになります。勝者は何でもできる、という認識が改まらない限り、今後とも、非人道的な行為がなくなることはないでしょう。第4に、国家が隠蔽すべき秘密を持つことは、その秘密が漏れた場合、脅迫を受ける原因となることです。この場合、自国の名誉を護るために秘密の暴露を防ごうとすればするほど、秘密を握って脅してくる相手国の言いなりとなり、結果的に、大幅な譲歩を迫られたり、組織的な乗っ取りや腐敗の原因ともなります。一時の恥を忍んでも歴史の検証に耐えなければ、この脅迫は、永遠に続くことになります。

 歴史の隠蔽や検証を許さない不寛容な態度がさらなる犠牲を生み出しているとしますと、歴史の検証は、この負の連鎖を断つことに貢献することでしょう。過去の失敗を繰り返さないためにも、人類は、歴史の検証に踏み出すべきと思うのです。

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ホロコースト否定禁止問題-ドイツ人にも名誉の防御権があるのでは?

2014年03月28日 15時28分44秒 | 国際政治
 ヨーロッパ諸国でホロコーストを公然と否定しようものなら、法律によって罰せられることも稀ではありません。日本国でも、ホロコーストに疑問を呈した雑誌が廃刊に追い込まれましたが、こうした措置は、いささか行き過ぎではないかと思うのです。

 本ブログでもこうしたテーマを扱いますと、雨や霰の批判を受けそうですが、日本国も慰安婦問題を抱えているため、この問題は他人事ではありません。日本国政府が河野談話の再検証を表明しただけで、韓国のみならず、アメリカからも圧力がかかるのですから。おそらく、ナチス・ドイツによって迫害を受けたユダヤの人々からしますと、ホロコーストの否定は感情的にも許せないのは理解に難くありませんが、実のところ、その被害については、犠牲者の数も弾圧の手法も正確に分かっているわけではありません。確固たる歴史の事実として記録するならば、むしろ、詳細な調査と検証が必要なのですが、それさえも許されない状態と聞きます。実証主義からの批判に加えて、もう一つ、法律による禁止が行き過ぎであると考える理由は、ドイツ人にも自らの名誉を防御する権利があるのではないか、ということです。ユダヤ人虐殺の実態に関する調査が禁止され、疑う声さえ封殺されている状態では、ドイツ人は、ユダヤ人側の言い分を無条件に受け入れざるを得ません。”敗戦国は黙れ”、あるいは、”勝者の造った歴史が歴史”というのでは、前近代的な思考のままということにもなります。

 どの国でも名誉毀損は犯罪とされており、また、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」でも、名誉や信用は保護されるべき権利としています。ホロコーストに関しては、ユダヤ人側の”オフェンス”の権利が全面的に承認されている状態ですが、ドイツ人側の”ディフェンス”の権利を認めませんと公平性を欠きます。意見や見解が対立する場合には、双方に自らを弁護する権利を認め、そして、全ての人に歴史を自由に検証する権利が保障されるべきなのではないでしょうか。こうした考え方は、ネオ・ナチでも極右でもない一般の人々の常識でもあると思うのです。

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韓国の異議申し立て事件―裏約束不履行がスポーツ買収をなくす方法?

2014年03月27日 16時42分36秒 | アジア
国際スケート連盟会長、ヨナ採点問題に「選手がミスするのと同じ」(サンケイスポーツ) - goo ニュース
 ソチオリンピックの女子フィギュア・スケートにおいて、韓国のキム・ヨナ選手が金メダルを取れなかったことが相当に不満であったらしく、韓国の韓国体育会は、遂に国際スケート連盟に対して異議申し立てを行うそうです。バンクーバーオリンピックでは、キム選手こそ審判買収疑惑の渦中にありましたので、自国のことは棚に上げた韓国の態度は常軌を逸しています。

 韓国の金メダルへの異常なまでの執着は、審判を多額の資金で買収したにも拘わらず、審判員たちが、ロシアのアデリナ・ソトニコワ選手に金メダルの栄冠を与えたからとも指摘されています。”裏切られた”すなわち”見返りを得られなかった”とする憤慨の感情が、韓国をこうした行動に走らせているらしいのです。しかしながら、元をただせば、買収という不正行為を行った韓国が悪いとしか言いようがありません(銀メダルでさえ、過大評価とも…)。法的に見ても、公序良俗に反する違法行為や犯罪行為を含む契約や約束は無効であり、たとえ、審判員が買収を受けていたとしても、裏約束を履行する義務はありません。また、不履行を理由として、買収資金の返済を求めることもできないのです(不法原因給付・クリーンハンズの原則…)。このことから、スポーツ買収をなくす一つの方法として、買収を受けた側が裏約束を履行しない、という方法もあるのではないかと思うのです。買収が実際に実行されなければ資金は全くの無駄になりますので、買収をしようとする動機は失われます。

 買収が横行すれば、スポーツは、フェア・プレーの精神を育成するという存在意義さえ失われかねません。スポーツ大会は、選手の実力が勝敗を決める本来の姿に戻るべきと思うのです。

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北朝鮮の2015年統一大戦-北朝鮮に勝算はあるのか?

2014年03月26日 16時42分58秒 | 国際政治
来年「統一大戦」も=金第1書記が準備指示―韓国紙(時事通信) - goo ニュース
 幹部の粛清が済んだのか、北朝鮮は、”統一大戦”なる言葉を造語して、韓国の武力併合を目的とした戦争の準備を開始したそうです。時期は2015年なそうですが、北朝鮮には勝算があるのでしょうか。

 張成沢氏の粛清により中国と北朝鮮との間の距離は遠のき、”統一大戦”において、北朝鮮が中国に軍事支援を頼むシナリオが実現する可能性は、粛清以前と比較しますと低下しています。北京政府ではなく、瀋陽軍などの一部の軍閥と連携するシナリオも考えられますが、朝鮮戦争で強めた中朝の”血の結束”が再現するとは限りません。仮に、北朝鮮が自国に勝算があると考えているとしますと、中国との関係改善に加えて、(1)ロシアに支援を求める、あるいは、(2)米韓同盟が機能しない、の二つのシナリオが想定されます。中国との関係改善については、日米間首脳会談が暗に対中結束を意味するとすれば、可能性がないわけではありませんが、(1)のロシアの支援は、ロシアがクリミア併合問題で孤立しているだけに、あり得る展開です。否、クリミアの一件は、北朝鮮をして武力併合の実現を確信させたかもしれません。ロシアを後ろ盾に韓国を併合しても、第三次世界大戦を怖れる国際社会は、制裁こそすれ、黙認せざるを得ないのではないか…と。その一方で、(2)についても、2015年12月に、アメリカは、韓国に軍事指揮権を返還する予定です。最近、表面化してきた韓国の親中政策は、同盟国であるはずの米軍にとってもリスクとなっており、米韓同盟の危うさも指摘されています。北朝鮮にとりましては、2015年は、軍事侵攻のチャンスとなるのです。

 北朝鮮の”はったり”はいつものことですので、今回の”統一大戦”もフラグに過ぎないかもしれませんが、2015年に狙いを定めたことには、何らかの理由がありそうです。北朝鮮の攻撃的な動きに呼応してか、日米韓首脳会談で対北結束が強調されておりますが、竹島を奪われている日本国は、韓国が軍事侵攻を受けた場合、無条件に支援する必要はないと思うのです。

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弾圧なきクリミア介入と弾圧されても不介入のチベット

2014年03月25日 15時53分38秒 | 国際政治
クリミア編入、アジア波及も=中国念頭に「国際社会の問題」―安倍首相(時事通信) - goo ニュース
 ロシアによるクリミア編入については、国際法学者からは、クリミアのロシア系住民が弾圧を受けていない状態にあって、住民投票による独立や他国編入を行うことは国際法違反である、との指摘があります。弾圧を理由とした人道的介入を以ってしか、他国の介入は許されないと…。

 近年の覇権主義的な中国の行動からしますと、ロシアの言い分が通るならば、中国からの移民が居住している地域を抱える国は、常に軍事的な介入を受けかねず、中国系住民が多数派ともなれば、住民投票の実施により領土の一部が中国に編入されてしまう可能性も否定できません。クリミアに関連して誰もが懸念するシナリオであり、それ故に、ロシアに対して批判的な国が多いのですが、その一方で、チベットやウイグルのケースについても誰も言い出さないのが不思議でもあります。ロシアは、弾圧されていないにも拘わらずにクリミアに介入したために国際法違反の大合唱を受けましたが、中国は、チベット人やウイグル人を激しく弾圧し、ジェノサイドと称されるほどの大量虐殺までしながら、どの国も、積極的に介入を言い出さないのです。チベット問題やウイグル問題への介入は、国際法において合法性があるにも拘わらず…。況してや、これらの問題は、中国が19世紀型の植民地支配を維持しているのですから、弾圧の有無に関係なく、民族自決権が優先されるべき事案です。

 大国が、自国の国益や世界戦略に合わせて国際法を都合よく恣意的に解釈するのでは、国際社会は、当然に不安定化し、全ての国の安全が脅かされます。ロシアのダブル・スタンダードにも唖然とさせられますが、中国もまた、周辺諸国に対して”民族自決権”を主張して自国への編入を狙う一方で、チベットやウイグルなどについては、領土の一体性を訴えて国際社会からの干渉を拒否しようとすることでしょう。そして、拒否権を付与されている国連の常任理事国ほど横暴である現実は、国際社会に平和と正義をもたらすためには、全面的な制度の見直しを必要としていることを示唆していると思うのです。

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安重根記念館-過去の歴史を恐喝の口実にしたい中韓

2014年03月24日 15時29分43秒 | 国際政治
中韓首脳会談で安記念館話題に…菅長官が不快感(読売新聞) - goo ニュース
 オランダでの中韓首脳会談で、両首脳は、安重根の記念館の建設に向けてさらに一歩、踏み出したようです。それにしましても、安重根をめぐる両国の団結は、日本国、並びに、国際社会に対する明確なメッセージであると思うのです。日本国との関係改善はあり得ない、という…。

 チベットやウイグルの独立問題を抱える中国にとって、独立運動家、かつ、テロリストであった安重根を手放しでは評価できないのでしょうが、それでも、韓国の要請を受け入れたのは、日米韓の首脳会談開催が決まったことを受けた中国の牽制的な反応として理解できます。その一方で、歴史の大半を中国の属国として臣従していた韓国が、かつての宗主国に対して独立運動家の記念碑建設に賛同を求めるのも奇異なことです。しかしながら、こうした矛盾もお構いなく、韓国は、日米韓首脳会談の議題から歴史問題が排除されたことに対して当てつけを試みたのかもしれません。たとえ矛盾に満ちていようとも、歴史問題は、両国にとって共闘できる重要な絆なのです。そして、その共闘の目的とは、平たくして言えば、日本国から領土や資源などを恐喝によって奪うことに他なりません。日本国が絶対に飲めない”歴史認識”を持ち出し、日本側の拒絶を、”植民地支配”、”侵略”、”人権侵害”に対して反省がない証として批判することで、自らの不正行為を正当化しようとしているのです。

 国際社会は、中韓が、平和友好条約や基本条約を既に締結しながら、何故ここまで歴史認識に拘るのか、その動機こそ疑うべきです。この世には、国際社会の平和や諸外国との友好関係を望むのではなく、他国を利用し、奪うことを政策目的としている国もあるのですから。

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ヴェトナム村民虐殺事件に対する米韓の対応の違い

2014年03月23日 15時19分46秒 | 国際政治
新たな談話発表も=自民総裁補佐(時事通信) - goo ニュース
 韓国は、日本軍が朝鮮女性を戦場に強制連行し、慰安婦にしたとする説を世界に向けて発信してきました。しかしながら、残された資料等の検証や河野談話のめぐる経緯のスクープにより、この説の信憑性は低下の一途を辿っています。

 その一方で、日本国内では、韓国政府による非人道的な虐殺行為に関心が集まるようになりました。ヴェトナム戦争に参戦した韓国軍は、婦女子を含む村民を大量に虐殺するという忌まわしい事件を起こしているからです。タイヴィン虐殺、タイビン村虐殺、ゴダイの虐殺、フォンニィ・フォンニャットの虐殺、ハミの虐殺など、同様の事件が相次いでいますので、韓国軍による組織的な犯行であることは間違いのないことです。一方、ベトナム戦争時の村民虐殺と言えば、ジャーナリズムによる激しい糾弾と世論が反戦となる契機となったことで、アメリカ軍によるソンミ村虐殺事件の方がよく知られています。しかしながら、村民虐殺事件に対する対応を見てみますと、米韓両国が、正反対の態度を採ったことが確認できます。アメリカ政府は、事件発生後、虐殺を指揮した軍人を軍事法廷にかけて有罪の判決を下し、今では、事件現場に建設された記念館の追悼式典にも参列しています(もっとも、それでも対応が甘いと批判された…)。ところが、韓国の方はといえば、元軍人が米軍によるソンミ村の事件もアメリカが韓国の戦術を採用した結果と嘯き、軍事法廷にかけるどころか、これらの事件の責任を一切認めず、反省や謝罪の一言もないのです。村民虐殺は、韓国の国家権力の下にある韓国軍によって実行されたのですから、戦争犯罪であると共に、それを容認した韓国という国家にも責任があるはずです。

 虐殺を違法行為として実行者を裁いたアメリカと、軍が組織的に村民を虐殺した韓国。日本国もまた、戦時中にあっては、女性を含む民間人への暴行は軍規違反や犯罪とされ、処罰の対象となりました。歴史をありのままに直視し、真摯に反省すべきは、韓国なのではないでしょうか。

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日朝局長級協議再開―日本国政府は終戦時の日本人虐殺も問うべきでは

2014年03月22日 15時52分15秒 | アジア
日朝局長級30、31日 1年4カ月ぶり再開(産経新聞) - goo ニュース
 拉致被害者の家族である横田さん御夫妻がお孫さんとモンゴルで面会したことも手伝って、政府もマスコミも、日朝間の雪解けムードを演出しているようです。今月末には、日朝両政府の局長級による協議の場が設けられるそうですが、韓国と同様に、一方的に相手の言い分を認めて譲歩するだけでは、またもや恐喝の場と化してしまいます。

 局長級協議における議題としては、日本側が、拉致問題や核・ミサイル問題を持ち出す一方で、北朝鮮側は、日本人の遺骨収集の事業化や”植民地支配”の清算を求めてくることが予測されています。北朝鮮側の要求には、事業費や植民地支配の償いを口実として、日本政府から多額の引き出そうとする意図が伺えますし、日本側の要求に対しても、”見返り”を求めてくる可能性も否定できません。その一方で、北朝鮮が一方的に日本国によって被害を受けたとする構図は、既に崩壊しています。拉致事件は北朝鮮政府が日本人被害者に賠償すべき事柄ですし、北朝鮮の地に3万5千柱とされる日本人の遺骨が眠るのも、終戦に前後してソ連兵と朝鮮人保安隊による日本人虐殺が起きたからに他なりません。日本国政府は、自国民が無残に虐殺されているのですから、この蛮行を不問に付す一方で、日本統治下にあって日本国が朝鮮人を”奴隷化”したとする北朝鮮の主張通りに経済支援を行うのでは、日本国民が納得しません。しかも、日本統治時代に日本国が投資した予算は莫大であり、今でも朝鮮半島の経済や国民生活を支えています。過酷な植民地支配や”奴隷化”は虚像や捏造に過ぎない以上、今なお人権侵害国家、かつ、無法国家である北朝鮮に対して、日本国が多額の資金を提供することは危険すぎます(合意に達しても、約束が順守される保証もない…)。

 遺骨収集がビジネス化し、北朝鮮の資金源にされたのでは、無念にも日本国の土を踏むことなくかの地で亡くなった日本人の方々が浮かばれません。日本国政府は、独裁体制を維持している限り、北朝鮮との交渉を急ぐ必要はないと思うのです。

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日米韓首脳会談―結束を見せる相手は中国ではなく北朝鮮?

2014年03月21日 15時47分27秒 | アジア
日米韓首脳会談開催へ…朴大統領が受け入れ(読売新聞) - goo ニュース
 日米間の首脳会談の開催をめぐっては、安倍首相が国会で河野談話の継承を表明するなど、日韓間に駆け引きが見られました。ひと騒動の果てに首脳会談が実現する運びとなりましたが、この会談、アジアの安定に資するのでしょうか。

 日本国にとりましては、当面の脅威は中国の覇権主義であり、尖閣諸島には既に中国の魔の手が伸びつつあります。ところが、日米韓の結束を誇示する相手は北朝鮮のみであり、中国はその対象から外されているようなのです。本日も、ミッシェル・オバマ大統領夫人が、二人の娘さんを連れて中国に一週間も滞在するとも報じられており、むしろ、米中の親密ぶりがアピールされています。韓国の朴大統領が日米韓首脳会議に渋々ながら応じたのも、中国を刺激しないとする確約をアメリカから得たからかもしれません。かくして日米韓首脳会談の議題は、韓国の懸念材料である北朝の核鮮問題に絞られ、しかも、この会談で、北朝鮮に対する何らかの強硬策が決定される見通しもありませんので、三国の首脳の顔合わせだけで終わる可能性もあるのです。

 中国に対しての結束ではない以上、日本国には、北朝鮮有事にだけ韓国支援を強要される一方で、自国の尖閣有事に際しては、知らんぷりをされるリスクがあります。中国の軍事的拡張主義に対する対策が議題に上がらない日米韓首脳会談は、対中包囲網の強化には繋がりませんので、アジア全体を安定化させる効果を期待することは難しいと思うのです。

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ロシアのクリミア併合問題が投げかける問い

2014年03月20日 15時57分01秒 | 国際政治
露、クリミア併合 「露の大義」民族迫害なし コソボとの違いは?(産経新聞) - goo ニュース
 国際社会では、しばしば大国による唖然とさせられるようなダブル・スタンダードが見られ、自国の都合や利益に合わせて解釈を変える事例が散見されます。クリミア併合に際してのロシアの主張も、過去のケースで示した自らの見解と矛盾しているのですが、独立や領土の帰属問題については、国際社会には、一つ考えなければならないことがあるようです。

 チベットやウイグルの人々が、現行の中国の憲法に従うならば、永遠に独立できないことは確かなことです。残された合法的な手段は、民族独立戦争を戦うことですが、人民解放軍と互角に戦えるほどの武力を備えているはずもなく、最近のテロの頻発もこの絶望的な状況がもたらしたものでもあります。国際社会が考慮すべきこととは、異民族によって併合されたり、植民地化されている場合には、憲法上の規定や手続きの順守を絶対条件とすることは、酷であるということです。確かに、クリミアの場合には、住民の自由な意思表示ではなく、また、ロシア人弾圧の事実が証明されていないにも拘わらず、ロシアの事実上の軍事占領下で住民投票が実施されましたので、その効力には疑問符が付きますが、それでも、固有の領土でもなく、かつ、異民族が多数を占める地域に対して独立や分離の可能性を憲法で封じることが正しいとは言い切れないところがあります。クリミアの人口の6割がロシア系であり、自由に意思表示できる状態で住民投票を実施したとしても、ウクライナからの独立賛成派が多数を占めることは当然に予測されます。ならば、ウクライナ憲法の方を改正し、全ウクライナ人による国民投票ではなく、クリミア自治共和国に関しては、住民投票のみで独立や帰属の変更を認めるとすれば、この問題の少なくとも国内法上の違法性は解消される可能性もないわけではありません(ただし、クリミアでは住民投票のやり直しが必要かもしれない…)。

 国際社会においてダブル・スタンダード問題が発生する理由は、司法解決を忌避する当事国の利己的な態度にありますが、自国が支配下に置いている他民族に対して自決の権利を頑として認めない憲法にも求めることができます。国際社会は、ダブル・スタンダード問題への対応としても、民族自決の権利について、どのような場合や条件においてその権利行使が正当であるのかを議論してゆく必要があると思うのです。

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民族自決の危機に直面する先進国-移民政策の果て

2014年03月19日 15時54分32秒 | 国際政治
 グローバル化の掛け声とともに、”民族”の枠組みを過去のものとする風潮が強まり、マスコミも、あたかも民族が存在しないかのような扱いを続けてきました。しかしながら、クリミア半島での出来事は、民族自決が決して侮ることができない現実的な問題を含んでいることを如実に表しております。

 国際社会における民族自決の原則は、そもそもは、帝国の版図に組み込まれていたり、植民地支配を受けていた諸国の独立を支える原則として成立した歴史があります。それ故に、日本国を含む欧米諸国は、自らの国に照らしてこの原則を深く考える機会に乏しく、否、無頓着ですらありました。特にヨーロッパ諸国は、戦後、労働力不足を補うために家族を含めた大量の移民を受け入れてきましたし、アメリカを始めとする多民族国家では、移民に広く国を開くことこそ、国家の活力を維持するための当然の政策とみなしてきたのです。移民受け入れが少ないと批判されてきた日本国でも、韓国、北朝鮮、中国を中心に既に帰化した外国人は100万人に達していると指摘されています。イギリスの首都ロンドンでは、外国人の数が人口の半数を越したと報告されていますが、移民政策を長期的に継続して行けは、当然に、先祖代々居住してきた国民は少数派に転落します。多数派となった他民族出身者もまた、国内で”民族”集団を形成し、社会や文化面のみならず、独立や自治、あるいは、出身国との併合要求など、政治的な権利を主張し始めるとしますと(移民送り出し国は、長期的な戦略として自国民を他国に送り込んでいるかもしれない…)、クリミア問題と同様の問題が引き起こされることが予測されます。

 先進国を自認し、最先端の国家モデルとばかりに移民政策を推進した結果、真っ先に世界地図から自国が消えるようでは、それが賢明な判断であったとは思えません。今日、民族を敢えて無視しようとしてきた先進国こそ、民族自決の危機に直面しているのではないかと思うのです。

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所得税最高上限2億円の怪-誰のための税制改革?

2014年03月18日 15時27分41秒 | 日本政治
 税法とは、当然に、国民のために制定されている法律です。ところが、最近、外国人の富裕層を日本国に招き入れることを目的として、所得税の最高の税額の上限を2億円とする案が浮上しているそうです。

 新聞報道によりますと、政府は、”日本の大企業の役員クラスでも上限の2億円に達することはない”として、あくまでも外国人誘致対策であることを強調しています。ということは、一般の日本国民の大多数は恩恵から除外され、外国人優遇だけを目的に日本国の税制改革が行われることを意味しています。ここまで国民排除を明言するとは、何とも奇妙なお話なのですが、この制度改革を裏では、一体、どのような人々が蠢いているのでしょうか。推測できるのは、(1)体制崩壊が危ぶまれている中国の富裕層が、カナダ等の移民規制強化を受けて、日本国を有力な移住先として狙っている、(2)外国人役員だけが破格の報酬が認められている日本の企業体質を見越し、欧米諸国が圧力をかけている(日産のゴーン氏の所得は約9億…)、(3)日本人高額所得者が、外国人優遇策に便乗する形で合法的に節税したい(2012年の高額所得ランキングの一位はソフトバンクの孫氏であり、94億の所得を記録している…)、並びに、最近、頓にユダヤ勢力寄りの政策が目立ちますので、(4)ユダヤ人富裕層からの要求…などが考えられます。かつて、日本国政府は、外国人の富裕層が日本国に居住すれば税収がアップし、日本財政に貢献すると説明しておりましたが、この制度では然程の増収は見込めそうもありませんし、軽い税負担に釣られて移住してくる外国人富裕者が、日本社会においてどのような存在となるのか疑問な限りです。

 内閣府による年間20万人移民政策と言い、最近、政府から漏れ聞こえる政策は、日本国民を完全に無視した政策が多すぎます。統治権力は、国民からの預かりものなのですから、国民のための政策こそ、立案していただきたいと思うのです。

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アメリカは河野談話押し付けの日米離反効果に気づくべき

2014年03月17日 15時31分38秒 | アメリカ
韓国、日米韓首脳会談は「日本の誠意」が条件(読売新聞) - goo ニュース
 アメリカは、日米韓の結束を維持するために、日韓関係の改善を両国政府に求めてきました。先日、安倍首相が河野談話を継承すると述べた背景にも、アメリカの圧力が指摘されています。

 アメリカ政府は、日本国に対して河野談話の継承を強要することが、日米離反行為であることに気が付いているのでしょうか。日米両国は、サンフランシスコ講和条約において先の戦争を最終的に終結させ、敵対関係を解消しております。にも拘らず、アメリカが、日本国を敵国と定めて推進している反日活動に自らも加担するとなりますと、講和条約の意味を損ないます。韓国の主張する日本軍による”慰安婦”強制連行説が虚偽であることは、アメリカも知らないはずはありません。アメリカ側に残された記録は、ピクニックやショッピングを楽しむなど”慰安婦”達が恵まれた生活を送っていたことを示しており、昨日も、ネット上では韓国マスコミが報じたとされるアメリカ公文書館の資料が、”奴隷”どころか、慰安婦達が日本兵の10倍以上(推定)もの高給取りであったことを証明していることが話題となっておりました。日本国における慰安婦裁判も、2年間で貯めた2万6千円という現在では数千万円に相当する貯金の返還をめぐるものですので、日米に残る資料は、当時の慰安婦達が、日本軍に強制連行されたわけでも、”奴隷”ではなかったことを裏付けています。つまり、韓国側に非があり、その主張が捏造であることが認識しながら、日本国に対して無理にでも河野談話の踏襲を求めることは、自らも、反日宣伝戦線に加わることを意味するのです。これでは、日本国民が憤慨するのも当然のことです。アメリカ政府は、何としても日本国に対して河野談話の踏襲を迫るならば、日本国民を納得させるべく、自国が保管している全ての資料や調査結果を公表して説明すべきです。

 このままでは、日米韓の結束を訴えても、米韓の絆は強まりこそすれ、日本国政府、少なくとも日本国民の心情は、両国から離れてゆくことでしょう。中国の覇権主義の脅威を前にして、アメリカは、日米離反を憂慮しないのでしょうか。

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