万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

エネルギー政策は”国家万年の計”で

2011-07-31 15:48:37 | 日本政治
田坂広志氏(内閣官房参与)インタビュー「再稼働は国民の納得が大切」(オルタナ) - goo ニュース
 菅首相とその周辺の人々は、個人的な見解である脱原発、あるいは、脱原発依存を、国のエネルギー政策の既定路線としたいようです。この路線、もしかしますと、将来の人類を苦しめることになるかもしれないと思うのです。

 石油や石炭、天然ガスといったエネルギー資源が永遠に枯渇しないのであるならば、脱原発は可能であるかもしれません。実際に、原発の停止が相次ぐ現状にあって、低品質の石炭、シェールガス、メタンハイドレードといった新種のエネルギー資源にも関心が集まるようになり、発電効率の高い火力発電設備も開発されてきました。こうした傾向は、資源の有効利用の面からも、評価されるべきことです。しかしながら、新種のエネルギー資源といえども、枯渇の運命を逃れることはできず、やがて、底をつく日が訪れます。短期的には問題解決に貢献しても、人類が、何万年も、何億年も先まで存在し続けることを考えますと、将来の人類は、ある時点において、深刻なエネルギー問題に直面することになるのです。ここで、自然エネルギーがあるではないか、と反論する方々もおられるでしょうが、自然エネルギーもまた、全人類の生産と生活を支えられるほどのエネルギー供給源となるかは、未知数です。

 こうした状況を考慮しますと、脱原発の流れに乗じて、原発技術や原子力研究を放棄することは、エネルギー問題解決に向けての解決の道を、一つ塞ぐことになります。エネルギー政策は、国家百年どころか、国家千年、否、万年の計なのですから、短絡的な判断は禁物であると思うのです。

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止まらない負の連鎖―原発の再稼働で危機から脱出を

2011-07-30 15:37:52 | 日本政治
失業者20万人増、現実味 全原発停止なら成長率3.6%押し下げも(産経新聞) - goo ニュース
 昨日開かれた政府のエネルギー・環境会議では、原発政策をめぐり、議論が紛糾したそうです。そうこうしている間にも、経済における負の連鎖は留まるところを知らず、20万人失業も現実味を帯びてきました。

 このままの状態では、(1)原発の停止⇒(2)電気料金値上がり⇒(3)海外への製造・研究拠点の移転+所得と購買力の低下⇒(4)失業の増加+産業の衰退⇒(5)株価下落+外国資本による安値買い⇒(6)歳入の減少+財政悪化・・・という負の連鎖が続きます。その行きつく先は、経済・財政破綻が待っているのですが、政府は、この状態を無責任にも放置しており、何らの手を打とうともしていません。加えて、昨今の急激な円高により輸出競争力も低下しており、外需主導の回復の道筋も遠のいています。電力会社も軒並み赤字転落となりますと、原発事故の賠償スキームにも影響を与える可能性も否定できません。これに追い打ちをかけるように、再生エネ法が成立しますと、もはや、お手上げ状態です。

 経済の麻痺は、被災地の復興をも遅延させます。この負の連鎖を断つ即効薬があるとすれば、それは、停止中の原発を再稼働させることです。世論調査では、脱原発を支持する国民は多いようですが、GNPが低下し、20万人もの失業が伴うとしますと、原発の再稼働には反対する声は少ないはずです。まずは応急措置として、原発を早期に再稼働させ、当面の危機から脱出すべきなのではないでしょうか。そうして、このシナリオの最大の障害が、菅首相、その人であることを考えますと、首相退陣をも急ぐ必要があると思うのです。

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多文化共生主義は文化の死亡診断書

2011-07-29 15:11:15 | 社会
ノルウェー連続テロ1週間 反移民、「多文化」を侵食 「開かれた国」試練(産経新聞) - goo ニュース
 ノルウェーで起きた忌まわしいテロ事件の背景には、増加を続ける移民問題があると指摘されています。移民問題は、多文化共生主義という美名によって糊塗されがちですが、果たして、この多文化共生主義の行きつく先には、何が待ち受けているのでしょうか。

 異文化の相互尊重には、多くの人々が賛同していますし、文化財や歴史的な遺産の保護を否定する人もほとんどいません。一方、多文化共生主義とは、国内において、全ての文化に平等の価値を認めようとする考え方に基づいています。つまり、移民の持ち込んだ文化を、そのまま受け入れ国に定着させようというのが、多文化共生主義なのです。しかしながら、この路線には無理があり、やがて限界に到達すると予測されるのです。何故ならば、文化とは、それを生み出した集団と結びついており、外国への移植は、持ち込まれた側にとりましては、文化的空間の絶え間ない分裂を意味するからです。多文化共生主義によって出現した空間とは、世界各地から切り取られた多様な文化の小断片の寄せ集めでしかありません。しかも、全てを平等に扱うとしますと、自国の文化的な伝統や遺産を維持することさえ差別とされ、糾弾されるかもしれないのです。この路線を突き詰めますと、どの国も、母語に代わって全世界の言語を公用語とせざるを得なくなり、国民は、相互コミュニケーションの手段を失うことになります。つまり、多文化共生主義は、文化を擁護しているようでその実、全ての文化を雑多な混沌の中に投げ入れ、死滅へと導いているのです。

 イギリスやドイツなどからは、多文化共生主義は失敗であったとする声も聞こえてくる一方で、自国の固有文化の尊重を求める主張は、ネイティヴィズム(先住民保護主義)や”多文化への侵害”として批判的に捉える見方もあるようです。移民国家の場合には、それほどに事態は深刻化しないかもしれませんが、国際社会における多様な文化の相互尊重と、一国の内部における多文化共生主義とでは雲泥の差があり、やがて、両者は二律背反の関係に至ります。このように考えますと、多文化共生主義を無批判に理想視することなく、この思想に潜む破滅的な作用をも見据えるべきと思うのです。

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モンゴルの核廃棄物受け入れ拒否―核燃料サイクルが解決の切り札?

2011-07-28 17:36:54 | 日本政治
リンク: モンゴル、核廃棄物受け入れを拒否 「処分場」構想は頓挫か - 速報:@niftyニュース.
 先日、自民党の河野議員が、”核燃料サイクル”は行き詰ったとして、原子力技術を含めた”脱原発”を訴えていました。ところが、今月22日に、中国の実験炉において高速増殖炉の安定的出力に成功したとするニュースが報じられたそうなのです。もし、この報道が事実であるならば、”核燃料サイクル”は、まだまだ期待できることになります(河野議員は、親中派のはず・・・)。

 しかも、高速増殖炉は、エネルギー問題および核廃棄物処理問題解決の切り札になるかもしれません。何故ならば、このプロジェクトが成功すれば、これまで廃棄処分するしかなかったウラン238やプルトニウム239を燃料として使用できると共に、さらにプルトニウム239を造り出し、燃料として再利用することができるからです。つまり、エネルギー問題と核廃棄物処理の問題を同時に解決できる、一石二鳥のプロジェクトなのです(残りの廃棄物は分離・核変換技術で処理か・・・)。日本国の高速増殖炉もんじゅも、落下した装置の引き抜き作業が完了し、今年度中に40%の出力実験を行うそうです。モンゴルから核廃棄物の受け入れを拒否されてしまいましたので、やはり、高速増殖炉に期待するしかないのかもしれません。

 もんじゅには、プロジェクトが開始された1967年以降、2兆4000億円の費用が投入されてきたため、多額のコストが批判されていますが、全原発を停止すると燃料費だけで、電力会社に3兆円以上のコスト増が生じる試算がありますので、決して重すぎるコストではないはずです。科学技術が生み出した問題の多くは、止まるのではなく、先に進むことで、はじめて解決されるのではないかと思うのです。

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危うし日本の原発輸出―韓国優先の菅首相

2011-07-27 15:00:35 | 日本政治
首相「脱原発」はや代償…日本外し加速、トルコ交渉打ち切りも(産経新聞) - goo ニュース
 菅首相の突然の脱原発発言により、予定されていた日本企業による原発輸出の先行きが怪しくなってきました。もし、ベトナムやトルコからの受注が白紙に戻されるとしますと、数兆円もの損失となるそうです。菅首相は、一体、どれほどの損害を日本経済に与えたら気が済むのでしょうか。

 自らの決定の影響の先の先を読む能力は、政治家が備えるべき不可欠の資質です。菅首相の唐突な行動や発言は、しばしば軽率な”思いつき”と批難されていますが、単なる洞察力や危機管理能力の不足とも思えないのです。何故ならば、内閣不信任案の一件のように、菅首相は、相当な計算高さと狡猾な悪賢さを見せているからです。こうした人物が、ある行動をとる時、その背景には、何らかの計略が隠されていると考える方が自然です。原発輸出にストップをかけようとする菅首相の姿勢にも、再生エネ法案と同様に、韓国に利益を移譲しようとする意図が見え隠れしているのです。原発受注の経緯を考えれば、日本国が一歩引けば、韓国が売り込み攻勢をかけることは、誰もが容易に予想できることです。ましてや政治家であれば、当然に計算に入っているはずなのです。菅首相は、とぼけた顔の裏で、自国の企業のチャンスを潰し、莫大な損失を与えようとしてるのです。就任中に、壊せるものは壊しておけ、と言わんばかりに・・・。

 韓国のみならず、菅首相には、カルト的独裁国家である北朝鮮との闇の関係も噂されており、国民の信頼は地に落ち(支持率は10%台・・・)、早期辞任が国民側のコンセンサスになりつつあります。大震災の混乱に乗じ、国民を騙して破滅に向かわせようとしているのですから、菅首相は、日本国の歴史上、最悪の首相と言えるのではないでしょうか。

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ノルウェーの悪夢―寛容派が最も非寛容という逆説

2011-07-26 15:18:30 | 国際政治
ノルウェー連続テロ 移民の国 揺れる寛容(産経新聞) - goo ニュース
 如何なる理由があろうとも、大量殺戮という方法が人々の支持を受けるはずはなく、ノルウェーの連続テロ事件の犯人は、人間社会の禁じ手を使ってしまいました。アンネシュ・ブレイビック容疑者は、法律に基づいて厳罰に処されることになるでしょう。しかしながら、手段の悪辣さは別として、移民問題については、世界各国共通の課題として、よりオープンに議論されてもよいのではないかと思うのです。

 何故ならば、この事件には、移民や異文化への寛容を主張する人々が、最も非寛容という逆説が潜んでいるからです。現地のマスコミ報道から推察しますと、政権与党である労働党は、これまで積極的な移民政策を推進し、多文化共生主義を主張してきたようです。その過程で、外国人排斥を”悪”と決めつけ、移民の増加に反対する人々の言論をも封じてきたのでしょう。しかしながら、現実には、欧州各国で移民政策に反対を唱える政党が支持率を伸ばしていることからも分かるように、移民反対の主張が、一般の人々の共感を呼んでいることもまた確かなことです。つまり、寛容を盾に移民政策を推進する人々は、移民に反対する意見に対しては、ヒステリックなまでに非寛容なのです。

 ノルウェーの場合、イスラム系の住民の増加が問題視されており、国民の間では、手厚い社会福祉政策が、移民家庭の生活保護に費やされているという不満があるそうです。移民増加による治安の悪化や雇用の喪失なども、国民に不安を与える要因となっています。また、イスラム系の住民の人口がさらに増加しますと、やがてはイスラム法の適用要求が高まるかもしれません。多文化主義とは、それぞれが、自国の範囲に留まる限りは摩擦は起きませんが、一度、国境を越えて異文化の中に入り込みますと、多かれ少なかれ、社会的な亀裂を生む要因となります。安全と安心を求めて移民政策に反対する人々の主張には、単純な人種や民族差別とは違う次元の、合理的な反対理由が認められるのです。

イスラム諸国でも、移民が増加して、国民が同様の事態に悩まされるようになれば、反発と警戒が起きるでしょうから、これは、”お互い様”の現象です。このように考えますと、一方的な寛容を押し付ける左派の偏狭な態度にも問題があり、反対派の意見にも謙虚に耳を傾けるという、より広い意味での寛容性を持つべきではないかと思うのです。

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脱原発の二つのパラドクス

2011-07-25 13:45:25 | 日本政治
リンク: 電力不安で三井金属、HOYAなど大手が続々海外生産シフト - 速報:@niftyニュース.
 福島第一原発の事故以来、電力不足は日に日に深刻さを増すばかりです。この結果、怖れられていた事態が、ついに現実となってしまいました。安価な電力と安定供給を求めて、海外に生産拠点や実験施設を移す企業が続出しているというのです。

 このままこの傾向が続けば、産業の空洞化と大量失業問題が発生することは目に見えているのですが、政府は、何も手を打とうとしないどころか、さらなる悪化を目論んでいるようです。再生エネ法が可決されれば、電力料金の値上がり率は70%とも試算されており、まさに、電力地獄です。そもそも、エネルギー供給とは、産業を育成し、国民生活を支える基盤なのですが、現状の脱原発+再生エネの方向性では、肝心の産業を国外に追い出し、エネルギーを必要とする産業そのものがなくなっていまうという、悲惨なパラドクスが待ち受けています。理想が実現した暁には、国民生活のレベルは、100年も逆戻りしているかもしれません。

 それでは、どうしたらよいのでしょうか。グローバル化により競争が激しくなった今日では、どの国も、企業の誘致には熱心に取り組んでおり、安くて安定的な電力は、有利なセールスポイントです。日本国もまた、この基本から外れてはならず、安価な電力の安定的な供給にこそ努力を傾けるべきなのです(再生エネ法では努力が裏目に出る・・・)。そうして、もしかしますと、思考錯誤の末に、この目的を達成する近道として、原子力の研究・技術開発を促進すべき、という結論に達するかもしれません。ここにも、脱原発のパラドクスが見えるのです(脱原発を推進しようとすればするほど、原子力の必要性が認識される・・・)。

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中国高速鉄道脱線事故―中国を滅ぼすのは中国?

2011-07-24 14:26:38 | 日本政治
「メンツプロジェクト」 脱線で胡指導部に痛手(朝日新聞) - goo ニュース
 わずか数十年の間に急激な経済成長を成し遂げ、世界第二位の経済大国にのし上がった中国。巨大化した軍事力と経済力を背景に、国際社会でも、相手国を力とお金でねじ伏せようとする傲慢な態度が目立つようになりました。向かうところ敵なしのようにも見えるのですが、中国には、弱点はないのでしょうか。

 昨日、怖れられていた通り、中国の高速鉄道が脱線事故を起こし、死傷者の数が多数に上っていると報じられています。この高速鉄道は、従来線を使用しているため、鳴り物入りで登場したいわくつきの”中国版新幹線”と同一の型ではないそうなのですが、それでも、中国高速鉄道の安全性と性能、および、運行管理システムには、大きな疑問符が付くことになりました。そうしてこの事故は、技術レベルの問題のみならず、中国の弱点をも露呈することになったのです。それは、自信過剰と自己過信という弱点です。

 中国の歴代帝国は、中華思想の世界観に漬かり、自国を客観的に評価して危機を管理する能力が麻痺してしまう傾向にありました。この結果、滅亡の憂き目にあうのですが、現在の中国もまた、この歴史を繰り返すのではないかと思うのです。

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ノルウェーの乱射事件―偽警察官の大罪

2011-07-23 15:46:06 | 社会
警官姿の男、整列させ乱射…700人悲鳴(読売新聞) - goo ニュース
 ノルウェーと言えば、ノーベル平和賞がまずは頭に浮かび、美しい自然に囲まれた北欧の静謐な国というイメージがあります。それ故に、本日、ノルウェーで発生した凄惨なテロ事件は、世界中の人々に衝撃を与えることになりました。

 この事件の背景や実行犯については、極右の関係者とする憶測のみで、詳しい報道はありません。テロの真の目的は、深い霧の中にありますが、この事件は、80人にも及ぶ人々の命を奪うのみならず、もうひとつ、大事なものを破壊したと思うのです。それは、警察に対する国民の信頼です。犯人は、警察官を装って集会の参加者たちに近づき、平然と整列を命じたそうです。もし、警察の制服姿でなければ、誰も犯人の命令には従わなかったでしょうし、80人もの被害者が殺害されるはずもなかったはずです。命令に素直に従い、人々が犯人の前で整然と並んだからこそ、至近距離からの乱射が可能となり、これほどの悲惨な事件となったのです。こうした事件が起こると、国民は、警察官さえ疑うようになります。

 犯人は、単純に警察のコスチュームの方が人々を騙しやすいと目論んで、この手段を選んだのかもしれません。大方の国民は、無条件に警察や公務員を信頼するものだからです(某国では、政治家の仮面をかぶって国民の信頼を裏切る首相もいる・・・)。しかしながら、そうであるかこそ、この事件は、一般の人々に対する残酷なテロ事件であると同時に、国民の警察への信頼を逆手に取った、警察に対する間接的な攻撃ではなかったかとも思うのです。

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脱原発論者に問う―新興国が原発を導入する理由とは

2011-07-22 15:45:54 | 国際政治
原発輸出で政権内温度差 首相は見直し姿勢だけど…(朝日新聞) - goo ニュース
 最近、脱原発の根拠として、コスト安は幻想に過ぎず、現実には、原発のコストは高いとする試算を見かけます。しかしながら、もし、それが事実であるならば、何故、新興国は、原発を導入しようとしているのでしょうか。

 新興国が原発導入に踏み切るに際して、費用対効果や採算性を計算していないとは考えられません。火力、水力、あるいは、再生エネルギーの方が低コストであるならば、迷わず、そちらを選択するはずです。あらゆる面から検討して、原発のメリットを評価してのことと考えられます。新興国のみならず、先進国の多くも原発維持を表明しておりますので、原発コスト高説は、この点において、説得力に欠けるのです。核兵器への転用を狙っていると説明しようとするかもしれませんが、IAEAの査察がありますので、この心配もないはずです(軽水炉では核兵器用のプルトニウムは生成されない・・・)。

 脱原発論者による電力供給不足や安価な原子力エネルギーの否定は、初めに結論ありきで、どこか、信頼することができません。他国を観察しても、この説を裏付ける現象が見られないからです。脱原発原理主義者の主張を鵜呑みにしますと、産業の空洞化、大量失業、原子力産業の壊滅、安全保障の弱体化・・・といった悲惨な負の連鎖が待ちかまえているかもしれないのです。

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安全保障面からの脱原発リスクの議論を

2011-07-21 18:10:35 | 日本政治
核燃料サイクル、官僚に慎重論 もんじゅ事故前の証言録(朝日新聞) - goo ニュース
 現在、核の保有は、NPTによって規制されており、日本国もまた非核兵器国としてこの条約を順守しております。その一方で、近年、イランや北朝鮮など、NPTを無視して密かに核開発を行ってとされる国々も出現しており、NPT体制にほころびが見られるようになりました。

 共産党などが、従来より脱原発を主張し、原発や放射性物質の危険性を強調してきた理由は、商業用の原子炉であっても、ウラン238⇒ウラン239⇒ネプツニウム⇒239⇒プルトニウム239が生成されることにあります。こうした軽水炉から取り出されたプルトニウム239は、純度が低いので、そのままでは核兵器の原料とはなりませんが、高速増殖炉を用いれば、純度の高いプルトニウム239が取り出せるそうです。この事実から、考えねばならないことは、脱原発やそれに伴う核燃料リサイクルの放棄には、安全保障上の問題も深くかかわっているということです。

 もちろん、プルトニウム239は、プルサーマルにおけるMOX燃料として使用されており、経済的にもエネルギー資源としての価値もあります。しかしながら、その一方で、脱原発の問題は、経済に留まらず、NPT体制が揺らぎ、中国や北朝鮮からの核攻撃の可能性がある中で、将来にわたって自国の安全をどのように守るのか、という問題をも突き付けているのです。日米同盟による”核の傘”がありつつも、潜在的な核武装能力が核の抑止力として働くとしますと、日本国の脱原発は、安全保障上のリスクを高める危険性をも孕んでいるということになるのではないでしょうか。

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政府の悪意と矛盾―15%節電令と脱原発

2011-07-20 15:22:43 | 日本政治
政府、関西に10%以上の節電2か月程度要請(読売新聞) - goo ニュース
 菅首相は、何らの見通しや代替案もないままに、脱原発依存の方針を発表すると共に、運転停止中の原発の再稼働の流れを、突如、断ち切ってしまいました。当然に、電力不足が発生するわけなのですが、脱原発を支持する人々は、本当は電力は足りているとして、この判断を擁護しています。

 しかしながら、もし、政府が、現状でも脱原発しても大丈夫と踏んでいるならば、そもそも、15%節電令を発令するはずはないと思うのです。何故ならば、節電令なくして、産業も国民も、全く震災以前と変わらずに、生産や生活が送れることが立証できれば、国民に対する脱原発の有力な説得材料となるからです。それができないところを見ますと、来春まで全原発が停止しても対応できるという政府の説明は、国民を騙すペテンです。停止原発の数が増えてゆく来春までには、20%削減といった過酷な制限や、電力料金の急激な値上がりが、国民に待ちかまえている可能性も否定できないのです(再稼働停止を見込んでいない時点での計算で15%であった・・・)。もしかしますと、政府は、産業も国民生活も、甚大な損害を受けることを知りながら、それを放置しようとしているのかもしれないのです。

 政府は、一体、何を目論んでいるのでしょうか(再生エネの利権?)。政府の矛盾した態度から、産業や国民に対する悪意を感じるのは、私だけなのでしょうか。

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電力供給確保=脱原発可能ではない

2011-07-19 15:41:07 | 日本政治
全原発停止でも供給に余力「西日本は電力不足」のウソ(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 もし、原発を全て停止しても電力供給量が足りているならば、政府が15%の節電を産業界や国民に強いる必要はなく、どんどん電力を消費しても、何の支障もないことになります。しかしながら、この”足りている論”もまた、脱原発を推進するための”デマ”である可能性も否定することはできません。

 少なくとも、ひとつだけ確かなことは、電力の供給確保は、イコール、エネルギー問題の解決にはならないことです。”足りている論”の根拠とは、(1)長期停止中の火力の再稼働、(2)企業の需要削減(需給調整契約)、(3)自家発電の利用、(4)電力会社間の融通などですが、どれを取りましても、コストが割高になることは必至です。火力発電所は、旧型の設備が多くエネルギー効率が悪いそうですし、自家発電のコストも決して安くはありません。企業の需要削減に至っては、その発想は、政府の15%節電と同じです。”足りている論”の論者は、電力会社が赤字に陥らないために、正確なデータを隠していると批判していますが、赤字の発生予測こそ、論者が、原子力発電を停止すれば、電気料金が値上がることを認めている証拠でもあります。

 エネルギー政策の基本とは、安くて良質のエネルギーを、安定的かつ大量に供給することで、産業を育成し、国民生活を向上させることにありますので、たとえ百歩譲って、脱原発でも電力供給が足りているとしても、コスト高の容認は、エネルギー政策としては失敗です(現状でも、国際比較からしますと、日本の電力料金は高い・・・)。国会で審議されている再生エネ法もまた、タコが自らの足を食べるような、本末転倒の法案であると思うのです。

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「十七か条協定」は消滅?-中国のチベット支配の根拠も消滅

2011-07-18 14:56:16 | 国際政治
ダライ・ラマとの会談、中国が米に強く抗議(読売新聞) - goo ニュース
 昨日、アメリカのオバマ大統領が、ダライ・ラマ14世と会談し、チベットの人権擁護を支持したとするニュースが報じられています。この会談に対して、中国政府は、強い調子で抗議声明を発表しているようですが、チベットを武力占領している中国の行為こそ、批難されるべき蛮行です。

 最近、ウィキペディアの日本語版を読んで驚いたのですが、チベットと中国との間で締結された「十七か条協定」は、消滅したと記されているのです(英語版にはこの表現は見当たらない・・・)。確かに、ダライ・ラマ14世は、1959年にインドに亡命するに際して、武力による威圧と脅迫の下で結ばれた条約は無効とし、国際法に従って「十七か条協定」の破棄を宣言しています。この破棄宣言は、チベットの主権回復を主張したものであり、中国のチベット領有を認めるものではありません。ところが、中国側もまた、曲りなりにも法的な根拠であったこの協定を、「西蔵地方政府の廃止」を発表することで、消滅させたというのです。もし、この協定が消滅したとするならば、中国政府は、法的な根拠を完全に失うことになりますので、明らかにチベットを不法占拠していることになります。

 協定の消滅が、中国政府の正当な見解であるならば、中国政府は、チベットを不法に侵略したことを認めたに等しくなります。国際社会は、中国の行為と照らして「十七か条協定」の効力を議論すべきですし、チベット問題は、人権問題のみならず、中国によるチベットの侵略問題として扱わないかぎり、根本的には解決しないと思うのす。

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脱原発による雇用喪失―何故中韓の電力は安価なのか

2011-07-17 15:43:18 | アジア
大飯原発停止、昨夏並み猛暑なら電力不足に(読売新聞) - goo ニュース
 相次ぐ原発に運転停止により、火力用の燃料費がかさむことで、電力料金の値上がりが予想されますが、加えて再生エネ法が可決されますと、この値上がりにさらに拍車がかかりそうです。電力不足と高い電力料金により、企業では、大量の電力を消費する製造やデータ管理の拠点を中韓などに移す動きが報じられています。

 それでは、何故、中韓では、電力料金が安いのでしょうか。中国については、政府が原価割れの価格を設定しており、このことが、現下の電力不足の原因とも指摘されています。しかしながら、電力不足については、240とも400とも言われる原発の増設を計画しており、将来的には解消される可能性はあります。一方、電力料金が、我が国の三分の一とも言われる韓国はどうでしょうか。韓国もまた、政府が、電力会社に対して赤字補填をすることで安価な電力を保っているようです。加えて、原子力発電所も10基ほどあり、しかも、定期検査の回数を減らしたり、運転稼働中に実施するなど、フル出力状態であると指摘されています。ウォン安では、エネルギー資源の輸入が割高になりますので、原発もまた、安価な電力料金の要因であるのかもしれません。実際に、既に脱原発を実施しているイタリアでは、産業用および家庭用とも断トツに価格が高く、一方、原発大国のフランスでは、特に産業用の電力料金は韓国よりも安価です。これらのデータも、原発と低料金との関連性を示唆しています。

 このまま原発が再稼働されず、電力不足と電力料金高が我が国の産業を襲いますと、国際競争からふるい落とされることになりかねません。生活保護の受給者の自殺率は一般の人々の2倍とも報告されていますが、原発のリスクばかりを煽り立てますと(災害が起きても100%冷却機能が失われるわけではない・・・)、仕事も命をも失う国民が続出します。原発のリスク管理の徹底は言うまでもないことですが、脱原発派の人々は、脱原発によって失われるものの重さを考えるべきではないかと思うのです。

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