万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

竹島問題―サンフランシスコ講和条約の解釈こそ重要

2011年04月30日 15時44分24秒 | 日本政治
駐日韓国大使、教科書の独島明記で松本外相に抗議(聯合ニュース) - goo ニュース
 第一次世界大戦後、国際聯盟規約の第14条に基づいて、平和的な国際紛争の解決機関として、常設国際司法裁判所が設立されることになりました。この裁判所の重要な役割の一つは、ヴェルサイユ条約を始めとした講和条約を法源として、国家間の紛争を司法解決することにあったのです。

 日本国の現在の領域は、サンフランシスコ講和条約によって定められていますので、竹島もまた、この例外ではありません。この点に関しては、ラスク書簡が存在しており、韓国政府が、講和条約における竹島の帰属をアメリカ政府に照会した際に、アメリカ政府は、連合国側の立場から、竹島は日本国の帰属とする返答を送付しています。つまり、サンフランシスコ講和条約の解釈としては、竹島は、日本領なのです。竹島について、韓国は、”歴史的にも法的にも、疑いのない韓国領”、と言い張っていますが、少なくとも法的な根拠がないことは確かです(もっとも、韓国は、証明できれば、この条約に遡って、日本国の先占の無効を主張することはできる・・・)。

 第二次世界大戦後には、国際連合の元で、新たに国際司法裁判所が設置されています。当然に、この司法裁判所は、サンフランシスコ講和条約の解釈権を持つのですから、当裁判所への付託こそが、最も適切な領土問題の解決方法です。韓国が、竹島の実効支配をもって一方的に”サンフランシスコ体制”を否定するとしますと、それは、ヒトラーによるヴェルサイユ体制への挑戦と同様の蛮行なのではないでしょうか。

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ボランティアの善意を活かす工夫を

2011年04月29日 14時37分42秒 | 日本政治
連休中、ボランティア3倍か…受け入れ中断も(読売新聞) - goo ニュース
 東日本大震災による甚大な被害を受けた被災地では、日常生活を取り戻すために、散乱する瓦礫を撤去したり、浸水被害を受けた家屋を掃除するなど、膨大な労力を要します。こうした力仕事は、到底、被災地の自治体や被災者の方々の手だけでは無理であり、全国から集まるボランティアは、何よりも頼りになる存在なはずです。

 にもかかわらず、報道によりますと、せっかくに善意から被災地でのボランティア活動を望みながら、諸般の事情により、断念せざる得ないケースがあるそうです。ボランティア・ツアーもキャンセル待ちの状態なそうで、このままでは、善意が生かされないことになりかねません。ボランティアを制限せざるを得ない現地の理由とは、(1)地方自治体の対応職員が不足している、(2)自治体側でも、被災者のニーズやボランティアにかませる仕事を把握しきれていない、(3)宿泊施設が足りない、(4)バスの駐車場が準備できない、といったことのようです。

 こうした問題は、工夫次第で解決ができないわけではありません。(1)については、自治体職員の不足は、内部のみならず、外部の国や隣接する自治体からも、応援職員を受け入れることである程度解消できますし、(2)についても、被災された方々に対して積極的に広報活動を展開したり、公道や公園といった公共施設の整備を依頼することで、ボランティアの仕事を用意することができます。(3)や(4)についても、今年のGWは自粛ムードとのことですので、宿泊可能な大型バスをチャーターしたり、現地に駐車場がなければ、都市部を拠点としたシャトル・バスを準備するといった方法もあります。

 多くの方々が、少しでも被災された方の役に立ちたいと願っております。人手はいくらあっても足りないぐらいなのですから、至急に、ボランティアの受け入れ体制を整備していただきたいと思うのです。

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校庭の汚染表土除去の波紋

2011年04月28日 16時26分33秒 | 日本政治
郡山市の校庭表土除去、見直しも 運搬先の住民猛反発(朝日新聞) - goo ニュース
 郡山市は、事故を起こした福島第一原発から西へおよそ60キロ離れたところに位置しています。放射能汚染から子どもたちを守ろうとして、郡山市は、いち早く校庭の表土除去の作業を始めたのですが、この措置が波紋を広げているようです。

 除去した表土の運搬先の住民からの猛反発に加えて、さらに、今後の汚染への対応も問題となりそうです。福島第1原発の事故は未だに終息しておらず、放射性物質の拡散がゼロの状況には至っていないようです。このことは、今の時点で表土を除去しても、東電の行程表が終息目標としている6カ月から9カ月先までの間は、再び汚染される可能性があることを示しています。つまり、何度も表土の除去を繰り返さなければならなくなるのです。また、郡山市にならって、福島県内の他の市町村も後に続くとなりますと、莫大な量の表土を処分せねばならず、受入先の問題も深刻化します。

 表土を取り除かなくとも、その場所で放射性物質を取り除く方法もあるかもしれませんし、また、危険に晒されている子供たちには、ヨウ素安定剤といった医薬品を配るという方法もあります。最適な方法を見出すまでは、校庭については、使用の制限で対応してはどうかと思うのです。

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リーダーシップなきリーダーの悲劇

2011年04月27日 16時29分06秒 | 日本政治
経団連会長「間違った陣頭指揮が混乱を起こす」(読売新聞) - goo ニュース
本日の日経新聞の一面に、元ニューヨーク市長のジュリアーニ氏が「指揮命令系を一つに」と題する文を寄稿しておりました。

 危機に際しては、リーダーシップが運命を分けることは論を待ちません。東日本大震災に際しても、機転を利かして迅速に判断し、リーダーシップを発揮した方のおかげで、被害を最小限に押さえることができたケースが、数多く報告されています。ニューヨークが、同時多発テロの危機を乗り越えたのも、ジュリアーに氏の卓越したリーダーシップがあってのことです。一方、我が国の現状に照らして考えてみますと、菅首相を中心として、指揮命令系統を一つにまとめることにも不安があります。判断力や責任感に乏しい人物が、独断で命令を発するとしますと、誤った判断が、即座に末端まで及んでしまうからです。首相の判断が、被害や犠牲をさらに拡大させる可能性も否定はできません。

 これまで、我が国では、首相の選出に際しては、派閥の力学が働いたり、政治的妥協の結果であったりと、リーダーとしての素質を問うことはありませんでした。今回の大震災は、これまでの政治家の選出基準では、いざという時に、国を傾けることになることを、思い知らされたように思うのです。

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自国民殺戮―内政干渉が許される条件

2011年04月26日 15時42分20秒 | 国際政治
シリア政府、市民に無差別発砲 南部に戦車部隊投入(朝日新聞) - goo ニュース
 自国民の生命、身体、財産を守るはずの政府が、自国民を無差別に虐殺した場合、他の諸国は、それを黙認してもよいのでしょうか。この問題は、まさしく正義を問うものに他なりません。

 国際社会では、戦後、内政不干渉の原則が成立したため、非人道的な行為を行った政府は、とかく、この原則を盾にとって、国際社会からの干渉を拒絶してきました。1989年の中国の天安門事件のように。しかしながら、21世紀に至った現在、自国民虐殺に対する包囲網は、確実に狭まってきています。そうして、天安門事件を引き合いに出して自国民虐殺を公言したカダフィ政権に対しては、国連安保理は、NATOの介入を是認する決議を成立させています。国際刑事裁判所もまた、実行力は伴わないものの、国家のトップであれ、人道に対する罪を犯した人物を訴追する道を開いているのです。この流れにあって、シリア政府の残虐行為を、国際社会が見過ごすとは思えません。

 国際社会に正義をもたらすためには、政府による自国民虐殺は、内政不干渉の原則から外れることが許される一つの条件と見なしてもよいのではないでしょうか(家庭内暴力に対する公的介入基準と類似する・・・)。自国民を無差別に虐殺すれば、国際社会からの干渉を受けるとなれば、如何なる政府にとっても、国民に対して暴力的手段に訴えるハードルが高くなると思うのです。

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つらい決断―行方不明者の捜索期間を決めては

2011年04月25日 15時57分20秒 | 日本政治
26日以降がれき撤去を優先、南三陸町長が方針(読売新聞) - goo ニュース
 南三陸町では、これまで、ご家族の心情を慮り、行方不明者の捜索を優先してきました。しかしながら、一か月を過ぎた今、がれきの撤去のほうを優先するよう、方針を転換したそうです。

 行方不明者の家族の方々にとりましては、自衛隊の捜索活動に一縷の生存の望みを託していたはずです。一日でも長く、捜索を続けてほしい気持ちは、痛いほど分かります。しかしながら、昨日、自衛隊員の方々もまた、極限状態に置かれているとする記事を読み、つらい決断ではありますが、行方不明者の捜索には、ある一定の期限を決めたほうがよいのではないかと思うに至りました。何故ならば、ある時期を過ぎると、生存者の捜索ではなく、ご遺体の収容になってしまうからです。しかも、時間が経過しますと、ご遺体の傷みも激しくなり、収容作業は過酷を極めるそうです。

 こうした点を考慮しますと、地震や津波災害の場合には、閉じ込められた状態で人間が生物学的に生存可能な期間を過ぎた時点で、瓦礫の撤去を始めた方が、瓦礫の下まで探すことができますし、きれいな姿でご家族の元に戻すこともできるかもしれないと思うのです。

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中国前首相による異例の政策批判―民主化運動に繋がるのか

2011年04月24日 15時40分50秒 | アジア
貧しい子ども学校行けず…中国前首相が政策批判(読売新聞) - goo ニュース
 珍しくも、中国では、前首相の朱鎔基氏が、精華大学の学生の前で、現政権批判を行ったそうです。世界第二位の経済大国に成長しながら、中国では、貧しさゆえに、未だに学校にも通うことができない子供たちが大勢いると。

 経済成長と国民の生活水準の向上が比例しない理由、それは、中国の政治体制にありそうです。中国は、平等に至高の価値を与えた共産主義の表看板を、未だに下ろしてはいません。生活物資の配給や教育の無償提供は、共産主義体制の”専売特許”なはずなのですが、現実には、平等どころか、官製の”市場経済”によって共産党は利権集団と化す一方で、所得格差が広がっているのです。もし、中国が、政治的に民主化され、複数政党制が導入されていれば、国民が、選挙に際して教育の充実や福利の向上を政策綱領に掲げる政党を選択することで、貧困や未就学児の問題は、ある程度解決できます。予算措置を講じればよいのですから。一党独裁制度では、経済成長の恩恵は、軍拡に向けられるこそすれ、国民には還元されないのです。現在、中国では、中東諸国における民主化運動の伝播を警戒して、言論統制を強めているそうですが、”豊かさの中の貧じさ”の解決には、民主化に優る有効な策はないはずです(毛沢東時代の共産主義体制に回帰しても、みなで貧しくなるだけ・・・)。

 近年の中国の学生は、現体制に迎合し、保身のために民主化運動には消極的になったとも指摘されています。もちろん、朱前首相もまた、この発言で、体制批判まで踏み込もうとしたとは思えません。しかしながら、学生達は、この批判に、中国の体制変革の必要性を読み取ったかもしれないのです。。

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”工作員にならなかった男”―日本国は”密入国者天国”か

2011年04月23日 15時43分22秒 | 国際政治
工作員にならなかった男の44年 「逮捕、ほっとした」(朝日新聞) - goo ニュース
 北朝鮮で工作員教育を受けながら、工作員になることを拒否した韓国籍男性の半生が、朝日新聞に掲載されたそうです。この手記、読者の同情心に訴えようとして掲載したのかもしれませんが、意図せずして、我が国の出入国管理が如何に杜撰であり、かつ、公安上の危険にさらされているかを、明かしていると思うのです。

(1)在日韓国・朝鮮人の来日理由
 戦前の徴用による来日者の数は、全体の5%ほどと指摘されてきましたが、この男性もまた、1964年に密入国したものであり、先の指摘を裏付けています。朝鮮戦争による動乱以降、多数の密入国者が侵入したにもからわらず、日本国政府は、そのほとんどを見過ごしたことになります(在日60万人のうち、子孫を除いたとしても万単位・・・)。この点、自国民の大量密航を取り締まらなかった韓国政府にも責任が利ます。

(2)地方自治体のノー・チェック
 この男性は、日本人女性と婚姻し、家族とともに日本で生活を送っていたそうです。地方自治体において外国人登録を行っていなかったとすると、どうようにして、職を見つけ、子供達を学校に通わせ、地域社会で生活を送ってきたのか、不思議なことです。地方自治体は、全く、チェックを行っていないのでしょうか。

(3)韓国籍の北朝鮮工作員の存在
 北朝鮮の工作員は、朝鮮籍に限るわけではなく、韓国籍であっても、工作活動に従事している人々が多数、日本国内に存在していることも明らかになりました。この男性の告白が、”美談”扱いされているのも、北朝鮮からの”命令”を拒否したからであり、当然、工作員となることを受け入れた人々もいたはずです。

(4)武器使用の訓練
 北朝鮮での訓練では、拳銃や手榴弾の使い方を教わり、”何かあれば、騒ぎをおこせ”とも言われていたそうです。この男性の場合には、工作の目的は韓国国内であったそうですが、おそらく、同様に、日本国内での”破壊活動”を命じられている工作員もいるはずです。

 これまで、日本国民の多くは政府を信頼し、政府や公安が、密入国者や工作員をしっかりと取り締まってきたものと信じてきました。しかしながら、この信頼と期待は裏切られ、この男性が44年間も逮捕されなかったように、現実は、”密入国者天国”なのかもしれないのです。しかも、密入国者の中には、北朝鮮の工作員が潜んでいるのですから、危険この上もありません。我が国は、大震災といった災害に見舞われやすい国、つまり、混乱が発生しやすい国なのですから、政府は、密入国者と工作員のより一層厳格な取り締まりに務めるべきと思うのです。

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東電社員の報道は何を語るのか

2011年04月22日 11時43分04秒 | 日本政治
東電、社員の年収2割カットを労組に提案(読売新聞) - goo ニュース
 福島第1原発の事故の発生により、賠償責任を負う東電社内でも動揺が走り、失業の懸念が広がると共に、退職して海外移住することを選択した社員も現れたそうです。しかも、”東電も政府も、国民を見殺しにしている”という言葉を残して。

 本日のネット上のニュースでは、巨額にのぼる賠償金支払いの資金を捻出するために、東電が、社員の給与カットを申し入れたと報じられています。この対応は、大量解雇よりも、人件費削減による雇用の維持を優先したと解釈することもできます。その一方で、”国民の見殺し”を理由に海外に移住した社員の行動には、不安が過ります。何故ならば、社内で知り得る情報に基づいて、この判断をしたならば、日本国内が、極めて危険な状況にあることを示唆することになるからです。

 もっとも、海外移住を決めた社員が、一人といった少数であり、特別に機密を知り得る立場にない社員であるならば、それは、東電や政府に対する抗議のための退職であり、危険性の高さとの関連性は薄いのかもしれません。しかしながら、こうした報道は、たとえ事実であったとしても、より詳しい情報を添えないと、国民の不安を煽ることになりかねないと思うのです(マスコミ側の意図かもしれないし、あるいは、現実に危険が迫っているのかもしれない・・・)。

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被災者支援―世代別・意欲別の対応を

2011年04月21日 16時13分52秒 | 日本政治
被災者支援 一時金無料の賃貸住宅、ネットで紹介(産経新聞) - goo ニュース
 国民の多くが、東日本大震災で被災された方々を励まそうと、一生懸命に応援しています。しかしながら、被災者の方の中には、落ち込みから立ち直れず、”がんばれ”の言葉が重くのしかかり、心理的なプレッシャーとなっている方も少なくないようです。

 当の私も、早期に日常を取り戻すことができるよう、これまで早期の復興を主張してきたのですが、気落ちしている被害者の方々には酷な提案であったかと、内心、反省しております。その一方で、ゆっくりを心がけすぎますと、復興の機運が削がれてしまい、そのまま停滞してしまう可能性もあります。一日も早い復興に向けて、意欲もエネルギーも持っておられる方もおりますので、政府は、両者に配慮する必要があると思うのです。例えば、職業別は当然としても、さらに世代別、あるいは、意欲別に対応を変えるという方法もあります。高齢者の被災者の方やダメージを受けている方々は、休養と癒しの提供を主とし、働き盛りの年代や意欲のある方々に対しては、事業の早期再開や就業支援を中心に支援策を立てれば、双方のニーズに応えることができます。

 先駆けて事業再建に成功した人々が現れれば、気力の回復を待って、後から復興に取り組み始めた人々の励みとなりますし、ノウハウや情報の提供源ともなります。政府も国民も、被災者の心理的な負担とならないよう、工夫を心がけるべきなのかもしれません。

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被災地復興は臨時雇用期間の半年が勝負

2011年04月20日 15時51分05秒 | 日本政治
宮城県、臨時職員を最大4千人採用へ 緊急雇用対策(朝日新聞) - goo ニュース
 東日本大震災の被災地では、多くの方々が、家も職も、そうして大事な家族も同時に失うことになりました。慣れない避難所生活の中で、悲しみの癒えぬうちに将来のことも考えねばならず、心身の疲れはいかばかりか、と案じております。

 こうした中で、宮城県が、臨時職員として、最大4千人の採用を決めたことは、何よりの朗報でした。職があれば、収入を得ることができますので、家計面から生活を安定させることができるからです。しかしながら、報道によりますと、雇用期間は六か月に過ぎないそうです。これでは、当面の生活不安を和らげることはできても、長期的には不安が残ります。そこで、政府も、地方も、民間も、この六カ月の間に、できる限り復興を進める必要があるのではないかと思うのです。職場が被災したことで職を失った方々も、半年後に事業が再開されていれば、臨時職員の雇用期間が終了しても、元の職場に復帰することができます。

 災害時から平常時へと、上手に職を繋げていくことこそ重要です。被災された方々も、生活費などの心配をしなくても済みますし、住宅の再建といった、次のステップに進むことができます。半年と言わずとも、できる限り、早期の復興を目指すべきと思うのです。

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中国にショックを与える船長の「起訴相当」

2011年04月19日 15時34分47秒 | 国際政治
中国人船長は「起訴相当」 尖閣事件で那覇検察審査会(朝日新聞) - goo ニュース
 尖閣諸島沖で中国漁船による体当たり事件が起きると、日本国政府は早々に中国人船長を釈放し、撮影されていたビデオも一部国会議員にしか公開しませんでした。昨日、那覇検察審査会では、中国人船長を「起訴相当」と議決が成立したそうです。

 中国にとりましては、この「起訴相当」は、相当のショックではなかったか、と思うのです。その一つは、もちろん、英雄として華々しく帰国させた船長が、「強制起訴」される可能性があることなのですが、これに加えて、従来の中国外交の手法が通用しなくなったからです。これまで、中国は、日本国内に親中政治家を養成し、こうした人々をコントロールすることで、自らの国益に適うように、我が国の政治を誘導しようとしてきました。ところが、検察審査会といった民主的な制度が整った国では、個別の政治家を懐柔することはできても、全ての国民を自らの影響下に置くことはできないため、日中両国の政府レベルでの”合意”が後から覆されることがあるのです。

 そうして、検察審査会という制度の存在は、一党独裁の下に、政府の権力濫用や腐敗に苦しむ中国国民に、民主的な制度のメリットを知らせることにもなります。検察審査会の「起訴相当」の議決は、中国の民主化を促す効果をも期待できるかもしれないのです。

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大震災の教訓―”最悪の事態に備えよ”

2011年04月18日 14時55分22秒 | 日本政治
内閣の震災対応「評価しない」60% 朝日新聞世論調査(朝日新聞) - goo ニュース
 東日本大震災では、想定外の事態が頻発し、日本国政府や東電などのリスクに対する認識の甘さが問題視されるようになりました。福島の第1原発の事故は、その象徴的な事件となったのです。こうして、大震災を機に、リスク管理の不備が露呈することになったのですが、それには、以下のような原因があるようです。

 これまで、日本国の現場では、安全第一をモットーに徹底的なリスク管理が行われてきました。日本人の国民性は、事前にリスクを避ける傾向が強く、このため、実際にリスクが発生した時の対処の策定を疎かにしてきたきらいがあります。リスクは発生以前に防止できるはず、とする思い込みが、”最悪の事態”に対する備えを手薄にしてしまったのです。

 もう一つの原因は、”最悪の事態”の発生を口にすること自体が、あってはならないリスクを認めたことになる、とする心理です。”原発神話”とは、この心理に基づくものであり、ある意味において、現在の憲法第9条への信仰と共通しています。事故であれ、外国から攻撃されることであれ、起きる可能性を完全に否定しますので、対策を立てる必要性を認めることも許さないのです(せっかくに、国内でも原発作業用ロボットを開発しながら、”原発神話”を理由に放棄してしまった・・・)。

 東日本大震災は、こうしたリスクに対する甘い認識を一変させ、”最悪の状態になえよ”という貴重な教訓を残すことになりました。そうしてそれは、理想に逃げ込まずに現実を直視し、そのリスクを見据えることでもあるのです。

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原発の制御不能危機発言―政府の対応は充分であったのか

2011年04月17日 15時29分04秒 | 日本政治
「原発ほぼ制御不能の所まで行った」細野補佐官(読売新聞) - goo ニュース
 昨日放送されたテレビ番組で、出演した首相補佐官から”原発は、ほぼ制御不能の所まで行った”とする発言があったそうです。もし、この発言の内容が事実であれば、政府のリスク対応にそら恐ろしさを感じるのです。

 何故ならば、ちょうどその頃、枝野官房長官は、国民に対しては、”原発は大丈夫”という主旨の説明を何度も繰り返していたからです。最悪の事態と言えば、6機の原発が連続して爆発を起こし、広範囲に大量の放射性物質がまき散らされる状況が頭に浮かぶのですが、もし、現実にこうした事態に陥れば、至急、避難勧告の対象を拡大して住民の方々を安全な遠方に運ぶ必要がありましたし、また、関東を含めた広範囲の住民にヨウ素安定剤を配布するといった、緊急措置も要したはずです。少なくとも、起きてしまった後で急いで準備しても、間に合ったは思えません。

 原発をある程度制御できるようになったのは、決死の覚悟で任務にあたった自衛隊員、消防士、原発技術者、東電および関連企業の作業員、そうして、米軍の方々の献身的な努力によるものです。日本国は、これらの方々によって救われ、ひとまずは、最悪の事態を避けることはできたのですが、この時の政府の危機対応が充分であったとは、到底思えないのです。

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日本の対地震技術を世界に

2011年04月16日 15時47分16秒 | 日本政治
「今は巨大地震活動期 M9級発生に懸念」米学会で発表(朝日新聞) - goo ニュース
 アメリカの地震学会によりますと、今後、6年以内に世界のどこかでM9以上の地震が6割の確率で起きるそうです。

 3月11日に発生した東日本大震災では、被害のほとんどは、予想を遥かに超えた大規模な津波の発生によるものでした。一方、M9の激しい揺れにほとんどの建物は耐え、ビルや家屋の崩壊数は、それほどの数には至らなかったのです。直下型ではなかったこともありますが、その理由の一つは、古来、地震に襲われてきた我が国では、地震対策として、建築技術を発展させてきたことを挙げることができます。6世紀末ごろに創建された法隆寺が、世界最古の木造建築物として現存するのも、建物に緩みを持たせることで、地震の揺れを吸収するよう設計されているからなそうです。現在では、あらゆる揺れに対応できるよう、耐震技術に加えて、免震技術や制震技術をも開発してきているのです。

 地球が、巨大地震の活動期にあるとしますと、我が国に留まらず、他の諸国もまた、大地震による甚大な被害が受けるかもしれません。予測されうる地震被害を事前に最小限に抑えるためには、津波被害の教訓とともに、日本国の地震対策技術やノウハウが役立つのではないかと思うのです。

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