万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮を庇う国連への疑惑

2009-01-31 15:59:16 | 国際政治
日米が全面再開を阻止 国連の対北朝鮮支援事業(共同通信) - goo ニュース
 人道支援の名の下で行われている北朝鮮への支援が、表の目的とは裏腹に、独裁体制の維持に利用されていることは、既に周知の事実となっています。この事実を知りながら、国連が、北朝鮮への支援事業を再開しようとしたとしますならば、むしろ、疑惑の目が向けられるのは、国連となるのではないでしょうか。

 国連とは、国際の平和と安全を維持することを目的としております。NPT体制を揺るがす核兵器の開発や国際犯罪である拉致事件を起こしている北朝鮮は、まさしくこの平和と安全に対する脅威に他なりません。それにも拘わらず、国連が、北朝鮮の体制維持に、暗黙のうちに協力するような行動をとっているとしますと、そこには、何らかの隠された意図があるものと見なされます。加盟国でもある日本国の脅威には応えようとせず、北朝鮮を支援していることが事実ならば、日本国民の国連神話=国連絶対善の固定概念は、やがて崩壊することになりましょう。

 国連という組織それ自体が、何らかの政治的な偏りを持つことは、普遍性の喪失を意味します。国連が、国際社会からの信頼を獲得するためには、組織の透明性を高め、説明責任を十分に果たすべきと思うのです。

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金融工学の新たな使命

2009-01-30 13:19:14 | 国際経済
金融安定化に向け、あらゆる選択肢を検討=米副大統領(トムソンロイター) - goo ニュース
 近年、ノーベル賞の受賞者まで顔を揃えた金融工学は、世間の脚光を浴び、一躍花形の学問に躍り出ることになりました。ところが、生まれたばかりの学問とは、えてして不完全なもので、何かしらの欠点をあるものです。金融工学も、その例外ではないように思うのです。

 それでは、金融工学には、何が欠けているのでしょうか。

1)バブルの復元技術。レベレッジを駆使した金融技術は、最速で最大のバブルを発生させることに成功しましたが、インフレ・リスクやバブル崩壊の危機が迫った時、それを、元の状態に戻す方法がありませんでした。

2)バブル崩壊の処理技術。バブルが崩壊してしまい、金融機関が莫大な損失を被った場合、それを円滑に処理する技術がありませんでした。処理技術がありませんと、破壊力による崩壊の連鎖的拡大を止めることができなくなります。

3)バブルの予防技術。如何なる製品にも、安全装置はあるものです。本来、デリバティヴもCDSも、リスク回避のための安全装置であったはずなのですが、反対に、リスク拡大装置として働いてしまいました。この逆機能を制御する技術は、ぜひとも必要です。

 工学と名がつく限りは、不断の努力によって、より優れた技術や製品が生み出れてゆくものであり、それは、人々の幸福に資すべきものでもあります。金融工学の新たなる使命とは、より安全であり、経済をバブルのリスクから守る技術の開発であってほしいと願うのです。

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誰がグローバル金融市場のルールをつくるのか

2009-01-29 15:44:00 | 国際経済
09年世界成長率見通し0.5%に下方修正=IMF(トムソンロイター) - goo ニュース
 昨年の暮に金融危機が発生したことから、国際社会では、金融市場のグローバル化を支えた”新自由主義”に対する批判と反省の声が高まっているようです。そこで、もし、自由放任がカオスを生むならば、カオスに秩序を与える”何か”がなくてはならないはずです。

 考えてみますと、この問題は、古くて新しい”自由と規律”の問題であるかもしれません。そうなりますと、この”何か”とは、やはり、自由を律する”規律”ということになりそうです。しかしながら、現在の国際社会を見渡してみても、この”規律”を決めるに最適と思しき国際機関は見当たりません。最有力候補は、IMFなのでしょうが、IMFの基本的な役割は、国際決済に関わる流動性の確保ですので、金融市場のルールづくりに適しているのか疑問があります。そこで、G8やG20なども候補に挙がるのですが、常設の機関ではありませんので、時間を要するルールづくりという作業には不向きであるかもしれません(新聞報道によりますと、弁護士の国際機関が活動を開始しているとも・・・)。また、立法過程についても、ルールの草案は、中立的な立場から作成されるべきでしょうし、草案の可決についても、各国とも納得する決め方を探るのは難しそうです。

 このように、金融市場のルール作りには、困難が待ち受けているのですが、この作業に取り組みませんと、世界同時不況をもたらす金融危機の再発を防止することができません。もし、共通のルールが作れないとしますと、国家の単位で規律を定めるか、あるいは、自国の金融市場の扉を開け閉めして、国境を越えたマネー・フローをコントロールすることになりましょう。この問題を考えますと、誰が猫の首に鈴を付けるのか、という昔のお話が思い起こされるのです。

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教員職の二重保障は妥当?

2009-01-28 15:37:48 | 社会
元中学教諭「指導力不足」で免職は違法 岡山地裁(朝日新聞) - goo ニュース
 ある専門職を公募し、採用試験の結果に基づいて雇用したところが、その専門職を全うする能力が欠けていることが判明し、他者に対しても不利益を与える場合、雇用主は、採用された人を解雇することはできるのでしょうか。一般常識からしますと、解雇できると考えられそうです。しかしながら、岡山地裁の判決によりますと、教職の場合には、二重に職が守られているようなのです。

 二重の職、それは、教員と公務員という二つの職です。地裁の論理によりますと、教員としての「指導力不足」により離職させることは合法であっても、公務員としての解雇は違法となるそうです。もし、この論理が妥当であるならば、教員採用試験は、公務員試験をも兼ねることになります。しかしながら、実際には、教職と公務員とでは、必要となる専門知識も違いますし、採用枠も当然に別々です。この判決の内容が一般化しますと、教職は、公務員への別ルートともなりかねません。

 まずは、教員の採用に当たっては、大分県の汚職事件などを反省材料として、指導力不足の教師の出現を、事前に防止するように努めるべきと言えましょう。その一方で、岡山地裁のように、公務員としての配置転換を怠ったのは違法と断ずるのも行き過ぎの感があり、もし、教職を二重に保障するならば、教職員採用試験に公務員試験の内容を加えるか、あるいは、不適格と判定した時点で、再度、公務員試験の受験を義務付けるといった工夫が必要なのではないか、と思うのです。

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金融機関は貯金増加に備えた戦略を

2009-01-27 15:34:26 | 国際政治
goo注目ワード ピックアップ・・・平均貯金額(goo注目ワード) - goo ニュース
 本日、国会では、第二次補正予算が成立しました。結局、さしたる議論もないままに、定額給付金の支給も決定されてしまったようですが、不況を脱出できるか否かは、むしろ、金融機関が鍵を握っているように思うのです。

 何故ならば、日本人の気質を考えますと、支給された給付金の多くは、貯蓄に向けられるのではないか、と予想されるからです。政府の政策目的は、消費の喚起であり、預金よりも消費をということのようです。しかしながら、この意図が外れる可能性は否定できません。ケインズ理論によりますと、預金が退蔵されると景気の回復は絶望的になるそうですが、もし、金融機関が、預けられた預金を有望な投資先に投資することができれば、貯金の増加分を、経済の活性化に繋げることができるかもしれません。

 不況下にあっては、将来の生活や雇用に不安を抱く国民の多くが預金を増やす行動に走ることは、十分にあり得ることです。民間の金融機関は、是非とも、国債の購入やバブルを誘発する投機ではなく、新たな産業を育てるべく、先を見通した戦略的な投資を心がけていただきたいと思うのです。

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もし中国が家康の戦略に倣ったら

2009-01-26 15:59:58 | アジア
小説「徳川家康」なぜか中国で大人気…忍耐の精神受ける?(読売新聞) - goo ニュース
 中国では、ビジネスマンを中心に、小説「徳川家康」が人気を博している言います。不況下にあって、ビジネスマンが、家康から忍耐の精神を学ぶ、ということでしたら、安心してこのニュースを受け止められるのですが、もし、中国の政治家が、家康の戦略に倣うとしますと、日本国は、心中穏やかではいられないようにも思うのです。

 何故ならば、もし、中国が、自らを徳川側に見立てる一方で、日本国を豊臣側に喩えるとしますと、さながら大阪城の如く、外堀を埋められ、内堀も埋められ、ついには追い詰められて、落城の憂き目にあうのではないか、と不安になるからです。もしかしますと、その間に、小早川の役回りを演じる者も現れるかもしれませんし、あるいは、国家安康のような言いがかりをつけられるかもしれません。

 権謀術数に長けた中国のことですから、今さら日本国の歴史から戦略を学ぶ必要もないように思われますが、ビジネスマンのみならず、このブームが政治家にも広がりるとしますと、いささか心配です。もしかしますと、国家滅亡を避けるために、歴史に学ぶべきは、日本人の方かもしれません。 

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アメリカ政府はFRBを手放すのか?

2009-01-25 14:12:10 | 国際経済
【コラム】 北米共通通貨「アメロ」誕生?ウワサの真相を読み解けば…(R25) - goo ニュース
 もし、北米共通通貨「アメロ」の構想が実現に向けて動き出すとするならば、そのネックとなるのは、アメリカ政府が、FRBを手放すことができるか、という問題のように思うのです。

 かつて欧州では、共通の中央銀行であるECBを設立するに先立って、各国中央銀行の独立性の強化が図られたものです。何故ならば、加盟国のレベルで政府と中央銀行が結びついていると、ECBの政策決定に、特定の加盟国の影響が強まってしまうからです。つまり、特定の加盟国の経済事情に合わせてECBが金融政策を決定されるとなりますと、他の加盟国に不利益が及ぶ可能性があったのです。そこで、ESCBと呼ばれるECBを本店とした中央銀行のシステムでは、支店となり、政策決定にも参加する加盟各国の中央銀行に対しても、政府からの独立性が強く求められたのです。

 「アメロ」構想においても、おそらく共通の中央銀行が設立されることになりますので、もし、ESCB方式を踏襲するとしますと、アメリカ政府は、FRBの独立性を強化せざるを得なくなります。欧州の中央銀行と比較して、現在のFRBの独立性は低いとする指摘もあり、アメリカ政府は、FRBの喪失という大きな決断を迫られることが予測されるのです。ESCB方式ではなく、FRBにカナダとメキシコの中央銀行を接続させるという方法もありますが、両国が、簡単にこの案に同意するとも思えません。「アメロ」構想の行方は、アメリカ政府とFRBの行方でもあるのです。

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日本政策金融公庫が「新銀行日本」になる心配

2009-01-24 15:46:40 | 日本政治
一般企業に公的資金、資本増強で再建支援…政府方針(読売新聞) - goo ニュース
 政治利権と化し、不透明な融資が横行して経営が行き詰ってしまった「新銀行東京」。報道によりますと、政府は、日本政策金融公庫の予算枠から、一般の企業に公的資金を投入するそうです。が、一つ間違えますと、日本政策金融公庫が、「新銀行東京」ならぬ「新銀行日本」になってしまうかもしれないと思うのです。

 政府が、直接に民間企業に対して”貸付”を行いますと、必ず、政治家の利権やコネの問題が付きまといます。いわゆる”口利き”と呼ばれるもので、融資基準や条件に拘わりなく、政治家との関係の有無が、融資の決定に大きくものを言うのです。その結果は火を見るよりも明らかであり、回収不能の債権が発生し、巨額の損失を計上することになるかもしれません。政府系の金融機関のほうが、民間の金融機関よりも、はるかに不良債権化のリスクが高く、モラル・ハザードも発生しやすいのです。

 「新銀行東京」の二の舞になることは十分に予測できるのですから、この策は、良策とは言えないようです。もし、政府が、どうしてもこの政策を行いたいのであるならば、融資基準、融資先と財務状況、返済の見通しなどの情報を公開し、”口利き”ではなく、公平な融資が行われていることを、国民の前に証明する必要があると思うのです。

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財政出動なき景気回復はあり得るのか?

2009-01-23 11:06:17 | 日本経済
短期社債の買い切り決める…日銀政策決定会合(読売新聞) - goo ニュース
 財政の財源が、国民や企業から徴収した税金であることを考えますと、本来、不景気の度に、巨額の財政出動を行うことは望ましくはありません。結局それは、国民の強制借金に過ぎず、最終的には、全て国民負担となるからです。そこで政府は、不景気にあって、如何に財政出動を最低限に抑えながら、景気回復策を行うのかという、大変、難しい課題に取り組まねばならなくなるのです。

 かつては、自国の通貨安誘導する”近隣窮乏化政策”を取り、輸出力を強化するという方法もありましたが、近年では、この手法は自己中心的な行為と見なされ、あまり用いられなくなりました(昨今の円高は、行き過ぎの観がありますが・・・)。対外通貨政策も”ダメ!”となりますと、残された手段は限られてきます。

1)そこで、最も期待されるのが、中央銀行の金融政策です。現在、日銀は、3兆円のCPの買取を決定したと言われておりますが、今般の不況の原因が、金融危機であることを考えますと、バブル崩壊の損失を”封じ込める”手法は、財務省の国債発効よりも、中央銀行の債権保有の方がまだ安全と考えられます。何故ならば、国債の場合には、政府に償還と利払いの義務が発生しますが、中央銀行の債権買取には、この負担はありません(むしろ、利払いを受ける権利が発生・・・)。また、この手法は、民間の金融機関の貸出能力を向上させますので、民間企業の資金繰りを支えることになります。倒産を防ぐことができれば、雇用や所得の維持にもつながります。

2)次に考えられるのが、バブルを元に状態に戻す政策としてのローンなどの借り換えやモラトリアムの促進です。これは、日本国よりも、アメリカで行う方が効果的かもしれませんが、個人倒産や企業倒産を避けるために、中央銀行の低金利政策の効果を末端まで及ぼす必要があります。この政策には、民間金融機関の協力か、あるいは、法整備が必要となるかもしれません。

3)また、銀行の自己資本比率規制の緩和も、検討課題の一つです。BIS規制では、自己資本比率を下回る場合には、金融機関が経営の危機に直面します。国際基準としての8%や国内基準としての4%が妥当な比率であるとする合理的な根拠は脆弱であり、また、証券化という抜け道もあります。規制の緩和により金融機関の倒産を防ぐことができれば、連鎖倒産を回避することができますし、金融機関は、安心して不良債権の処理を進めることもできます。

4)さらに、景気の回復には、消費の喚起が必要です。定額給付金のような”ばらまき”を避けるとしますと、新たな製品開発や技術開発に資する規制緩和は、政府の打てる手の一つであるかもしれません。企業が、マーケティングの調査を行い、不況下でも消費者が欲しがる新たな製品を作ることができれば、市場を持続的な成長路線に戻すことができます。

 もし、どうしても財政出動を行うならば、1)企業の収益構造を改善する投資(流通コストの低下に繋がるもの・・・)、2)失業対策と雇用ネットワークの整備、3)将来性の高い技術・研究開発への投資(エネルギー開発や環境技術・・・)4)新産業育成のための人材養成と教育の強化・・・などを挙げることができます。市場のメカニズムが正常化するよう環境を整えることこそ、政府が、最優先して取り組むべき課題ではないか、と思うのです。

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経済政策は予測不能の”賭け”である

2009-01-22 15:52:52 | 日本経済
マクロ経済学の大原則を無視した 「定額給付金」懐疑報道に感じる違和感【保田隆明コラム】(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 もし、経済で発生した問題を、すべて経済学が解決することができるならば、定額給付金についても誰も批判などしなかったことでしょう。しかしながら、経済学が現実の経済の特効薬となることは稀であり、経済学理論を、そのまま政策として適用することにはリスクが伴うことも、忘れてはならないと思うのです。

 確かに、マクロ経済学は、景気刺激策として、国民所得を増やす減税が有効であることを説明しています。しかしながら、議論の的になっている定額給付金と減税とは、そもそも政策手法が違いますし、消費者の将来的生活不安(預金へのシフト)、赤字国債の増発(財政危機の高まりやクラウディング・アウト)、外国との貿易関係(政策効果の海外流出)、不況下の消費者志向(不況部門とのギャップ)、失業率(国民所得の減少)・・・などにより、政策効果は変化します。こうした全ての関連する変数を考慮し、膨大な計算式を解かなければ、実際の政策効果ははじき出せないはずなのです。しかも、消費者心理などは、事前に正確には予測できないのですから、この苦労の末の計算結果さえ、怪しくなります。

 経済学の教科書に書いてあるから、絶対に効果がある、と断言することも楽観的に過ぎるかもしれず、経済に対しては、より謙虚であるべきと思うのです。もしかしますと、膨大な予算を使う予測不能の”賭け”となるかもしれないのですから。

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大統領就任演説に終戦のご詔勅を想う

2009-01-21 15:15:59 | アメリカ
努力と責任感で「どんな嵐にも耐えよう」オバマ大統領の就任演説 全文翻訳 <特集・オバマのアメリカ>(gooニュース) - goo ニュース
 華々しい雰囲気に包まれたアメリカ大統領の就任式。世界中の人々が注目したオバマ大統領の演説内容を読んで、ふと頭に思い浮かんだのが、昭和天皇の終戦の御詔勅でした。

 21世紀のアメリカ大統領の演説と半世紀以上も前の日本国の天皇のお言葉の間に共通性などない、と思われる方は多いかもしれません。しかしながら、未曾有の危機に直面していた、という意味において、両者には共通点があると思うのです。現在のアメリカは、来るべき大不況に打ち勝たねばならず、半世紀前の日本国は、歴史上はじめての敗戦を経験し、焼け野原から国家の再建に立ち向かわねばなりませんでした。国家の危機を前にして、両国の最高責任者は、国民に対して、良き未来を切り開くために、忍耐と責任を訴えたのです。

 オバマ新大統領は、”どんな嵐にも耐えよう”と国民を鼓舞し、昭和天皇は、”忍びがたきを忍び、耐えがたきを耐え”るよう、国民に語りかけました。加えて、終戦の御詔勅には、”任重くして道遠きを念ひ、総力を将来の建設に傾け、道義を篤くして・・・”という下りもあります。この言葉もまた、就任演説で強調された責任とそれを支える価値観と共通しているのです。古今東西を問わず、国家的な危機を救うのは言葉なのかもしれないと、言霊のさきはう国から思うのです。

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オバマ次期大統領が将来に残した課題

2009-01-20 15:53:01 | アメリカ
キング牧師の「夢」実現=人種融和に全力-オバマ次期米大統領(時事通信) - goo ニュース
 アメリカでは、大統領就任式は国を挙げてのお祭り騒ぎとなり、その日を目前にして、国内は昂揚感に満ちているようです。ここで、”将来に残した”といった表現をしますと、まだ大統領に就任してもいない段階で、気が早いと言われそうですが、アメリカの国民統合の観点から、オバマ次期大統領は、一つの課題を残しているように思うのです。

 それは、アメリカの統合を、オバマ次期大統領の個人的な身上とパーソナリティに求めることの危うさです。オバマ次期大統領は、黒人の父と白人の母の間に生まれたことにより、白人と黒人との間の歴史的な対立に終止符を打ち、国内融和を目指すという意味において、アメリカの歴史を象徴していると言えるかもしれません。しかしながら、もし、大統領の個人的な属性を以って、国家並びに国民統合の象徴とするならば、将来のアメリカ大統領の選び方に、一定の影響を与えるようにも思えるのです。例えば、両親とも純粋な白人、あるいは、純粋な黒人は、大統領になれるのでしょうか。あるいは、ヒスパニック系やアジア系の国民の増加は、大統領に自らと同じ血が流れていることを求めるのでしょうか。

 融合の象徴であったオバマ次期大統領の退任とともに、アメリカの国民がばらばらになってしまうことは、決して望ましい事態ではないはずです。オバマ次期大統領が、どのようにして、将来に向けて統合の道筋を付けるのか、大変、興味深いことと思うのです。

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平沼新党は保守層の受け皿

2009-01-19 15:38:35 | 日本政治
平沼元経産相、総選挙後に新政党結成めざす(朝日新聞) - goo ニュース
 小選挙区制が導入された時、日本国は、近い将来に、二大政党制に向かうものと予測されていました。しかしながら、二大政党制に至る以前に、既にこの制度の欠点が表面化してしまい、路線の見直しを迫れているように思うのです。

 国民の多様な意見を表出しない、というよく知られた欠点の他に、この制度には、両政党の対立軸が明確でない場合、国民の選択肢がなくなる、という問題点があります。例えば、現在、自民党と民主党との政策を比べてみますと、両者ともリベラルに傾いてしまい(自民党は、公明党の連立により、急速に左傾化・・・)、保守層を代表する政党がなくなってしまいました。どちらを取りましても、政治においては融和派であり、経済においても大きな政府を志向しています(明確な対立軸を構成するためには、現実主義vs.理想主義と小さな政府vs.大きな政府の組み合わせとならなくてはならない・・・)。二大政党の間で、すっぽりと保守層の支持を受け止める政党が抜け落ちてしまっているのです。そもそも、政治、経済、社会といった各分野におけるすべての選択肢を、たった二つの政党で代表しようとするところに、無理があるのかもしれません。

 この文脈において、平沼元経産相の新党構想は、行き場を失った保守層や無党派層を吸収し、代表しようとする試みと言えましょう。国民に参政権という選択権がありましても、現実には選択肢がないとなりますと、民主主義は健全に機能しないと思うのです。 

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エネルギー技術の開発こそ不況脱出の切り札か

2009-01-18 15:47:20 | 日本政治
「エネルギー密度は風力の850倍」:水中にタービン、ダム不要の新水力発電(WIRED VISION) - goo ニュース
 エネルギーとは、人間の日常生活にも、経済活動にも、不可欠なものです。人類は、自らの生存を何らかのエネルギーに依存しているのであって、エネルギー資源の開発と利用こそ文明社会を根底から支えているのです。

 ところで、この当然の事実から分かることは、もし、安価で、安全であり、かつ、簡単にエネルギーを手に入れることができれば、人類の生存は、それでけ安泰ということです。そうして、このエネルギー問題は、経済システムにも多大なる影響を与えているのです。70年代に起きた二度の石油ショックは、エネルギー問題が、産業構造を変えるだけのインパクトを持つことを証明しました。近年でも、昨年の資源高騰は実体経済を苦しめましたし、現在のところ、資源価格は低下傾向にありますが、OPECの減産が伝えられる中、いつ何時、資源価格が再び上昇するか分かりません。また、石油が枯渇する日は、近い将来に必ずやってきます。このことを考えますと、もし、将来的な展望をもって政府が投資を行うならば、巨額の投資を要するエネルギー技術の開発分野が最適ではないか、と思うのです。小手先の不況対策よりも、よほど将来性があるのではないでしょうか。

 特に、日本国は、エネルギー資源に乏しく、資源輸入国です。もし、エネルギーコストを大幅に削減することができれば、その恩恵は、企業のみならず、全ての国民に及ぶことになりましょう。自然の力を生かすことで、エネルギーを容易に取り出すことができれば、日本国の、そうして人類の未来もまた開けるのではないか、と思うのです。

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米機不時着―人格が人命を救う

2009-01-17 15:48:54 | アメリカ
米機不時着 「プロの仕事」英雄機長に喝采(産経新聞) - goo ニュース
 機長の的確な判断と巧みな操縦により、乗客乗員の命を救った米機不時着のニュースは、危機に直面した時にこそ真価を問われる人格というものについて、考えさせられる機会となりました。奇跡とも言える偉業は、サレンバーガー機長、ならびに、救助にあたった方々の人格によるところが大きかったと思うからです。

 第一に、サレンバーガー機長は、両翼のエンジン脱落という絶望的な状況下にありながら、パニックに陥ることなく、被害を最小限に留めるべく、最善の判断を行いました。もし、機長に判断力が欠け、鍛え上げられた不動心が備わっていなければ、あるいは、ニューヨーク市民を巻き込んだ大惨事となっていたかもしれません。

 第二に、不時着した後も、機長は、乗客を助けることを最優先し、責任者としての任務を全うしました。もし、機長に責任感が欠け、乗客よりも自己を優先するような人物であったならば、これほどまでスムースに乗客の機外への脱出ができたかわかりません。

 第三に、自分の仕事を放り出しても、乗客の救出に駆け付けた船舶会社の船員のかたがたがおりました。もし、危険に晒されている人々を、率先して助けようとする正義感にあふれた人々が存在していなかったらならば、全員の生存は難しかったことでしょう。

 教育の現場にあっては、道徳はとかくに煙たがられているようですが、目に見えないようで、高い道徳心や崇高な人格こそが、人々の命を救っているのかもしれません。うわべだけの平和教育などより、この事件のお話を読み聞かせる方が、よほど、人々の心に人としてのあり方を教えるのではないか、と思うのです。

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