万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

政治家こそ‘チャットGPT失業’の問題を真剣に考えるべきでは

2023年04月28日 10時55分41秒 | その他
 オープンAIが開発したチャットGPTをはじめとした生成系AIは、高い文章作成能力や応答能力を備えるために、あらゆる分野に破壊的な影響を与えるとされています。日本国内でも、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者や同社に巨額の出資をしているマイクロソフト社のフラッド・スミス副社長が来日し、政府に導入促進を働きかけています。

マイクロソフト社は、本年1月に、オープンAI社に対する凡そ1.3兆円の追加出資を公表し、同社の投資が回収されるまでの間、オープンAI社の利潤の75%を獲得する権利を得たとされています。チャットGPTにあっては、マイクロソフトの存在感が増しており、将来的には、オープンAI社の49%の株式を保有する予定なそうです。この背景には、検索エンジン分野でグーグル社の後塵を拝しているマイクロソフト社としては、オープンAI社との連携により、新たに登場した‘AI検索エンジン’ビジネスにおいて先んじる思惑も指摘されています。

そして、日本国政府とビル・ゲイツ氏との親密な関係を考慮しますと、マイクロソフト社がチャットGPTの普及促進のために、日本国政府に白羽の矢を立てた理由も自ずと理解されるのです。なお、今日のレベルでは、生成系AIは、政界における力関係まで分析できるとされていますので、首相や閣僚、あるいは、自民党幹部といった「面会者リスト」は、マイクロソフト社がチャットGPTに「自社のサービスを日本国内で拡大するためには、誰に会うべきか?」という質問に対する回答に基づいて作成されたのかもしれません。

 マイクロソフト社並びにオープンAI社側の積極的な‘政治家詣出’が功を奏したのか、日本国政府並びに政治家の多くは、公務員の行政事務のみならず、国会の答弁にまでチャットGPTを活用する方針を示すようになりました。しかしながら、政治の領域での生成型AIの導入が、政治家という職業の自己否定になる可能性について、政治家の方々は気がついているのでしょうか。

AIの普及につきましては、近い将来、ホワイトカラー職の大量失業を招きかねないとする指摘があります。実際に、マイクロソフト社を含む大手ITは、他の分野に先駆けて、積極的な人員削減に乗り出しています(先んじて金融工学並びにDXが発展した金融業などでも、同様の動きが広がっている・・・)。政治家という職業も、知的活動ですのでホワイトカラーの一種ともいえ、失業問題は他人事ではないはずです。しかも国会答弁とは、チャットGPTが最も得意とするところの対話形式の‘お仕事’なのです。

今日の日本国の国会の風景を見ますと、国会議員に国民からの負託を自負する高い職業意識があるとは思えません。閣僚席に座る大臣であっても居眠りをしている姿が多々目撃されており、活発な議論が行なわれている様子もありません。古色蒼然とした形式的な議事進行のあり方にも問題があるのでしょうが、この状態では、チャットGPTの答弁の方が優れている可能性は否定はできません。少なくとも、「記憶にありません・・・」とか、といった回答はしないはずです(もっとも、チャットGPTであれば、如何にでたらめであっても、それらしい回答を作成しますので、国会での活用とは、この意味かもしれない・・・)。個人の能力を遥かに超える大量の情報がインプットされていますので、生成型AIには、少なくとも情報量の面では人間の政治家は太刀打ちできないのです。政治家がチャットGPTに劣るのであれば、政治家(国会議員)不要論が持ち上がっても不思議ではありません。

しかも、国会答弁に活用するならば、回答の精度を高めるために、あらゆる情報を入力しなければならなくなります。入力すべき情報は、個々の政治家の人脈や個人情報のみならず、国家機密等にも及ぶことでしょう。そして、チャットGPTに活用した結果、国会では、自動的に作成された回答を読み上げるだけの役割に堕した政治家が、ぺらぺらと国家機密をしゃべり始めるかもしれません。あるいは、国民は、「この政策は、○○大臣の親族の×△が、△□国からビジネス利権を保障されているために決定されました」とか、「同システムの採用は、△○大臣が同システムを開発した海外の□○社から○○億円の裏献金を受けたことによります」といった、チャットGPTによる正直な回答を聞くことができるかもしれません。さらには、海外の某勢力や組織からの指令であったという回答もあり得ないわけではありません。後者のケースであれば、国民の多くは、チャットGPTのオープンな回答に惜しみない拍手を送ることでしょう(もっとも、悪しき政府や政治家、あるいは、世界権力等が入力データを恣意的に改竄したり、取捨選択すれば、表面的な回答しか期待できない・・・)。

以上に政治分野に生成系AIを導入した場合に予想される事態を予測してみましたが、同サービスの導入に諸手を挙げて推進を表明した政治家の方々は、一体、自らの職業あるいは存在意義をどのように考えているのでしょうか。生成系AIの採用に際してリスク面を一顧だにしないで導入を進めますと、政治家自らに失業リスクが跳ね返ってくるように思えます。否、今日の政界の腐敗と劣化が、政治家の代替としての生成系AIの導入を正当化しかねないのです。この側面からしますと、むしろ、政治家は、‘チャットGPT失業’の問題を、自ら自身が直面している問題として真剣に考えるべきかもしれません。政治家は、常に国民に対しては過酷な変化に耐え忍ぶように求めながら、自分自身は、既得権益にしがみついて決して変わろうとはしないのですから。なお、本記事は、チャットGPTによって作成されたものではありませんので、ご安心くださいませ。

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データ面から見たチャットGPTの限界

2023年04月27日 16時44分06秒 | その他
 チャットGPTの強みは、その情報量にあります。ユーザーから新たな情報を入力され、かつ、自ら学習しますので、情報量は常に増大し続けます。しかしながら、収集されたデータが質の面で劣とる場合には、正確な回答を作成できないという弱点があります。そしてこの他にも、チャットGPTには幾つかの問題点があるように思えます。

 チャットGPTに初期段設定で入力されているデータは非公開とされております。その中には、おそらく、各国政府による公的な公開情報、事実としての報道情報、あるいは、ウィキペディアのような一般に公開されているweb辞書・辞典情報なども含まれているのでしょう。こうした誰もがアクセスできる情報であれば問題はないのですが、その一方で、情報の中には、法律によって厚く保護されているものもあります。

 保護されている情報としては、先ずもって個人情報があります。日本国でも個人情報保護法が制定されていますが、一般的には、一企業が勝手に個人情報を収集して利用することはできません。この問題は、他のIT関連のサービスとも共通しているものの、チャットGPTをはじめとした生成AI、否、全てのAIについても同様です。もっとも、同サービスの利用には個人情報の提供が求められていますので、ユーザーの合意を得れば合法的に収集も利用も可能です。しかしながら、チャットGPTのユーザーは年齢層や事業分野等によってまちまちであることから、個人情報にも自ずと偏りが生じます(例えば、高齢者の利用者は少数と推測されることから、データベースに空白部分や‘むら’が生じる・・・)。また、収集・利用を拒否するオプトアウトを選択するユーザーが増えれば、AIは、量の強みをも失うことにもなりましょう。

 そしてもう一つ、法律によって手厚く保護されている情報があります。それは、著作権が設定されている出版物などです。このため、既にチャットGPTについては、著作権侵害に当たるのではないか、とする指摘があります。著作権が設定されている出版物はデータとしては無許可には使ませんので、仮に、チャットGPTが法律を遵守しているならば、その初期データベースは使用フリーな情報のみによって構成されているはずなのです。このことは、チャットGPTの精度の高さが強調されるほど、著作権侵害の疑いが濃くなることを意味します。

 また、チャットGPTには、人種、民族、性別といった属性に基づくヘイト・スピーチや差別的表現等、あるいは、暴力誘発リスクへの対応としてアルゴリズムバイアスが組み込まれており、関連する特定の表現や言葉はデータベースから予め排除されています。このため、正確な回答にとりまして必要不可欠な情報をデータとして使うことができません。結果として、データが欠けているために実態を全く反映しないどころか、真逆であったり、逆差別となるような回答が返ってくることもあるのです。チャットGPTの回答を信じたことで不当な差別的な扱いを受ける人々も現れかねないのですから、本末転倒ともなりましょう。

 さらにアルゴリズムバイアスの存在は、チャットGPT側が恣意的にデータの取捨選択を行えることを示しています。仮に、チャットGPTが自らに不利なデータを排除する一方で、有利なデータを加えた場合、同サービスが提供する回答は、一種の詐欺的行為ともなりかねないのです。また、ビジネスの一環として、外部の組織や個人からの依頼を受けてデータを改竄したり、虚偽の情報を加えるリスクもありましょう。チャットGPTが普及すればするほど、こうしたリスクが現実化した場合の社会的な悪影響は計り知れなくなるのです。

 以上に、チャットGPTのデータに関する主たる問題点を述べてきましたが、これらの諸点は、回答の信頼性に大きく関わります。リスクを無視して導入を急ぎますと、人類の‘自殺行為’ともなりかねない危うさが認められましょう。そして、生物では、使わない機能は退化し、やがて機能喪失も起きるとされますので、AIに知的活動を任せてしまった人類は、近い将来、最早‘ホモ・サピエンス’の名にはふさわしくない存在になるのではないかと危惧するのです。

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チャットGPTのジレンマ-回答の正確さと機密情報の提供

2023年04月26日 13時50分42秒 | その他
 2022年11月にオープンAI社が公開したチャットGPTは、瞬く間に全世界に広がることとなりました。知りたいことに即答してくれる便利さ故に、ユーザー数は、公開から僅か2ヶ月足らずで全世界で1億人を超えました。日本国内でも、先日の記事でも指摘したように、早、政治家を旗振り役として、国会答弁や行政レベルでの導入が進められています。普及スピードは破竹の勢いなのですが、チャットGPTには、克服しがたい問題も山積しているように思えます。

先ずもって指摘し得るのは、ユーザーとチャットGPTとの間の非対称性です。同AIの利用が広がった背景には、両者の間の圧倒的な情報量の差があります。一人のユーザーが収集し得る情報は限られていますが、チャットGPTには、人間の記憶量を遥かに上回る巨大なデーターベースが備わっております。この情報量の差があってこそ、ユーザーとチャットGPTとの間に質問者と回答者という関係が成り立つのです。両者に同じ課題のレポートを書かせたとしたら、情報量に優る後者の方が、より広範囲に亘って課題に即した対象を探し出し、詳細で緻密な内容の回答を作成することでしょう。大半のAIがそうあるように、チャットGPTは、情報量の優位性に立脚したサービス・ビジネスなのです。

ところが、チャットGPTの優位性は、情報の量ではなく質に注目しますと、必ずしも当てはまらなくなります。誤った情報のみならず、回答の正確性や妥当性に決定的な影響を与える内容の情報が一つでも欠けていれば、必然的に誤った文章を作成してしまうからです。最悪の場合には、真逆の回答ともなりかねません(‘陰謀論’が事実であるケースや偽旗作戦が頻発している現状では、チャットGPTは大手メディアや政府による模範解答的な回答しか作成しないのでは・・・)。如何に大量のデータをインプットしていたとしても、情報の重要性や正確性おいては、チャットGPTはその優越性を保障されていないのです。

それでは、どのようにすれば、この弱点を克服できるのでしょうか。質の面においても優位性を確立しようとすれば、正確性の獲得に要する‘重要情報’を収集する必要があります。チャットGPTの使用に際して、ユーザーが個人情報の提供を求められるのも、回答の正確性を期するという理由もあるかもしれません。同サービスでの両者間の質疑応答の内容は、全てチャットGPTのデータに追加されるそうです。個人的な事柄についてより有益な回答や助言を求めよとすれば、自らの個人情報を包み隠さず伝え、チャットGPTに‘学習’させ訓練データ化されなければならないのです(教会ネットワークによる情報収集の手段となったとされるカトリックの懺悔室のよう・・・)。

そして、この問題は、民間企業がチャットGPTに対して消極的とならざるを得ない理由をも説明しています。例えば、Amazon社では、社員が誤って社外秘をチャットGPTに入力した可能性があるとして、「現在開発中のコード含むAmazonの極秘情報をChatGPTと共有しないよう」社員に対して通達したとされます。言い換えますと、チャットGPTに対して正確性を求めれば求めるほど、企業は、自社の機密情報を提供しなければならなくなるというジレンマがあるのです。

果たして、チャットGPTは、こうしたジレンマを乗り越えることができるのでしょうか。全てのAIにまつわるこの難しい問題を、是非、チャットGPTに問うてみたいと思うのです(チャットGPTの回答は、‘機密を護るためにはチャットGPTを使わないことを、あなたにお薦めします’かもしれない・・・)。

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チャットGPTから見える政治家とマイクロソフト社との癒着

2023年04月25日 18時40分54秒 | 日本政治
 先日、マイクロソフト社のフラッド・スミス副社長が日本国を訪れ、自民党の幹部等と密かに会談したとする報道がありました。自民党側の幹部としては、甘利明前幹事長並びに平井卓也元デジタル相の名が上がっていますが、同副社長は、河野太郎現デジタル相との会談も予定されているそうです。こうした日本国政府あるいは政治家とマイクロソフト社、あるいは、ビル・ゲイツ氏との関係には、悪しき先例があるだけに、細心の注意を要するように思えます。

 同会談での主たる内容は、チャットGPTに関する意見交換とされております。チャットGPTについてマイクロソフト社が顔を出すのは、同システムを開発したオープンAI社に出資しているからなそうです。おそらく、親会社、あるいは、大株主の立場からの同AIサービス事業の‘売り込み’というものなのでしょう。
 
 チャットGPTの導入拡大に際して、オープンAI並びにマイクロソフト社が最優先のターゲットとしているのは、政府のようです。最初に日本国政府を旗振り役として攻略し、導入促進政策を実施させれば、地方自治体や民間企業等も政府の後を追うものと期待しているのでしょう。マイクロソフト社の副社長の訪日に先立つ4月10日には、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者が来日しており、岸田首相と会談しています。同日午前には、松野博一官房長官は、「国家公務員の業務負担を軽減するための活用などの可能性を検討していく」と述べたと報じられ、日本国政府は、導入に好意的な立場を示しています。翌日11日には、河野デジタル相も「行政で使うという観点でなるべく早く取り組みたい」として、歩を進めています。

 その後、4月21日には、西村康稔経済産業相が、閣議後の記者会見にて国会答弁の作成に活用する可能性について、「プロセスを効率的にするにあたり、将来AIは有力な補助ツールになりうる」とし、行政上の業務に留まらず国会での利用にも前向きな姿勢を見せることとなりました。同日に、東京都の小池知事も、チャットGPTを都政に活用するためのプロジェクト・チームを発足させたことを明らかにし、地方自治体へも広がっていったのです。

 何れも指摘されている課題の克服を導入の条件とはしていますが、国民的な議論を経ることなく、政府レベルで一斉に導入に向けて走り出す姿には、どこか、危うさが漂います。政治家の対応は、驚くべき程に極めて迅速です。そして、この動きから、何故、日本国政府が、かくもコロナ・ワクチン接種に積極的であったのか、その背景も透けてみてくるように思えるのです。コロナ・ワクチンでも、政府の接種促進キャンペーンに先だって、マイクロソフト社、並びに、ファイザー社やモデルナ社といった製薬会社からの政府や政治家への積極的な働きかけがあったことは想像に難くありません。しかも、今般のチャットGPTにつきましては日本国内のマスコミが比較的詳しく報じていますが、ワクチンに関しては、両者は秘密裏に接触していたのでしょう。

 これらの事例から、政政治家による海外のIT大手、即ち、グローバル企業への利益誘導という、由々しき問題が浮かび上がってまいります。ワクチンに起因する健康被害の報告や超過死亡数の急激な増加との因果関係からしましても、自らの利益や保身のために国民の命を差し出しているようにも見えます。日本国の政治家を含め、今日の政治家は、国家と国民を護るという基本的な役割を放棄しているかのようなのです(野党も反対しない・・・)。そして、チャットGPTにも、情報インフラの掌握によるグローバリストによる日本支配の罠が潜んでいるリスクがないわけではありません。リスクを知らされることなく国民の凡そ8割が接種してしまったとされるワクチン接種と同じ轍を踏んではならず、今度ばかりは、同調圧力を利用した導入促進キャンペーンに踊らされてはならないと思うのです。

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精神転送の悲劇?-永遠の命のパラドックス

2023年04月24日 14時05分17秒 | その他
 秦の始皇帝の名を挙げるまでもなく、古来、不老不死を求める権力者は後を絶たず、今日では、グローバリストの富裕層がこの見果てぬ夢を追っているのかもしれません。古代にあっては、薬草や祈祷などに頼るしかしかなかったのですが、永遠の命を求める現代の権力者は、ITやAIというテクノロジーを手にしています。

 こうした身体の機能を機械化する研究につきましては、日本国政府も、2020年にムーンショット計画を打ち上げています。ムーンショット目標1には、「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」とあり、2050年も達成目標として、アバターとロボット技術の融合による「誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター 基盤」の実現を目指すそうです。同目標では、一人の人が10以上の複数のアバターを捜査して多様な活動に参加できる社会を構想していますが、同目標をも超える技術として探求されているのが、精神転送です。ムーンショット計画の問題については後述するとしまして、本記事では、精神転送の結末について考えてみたいと思います。

精神転送とは、ウィキペディアの説明に依れば「人間の心をコンピュータのような人工物に転送すること」を意味します。ここで注目すべきは、転送されるのは、人間の‘心’である点です。このことは、ある個人の脳とそっくり同じ構造をもつ人工知能、あるいは、ロボットを作ろうと言うことではないことを意味します。後者であれば、クローン技術を用い得ればより容易に実現しますし、一卵性双生児の存在は、同一の遺伝子情報を有し、同一の脳構造を持っていたとしても、全くの別人格となることを示しています。つまり、精神転送とは、この世に一つしかないとされる個人の‘意識’を人工頭脳に移すのですから、遥かにハードルの高いプロジェクトなのです。

 これまでのところ、精神転送には、理論的には様々な方法が考案されているらしく、基本的には人間の脳の電気回路を完全に再現するコンピュータを作製した上で、特定の人の意識をそれにアップロードするというもののようです。生きている間に移転する方法も、死後に移転する方法もあるのでしょうが、一つ、重大な点を見落としているように思えます。それは、人体の様々な感覚というものです。

 現在において、視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚等の感覚を取り戻すテクノロジーは未だに出現していません。このことは、感覚に関する身体の器官を全て再現できないことには、たとえ意識を移転できたとしても、その人は、暗闇の中で生き続けなければならないことを意味します。見ることも、聞くことも、匂いを感じることも、食べることも、触ってみることもできないのです。永遠の命と引き換えに、ヘレン・ケラー以上に不自由な生活を覚悟しなければならないことでしょう(なお、視覚を失えば、自らの分身であるアバターを見ることもできなくなる・・・)。

 また、たとえ人工頭脳によって思考できたとしても、発声器官が脳と繋がっており、言葉をもって他者と意思疎通を行なうこともできません。そもそも、聴力が備わっていなければ、他者の話を聞いて理解することもできないからです。もっとも、人工頭脳が発する電波の自動言語化、並びに、外部音声のデータ化等によってコミュニケーションをとることはできるかもしれません。実際に、今日、Chat GPTのように、AIを用いたチャットボットと音声で会話ができる時代を迎えています。しかしながら、入力された膨大なデータをベースとして反応するAIとは逆に、人工頭脳の基本データは、個人の転送された‘記憶’しかありません。生きている間に獲得した知識や情報に基づいて、人工思考回路を用いて他者と会話をしなければならないのですから、越えるべきハードルは、チャットボットより遥かに高いのです。

 そして、何よりも人工頭脳に転送された‘意思’が恐怖するのは、予期せぬ故障が起きたり、トラブルやミスで電源が切れてしまう、あるいは、他者によって切られてしまうことです。永遠の命を求めて機械化したところ、ここでも機械の‘寿命’という問題に直面してしまうのです。また、人為的な場合には、殺人罪が成立するのか、と言う問題も派生します。この問題も、全く同一の後継人工頭脳を作れば良い、というお話にもなるのですが、同一の頭脳が作製できるのであれば、理論上では、いくらでもコピーが作れることとなります。となりますと、一つであるはずの個体の意思が無限に分裂してゆくこととなり、人類は、未知の世界に足を踏み入れることとなりましょう。

 電源の供給をはじめ脳波の測定・出力からメンテナンスまで、あらゆる面で外部に全面的に依存し、無防備な状態にある転送された‘意思’は、果たして幸せなのでしょうか。暗闇の中で、毎日、誰かに突然に命を絶たれてしまう恐怖に苛まれるかもしれません。精神の転送とは、永遠の命ではなく、永遠の生き地獄なのではないかと思うのです。

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アゾフ連隊とワグネルの類似性は何を意味するのか?

2023年04月21日 10時37分10秒 | 国際政治
 ロシアのプーチン大統領は、ウクライナに対する特別軍事作戦を開始するに際して、ウクライナにおけるナチス勢力を一掃する目的を掲げておりました。その背景には、ウクライナには、同国東部にあって親ロ派と戦っていたアゾフ連隊の存在がありました。一見、反ナチスを旗印としているように見えながら、ロシアには、ワグネルと呼ばれる民兵組織があります。ウクライナ紛争で姿を現わしたこれら二つの部隊は、どこか似通っているように思えるのです。

 第1の共通点は、ワグネルもアゾフ連隊も、共に民間人が設立した組織である点です。アゾフ連隊の起源の一つは、1982年に設立されたサッカー・チーム「FCメタリスト・ハルキウ」のサポーター組織「Sect 82」とされます。当初は、ロシアのサッカー・チームのサポーター組織とも友好関係を築いていたそうです。その後、2014年に親ロ派勢力による騒乱が起きた際に、極右政党の党首であったアンドリー・ビレツキーを中心にアゾフ連隊が発足しますが、この時、主力として「Sect82」も同隊に合流したとされます。

 一方、ロシアのワグネルは、近年に至り、その創始者がロシアのオルガルヒの一人であるエフゲニー・プリゴジンであったことが判明しています。プリゴジンは、飲食事業で財を築いたため、‘プーチンのシェフ’とも称されていますが、その後、手広く商売の幅を広げ、傭兵派遣をビジネスとして始めたのがワグネルであったようです(同社はスーダン等のアフリカ諸国にも政治顧問や傭兵を派遣して利益を得ている・・・)。

 第1の共通点と関連して第2に挙げられるのは、何れも、資金面においてオリガルヒ、即ち、新興財閥の支援を受けていることです。アゾフ大隊は、ウクライナのオリガルヒであるイーホル・コロモイスキーから資金提供を受ける一方で、上述したように、ワグネルの創始者のプリゴジンもロシア屈指のオルガルヒです。このことは、ウクライナ紛争の背景には、経済界の利益や利権が絡んでおり、ビジネスチャンスでもあった可能性を強く示唆しています(戦争利権・・・)。否、自らの‘先兵’あるいは‘鉄砲玉’を育てていたとする見方もできましょう。

 第3に、両者とも最初に登場したのは共に2014年であり、出現の地も共にウクライナ東・南部の紛争地帯でした。この点については、ユーロマイダン革命以降の内戦化の流れにあって殊更には不自然ではないものの、凡そ同時期における両国による非政府組織登用には、何らかの思惑があったのかもしれません。

 第4の共通点は、両者ともネオナチの特徴を有している点です。上述したアゾフ連隊のアンドリー・ビレツキーは、白人至上主義者にして極右の政治家として知られています。同氏が党首を務めていた極政党ナショナル・コーはネオナチとされ、アメリカ国務省から民族主義的ヘイトグルーとして認定されています。そして、何よりも、アゾフ連隊の旗のデザインがナチスの鍵十字に近似していることは、同連隊の正確を如実に物語っているといえましょう。一方、ワグネルにもネオナチ的な要素が見られます(特にルシッチ部隊はネオナチ部隊としてその名が知られている・・・)。プリゴジンの盟友あるいは部下とも目されるドミトリー・ウトキンは、ナチスの親衛隊の記章と同じデザインのタトゥーを自らの身体に施しており、古代スラブの原始宗教を信奉するナショナリストとされます(ナチスの古代ゲルマンへの憧憬とも共通・・・)。ワグネルという名称は、ヒトラーお気に入りの作曲家、リヒャルト・ワグナーに因んでいるともされ、ナチス色が極めて強いのです。

 第5に、その残虐行為で悪名が高いという点において、両者は共通しています。アゾフ連隊については、国連人権高等弁務官事務所が暴行、拉致、拷問などの非人道的行為を行なっていたと報告しています。残虐さにかけてはワグネルも負けず劣らず、戦争犯罪の罪を問われています。ワグネルは、刑務所の囚人をも戦闘要員として雇用しているとされ、第二次世界大戦末期に満州の地で行なわれた犯罪者や荒くれ者を先兵として投入する方法は、現代のロシアにまで踏襲されているようです(プリゴジン自身も犯罪歴がある・・・)。

 そして、第6の奇妙な共通点は、アゾフ連隊にもワグネルにも、ユダヤ人脈との関連があることです。因みに、同氏は、ゼレンスキー大統領が大統領役を演じて人気を博した『国民の僕』を放送した、1+1メディアグループの株の70%を保有しています。一方、ワグネルの創始者であるプリゴジンは、実父並びに継父ともユダヤ系であり、ここにもユダヤ人脈を見出すことができるのです(‘白人至上主義’は偽旗かもしれない・・・)。

 以上にアゾフ連隊とワグネルの主たる共通点を挙げてきましたが、これらの共通点は、一体、何を意味するのでしょうか。‘陰謀論’による煙幕が晴れつつある今日、全てが水面下で繋がっており、両組織が共に同一の指令部、即ち、世界権力の下にある可能性も否定はできないように思えます。先日、プリゴジンは、NATOの支援を受けたウクライナ側の反転攻勢計画を前にして、ロシアの一時的な敗北はロシア国民が一致団結するチャンスとなるとし、これを容認する姿勢を示していますが、自らのビジネスの利益にもなるのですから、あくまでも戦争を継続したいのでしょう。極少数の私利私欲を追求している組織によって世界情勢、即ち、人類の運命がコントロールされてよいはずもなく、世界支配のシナリオに基づく茶番劇の可能性については、より真剣に捉えるべきではないかと思うのです。

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‘テロに屈してはならない’は正しいのか?ー岸田首相襲撃事件から考える

2023年04月20日 12時02分30秒 | 統治制度論
 古来、人類は、暴力を如何にして封じ込めるか、という問題に頭を悩ませてきました。暴力、即ち、不条理で利己的な力の行使が、罪もない人々から生命や財産を奪い、身体を傷つけ、あるいは、奴隷的な境遇を強いることも多々あったからです。暴力の脅威に晒されている社会では、人々は常時不安に苛まれますし、他者から奪われることが日常茶飯事であれば、個人の努力は無駄になりますし、この結果、経済や社会の発展も難しくなります。

暴力封じ込め観点から人類史を振り返ってみますと、この目的のために多くの人々が知恵を絞ってきた足跡を認めることができます。古代ギリシャの哲学者の説をはじめ、政治理論や思想の多くも、理性に基礎を置く統治のあり方を探求したものです。時にして犠牲を払いながらも努力を重ねてきた結果、今日では、各種の法律や制度が整備され、殆どの争いやトラブルを平和裏に解決するようになったのです。かくして、暴力は、問題解決の手段としては歴史の表舞台から退いたかのように見えるのですが、このことは、必ずしも人類が力の行使を要しなくなったことを意味しません。正戦論とも関連する防衛戦争のみならず、この問題は、圧政に対する抵抗権の如何とも繋がるからです。そして、昨今、日本国で起きた二つのテロ事件は、この問題を考える貴重な機会となったように思えます。

 本日の記事では、同テロの自作自演説や謀略説については、一端、脇に置くとしまして、純粋にテロリストの主張に一部であれ理や正義がある場合について考えてみることにします。何故ならば、岸田首相襲撃事件は、安部元首相暗殺事件が‘成功モデル’となったために発生したものであり、山上容疑者の主張をことさら詳細に報じたマスメディアの責任を問う論調が見られるからです(4月20日付けで配信されたダイアモンド・オンラインの「山上被告を「同情できるテロ犯」扱いしたマスコミの罪、岸田首相襲撃事件で言い逃れ不能」など・・・)。

確かに、山上容疑者の主張がメディアを通して国民に広く拡散されたことで、安倍首相並びに自民党と元統一教会の関係が明るみになると共に、両者の関係断絶をはじめ、被害者の救済法が制定されるなど、政治が大きく動く切っ掛けとなりました。同容疑者の行動が、現状を改善する方向に作用したことは否めず、同事件が起きなければ、国民の知らぬ間に、日本国の公権力が新興宗教団体と政党との癒着によって凡そ私物化されていた状態が続いていたことでしょう。もちろん、改善とは申しましても、新興宗教団体と世界権力との関係までは踏み込んでおらず、不十分ではあるのですが、それでも、一定の‘世直し効果’が認められるのです。

それでは、仮に、‘テロに屈してはならない’とする原則を徹底すれば、どのような状態となるのでしょうか。山上容疑者の主張が正しく、国民の多くが支持する場合でも、元統一教会や創価学会といった新興宗教団体と政治との問題は不問に付され、むしろ、一切の改善策を講じることはできなくなるという、馬鹿馬鹿しい結果を招きます。テロリストの要求には一切応じてはならないのですから。

実を申しますと、この問題は古くて新しい問題です。例えば、民主主義が制度化されていない時代には、人々は、暴君に対しては一揆といった力で抵抗するしか術がありませんでした。一揆や抵抗運動の首謀者は民衆のヒーローであり、統治制度が整っている現代に生きる人々であっても、圧政に苦しむ人々の一揆や抵抗運動を‘絶対悪’であるとは断言できないはずです。共産党一党独裁体制を敷き、国民を徹底的に監視している中国において、民主化並びに自由化を求めて国民が暴動を起こす、あるいは、暴力に訴えても、多くの人々は理解を示すかもしれません(しかも、共産革命は暴力が手段・・・)。

政治理論にあっても、抵抗権の問題は、同じく社会契約論に立脚しながら全く異なる政治体制に行き着いたトーマス・ホッブスとジョン・ロックの理論的対立を想起させます。何故ならば、前者は、社会契約によって個人の自然権を主権者に預けた以上、個々の抵抗権は認めないとした一方で、後者は、社会契約を破る暴君が出現した場合には、正当防衛権として人々の抵抗権を認めているからです。

以上に述べてきたように、テロリストの主張に、それが一部であれ理や正義が含まれる場合には、物事は単純ではなくなります。岸田首相襲撃に事件についても、木村隆二容疑者の主張の中には、国民の多くが政治改革(政界浄化)として政治に求めている内容も少なくありません。選挙の立候補に際しての高すぎる供託金の額(制限選挙に近い)、一向に改善されない議員の世襲や縁故、民主的手続きを無視した安部政権や岸田政権の政治運営の手法・・・などは、大多数の国民の共感を呼ぶことでしょう。これらの諸点は、日本国に閉塞感をもたらしており、国民の誰もが早急に取り組むべき課題として認識しながらも、これまでの長い間、特権を守りたい政治家達の自己保身から放置されてきたからです。ところが、上述したように、‘テロに屈しない’態度を貫きますと、これらの制度改革は、‘決してしてはならないこと’となってしまうのです。

この点からしますと、常日頃から世論誘導にいそしみ、たとえ信頼できない存在であっても、マスメディアに事件発生の責任を問うのは筋違いであり、むしろ、動機を詳細に報じないことには、政治改革も始まらないのではないでしょうか。起きてしまったことを消すことはできず、また、悪から善を引き出すことは神様も許していることなそうですので、岸田首相襲撃事件は、政治改革のチャンスとするのが最も望ましい対応のように思えるのです。民主主義を阻害する欠陥を是正する制度改革を実行してこそ、テロという手段を用いなくても、政治を健全化し、主権者である国民のための政治が実現するのですから。

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木村容疑者の問題提起の波紋

2023年04月19日 12時43分07秒 | 統治制度論
 先日、和歌山県で発生した岸田首相襲撃事件は、実行犯として逮捕された木村隆二容疑者が黙秘を続けているため、様々な憶測が飛び交っています。その一方で、同事件は、思わぬ方向に波紋を広げているように思えます。

 本ブログでも述べたように、偽旗作戦や謀略の実在性が証明されている今日では、統一地方選挙にあって自民党が勝利を収めるための自作自演であった可能性も否定はできなくなります。現場の様子や政府の対応に既に準備されていたかのような不自然な点があったことに加え、現に、事件直後に低下傾向にあった岸田内閣への支持率が50%近くまで急上昇しました。世論調査の結果としながらも、岸田政権への国民の不満が渦巻く中での不自然な支持率上昇が、かえって茶番説を裏付けてしまった感さえあったのです。また、日本ファクトチェックセンターが突然に出現し、自作自演説に挙げられていた根拠を悉く否定する動きを見せました。立て続けに‘誤り’と判定する‘慌てぶり’も、火消しに奔走しているかのようで、怪しさを倍増させてしまったとも言えましょう。なお、ファクトチェックによって疑惑が晴れたとは言えず、今日なおも茶番であった可能性は燻っています(元統一教会への批判的な態度も山上容疑者と共通しており、何らかの組織性が疑われる・・・)。

 国民の多くが岸田首相襲撃事件には何か‘裏’があると疑う一方で、マスメディアの多くは、木村容疑者の個人的なテロとして扱っています。このため、報道の大半は、同被告の生い立ちや家庭環境、家族、親族、友人、知人の証言、爆発物の能力、警護体制などによって占められています。もっとも、組織的な背景のない一国民による犯行ともなりますと、政府が国民監視体制を強化する口実にも利用される怖れもあります。今後、選挙の街頭演説に際しては、監視カメラや顔認証装置が設置され、聴衆の一人一人がそのアイデンティティーを含めて密かにチェックされるかもしれません。メディア等による単独犯行の強調も、自作自演説が疑われる理由ともなりましょう。

 そして、黙秘を続けている木村容疑者による犯行の動機が、現行の選挙制度等に対する不満であったのではないか、とする報道も、国民の懐疑心を深めるに十分な情報でした。何故ならば、国民に負担ばかりを強い、国民を蔑ろにする岸田政権に対する国民の不満を自らの動機としてアピールすれば、木村容疑者は、山上容疑者以上の一種の‘民衆的なヒーロー’になれたかもしれなかったからです。暴力行為やテロは犯罪ですが、鼠小僧や石川五右衛門、あるいは、ロビンフッドといった、‘義賊’のような立ち位置となりましょう。‘国民を救うため‘と言われますと、少なくない国民が心を動かされ、木村容疑者に同情することでしょう。それが喩え犯罪であったとしても、人とは、得てして自らを犠牲にしても苦境にある人々を救おうとした行為に対して悪い感情を持たないからです。敢えて自らに有利となる供述をせず、黙秘に徹する木村容疑者の態度も自作自演説を強める要因の一つなのです。

 ところが、個人的な動機を選挙制度への不満と報じたことで、議論は、思わぬ方向に転がっていったように思えます。去年の7月に、木村容疑者は年齢や供託金制度など、選挙での立候補に際して制限を設ける現行の選挙制度を違憲として本人訴訟を起こしています。裁判記録が残されていますので、この情報は事実なのでしょう(同訴訟により、木村容疑者は何らかの組織によってマークされていた可能性も・・・)。容疑者本人は黙秘していることから、メディアによる動機の説明は過去の木村容疑者の政治的発言や行動に基づくものとならざるを得ないのですが、同動機もまた、現行の制度的問題を指摘しています。そして、それが民主主義の根幹に関わるものであっただけに、現行の制度によって護られてきた政治家にとりましては、痛烈な痛手となり得るのです。

 日本国民の多くは、憲法にも謳われているように、自国は自由で民主的な国家であると信じています。しかしながら、テロという行為を抜きにして、純粋に木村容疑者の主張を改めて考えてみますと、民主主義とそれを実現する制度との不可分な関係に思い至らざるを得ません。憲法等において自由や民主主義といった諸価値を掲げながら、それらが統治システムに組み込まれ、制度的に保障されなければ、‘人民民主主義’のように絵に描いた餅となってしまうからです。被選挙権の年齢制限には知識や経験の蓄積といった一定の合理的な根拠はあるものの、木村容疑者の問題提起にも一理があり、同感する国民も少なくないことでしょう。同容疑者が指摘した諸点のみならず、IT技術の発展した今日では、国民は、不正選挙や与野党共演の茶番、そして、世界権力による政府の傀儡化といった脅威にも晒されているからです。

 岸田首相襲撃事件は、結果として日本国民に対して民主主義の形骸化という現実をも突きつけることとなりました。価値の先取りが二重思考を是とする全体主義の手法の一つであるならば、民主主義や自由といった諸価値は掲げられた看板に過ぎず、日本国をはじめとした民主主義国家、あるいは、自由主義国家の実態も、人民民主主義の諸国と変わりはないこととなりましょう。主権者であるはずの国民は、政治の現状に失望しつつも、国民の利益となり、国民を護る方向に政治を変えてゆく民主的な手段も経路も失いつつあるのです。

 そして、岸田首相襲撃事件が自作自演であれば、現行制度の欠陥の表面化は、首謀者にとりましては予期せぬ‘やぶ蛇’となったのかもしれません。テロリストの主張とはいえ、必ずしも全面的に間違っているとは言えないからです。そして、テロといった暴力的な手段に訴えるのではなく、如何にして自由や民主主義を制度的に保障し、統治機能が国民のために働くように設計するのか、という問題は、同事件の真相の如何に拘わらず、日本国民が自らを救うために真剣に取り組むべき課題なのではないかと思うのです。

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ウクライナ紛争の‘アジア・シフト作戦’に注意を-第三次世界大戦への道?

2023年04月18日 12時43分33秒 | 国際政治
 先日、ロシアとの戦争が泥沼化する中、ウクライナの国家汚職防止庁(NAPC)は、中国のスマートフォン大手のシャオミ並びに同社の幹部を「戦争支援者」のリストに加えたとする報道がありました。「戦争支援者」とは、同国によって、交戦相手国であるロシアを経済的に支援していると認定された企業を意味します。日本企業を含め、全ての国家が対象となるのですが、時期が時期であるだけに、中国企業をターゲットとしたことには、深謀遠慮があるように思えます。

 ロシアによる軍事介入後にあって、自由主義諸国の企業が対ロ制裁の一環としてロシア市場から撤退する中、中国企業のシャオミは、ロシアでの自社製品の販売を継続し、今では、同国のスマートフォン市場において最大のシェアを占めています。ウクライナ側は、シャオミによるロシア国内におけるビジネス拡大を間接的な戦争支援行為と見なし、今般、改めて同社を「戦争支援者」として認定したと言うことになりましょう。なお。ウクライナは、現在、中国国有建設工程株式会社や米国の消費財大手Procter & Gamble等を「戦争支援者」リストにアップし、シャオミで22を数えることとなります。

 それでは、シャオミ側の反応はどうでしょうか。ウクライナによるリスト追加に対して、シャオミ側は、「いかなる戦争行為も支持しない、完全に世界平和を受け入れる」と述べた上で、革新的な技術の提供により全世界の人々の生活を楽しめるよう、各国の法令に従ってビジネスを行なっている点を強調しています。‘全世界’や‘法令遵守’の言葉からしますと、同社は、ウクライナによる「戦争支援者」指定をものともせず、今後とも、ロシアでのスマートフォン販売を継続する姿勢を示したと言えましょう。

 ところで、ウクライナと中国との関係を見ますと、親ロ派のヤヌコーヴィチ政権時代とはいえ、2013年12月には「ウクライナ友好協力条約」が締結されています。核の領域に限定されてはいるものの、両国は‘準軍事同盟関係’にあるのです。今年2月24日に習近平国家主席が和平案を公表した際に、アメリカのバイデン政権が一蹴したにも拘わらず、ゼレンスキー大統領が留保的な態度を示したのも、中国との特別な関係を考慮したからなのでしょう。また、同大統領は、習主席との会談にも前向きとの報道もあります。

 その一方で、当の中国は、3月20日における習主席のロシア訪問とプーチン大統領との会談を機に、ロシア陣営に加わったかの印象を与えています。両国のトップ会談では、ウクライナ紛争に関する和平案も話し合われたとされますが、おそらく、台湾問題も議題に上がったことでしょう。すなわち、中ロの関係強化は、二度の世界大戦を想起させる陣営対立の構図を強めたのであり、それは、アジアへの戦火拡大を含意していたとも言えましょう。

 こうした中ロの関係強化と歩を揃えるかのように、米中関係も悪化の一途を辿っています。台湾の馬英九前総統が中国を訪問した直後に蔡英文総統がアメリカを訪れ、マッカーシー上院議長と会談するなど、米台結束を積極的にアピールしています。同時に、台湾周辺海域では人民解放軍が活発な動きを見せるようになりました。蔡総統訪米の報復として実施した軍事演習については、中国国営テレビは、4月8日から10日にかけて「統合作戦指揮センターの統一的な指揮の下、複数種類の部隊」による「台湾に対する正確な攻撃のシミュレーション」を行なったと報じています。同軍事演習は、空母「山東」も参加した‘台湾封鎖’のシミュレーションであったそうです。同演習に対しては、アメリカも、4月17日に誘導ミサイル駆逐艦「ミリウス」に台湾海峡を通過させることで応じ、目下、米中間のチキンレースの様相を呈しているのです。

 仮に、世界権力が世界を二つの陣営に分けて戦わせる世界戦争、即ち、第三次世界大戦を誘導し、これと平行して、全世界の諸国における戦時体制という名の全体主義かを進めているとすれば、ウクライナと中国との友好関係は障害となるはずです。両国間の関係が維持されますと、世界はきれいに二つの陣営に分かれないからです。また、ウクライナ紛争の経緯を見ておりますと、ゼレンスキー大統領も、一貫してNATOを巻き込み、紛争の世界大戦化を志向しているように見えます。ウクライナ紛争そのものが、世界大戦誘発シナリオの一部であった可能性もありましょう。

 こうした観点から見ますと、中ロ結束が凡そ確定したことから、ウクライナ、あるいは、その背後に潜む世界権力は、自らの対中政策の変更を「戦争支援者」リストへのシャオミ追加という形で表明したのかもしれません。この背景には、ウクライナ紛争を(1)当初のシナリオ通りに台湾有事を機にアメリカ対中ロの陣営対立に拡大する、あるいは、(2)NATOの巻き込みが期待薄のため、主戦場をアジアにシフトするといった、判断があったのでしょう。リスト追加が経済制裁の効果を発揮するとは思えませんので、シャオミに対する措置は、ウクライナからの政治的メッセージとして理解されるのです。戦禍はアジアに広がるという・・・。

 本日も、米中対立の緊迫化を受けて、自民党の麻生太郎副総裁は、「戦える自衛隊」への転換を主張したとも報じられました。この言葉、「戦える人民解放軍」を目指して習政権が進めてきた中国の軍制改革を彷彿させます(麻生氏はイエズス会士でもある・・・)。日本国の国土を含むユーラシア大陸の東部が戦場となりつつありますので、各国の国民は、世界権力が仕掛けている三次元対立の構図を賢く見抜くべきではないかと思うのです。

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岸田首相襲撃事件‘やらせ発言’は不謹慎か?

2023年04月17日 08時49分34秒 | 国際政治
先日の4月15日、和歌山県の雑賀市において、応援演説中の岸田文雄首相に対して爆発物が投げつけられるという事件が発生しました。安倍首相暗殺事件が脳裏をよぎる事件ともなり、現行犯で逮捕された木村隆二容疑者が黙秘を続けているためにその動機は詳らかではありません。真相解明が待たれつつも、犯行の動機不明なだけに同事件については自作自演、即ち、‘やらせ’ではないか、とする意見も飛び出すこととなりました。

‘やらせ発言’については、とりわけ、参政党のボードメンバーとされる田中よしひと氏の発言がSNS等で取り沙汰されたそうです。同氏は、ツイッターにて「こうした事件があっても、午後のスケジュールはそのままとの事。事件そのものが支持率上げのための仕込みかもと疑ってしまうのは私だけ?」と呟いたとされます。同発言に対しては、理解を示す人もあったものの、「事件の被害者や関係者への配慮を欠くとの批判」の声が寄せられたとされます。‘不謹慎’ということのようなのですが、この発言、政治家としてすべきではなかったのでしょうか。

同発言に対する批判意見としては、‘人の生死に関することである’、‘被害者を傷つける’、‘非常識で不見識’という倫理的なものから、‘公人としての自覚の欠如’や‘政治家は本音を表に出してはいけない’といった政治家としての資質をとうものもあります。しかしながら、これらの批判はどこか説得力に欠けるように思えます。現実には、他者を疑わない態度を‘良し’とする一般的な‘常識’が、結果として人の命を危うくしたり、真の被害者を見捨てたり、加害者を助長させかねないからです。そして、何よりも、昨今の内外の政治状況を見ていますと、政治の世界における偽旗作戦はもはや公然の秘密です。今日では、‘愚かな陰謀論’という‘常識’を振りかざして、国民に対する政府や政治家の裏切り行為や欺瞞に対する国民の自然な懐疑心を封じることは困難となってきているのです。

安部元首相暗殺事件も、山上容疑者による単独犯行は物理現象としてはあり得ず、組織的な暗殺であったことは明らかです。同事件は陰謀そのものですし、自民党は、元統一教会との関係により、自ら偽旗作戦の実在性を証明してしまったとも言えましょう。コロナ・ワクチン接種に伴う国民の健康被害につきましても、超過死亡数の激増との因果関係を頑なに否定する政府やメディアの態度を見れば、日本国の政治家が自らの利益のために国民の命を何者かに差し出しているとしか言いようがありません。また、紛争当事国であるウクライナや諸外国には、ポケットマネーよろしく首相が大盤振る舞いをしながら、国内では物価高の中での増税の嵐ですので、国民の政治に対する不信感も高まる一方なのです。

 それでは、木村容疑者は、岸田政権に対する国民の不満を背景として、爆弾事件を起こしたのでしょうか。仮に、明確な政治的メッセージを発するためにテロを実行したのであれば、木村容疑者は、むしろ自らの動機を国民に向けてアピールするはずです(山上容疑者のようにヒーロー扱いされ、同感する人や支持者が現れるかもしれない・・・)。動機を語ろうとはしない同容疑者の姿勢からしますと、過酷な状況に置かれている国民を救おうとした犯行ではないのでしょう。しかも、爆発物の殺傷能力は比較的低いとされていますので、安部元首相のように岸田首相を暗殺しようとまでは考えていなかったのかもしれません(脅迫あるいは牽制の可能性も・・・)。

岸田政権の背信行為や売国行為に対する不満からの犯行ではないとしますと、木村容疑者は、どのような理由から爆発物を投げ入れたのでしょうか。あまりにも不審な点が多い故に、今般の事件にも様々な可能性があります。偽旗作戦であれば、失言とされた‘やらせ’、すなわち、選挙での同情票、もしくは、‘同情票’という与党勝利の説明材料の獲得を狙った犯行も可能性の一つです(あるいは、政治家に対する警護や国民監視の強化が目的かもしれない・・・)。しかも、自民党や公明党といった与党のみならず、その背後には、同政権を支えたい他国、あるいは、世界権力が動いていた可能性も認められます(世界権力のネットワークの末端に位置する新興宗教団体が実行役となった可能性も・・・)。

また、偽旗ではなく、ライバル勢力による政治的なテロであれば、野党側の犯行と言うこともあり得ないわけではありません。しかしながら、今日の日本国の政治状況にあって、敢えて野党やその支持勢力がテロに訴えたとしたら、それは野党の自殺行為となりましょう。民主主義を否定し、テロ、即ち、暴力で政治を変えようとする政党に投票する有権者は殆ど皆無となるでしょうから。そして、国内の野党の線が極めて弱いとなりますと、海外勢力が背後に蠢いていた可能性も浮上します。事件現場となった和歌山県と言えば、親中派で知られる二階元幹事長のお膝元ということもあり、中国の関与も疑われましょうし、世界権力黒幕説は、同ケースでもあり得ます。
 
‘やらせ発言は、政治家として失格’との厳しい意見もありますが、あらゆる可能性を国民に示す政治家のほうが、よほど信頼できるように思えます。‘疑ってはならない’、あるいは、‘政治家は言ってはいけない’という行動規範は、政府や政治家、並びに、メディアによる国民騙しが横行している今日にあっては、国民に対して黙って素直に騙されるように薦めているに等しくなるからです。むしろ、政治家は、偽旗作戦や陰謀の可能性があれば、予めそのリスクを国民に対して説明すべきなのではないでしょうか。合理的な根拠がありながら疑わない人は、信頼を置けないのです。もっとも、今般の‘やらせ発言’も、批判殺到を演出することで、同様の指摘を封じるための‘やらせ発言’であった、というどんでん返しもあり得ます。不可解な政治的事件については、裏の裏まで読む必要があるのかもしれません。

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'常識'からの良い意味での逸脱が第三次世界大戦を回避する?

2023年04月14日 10時24分43秒 | 国際政治
 陸上自衛隊ヘリコプターの墜落につきましては、事故であれ、事件であれ、全容解明は不可欠な作業です。しかしながら、事実が判明し、それが、戦争や対立の誘発を目的とした某国や某組織が引き起こした事件であった場合には、軍事、並びに、政治的な対応については、慎重な判断を要するかもしれません。言い換えますと、常識、否、固定概念からの‘良い意味での逸脱’を要するかもしれないのです。第三次世界大戦の発生は人類の敗北、否、滅亡を意味しますので、戦争回避こそが最優先課題であるからです。

 そこで、国家間の二元対立、かつ、中国あるいはロシアによる攻撃であった場合に第一に考えられる日本国政府の対応は、‘開き直り’です。開き直り‘作戦とは、陸自ヘリコプターの墜落を挑発行為と見なし、同事件を機に、如何なる国とも開戦に至ることは決してない、とする姿勢を内外に宣言するのです。第三次世界大戦を回避という、れっきとした根拠を添えて、開き直るのです。

 ‘開き直り作戦’は、アメリカの偽旗作戦であった場合にも通用します。日本国は、同盟国であるアメリカの対中挑発作戦に利用された格好となるのですが、日本国が、第三次世界大戦の回避を理由として反撃を控えれば、アメリカは日米同盟を発動させることはできず、‘第二次日中戦争’を引き起こし、自らも参戦する根拠を失います。もっとも、陸自ヘリコプターの墜落が日米共同作戦である場合には日米共犯関係となり、真相は有耶無耶となることでしょう。もっとも、現状を見ますと、日本国政府も自衛隊も事故説を採っておりますので、日米両国による偽旗作戦である可能性は低いように思えます(仮に、今後、日米共に中国攻撃説をもって対中批判を強める場合は要注意・・・)。

 ‘開き直り作戦’とは暴露でもありますので、これ以上計画を進めることが困難となり、戦争抑止効果が期待されます。しかしながら、同作戦が困難な場合の次善の策としては、敢えて‘事故’として処理する、あるいは、迷宮入りにしてしまうという方法もあります。これは、たとえ日本国政府が動かぬ証拠を掴んだとしても、中ロによる挑発には乗らず、意図的に無視することを意味します。事件を事故として扱いますと、国民に‘嘘を吐く’ことになりますので、後者の迷宮入り、すなわち、調査継続とした上で、第三次世界大戦のリスクが去った後に機密情報を解除する方が望ましいのでしょう。この点、上述した日本国政府と自衛隊の対応は、この文脈において理解されるかもしれません。

 それでは、三次元対立の場合はどうでしょうか。このケースでは、そもそも各国の政府とも世界権力の‘駒’に過ぎないのですから、日本国政府もまた、真相究明よりも、同権力体からの指令を優先するものと予測されます。需要情報は隠蔽され、配下のメディアをも総動員して中国攻撃説を喧伝し、国民を戦争に向けて扇動することでしょう。戦争準備は、国家体制を戦時体制という名の全体主義体制へと変換させる口実とも成りましょう。

 しかしながら、世界権力が完全に各国の政府を掌握し切っていない、あるいは、一部であれ抵抗・対抗勢力が存在していたり、国民の多くが同勢力の謀略に気がついているような場合には、昨日の記事で述べたように、世界権力をテロ組織と見なして対応するチャンスがあります。議会、警察・検察、公安等のそれぞれの機関の独立性が高く、権力分立がしっかりしているほどに、同チャンスは広がります。陸上自衛隊ヘリコプターの墜落も、それが世界権力の仕業であれば、日本国の国内法に基づき、テロ対策の一環として捜査や訴追ができます。また、国際レベルにあっても、国際刑事裁判所(ICC)であれば、民間人に対しても侵略の罪を問うことも不可能ではないのです。

 第三次世界大戦の回避という側面からすれば、三次元対立であった場合の方が戦争リスクは著しく低下することでしょう。何故ならば、テロとの戦いは、日常的な長期戦にこそなれ、必ずしも国家間戦争に直結しませんし(もっとも、容疑者の捕縛や刑の執行に際して要する強制力としての武力行使はあり得る・・・)、国際法や国内法に基づく司法解決では、基本的には武力行使を要さないからです。そして、第三次世界大戦の回避は、平時におけるテロ対策として長期的に遂行されてゆくこととなりましょう。世界権力の工作活動を取り締まると共に、その政治家を含む売国的な協力者を排除してゆくという作業です。

 以上に、二次元対立と三次元対立の二つに分けて考察してきましたが、冒頭で述べたように、何れの対応でも、第三次世界大戦の回避を最優先課題に据えますと、良い意味での常識からの逸脱を要することが分かります。前者については、‘攻撃即反撃’という開戦の‘常識’から抜け出す必要がありますし、後者についても、非常識とされてきた陰謀論を事実として認めなければ成り立ちません。両者とも、これまでの常識や固定概念からの逸脱が人類を救済すればこそ、良い意味での逸脱であり、むしろ、正常化と表現する方が相応しいかもしれません。従来の‘常識’こそ、人類の良識や良心を歪め、リスクに晒してきたのかもしれないのですから。

 もちろん、陸上自衛隊ヘリコプターの墜落は、事件ではなく事故であった可能性もあり、取り越し苦労に過ぎないかもしれません。しかしながら、国際情勢が緊迫化し、かつ、全世界の全体主義化が懸念されている中での出来事ですので、リスク管理の側面からも、あらゆる可能性について考えておくべきように思うのです。

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事件であった場合の陸自ヘリコプター墜落への対応

2023年04月13日 12時19分27秒 | 国際政治
 陸上自衛隊ヘリコプター墜落事故は、不可解な点が多いために事件性が強く疑われています。その一方で、ドローンでもレーダーに映る、あるいは、ほぼ完璧に整備された状況にあった・・・等の根拠を挙げて、攻撃説を否定する見解もあります。しかしながら、ステルス性能を備えたドローンも開発されているかもしれず、また、レーダー探知が難しい水面を超低空で飛行するシースキマー型のミサイルであった可能性もありましょう。さらに、墜落した陸自ヘリコプターが、消息を絶つ3から5分前に低空で飛行している様子が小学校に設置されていた防犯カメラに映っていたと報じられています。2分前に行なわれた下地島空港管制との交信で‘異常なし’とすれば、当初から低空飛行が計画されていたことになり、謎は深まるばかりなのです。何れにしましても、攻撃を受けた可能性を完全に排除することはできないように思えます。そこで、昨日の記事において幾つかの推理を試みたのですが、ここで、これらのケースに対する日本国政府の対応を考えてみることとします。

 それでは、二次元対立における(1)中国攻撃説と(2)ロシア攻撃説のケースでは、どうでしょうか。先ずもって日本国政府が厳正なる調査の結果として、中国あるいはロシアからの攻撃であると断定しますと、対中、あるいは、対ロ戦争の正当なる根拠となります。一般的には、自国領域内における自国の軍隊に対する攻撃は、正当なる戦争事由となるからです(「侵略の定義に関する決議」の第3条に照らせば、中ロによる自衛隊機への攻撃は侵略行為となる・・・)。このことは、即、日本国からの対中、あるいは、対ロ報復攻撃、並びに、日米同盟の発動が当然あり得ることを意味します。対中ロ開戦事由の成立こそ、台湾有事を待つまでもなく、第三次世界大戦を誘発する最も短い導火線と言うことになりましょう。

 その一方で、中国並びにロシアは、たとえ日本国側が動かぬ証拠を示したとしても、決して自らの犯行とは認めず、日本国の捏造を主張することでしょう。いわば、‘自衛隊機撃墜事件’は、ノルド・ストリーム事件と同様に諸説が入り乱れる中での対応を迫られます。日本国政府が国連安保理に訴えたとしても、中ロ共に、事実上の拒否権を有する国連安保理の常任理事国ですので、同理事国において中ロに対する‘侵略決議’が成立するはずもありません。国連決議なき状態での開戦ともなりますと、最悪の場合には、中ロ側から日本国からの先制攻撃と見なされ、日本国側の戦争責任が糾弾されかねないのです。

 また、(3)や(4)である場合には、日本国は、同盟国によって裏切られる、あるいは、両国の‘共犯’の形となります。アメリカの単独犯行であった場合、米軍が国内に駐留し、講和条約発効後も日米合同委員会が設置されている現状にあって、日本国政府は、墜落原因について十分に捜査を実施できない可能性が高く、結局は、アメリカの犯行を不問に付すしかなくなるかもしれません。本来であれば、独立主権国家としてアメリカに対して宣戦布告すべき事態なのですが、これを黙認するとなりますと、アメリカの思惑通りに日本国政府は中国犯行説を採ることとなりましょう。上述した即時開戦のみならず、近い将来に台湾有事が発生した際にも、米軍の作戦にしっかりと組み込まれ、中国からのミサイル攻撃を甘受せざるを得なくなるかもしれません。日本国政府が‘共犯’であれば、この事態は言うまでもありません。

 それでは、世界権力対全人類という三次元対立の場合では、どのような事態が予測されるのでしょうか。古来、戦争とは、領土や国益をめぐる国家間の対立に起因するとされてきました。このため、世界権力が背後にあって歴史を操り、陸上自衛隊ヘリコプターの墜落も世界支配向けた戦略の一環である場合には、二次元対立のような形での古典的な戦争は起きません。2001年9月11日に発生したアメリカの同時多発テロに際しても、アメリカは、テロを自国に対する軍事的な攻撃と見なし、集団的自衛権の発動対象としつつも、結局は、アフガニスタンという‘テロ支援国家’を当事国とした戦争とせざるを得ませんでした。テロ組織は非国家主体ですので、世界権力を相手に所謂‘テロとの戦い’を遂行せざるを得なくなるのです。

 もっとも、現状における国際レベルでの司法解決手段としては、侵略犯罪の被告人として、世界権力の中枢に座している首謀者を国際刑事裁判所(ICC)に訴追するのが最もフォーマルな手続きとなりましょう(なお、世界権力による人口削減説が事実であれば、ジェノサイドや人道に対する罪も問うことに・・・)。ICCは、公人のみならず民間の個人(自然人)に対しても刑事責任を問えるからです。あるいは、国家レベルの対応として、日本国政府が、世界権力をテロ組織に認定し、刑法やテロ等準備罪等を含む自国の国内法を首謀者並びに実行者に対して域外適用するという対応もあり得ます。

 国際法のICC規約であれ国内法の刑法であれ、何れの法的手続きにあっても、世界権力の首謀者や幹部等、並びに、攻撃の実行者や組織の所在を特定し、居住国に引き渡しを求める必要がありましょう。仮に、ダボス会議が開催されるスイスが首謀者の居住国であれは、同国に対して犯人の引き渡しを求めることになります。このケースでは、アフガニスタン戦争のように、居住国が引き渡しを拒絶した場合、戦争に発展する可能性もあります(つづく)。

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陸上自衛隊ヘリコプター墜落に関する複数の可能性

2023年04月12日 15時42分16秒 | 国際政治
 先日、宮古島周辺海域で発生した自衛隊ヘリコプターの墜落につきましては、中国あるいはロシアからの攻撃説も囁かれており、南西諸島周辺海域は緊迫した空気で覆われています。自衛隊の哨戒機や艦艇による必死の捜査が続いていますが、消息を絶った乗員の方々は未だに発見されていません。謎多き墜落である故に、攻撃説が唱えられるのも故なしとも言えないのです。しかも、同海域では、米軍のF15戦闘機にもトラブルが発生したとの情報もあり、機体の電子制御系統を狂わす電磁パルス攻撃などの可能性も取り沙汰されています。

 航空事故ではなく、安全保障上の‘重大事件’、あるいは、謀略であった可能性も否定はできず、メディアの多くも、こうした陰謀論を廃するための真相の徹底解明を求めています。確かに、同墜落については徹底した調査を必要とすることは、今後の日本国の防衛を考えましても当然のことと言えましょう。軍事テクノロジーの面においては、仮に、電磁パルス兵器などの新型兵器が使われていた場合、防御のための対抗兵器を早急に開発しなければならないからです。

 そもそも、ノルド・ストリーム事件と同様に、今般の事件も‘犯人’を特定することは、困難を極めることが予測されます。必ずしも‘容疑国’は中国やロシアとは限らず、電磁パルス兵器の開発を進めている北朝鮮の犯行を疑う識者も出現するかもしれません。また、偽旗作戦が疑われる場合には、アメリカ説並びに日本国説さえも唱えられるかもしれませんし、KCIAを有する韓国も‘容疑国’の一国となり得ます。そして、さらに深層まで迫りますと、‘目くらまし’のためにこれらの国家犯行説をまき散らしている世界権力こそが、第一次世界大戦や第二次世界大戦と同様に、‘真犯人’であるかもしれないのです。

 ここで、推測されるケースを整理してみましょう。大きくは、国家間対立(二次元対立)に起因する場合と世界権力による工作(三次元対立)である場合の二つに分けることができます。二次元対立のケースとしては、
  1. 昨今の台湾をめぐる米中対立の先鋭化、あるいは、尖閣諸島問題で深刻化した日中対立を背景とした中国による犯行。北朝鮮が実行を担当した可能性もあり。
  2. ウクライナ紛争における日本国政府の親ウクライナ方針への牽制としてのロシアによる犯行。このケースでも、北朝鮮が犯行を担当した可能性がある。
  3. 中国を米中戦争に引き込むために、中国の犯行に見せかけたアメリカによる偽旗作戦。実行機関は、米軍、CIA、自衛隊、韓国軍、KCIAなど。加えて、人民解放軍内にアメリカから送り込まれた工作員による犯行もあり得るかもしれない。
  4. 日本国を米中戦争にしっかりと組み込むためのアメリカの謀略(ノルド・ストリーム事件に際しての独ロ分断説と類似・・・)。

などがあります。(3)と(4)については、日本国政府も了承済み、あるいは、協力している可能性もあります。なお、台湾については、同国が敢えて挑発行為を行なうとは考えがたく、二次元対立にあって最も関与の可能性が低い関係国は、同国であるかもしれません。

 その一方で、三次元対立のケースとは、上記の何れのケースであっても、背後には世界権力があり、各国の首脳部、あるいは軍隊や情報機関に対して自らの計画の実行を命じているというものです。この場合、下部組織となる諸国の政府や軍隊あるいは情報機関のみならず、国際機関等も所謂‘ぐる’であるかもしれず、国際社会を舞台として一つのシナリオが演じられていることとなります。なお、実行部隊は、政府や正規の軍隊のみならず、民間人を装った国際的なテロ組織等である可能性も否定もできなくなります。世界権力の思惑が第三次世界大戦の誘発、あるいは、戦時体制の構築を利用した世界並びに全人類の支配であるならば、同対立の構図は、表面的には二次元対立と見せかけた三次元対立となりましょう。すなわち、国家をも配下とした世界権力側と、同組織の支配の魔の手が伸びている各国の国民、すなわち、その他の人類と対立と言うことになります(つづく)。

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陸上自衛隊ヘリコプターとノルド・ストリーム事件

2023年04月11日 11時39分09秒 | 国際政治
 ノルド・ストリーム事件とは、ウクライナ紛争の最中にあって、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスの海底パイプライン「ノルド・ストリーム」が、2022年9月26日に何者かによって破壊された事件です。事件発生当初はロシアの破壊工作と見なされ、特に日本国内の主要大手メディアは、同事件をロシアの犯行と凡そ断定する形で報じました。

 大手マスメディアがロシア犯行説を宣伝する一方で、ロシアとドイツは直接に戦っているわけでもなく、また、敢えて自国の天然資源輸出用の国際インフラを破壊する動機がロシアには薄いことから、ロシア犯行説に対する疑問も燻ることとなります。先ずもって当事国であるロシア自身が自国犯行説を否認し、目下、国連に対して事件の徹底究明を求めます。因みに、ロシアにおいてアメリカと共に‘真犯人’として疑われたのがイギリスであったのが、興味深いところです。

 また、事件発生直後には、ドイツのデア・シュピーゲル紙やアメリカのニューヨーク・タイムズ紙なども、バイデン大統領が欧州各国の政府にパイプライン破壊の可能性が高いとの警告を行なっていたとする記事を掲載し、アメリカの関与を示唆するメディアもありました。天然ガスの供給をロシアに依存するドイツとその供給国であるロシアとの関係を断絶させることができれば、ウクライナの最大支援国であるアメリカにとりましては、好都合であったからです。

 もっとも、しばらくの間は、こうした懐疑論は‘陰謀論’として退けられてきたのですが、翌23年の2月8日に至り、米調査報道記者であり、かつ、ピューリッツァー賞受賞記者でもあるシーモア・ハーシュ氏が、アメリカ犯行説をブログ記事を投稿された頃から、若干、風向きが変わってきました。同記事では、匿名の消息筋からの情報として、バイデン大統領からの指令を受けた米軍とノルウェー軍の協力の下で実行したとする、かなり具体性を備えた説が唱えられています。偽旗作戦であった可能性が強まり、もはや陰謀論として無視できなくなってきたのです。

 アメリカ政府は、同日、即座にハーシュ氏の説を‘全くの虚偽で完全なるフィクション’として否定しましたが、その一方で、同否定会見において、ウクライナが関与している証拠はないとも述べたとされています。同発言から、既にウクライナ真犯人説も流布されていたことが分かります。その後、3月に入りますと、ニューヨーク・タイムズ誌が、米情報当局者による説として‘真犯人’は、‘親ウクライナ勢力’である、という見方を報じるのです。

 3月7日にドイツのツァイト紙が報じるところに依れば、ドイツの捜査当局は、パイプラインを破壊した小型船を特定したそうです。同小型船は、ポーランドの会社が貸した物であり、その所有者は国籍不明の二人のウクライナ人であったとしています。国籍は不明ですので、同‘ウクライナ人’が、ウクライナ国籍のウクライナ人なのか、ロシア国籍のウクライナ人なのか、国籍の違いによって立場が変わります。もっとも、親ウクライナ勢力と表現されていますので、おそらく前者なのでしょう(なお、ロシア国内の反プーチン勢力による犯行説も存在していた・・・)。

 以上に述べてきましたように、ノルド・ストリーム事件につきましては、数多くの‘被疑者’がおります。ロシア、アメリカ、ウクライナ、イギリス、その他の親ウクライナ組織やロシア国内の反プーチン勢力などなど・・・。そして、これらのさらに深部には、ウクライナ紛争をエスカレートさせたい世界権力が潜んでいる可能性もありましょう。否、‘真犯人’には決して行き着かないように、メディアを介して敢えて様々な説を‘散布’して煙幕を張っているのかもしれません。

 軍事的緊張が高まる時期や戦時にあっては、盧溝橋事件を始め、しばしば、対立関係にあるどちらの側が実行したのか不明な事件が発生するものです。第一次世界大戦を引き起こした‘サラエボの一発の銃声’も、犯人とされたガヴリロ・プリンツィプ、並びに、民族主義組織「黒手組」 の背後関係まで調べ上げなければ、熱狂的な大セルビア主義者の犯行とは断定はできないのかもしれません。そして、今日、日本国は、陸上自衛隊ヘリコプターの墜落という事件性が強く疑われる事態に直面しているのです(つづく)。

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陸上自衛隊ヘリコプター墜落は何を意味するのか?

2023年04月10日 10時45分38秒 | 国際政治
 先日4月6日、陸上自衛隊のヘリコプターが、宮古島分屯基地を離陸してから僅か10分後の午後3時56分頃に、突然に消息を絶つという事件が発生しました。同機は、救難を含む様々な任務に対応し得る多用途ヘリコプター「UH60JA」であり、高い性能を誇っていただけに衝撃が走ることとなったのですが、本事故につきましては、航空事故とする見方が有力なようです。

 陸上自衛隊も、発見された機体の一部等の状況から大凡航空事故と推定しており、一先ずは‘事件性’はないと見なしています。飛行計画を見ますと、宮古島の周辺を1時間20分ほどで偵察飛行するという予定であり、消息を絶った場所は、伊良部島北方3キロの地点なそうです。つまり、事故の現場は日本国の領海内であり、しかも、当日の天候もきわめて良好であったというのですから、何らかの原因で墜落した可能性が高いのです。このため、事故原因としては、通常の航空事故と同様に(1)人為的ミス、(2)機体の不具合、(3)鳥などの衝突の三者が指摘されています。

 しかしながら、その一方で、同事故には、不審な点がないわけではありません。その理由は、同機には、宮古島分屯基地司令と共に、陸上自衛隊第8師団のトップとして今年の3月末に赴任したばかりの坂本雄一師団長が同乗していたからです。また、墜落時の状況からしましても、エンジントラブルや緊急事態が発生した場合に備えた安全着水・脱出システムも働いた形跡がなく、下地島周辺で発見された救命ボートも折り畳まれたままであったそうです。これらの状況は、ヘリコプターが一瞬にして墜落したことを示唆しています。しかも、その前日には、宮古島近海を人民解放軍の空母、「山東」が通過しているのです(2013年4月13日修正)。

 また、日本国を取り巻く国際的な外部状況を見ますと、独裁体制を固めた習近国家主席は、台湾を武力併合する姿勢を見せています。その一方で、台湾の前総統である馬英九氏が中国を訪問した直後に蔡英文現総統がアメリカを訪問し、米下院のマッカーシー議長等と会談の場を設けています(同訪米への対抗措置として、中国は、台湾周辺海域での軍事演習を実施・・・)。さらには、尖閣諸島周辺海域では、中国の人民解放軍の動きも活発化しており、4月2日には、中国海警局の警備船が日本国の80時間を越えて領海に侵入し、日本国政府による国有化以来、最長時間を更新したのです。

 台湾並びに南西諸島周辺海域の波が高まる中での事故であったため、政府の見解や大手メディアの報道をよそに、ネット上などでは、事故ではなく事件ではないか、とする憶測が飛び交かったのも、それ程には不思議なことではありません。上述した事故原因では、外部からの攻撃は省かれていますが、(2)機体の不備にしても、自衛隊の基地や組織内部に工作員が送り込まれているとすれば、墜落するように意図的に整備を怠る、あるいは、密かに機体に工作を施すといったこともあり得ないことではありません。ITが発展した今日では、サイバー攻撃やコントローラーの‘乗っ取り’により遠隔操作によってヘリコプター自身を墜落させることも考えられます。また、(3)の鳥などの衝突につきましても、自然界の鳥類はなく、外部勢力が放った小型の軍用ドローンであった可能性もありましょう。米中対立が先鋭化する現状にあっては、100%事故ではない、とは言い切れない状況にあるのです。

 それでは、事実解明を徹底した結果、自衛隊ヘリコプターの墜落が事故ではなく、事件であったとしますと、日本国は、どのように対応すべきなのでしょうか。この問題を考えるに際して、凡そ二つの可能性があるように思えます。一つは、中国あるいはロシアによる攻撃である場合であり、もう一つはそれ以外の外部者による工作である場合です。前者は、未来の台湾有事並びに現在のウクライナ紛争を睨んだ暗殺行為、あるいは、牽制的な威嚇となり、後者であれば、グローバルな工作部隊を有する世界権力による第三次世界大戦誘発に向けた工作となりましょう。もっとも、表面的には前者に見せかけながら、実際には、後者が中ロを使って実行する場合もありますし、あるいは、米軍やCIAといったアメリカの機関が駒として使われている可能性もありましょう。

 陸上自衛隊ヘリコプターの墜落が安全保障上の重大事件である場合、日本国政府の最優先の課題として据えるべきは、第三次世界大戦の阻止であると言うことです。何れにしましても、開戦に向けた挑発行為、あるいは、誘導工作である可能性が極めて高いからです。ウクライナ紛争でも、事件発生から1年半が経過した今日にあっても、犯行を行なった組織を特定できていないノルド・ストリーム事件も発生しているからです(つづく)。

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