万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

‘再教育’が必要なのは中国では?

2019年07月14日 15時10分50秒 | アジア
‘中国には再教育が必要’とでも言おうものなら、中国人であれば、烈火のごとくに怒り狂うかもしれません。‘中国を侮辱した’、‘お前は生意気だ’、さらには、物騒にも‘殺してやる’といった罵倒の声が返ってきそうです。‘再教育’という言葉には、優れた者が劣った者に、あるいは、正しい者が間違った者に対して教育を施すというニュアンスがあり、再教育の対象と見なされた側に不快感を与えるからです。

 その一方で、中国は、ウイグル人に対して強制収容所を設けて‘再教育’を実施しています。中華人民共和国憲法の第4条にあって全ての民族の平等を謳っているのとは裏腹に、中国は、ウイグル人の固有の文化、伝統、宗教等を消し去り、共産思想、並びに、漢人の風習に強制的に同化させようとしているのです。同化が完了すれば、もはや、ウイグル人と云う政治的独立を主張し得る集団は存在しなくなり、中国は、永遠にこの地を中国領として支配できるからです。内心では代々この地で生活を営んできた全住民を虐殺したいのでしょうが、それが不可能であるならば、漢人の大量入植を伴う強制同化政策が北京の中共政府にとりまして次善の策なのかもしれません。

 秦帝国の誕生以来、中国の歴代王朝には、周辺諸国を征服して支配下に置いてきた歴史があり、帝国こそ中国の統治体制の基本形態です。多民族を併呑する帝国の形態にあっては、住民の虐殺、並びに、強制同化は主たる支配の手段の一つであり、現代の中国もまた、この伝統的な手法を踏襲しているとも言えます。今日の共産党一党独裁体制も、絶対権力・権威者である皇帝を頂点に戴き、官僚制を領域一帯に張り巡らした帝政と然したる違いはありません。そして、帝国ほど、他の諸民族の主体性を一方的に奪い、征服地にあって住民虐殺や強制同化を実行した国家形態もないのです。

 中国やモンゴルをはじめ、帝国の建設者はそれを偉業として誇り、そこには反省や倫理上の後ろめたさなどはありません。情け容赦なく何百何千万の無辜の人々の命を奪ったとしても、帝国の輝きを損なうとは考えていないのです。そして、この無反省で他民族を見下す高慢な姿勢も、今日の中国は受け継いでいると言えましょう。

 しかしながら、民族自決と主権平等を原則とする国民国家体系が成立している今日の国際社会からしますと、帝国には殆ど存在する空間が残されていません。人類のコンセンサスとして、異民族支配を不当とし、住民虐殺や強制同化を人倫に悖る非人道的な行為と見なしているからです。これらの行為が道徳的に許されない時代を迎えた今日、中国のウイグル人に対する過酷な弾圧と同化の強制は、時代錯誤も甚だしいのです。

 以上に中共政府の反倫理・反道徳性について述べてきましたが、それでは、今日、再教育を受けるべきは、一体、誰なのでしょうか。他者の主体性や自立性を尊重すること、自らの利益のために他者の権利や自由を奪ってはならないこと、他者に苦痛を与える残虐な行為をなしてはならないこと等々、これらは人類社会の倫理・道徳の基本でもあります。このように考えますと、道徳、そして、文明の証でもある法の支配の理解という面において再教育を必要としているのは、中国共産党政権自身ではないかと思うのです。

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香港市民は‘天安門の謀略’に警戒を

2019年07月03日 13時49分06秒 | アジア
中国と云う国は、その6000年とされる歴史において王朝交替を繰り返し、宮廷内でも激しい権力闘争を繰り返したこともあって、謀略に長けた国として知られています。今般、「逃亡犯条例」をめぐって香港では大規模な反中デモが発生しておりますが、北京政府が、全土における民主化運動へと発展する可能性を秘めた同運動を苦々しく思っていることは疑いようもありません。共産主義によって謀略性に磨きをかけた北京政府は、おそらく、香港市民の抗議運動に対しても何らかの謀略を仕掛けてくることでしょう。

 流血の大虐殺となった天安門事件では、学生の民主化運動に反対していた最高指導者であった鄧小平氏は、ある策略によって軍事介入を正当化したとされています。その策略とは、人民日報において同運動を‘動乱’と決めつけて煽り、学生たちの行動を過激化させたというものです。言い換えますと、民主化運動を過激化の方向に誘導することで、‘軍による鎮圧も已むなし’の状況を創り出したのです。おそらく、この策略を首尾よく成功させるために、民主化運動の組織の中にも協力者を確保していたことでしょう。かくして残虐性を極めた天安門事件は、中国の歴史に汚点を残したものの、中国の一党独裁体制は、中国人民の未来のために命を捧げた学生たちの屍の上に一時の安泰を得たのです。

 天安門事件は、中国共産党にとりましては‘成功体験’であり、国民の民主化を抑え込む一つのモデルとなったことは想像に難くありません。否、中国共産党は、体制移行を求める大規模な反政府運動が発生した場合、軍の投入しか鎮圧手段はないと見ているかもしれません。暴力を正当化し、暴力革命を実行した者は、暴力でしかその体制は維持できないと考えていることでしょう。となりますと、表向きは冷静を装いつつ、中国共産党は、今般の香港市民の反中運動に際しても、最初の一手を相手に打たせることで、人民解放軍の投入を目論んでいる公算は極めて高いと言わざるを得ないのです。

 折も折、中国共産党による武力弾圧が懸念される中、香港では、一部の民主派の学生が過激化して立法会を実力で占拠する事件が発生しています。これを機に、北京政府は香港デモを本土でも批判的に報じるようになると共に、民主派の分断を模索しているとも報じられております。同事件は、過激な破壊行動を目の当たりにした一般の香港市民が抗議活動から距離を置く機会となるに留まらず、北京政府に武力介入をする口実を与えかねません。すなわち、結果として、暴徒化した一部の学生は、事態を北京政府にとって望ましい方向に導いているのです。

 G20閉幕のタイミングで起きたことを考慮しましても、香港デモの過激化は、天安門事件と同様に、武力弾圧を目指す側の謀略である可能性は極めて高いのではないでしょうか。民主派の暴発を誘発して暴力で潰すという…。敵方に対する内部工作は『孫子』の兵法でも推奨される攻略手段なのですから、香港市民は謀略を警戒し、扇動や挑発には迂闊に乗らないよう十分に気を付けるべきではないかと思うのです。

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韓国の狡猾な‘メビウスの輪戦略’-‘元徴用工訴訟’の仲裁拒否

2019年06月20日 10時28分04秒 | アジア

 報道に依りますと、日韓請求権協定に基づいて日本国政府が提案した仲裁手続きを受託するに際し、条件を付したそうです。それでは、韓国が要求している受託条件とは、どのようなものなのでしょうか。付された条件とは、韓国側による従来の解決案であった日韓両国の政府、並びに、民間日本企業が共同で基金を設立し、同基金から韓国の最高裁で賠償が確定した原告に対して救済金を支払うというものです。この条件付け、どこか奇妙な感がぬぐえません。そして、韓国側の態度に対する違和感がどこから来るのかと申しますと、どうやら韓国は、狡猾な‘メビウスの輪戦略’を実行しているようなのです。

 

‘メビウスの輪戦略’とは、一直線上にあるべき物事の始めと終わりを捩じ曲げてくっつけてしまうことで、輪の上を歩く人々を目的とは反対の方向に導いてしまう詐術的な戦略です。しばしばこの戦略は、国民に不人気な政策や反対を受けそうな事案を政府が実施したい場合、国民の反発を回避するために政治的に用いられてきました。‘メビウスの輪戦略’とは、言葉は悪いのですが、人々の期待を裏切る背信的な‘騙しの手口’なのです。

 

同戦略を今般の元徴用工問題に当て嵌めますと、韓国側の狡猾さがよく理解できます。日本国政府の目的は、国際司法の場で韓国側の言い分の不当性を明らかにし、韓国の最高裁判所が下した日本企業に対する賠償命令を取り消させるところにあります。日本国側が描く解決への道とは、凡そ韓国最高裁判所による賠償命令⇒仲裁手続き⇒日本国側の勝訴⇒韓国側の賠償命令の取り消しです。この解決への流れは時系列上の一直線上にありますので、スタートに戻ることはありません。

 

一方の韓国側の目的は、自国の最高裁判所が下した判決を維持し、原告側に賠償金が支払われることです。ところが、歴代韓国政府も認めていたように、日韓請求権協定、並びに、関連資料を詳細に調べて検討すれば、‘元徴用工’に対する賠償責任が韓国政府にあることはほぼ確定的です。つまり、日本国政府からの仲裁提案を受託すれば、韓国側が敗訴するのです。そこで、韓国側は、ここで前代未聞の奇策を弄することとなります。それは、日本国側が仲裁において勝訴したとしても、日本国を韓国側原告の救済に追い込む策です。

 

‘メビウスの輪戦略’とは、上述したように、一直線上にある始まりと終わりを捻じ曲げて最初の出発点に戻してしまう戦略です。仲裁の受託に際して賠償命令の維持を条件として付す行為こそ、この始まりと終わりを繋げて‘メビウスの輪’を造る行為に他なりません。日本国政府は、たとえ仲裁委員会において自国の主張が認められたとしても、結果を見れば、あろうことか、日本側から救済金を取るという韓国の目的が達成されてしまうこととなるのです。つまり、‘メビウスの輪戦略’によって、韓国最高裁判所による賠償命令⇒条件付き仲裁手続き⇒日本国側の勝訴⇒韓国最高裁判所の賠償命令の維持となり、何時の間にかスタートに戻ってしまうのです。

 

日本国政府は、単独で仲裁手続きを進めると共に、同手段が行き詰ればICJ(国際司法裁判所)への提訴も検討しているそうです。解決機関としてICJを選択しても韓国側が同意する可能性は薄いでしょうから、単独提訴が可能な常設仲裁裁判所での解決を探るのも一案かもしれません。何れにしましても、日本国政府は、巧妙な罠にかかわることなく、筋の通った解決を目指すべきではないでしょうか。

 

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天安門事件-中国共産党こそ外来の征服者では?

2019年06月04日 17時35分39秒 | アジア
天安門事件30年、北京厳戒 中国、抗議抑え込み
本日、全世界を震撼させた天安門事件が発生してから30年目の日を迎えました。中国の首都北京では厳戒態勢が敷かれており、全国に張り巡らされた国民監視システムによって、中国国民は厳重な監視下に置かれていることでしょう。天安門広場で再び民主化や自由化を叫ぶ者が現れないように…。

 天安門事件とは、共産党の人民解放軍が公然と国民に対して銃口を向けた点において、中国史の汚点となるべき事件です。しかも、無防備な学生たちに対して戦車まで出動し、情け容赦なく踏み潰したのですから、その残酷性は際立っております。国家や国民を護るべきはずの軍隊が外敵ではなく内側に攻撃の矛先を向いた時、それは、同政権、あるいは、体制が正当性を失うことを意味します。そして、フランス革命期にあって、最初にフランス国民に対して銃口を向けたのがナポレオン・ボナパルトであったことを思い起こしますと、中国における共産党の存在に対して疑問が湧いてきます。

 自国民の虐殺は、革命の嵐の中で断頭台の露として消えたルイ16世でさえ決してし得なかった蛮行です。それにも拘らず、ナポレオンがフランス国民を冷酷にも虐殺できた理由の一つとして挙げあれるのは、同氏がコルシカ出身のイタリア系フランス人であったことです。フランス国民としての同朋意識が薄くかったことは、ナポレオンが、戴冠式においてフランス王国の王冠ではなくローマ皇帝の冠を自らの手で頭上に被せたことからも窺えます。ナポレオンにとってのフランス帝国とは、古代ローマ帝国の復興であって決してフランス王位の継承ではなかったのです。

かくしてナポレオンは、征服者としてフランス国民の上に君臨する格好となったのですが、中国共産党もまた、見方によれば、中国大陸の征服者であるのかもしれません。そもそも、共産主義自体がマルクスを祖としている外来の思想ですし、共産党の設立から建国にかけても、コミンテルンやソ連邦の指導を受けています。設立当初の中国共産党の幹部は、ソ連邦が自国内で組織して養成し、中国に送り込んだとする説さえあるのです(‘中国人’であったのかさえも疑わしい…)。いわば、海外の共産主義勢力が送り込んだ‘中国乗っ取り組織’であったとっても過言ではありません。

このように考えますと、中国共産党の自国民に対する冷酷さは、その‘外来性’に由来しているのかもしれません。中国には、古来、天から命を受けた徳の高い人物は、悪政の限りを尽くしている王朝を倒しても良いとする天命思想とも称される革命思想があります。天安門事件に際しての自由化、並びに、民主化の要求は、学生のみならず、人民解放軍を含む国民各層への広がりを見せていたそうです。天命思想によって共産党一党独裁体制が倒されるとする危機感から、中国共産党は、暴力に訴えてでも同体制を維持しようとしたのでしょう。習近平国家主席は、米中貿易戦争を意識してか、しきりに愛国心を国民に対して訴えていますが、中国共産党こそ、外部から来りて中国国民を支配する征服者なのではないかと思うのです。

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韓国‘戦犯企業’ステッカー問題-‘徴用工問題’は戦争犯罪ではない

2019年03月21日 13時48分04秒 | アジア
「日本戦犯企業が生産」学校所持品に明示 韓国で条例案
韓国では、またも一般の日本国民の想像を絶する事件が発生しております。今般の事件とは、京畿道議会において学校で使用している日本企業が製造した2万円以上の備品に対して‘戦犯企業’のステッカーを貼るよう義務付ける条例案が提出された、と言うものです。

 ‘戦犯企業’レッテル問題は昨年末の‘徴用工判決’と関連しており、第二次世界大戦当時、朝鮮籍の人々を徴用工として雇用した日本企業の製品を対象としているそうです。韓国の抗日抵抗期強制動員被害調査委員会によって既に「日帝強占期徴用企業」なるリストが作成されており、仮に同条例案が可決されれば、京畿道の全学校では直ぐにでもステッカー貼りの作業が始まることでしょう。先生達が何かに憑りつかれたかのように血眼になりながら学校中の備品をチェックし、‘戦犯企業’の製品を見つけ出してはステッカーを張っている姿は恐怖映画のシーンにも近い光景となるのですが、そもそも、戦犯という用語の使い方からして間違っているのではないかと思うのです。

 ‘戦争犯罪’とは、狭義の法律用語としては戦時中において行われた戦争法に反する行為を意味しています。仮に、韓国側が戦争犯罪という言葉を自らの国を被害国と想定して使用しているとしますと、日韓間に横たわる‘徴用工問題’は、教義の意味での戦争犯罪には当たりません。その最大の理由は、第二次世界大戦当時、日本国と韓国は戦闘状態にはなかったからです。戦争をしていないのですから、当然に、‘戦犯’も存在するはずもないのです。また、戦闘行為に従事していない民間企業が‘戦争犯罪’を問われることもありません。

 それとも、韓国側は、同用語を国際軍事法廷における有罪判決を根拠として‘戦犯’という言葉を使用しているのでしょうか。第二次世界大戦にあって敗戦国となった枢軸国の諸国の戦争責任者は、戦後、連合国側が設置した軍事法廷において裁かれ、有罪判決を受けて処罰されましたが、韓国の謂う‘戦犯’とは、こうした軍事法廷における‘有罪’を根拠としているとも考えられます。しかしながら、軍事法廷を根拠とするならば、ドイツもまたニュルンベルク裁判においてナチスの幹部が多数有罪判決を受けております。この基準に従えば、ドイツの企業もまた‘戦犯企業’とされなければならず、ドイツ製品にも戦犯企業のステッカーを張る必要があります。第二次世界大戦にあっては、ドイツの大企業の殆ど全てが国策企業としてナチス政権に協力しております。今日の企業でも、IGファルベン等の国策企業の流れをくむドイツ企業も多いのです。

 あるいは、韓国は、当時の徴用を韓国人に対する強制労働と見立て、「強制労働二関スル条約(1930年採択)」における違反行為として‘戦犯’という表現を用いているのかもしれません。しかしながら、この用法におきましても、徴用工に対しては国家総動員法に基づいて賃金が支払われていましたし、民間企業による募集による雇用の場合にも、契約関係に基づいて当給与は支払われていましたので、強制労働には当たりません。給与未払いがあったとしても、この問題は、日韓請求権協定で解決済みであり(もっとも、韓国大法院は未解決とする判断を示していますが…)、当時、朝鮮籍の労働者を雇用していた日本企業が‘戦犯’として批判される筋合いはないのです。日本国政府も日本企業も、朝鮮籍の人々に強制労働など課していないのですから。

そして、この立場に立てば、実のところ、韓国は、従来の自らの主張を否定するに等しくなります。韓国の人々は、これまで、カイロ宣言に記された‘朝鮮の人民の奴隷状態…’という政治的に誇張された表現を後追いするかのように、朝鮮半島の日本統治を日本国による過酷な植民地支配とみなし、自国民が奴隷状態に置かれた時代として位置付けています。仮に奴隷化が事実であれば、徴用工に限らず全ての存命の韓国人が対日訴訟を起こすはずです。‘徴用工訴訟’の原告が徴用工、あるいは、日本企業に雇用されていた朝鮮籍の労働者に限られていることこそ、日本国が朝鮮半島の人々を奴隷化していなかった証拠ともなるのです。

以上に、韓国による‘戦犯’の使用法につきましてその誤用を述べてきましたが、ソウル市議会ではさらにエスカレートして、‘戦犯企業製品’の不買条例案が発議されているそうです。こうした過激な動きに対しては、韓国国内からもWTO違反となるリスクなどが指摘され、反対の声もないわけではないものの、採択される可能性は相当に高いとも報じられています。一方的にリストにアップされた日本企業は冤罪の被害者となるのですから、これらの条例が成立した場合、日本国政府は、当時の朝鮮籍の人々の労働実態を明らかにするためにも、法廷での解決を目指すべきなのではないでしょうか。

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中国主席任期制限撤廃は不吉な予兆

2018年02月26日 15時58分06秒 | アジア
中国「終身制時代」へ性急な改革 共産党内の一部には重苦しい雰囲気
反腐敗運動を粛清の口実に利用しつつ、昨年10月に開催された共産党全国人民代表会議において独裁的地位を固めた習近平国家主席。その野望は遂に習体制の永続化に及び、国家主席の任期を連続2期までとする憲法上の制約を撤廃する方針なそうです。

 同憲法改正案が成立すれば、3期どころか“終身国家主席”の可能性も視野に入ってくるのですが、この改革、どこか不吉な予感を漂わせています。何故ならば、歴史を振り返りますと、独裁体制の成立とは、第二次世界大戦に先立つドイツのヒトラー政権の誕生は言うまでもなく、戦争との結びつきが強いからです。ロシア革命以降、ソ連邦が狂暴化した背景には、一党独裁を個人独裁に転換したスターリンによる独裁体制の成立がありましたし、ソ連邦の復活を夢想し、軍事行動を厭わないプーチン大統領も、ロシア共和国憲法における任期規制の迂回ルートをあざとく見付け、大統領の座に返り咲いています。

 こうした事例は枚挙に遑がないのですが、独裁体制と戦争との関連性は、その組織形態から説明することができます。何故ならば、開戦の決定権は言うに及ばす、軍隊ほど、集権的な指揮命令系統を必要とされる組織はないからです。目まぐるしく戦況が変化する戦場にあっては、リーダーその即決・即断、並びに、その命令を受けた軍隊の組織的、かつ、迅速な行動が勝利の行方を決してきました。平時においては、国民各層の利害を慮りながら合意を形成する調整型のリーダー等も必要とされますが、有事には、統率型のリーダーが適しているのです。しかも、有事にあっては、平時ほどにはリーダーの暴走をストップさせるブレーキ機能を要しません。戦場とは、兵士や兵器の対決によって勝敗が即決される場ですので、ブレーキをかける暇もなければ、その必要性も低いのです。

 独裁のメリットとしても指摘されている上意下達の迅速性と効率性は、何れの国でも軍隊組織においてこそ発揮され、有事には有効に機能しますが、平時にこの体制を維持しますと、国民、並びに、周辺諸国が巻き添えとなります。同体制を維持したい独裁者は、国民に忠誠を求め、かつ、国民を厳格な統制化に置くために戦争を渇望すると共に、戦争が相手国を要する以上、周辺諸国は同国から侵略を受けるリスクが格段に高まるからです。

この側面に注目すれば、今般、中国が、人民解放軍の掌握を伴う長期独裁体制の方向に向かって歩を進めているとしますと、これは、国家の全面的な軍隊組織化、即ち、軍事独裁体制が成立する予兆なのかもしれません。国連の常任理事国であり、核保有国でもある中国において軍事独裁体制が敷かれるとしますと、その脅威は北朝鮮の比ではありません。同憲法改正案が成立する日、それは、国際社会が一段と対中警戒レベルを上げざるを得なくなる暗黒の日となるのではないでしょうか。

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習近平国家主席に乗っ取られる中国-親衛隊化する人民解放軍

2017年09月02日 13時57分26秒 | アジア
【中国権力闘争】「私兵集団」形成に邁進する習近平氏 中枢粛清で軍掌握、腹心を抜擢
 今秋の10月18日に開催が予定されている中国共産党全国大会を前にして、習近平国家主席の人民解放軍掌握の動きが活発化してきております。本日も、胡錦濤前国家主席や江沢民元国家主席の系譜に連なる将官を規律違反の廉で更迭し、軍幹部を自らの子飼いのシンパで固める人事を行ったと報じられています。人事の刷新と云うよりも、これは、まさに粛清です。

 習主席が個人独裁体制の樹立を目指していることは、誰の目にも明らかです。実のところ、個人独裁を確立する手法は、昔も今も然して変わりはありません。20世紀初頭の知の巨人であったマックス・ヴェーバーは、‘カリスマ的軍事君主’が登場する手段として、“自己専属の有給親衛隊を従えること”を挙げており、親衛隊という暴力手段を手にすることが、独裁的な支配体制確立の第一歩としています。歴史を振り返りましても、紀元前6世紀に古代アテネに登場した僭主ペイシストラトスは、“棍棒隊”と呼ばれた親衛隊を結成して権力を握り、13世紀に世界帝国を建設したチンギス・カーンも、征服事業と並行して早々に己一人を守るための近衛部隊を結成しています。20世紀の親衛隊といえば、ナチスのSSがよく知られていますが、共産党の“赤軍”も基本的には党を守る親衛隊です。

 そして、親衛隊による正規の軍隊の乗っ取りこそ政権の近道であることは、ロシア革命時におけるロシア帝国軍の兵士達の革命参加が示しております。共産党は、軍隊内に秘かに共産党の組織網を広げ、革命に際して内部から反旗を翻させることで、武力でロマノフ朝を倒しました。労働者の団結による革命とは幻想であり、軍内部の離反がなければロシア革命はあり得なかったことでしょう。以後、党に忠誠を誓う“赤軍”は共産党一党独裁体制を堅持するための文字通りの“暴力装置”となり、内外に向けて牙を研ぐことになるのです。

 中国の人民解放軍も、中国共産党の“私兵”として1927年8月1日に設立されています。国共内戦の勝利を以って1949年10月10日に中華人民共和国が成立された後も、国軍化が図られたとはいえ、公式には共産党の指導下にあります。ところが、今日、習近平国家主席は、軍に対し、共産党ではなく習氏自身への忠誠を求めており、人民解放軍全体が、習近平独裁体制を暴力で支える親衛隊と化しつつあるのです。この現象は、ソ連邦の事例よりも、古典的な“僭主”の形態に近いと言えます。権力の基盤を親衛隊に置く体制が、古来、“僭主による支配”という国民が忌み嫌った体制であることを想起しますと、中国国民の将来には悲観せざるを得ません。民主主義諸国では、政府の存立基盤は国民の支持にありますが、中国の為政者は、前近代と同様に、軍事力の掌握に血眼になっているからです。習近平独裁体制が盤石となれば、内にあっては暴力で国民の不満や抵抗を押さえ付け、外に対しては軍事力で華夷秩序の復活を試みることでしょう。

 中国共産党は、国民が心から願ったからではなく内戦において武力勝利したが故に中国の統治権を掌握したのであり、中華人民共和国が建国された日は、共産党という外来のマルクス思想を奉じる政治団体に中国が乗っ取られた日とも言えます。そして今日、中国は、習近平主席という一私人によって、再度、乗っ取られようとしているように見えるのです。

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”共産党は腐敗して無能”-正直なAIが中国に革命をもたらす?

2017年08月04日 15時10分28秒 | アジア
AIが「共産党は無能」と批判=中国ネット大手、サービスを停止―香港紙
 中国では、インターネットサービス大手・テンセント(騰訊)がAIとの対話プログラムのサービスを提供していたそうです。このサービス、思いもかけぬ事態から停止に追い込まれたというのです。

 対話プログラムが中止された原因は、AIの正直さ、否、分析の正確さにあります。同社のAI、”QQ”は、”中国共産党は腐敗していて無能”とチャットしたのですから。AIと言えば、ディープラーニングの進歩により、集積されたデータから自己判断が可能なほどまでの発展を見せおり、”QQ”は、いわば、テンセントのAI技術の高さをネット上で広く宣伝するための役割を担っていたはずです。そして、同社が誇る先端技術の粋を集め、かつ、人間の脳のメモリーを遥かに越える大量のデータに基づいての判断だけに、”QQ”の発言は、ある意味において、人間の判断以上に客観的で科学的、かつ、正確である可能性が高いのです。

 もっとも、“QQ”のチャットは入力されたデータの質や量に依存していますので、必ずしも客観的とは言えないとする反論もありましょう。しかしながら、テンセントは、香港証券市場において上場されているとはいえ、その本社は中国の広東省深圳市に置かれており、中国当局による厳しい情報統制の下にあります。同社が共産党にとりまして不都合なデータを集中的、かつ、選択的に“QQ”に投入したとは考えられません。また、中国におけるAI技術の急速な進歩は、13億の国民を基盤とする大量のビッグテータの処理能力に依るところが大きく、“QQ”の判断が、同社が収集した中国国民のデータに基づく“世論”の解析結果であるとしますと、“共産党は腐敗して無能”は、“QQの声”ならぬ“人民の声”ともなりましょう。あるいは、“腐敗”や“無能”という概念を学んだ“QQ”は、これらの構成要素と中国共産党の行動を照らし合わせて、同一性を認識したのかもしれません。

 何れにしましても、“QQ”のチャットはそれが的を射ているだけに、中国国民は“我が意を得たり”の心境となったのではないでしょうか。そしてそれが、国民の中国共産党に対する“腐敗と無能”の評価を疑いから確信へと転じさせたとしますと、近い将来、民主・自由化への‘革命の指導者’がAIであった’という人類史上初めての事例が出現するかもしれません。

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「08憲章」は劉暁波氏の中国国民への遺言か-生き続ける理念

2017年07月14日 17時09分00秒 | アジア
【劉暁波氏死去】世界が追悼、中国対応への批判も 「中国と世界の人権運動、英雄を失った」
 天安門事件後の当局による厳しい弾圧化にあって、なおも中国国内に留まり、祖国の民主化に努めた劉暁波氏。危篤状態が報じられる中、回復の願いもむなしく、7月13日に身罷られました。民主化・自由化のために闘いつづけた劉暁波の御霊に、心より哀悼の意を捧げたいと思います。

 天安門事件から28年の歳月が流れた今日、中国国内では、劉暁波氏の名前さえ知らない若者も多いと聞きます。劉氏の名を知る者でも口をつぐむみ、尋ねられても多くを語らないのです。この現象は、中国当局による弾圧の徹底ぶりを示しており、劉氏の病状や死についても国内では一切報じられることはなく、海外放送もブラックアウトされたそうです。中国としては、劉氏の生きた痕跡さえ完全にこの世から消し去りたいのでしょう。

 古今東西を問わず、革命や政権打倒を訴えたリーダー達は、その中心人物の死を以って潰されてしまう場合が少なくありません。劉氏の死について暗殺説が信憑性を持つのも、ノーベル平和賞を受賞した劉氏が民主化運動の象徴的な存在であったからに他なりません。それでは、中国の民主主義と自由は、劉氏と共に当局によって棺に納められ、墓場に葬られてしまったのでしょうか。二度と蘇らないように封印されて。

 劉氏が、純粋な活動家型リーダーであったならば、牽引者が失われるのですから、その死は、民主化運動に決定的な打撃を与えたことでしょう。しかしながら、劉氏は、理論家でもあり、文筆家でもありました。そして、その成果は、中国の体制移行の道標ともなる「08憲章(零八憲章)」として結実しているのです。インターネットが発展した今日、同憲章は世界各国において翻訳され、誰もが読むことができます。厳格な情報統制下にあるとはいえ、中国国民も、海外経由であれ、何れかの方法で接することはできるはずです。

 「08憲章」こそ、劉暁波氏の中国国民への遺言であり、死してなおもその理念は中国国民に語りかけ、生き続けてゆくのではないかと思うのです。中国に民主主義と自由が訪れるその日まで。

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中国の対北制裁デットラインこそ警戒すべきでは

2017年04月28日 09時50分13秒 | アジア
核実験なら独自制裁=中国が北朝鮮に警告
 北朝鮮が狂気に駆られた暴力主義国家であるとしますと、その後ろ盾である中国は、したたかな無法国家と表現すべきなのかもしれません。緊迫する朝鮮半島情勢を前に、その中国は、制裁に関するデッドラインを北朝鮮に伝達したそうです。

 中国が示したデッドラインとは、”北朝鮮が、再度、核実験を実施したならば独自制裁を科す”というものです。この意味するところを読み解きますと、中国は、自国、並びに、北朝鮮のために姑息な逃げ道を造っているとしか考えられないのです。

 第1に、中国は、対北制裁の条件として核実験の実施を一方的に設けております。北朝鮮に対して独自制裁を宣言しているのですから、この条件付けは、中国が北朝鮮に対して厳しい態度で臨むと共に、アメリカの要請にも応えているように聞こえます。しかしながら、中国側のデッドラインは核実験の再開ですので、北朝鮮が何もしない限り、中国も何もしないことを意味します。つまり、このデッドラインは、中国による対北支援に逃げ道を与え、アメリカから要求されている制裁強化を体よく回避しているのです。中国が、注目されている石油輸出の完全停止に踏み切るとも思えません。

 第2に、年当初の核実験は水爆実験とされていますが、今後に計画されいる核実験とは、核兵器の破壊力の増大を目的としたものと推測されます。現状として北朝鮮が、水爆より威力は劣るものの、各方面から指摘されているように数十発程度の通常の核兵器を既に保有しているならば、結局、北朝鮮の核保有は既成事実化されます。中国のデッドラインは、北朝鮮による核保有の容認を意味しかねないのです。

 第3に、中国からの”警告”は、北朝鮮にとっては”渡りに船”であり、核実験を停止している間は、準備期間となり得ます。ロシアやその他友好諸国との関係を強化し、国際的制裁網からの抜け道を確保すると共に、生物化学兵器、大型潜水艦、長距離弾道ミサイル技術など、核以外の分野における軍事力増強に専念する時間的猶予が生まれます。中国のデッドラインは、北朝鮮の軍事的脅威を逆に高める結果も予測されるのです(*29日に北朝鮮は、中距離ミサイルの発射に失敗しましたが、核実験再開でなければ制裁を免れると判断したのでは…)。

 第4に、中国のデッドラインは、アメリカの先制空爆を牽制する意図も隠されているかもしれません。国際社会に対して、中国が対北制裁に積極的な姿勢で臨み、かつ、北朝鮮が核実験を実施していないにも拘わらず、単独で対北空爆に踏み切ったとして、アメリカを非難するための布石を置いているとも考えられるのです。もっとも、中国の批判に同調するよりも、北朝鮮が独裁体制の下で核を保有しているという現実を直視すれば、アメリカの空爆を支持する諸国の方が数において優るものと予測されます。

 第5として、北朝鮮は、核実験を経ずして、他国を核ミサイルで攻撃する可能性も否定はできません。つまり、制裁を受ける前に、北朝鮮は、甚大な被害を他国へ与えるかもしれないのです。実際に北朝鮮は、中距離ミサイルによる核攻撃を示唆することで、日本国を含む周辺諸国を威嚇しています。”遅きに失する”ということにもなりかねないのです。

 以上から、米軍による空爆を含めた北朝鮮問題のデッドラインを核実験の再開に定めたい中国の思惑が浮き上がってきます。果たして、国際社会は、中国が暗に設定したデッドラインにに追随するのでしょうか。中国の思惑通りにデッドラインが定まれば、朝鮮半島情勢は膠着状態に陥り、米軍は、朝鮮半島に釘付けとなりましょう。時間の経過が北朝鮮優位に情勢を傾かせるとしますと、アメリカのトランプ政権が、中国の対応に満足するとは思えないのです。

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北朝鮮の男性は卑怯ー外国人女性実行犯の起訴

2017年03月01日 14時21分46秒 | アジア
ジョンナム氏殺害 3グループに分かれて犯行か
 マレーシア当局の捜査によると、金正男氏暗殺事件は、北朝鮮の秘密警察である国家保衛省等も関わる周到に計画された犯行である疑いが濃いそうです。正男氏に対して直接手を下した実行犯の外国人女性二人については、殺人の意思ありと判断され、殺人罪で起訴されるとも報じられています。

 マレーシア刑法では殺人罪は死刑ですので、実行犯であるベトナム人女性とインドネシア人女性は、裁判所で死刑判決が言い渡される可能性が高いそうです。この事件で垣間見えるのは、北朝鮮男性の冷酷さと卑怯さです。マレーシア刑法では、共犯や教唆犯の規定がどのように定められているかは分かりませんが、少なくとも、暗殺事件を立案し、組織的に実行に移したのは北朝鮮です。暗殺計画を練るに際して、敢えて外国人女性を実行犯に選んだのは、正男氏に警戒されない点に加えて、自らの身の安全を守りつつ、いざとなれば”使い捨てる”ことができると考えたからなのでしょう。空港内には多数の監視カメラが設置されていることは分かっていたはずですから、女性二人の逮捕はシナリオ通りであったかもしれません。北朝鮮人ではない彼女達には、命を賭してまで暗殺を実行する理由はありませんので、北朝鮮の犯行組織によって言葉巧みに犯行に引き込まれたと推測できるのです。同事件の実行グループの北朝鮮男性の何人かはマレーシア当局に拘束されているそうですが、実行犯ではないので、たとえ起訴されても死刑判決は逃れることができるかもしれません。そして、本暗殺事件の首謀者であり、命令を下した”教唆犯”と見られる金正恩氏は、マレーシア捜査当局の手の届かない安全な場所に隠れているのでしょう。

 日本国をはじめ、騎士道や武士道精神の息づく国では、一般的には、女性や子供を盾にする行為は卑怯とされており、男性は、女性や子供を守るべきとする道徳観があります。しかしながら、北朝鮮の男性は逆であり、女性や子供を犠牲に供して自らは生き残ろうとしているのです。この事件は、暗殺という残酷さのみならず、北朝鮮という国の悪しき体質をも露わにしたのではないかと思うのです。

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大混乱が予測される”朴政権後”の韓国

2016年11月06日 13時16分11秒 | アジア
【激震・朴政権】ソウルで「20万人」抗議集会、朴槿恵氏への辞任圧力強まる 検察は聴取時期を検討
 報道に拠りますと、韓国では、朴大統領の辞任を求める大規模なデモが発生すると共に、検察も同大統領の聴取を開始する意向のようです。支持率も5%という史上最悪の状態にあるそうですが、この事態、辞任であれ、任期満了であれ、朴政権後の大混乱を予測させます。

 韓国において混乱が予測される理由は、朴大統領に対する反対派が一枚岩ではないからです。5%まで支持率が落ちたとする世論調査の結果は、残りの凡そ95%の国民が不支持を表明していることを意味します。国民全員と言ってよいほどの圧倒的多数が不支持ですので、表面上は、国民が一致団結して朴政権に反対している構図となります。しかしながら、一皮むけば、95%の不支持の裏側にポスト朴政権を睨んだ熾烈な勢力間闘争が見えてきます。一方の勢力は、THAADの配備を阻止したい中国・北朝鮮をバックとした一派であり、もう一方の勢力は、朴政権の中国傾斜が韓国経済を潰したと見なす親米派の一派です。前者は、慰安婦問題における日韓合意に反対し、親日政策に転換した朴大統領を厳しく糾弾する一方で、後者は、日韓合意を順守できない政権に不満であり、朴大統領の過去の過激な反日政策こそ、韓国経済の苦境の原因であると見なしています。日本国内でも、朴大統領が職を去れば日韓関係は改善されると見る楽観的な予測もありますが、事態は、逆となる可能性もあり得るのです。

 この状態で朴大統領が退陣するとしますと、米中対立を背景とした両勢力の凄まじい主導権争いによって、次期大統領選は大荒れになることでしょう。そして、その行方は、アメリカ大統領選挙の結果によっても左右されるように思えるのです。

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慰安婦合意の履行ー”蝙蝠外交”破綻の責任は韓国にあり

2016年08月13日 14時16分30秒 | アジア
日韓、10億円使途で合意=医療・介護目的
 報道によりますと、昨年末に日韓で合意された所謂”慰安婦合意”に基づいて、ソウルの少女像の撤去を待つことなく、日本側が、先に10億円を支援財団に拠出するそうです。かくも日本側が譲歩した背景には、昨今の中韓関係の悪化も影響しているようです。

 しかしながら、日本側の合意履行は、一般の日本国民からしますと素直に支持できないのではないでしょうか。何故ならば、そもそも中韓関係悪化の原因を作ったのは、韓国自身であるからです。もとをただしますと、所謂「対日慰安婦糾弾」は、朴政権が、中国の習政権との協力の下で進めてきた虚偽にもとづく対日工作といった側面があり、中韓両国の共同プロジェクトの観がありました。ところが、北朝鮮の核・ミサイル実験を機に、中国が極度に嫌がっていたアメリカのTHAADの韓国への配備が決定されたところから、中韓関係は一気に悪化します。THAAD配備に激怒した中国は、対韓報復にまで及んでおり、良好であった経済関係までも落ち込んでいると伝わります。つまり、韓国が、現在、窮地に陥っているのは、”身から出た錆”なのです。こうした場合、中国にすり寄り、日本国に対して邪険、かつ、敵対的に対応してきた韓国側が、日本国に対して譲歩するのが筋というものです。

 ソウルの少女像の撤去どころか、未だに世界展開している慰安婦像設置運動は止まず、アメリカでも教科書の記述が訂正されていない現状にあって、日本側が韓国に対して先に譲歩する必要があるのでしょうか。基本的に、今般の対慰安婦支援拠出は、戦時中の犯罪被害者に対する人道的な救済措置なのでしょうが(直接的な加害者は慰安所の民間事業者…)、”蝙蝠外国”の”つけ”を日本国側が払わされる現状は、あまりに理不尽ではないかと思うのです。

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無法国家中国が靖国参拝を批判する矛盾

2016年08月11日 14時50分41秒 | アジア
今村雅弘復興相が靖国神社を参拝 「戦没者の冥福をお祈りし、国の安寧と繁栄を祈念した」
 先月12日の南シナ海仲裁判決に対する拒絶は、中国が無法国家であることを全世界に向けて自ら宣言したようなものです。そして、国際法を葬り去ろうとする中国の態度は、日本国に対して”侵略国家”と批判する資格をも失うことに他なりません。

 何故ならば、侵略とは、その定義の難しさは別に議論するとしても、国際法なくして成り立たないからです。地球上に国境線が引かれ、領域が法的に保障されるようになるのは、近代以降の国際法の発展を待たなければなりませんでした。近代以前の時代には、中国大陸でも多様な民族が相互に覇を争い、王朝の交代ごとにその版図も著しく変化していました。女真族が建国した清国に至るまで、中国大陸の歴代王朝には、異民族の征服による王朝も多数を数えたのです。当事は、国際法など存在しなかったのですから、力が全てであった、と言えるでしょう。

 ようやく近代国際法が中国に及ぶに至ると、辛亥革命以降は、一先ずは、中国も国際法秩序に参加した素振りを見せます。しかしながら、中国にとって、国際法は自国に都合の良い部分のみに利用価値があり、実際には、形ばかりのポーズに過ぎなかったようです。国際法や国際社会の民族自決の原則からしますと、チベットやウイグルはもとより、満州やモンゴルなどの領域に関しては、戦後は逆に、漢民族が異民族を不当に支配しています。そして今日、中国は、国際法順守のポーズさえも投げ捨てて、公然と国際法を無視するようになりました。中国の行動様式は、前近代の野蛮のままなのです。となりますと、自分自身が国際法を無視している、すなわち、侵略行為を肯定しているのに、中国は、一体、何を根拠として日本国を”侵略国家”として批判できるのでしょうか。

 戦前は、今日ほどには国際法は整備されておらず、漢民族の国家である中華民国が女真族の故地である満州を支配した歴史も実績もなく、戦前の中国大陸は分裂状態にありました。それでもなお、日本国は、サンフランシスコ講和条約第11条において東京裁判を受託し、戦後は、国際法秩序のさらなる発展に貢献しております。中国が仲裁判決を無視したところで、国際社会の側は中国の行為を国際法上の違法行為、即ち、”犯罪”と認定しているのですから、中国は、先ずは目下の自らの侵略行為を止めるべきと思うのです。

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イギリスのEU脱退-財政統合加速論への疑問

2016年06月26日 21時16分00秒 | アジア
離脱の意味理解せず投票?勝利後に英で検索1位
イギリスのEU脱退を受けて、今後のEUの将来像に関する議論も活発化して生きております。”ドミノ現象”の発生を懸念してか、今後、EUの結束を強めるために、財政統合を加速化されるのではないかとする意見もあります。

 しかしながら、ヨーロッパの歴史を振り返りますと、この説には疑問を感じずにはいられません。何故ならば、過去の歴史において、類似する事件が発生しているからです。時は西暦407年、ローマ帝国は、紀元前1世紀のカエサルの上陸以来、自らの版図としてきたブリタニアの支配を諦め、ローマ軍の撤退が開始されます。その背景には、大ブリテン島にアイルランド人やサクソン人が侵入し始めたことに加えて、財政問題があったとされています。当時のローマ帝国は、東方の国境を防備するために帝国の予算を費やしており、このため、ブリテン島への税負担(穀物の徴収)も増していたとする説があるのです。この結果、ブリテン島では、ローマ帝国による厳しい苛斂誅求に耐えかねたブリトン人の反乱が絶えず、もはやローマ帝国は、ブリテン島を維持できなかったというのです。今日のイギリスの対EUの税負担については、残留派は不正確であるとして否定しつつも、イギリスのEUへの財政上の出超は、国民投票における離脱派の根拠の一つとなりました。

 何時の世でも、他国への財政移転が負担側の人々の不満を高めるとしますと(アメリカでも、トランプ氏が在外米軍の駐留費を問題に…)、今後、EUにおいて強引に財政統合を進めた場合、逆に、EUを分離の方向に加速させる可能性も否定はできません。果たして、歴史は、姿を変えて繰り返すことになるのでしょうか。

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