万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

米朝首脳会談の評価-‘会うことに意義がある説’への疑問

2018-06-20 15:15:42 | 国際政治
朝鮮戦争時の米兵遺骨返還 数日内に開始か
今月12日は、朝鮮戦争で干戈を交えた米朝の首脳が歴史上初めて直接に顔を合わせたと云う意味において特別な日となりました。しかしながら、その評価は、公表された共同声明文の曖昧さ、北朝鮮の煮え切らない態度、そして、中国の思惑なども絡み、未だに定まってはいません。

 こうした中、同首脳会談については、その結果はともかくとして、両者が直接に対話したことを以って無条件に評価すべきとする主張も聞こえています。いわば、‘会うことに意義がある説’なのですが、この説は、いささか楽観的に過ぎるようにも思えます。何故ならば、歴史は、必ずしも直接会談が望ましい結果、即ち、平和をもたらすとは限らないことを人類に対する教訓として残しているからです。

 その最たる事例は、1938年9月のミュンヘンの宥和です。ミュンヘン会談とは、ナチスドイツがチェコスロバキアのズデーデン地方を武力併合する動きに出た際に、同問題の平和的解決を目指して開かれたドイツ、イギリス、フランス、並びに、イタリアの四か国による首脳会談です。この会談には、ドイツのアドルフ・ヒトラー総統をはじめ、イギリスのネヴィル・チェンバレン首相、フランスのエドゥアール・ダラディエ首相、そして、イタリアのベニート・ムッソリーニ首相が参加しました。ズデーデン危機が戦争へと発展するのを回避すべく、同会談では、二日に亘って首相達が角を突き合わすトップ会談が行われたのです。その結果は、と申しますと、他の三か国によるドイツの要求の丸のみでした。この凡そ1年後にヒトラーはポーランド侵攻を敢行したわけですので、ミュンヘン首脳会談は、長期的スパン、すなわち、歴史的に見れば失敗であったと評されているのです。

 それでは、何故、首脳会談を開催したにもかからず、問題解決には至らなかったのでしょうか。‘会うことに意義がある説’に従えば、ミュンヘン会談も肯定的な評価を受けるはずです。しかしながら、国際社会のみならず、一般社会でもしばしば散見さえるように、‘対話’には、幾つかのリスクがあります。

第1のリスクは、対話の参加者が、必ずしも誠実な人柄ではない場合があることです。対話の参加者が、常に自らの本心を晒す、あるいは、真の目的を正直に語るとは限らず、得てして、これらを巧妙に隠しているケースが見られます。ミュンヘン会談でも、ヒトラーはズデーデン地方の併合を‘最後の要求’と説明し、他の参加国の首相達を安心させています。

第2のリスクは、海千山千の政治家とはいえ、対話の参加者には、こうした相手の不誠実さを見抜く能力に乏しい人もいることです。ミュンヘン会談では、イギリスのチェンバレン首相は、「ヒトラーの人格を信頼するようになった」とされており、直接対面を介した信頼醸成は全く以って裏目に出たことになります。独裁者とは、しばしばその陰険なイメージとは違って、実際に会ってみると朗らかで人当たりが良かったと評されるケースも少なくありません(独裁者は、自らを演じるのに長けている…)。後に隠されていた真の人格が露呈し、‘見損なった’あるいは‘裏切られた’と憤っても、‘後の祭り’となってしまうのです。人とは、騙され易い生物でもあります。

第3のリスクとは、実際に会って対話を行ったとする安心感が、油断を呼んでしまうことです。乃ち、敵対してきた相手との直接対話には、相手に対する警戒心を解く効果があるのです(もちろん、実際に会ってみて、なおさら警戒心を強めるケースもありますが…)。況してや、一定の合意に達したともなりますと、相手に対する好感度は一気に上昇します。そして、この警戒心解除の効果は冷静な判断力を曇らせ、その後、相手が不審な行動をとったとしても、好意的な解釈をもたらしてしまうのです。

以上に述べてきましたように、直接対話には、誰もが持つ人の心理的な弱点に基づくリスクがあります。今般の米朝首脳会談の評価が分かれるのも、こうしたリスクが懸念されるからに他なりません。同会談については‘会うことに意義がある説’のように直接対話の実現を手放しに歓迎するよりも、リスク管理の側面から、金正恩委員長が‘ヒトラー化’する可能性を考慮した対策を講じておくべきではないかと思うのです。

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米中間を行き来する北朝鮮-米中朝三国の本当の関係は?

2018-06-19 15:02:53 | 国際政治
米国務長官、再訪朝示唆=非核化の具体策協議か
本日6月19日、北朝鮮の金正恩委員長は三度目となる訪中の途に就き、中国の習近平国家主席と会談するとの情報が伝わってきました。こうした矢先、アメリカのポンペオ国務長官も北朝鮮を再訪する意向を示しており、あたかも北朝鮮が米中両国の間で右往左往しているかのようです。しかしながら、米中朝の三か国の関係については、全く異なる二つの見方が成立つように思えます。

 第一の見解は、米中対立を前提とした、北朝鮮の‘蝙蝠外交’です。マスメディアでは、金委員長が習主席に対して米朝首脳会談について説明に赴いたとされていますが、トップ訪問である以上、単なる事後報告であったとも思えません。そこで、第一の見解とは、金委員長の訪中は、中国の後ろ盾を得て12日の米朝首脳会談に臨んだものの、アメリカの要求するCVIDによる非核化要求を事実上丸呑みした北朝鮮が、切羽詰って中国に援けを求めたとする見立てです。おそらく、金委員長としては、共同声明へのCVIDの書き込みが回避できたことをよいこととして、実際には、核の温存を目論んでいたのでしょう。しかしながら、アメリカ側がこれを許さず、非核化の実施を強く求めてきたため、アメリカに対する盾として中国にすがるしかなかったと推測できるのです。そして、この動きを受けたポンペオ国務長官の訪朝は、再度、北朝鮮をアメリカ側に繋ぎとめ、具体的スケジュールの下で非核化を実現するための‘念押し’ということになります。

 米中対立を想定した上記の見解は、表面上の動きを見れば、誰もが理解し易いシナリオです。しかしながら、その一方で、別の見解がないわけではありません。それは、トランプ大統領内通論です。この説は、アメリカ在住の岩田太郎氏が唱えているのですが、口では極めて攻撃的な発言を繰り返しつつも、結果だけを見れば、トランプ大統領は、中国、ロシア、北朝鮮を利していると言うのです。確かに、この見解には首肯すべき点があり、米中朝の関係は、裏ではしっかりと手を取り合っている協力者となります(もっとも、裏の裏があるかもしれませんが…)。しばしばトランプ氏、習氏、金氏の三者は似た者同士とも評されていますが、仮に三者が協力関係にあるとしますと、その背景には、さらに三者を上部から操る何らかの国際組織の存在を想定せざるを得なくなります。ロシアも協力者であるならば、この隠れた権力体としての国際組織の力は絶大です。つまり、トランプ大統領内通論は、必然的に全世界を蔭から支配する国際謀略論に行き着いてしまうのです。かの『シオンの議定書』には全世界に傀儡独裁政権を樹立させることで、世界を支配する手法が描かれていますが、現実は、まさにこの計画通りに進んでいることとなります。

 以上に二つの見解を述べてきましたが、米中朝の三国の真の関係は、一体、どのようなものなのでしょうか。第二の見解は、荒唐無稽なようにも思われますが、仮に、北朝鮮危機が、最終的に中国、ロシア、並びに、北朝鮮を利する形で終わるのであれば、俄然、信憑性を増してきます。米中朝三国の真の関係を見極めるには、‘まさかこのような事が現実にあるはずはない’とする先入観を排し、今しばらく、事の成り行きを注意深く観察してゆく必要があるように思えるのです。

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韓国軍の‘竹島軍事演習’-朝鮮半島の平和は‘偽りの平和’

2018-06-18 13:59:08 | 国際政治
韓国軍の竹島訓練に抗議=外務省
6月12日に開催された米朝首脳会談では、米韓合同軍事演習の中止という予期せぬ副産物をもたらしました。同会談への導火線を引いたのが、韓国の文政権による対北融和政策であったことを考慮しますと、演習中止は自然な流れのようにも見えます。しかしながら、朝鮮半島の平和は、真の平和を意味するのでしょうか。

 朝鮮半島の南北両国とも、今般の一連の流れを世界平和への貢献として積極的にアピールしています。米朝首脳会談で合意された共同宣言文も、‘平和条約’の文字は見えないものの、将来的な朝鮮戦争終結を視野に入れていることは確かです。北朝鮮側が非核化を約し、南北間の対立関係も大幅に緩和された以上、トランプ大統領がもはや巨額の軍事予算を費やしてまで米韓合同軍事演習を実施する必要性はない、と判断するのも理解に難くはありません。また、同大統領は、ノーベル平和賞の受賞者候補としてノミネートされるそうですので、平和への貢献という観点から、国際社会の一部からは一定の評価を受けてはいるようです。

 ところが、昨日17日、こうした‘平和’のイメージを覆すニュースが報じられました。それは、韓国軍が竹島において‘防衛’のための軍事訓練を実施する、というものです(マスメディアは‘訓練’と表現していますが、実質的には‘演習’と同義…)。竹島とは、自衛隊が未だに存在していない戦後の混乱期において韓国側が不法に占拠した日本領であり、日本国側から見ますと、‘防衛’のためのではなく、不法占領状態を軍事力で維持するための演習です。韓国によるこの決定は、一体、何を意味するのでしょうか。

 竹島における韓国軍の軍事演習は、今に始まったことではありませんので、韓国側は、年間スケジュール上の日程をこなしているに過ぎない、と説明するかもしれません。しかしながら、時期が時期なだけに、韓国側の決定は、東アジアの将来に極めて深刻な問題を投げかけています。それは、再統一の如何に拘わらず、近い将来、朝鮮半島の融和が現実となった場合、南北は一丸となって日本国に対して敵対的な軍事行動をとるのではないか、とする懸念です。

 そもそも、日本国は、憲法第9条の縛りもあり、竹島問題については、自衛隊による奪還ではなく、司法解決を基本路線としてきました。言い換えますと、日本国は、一貫して平和解決を韓国側に求めてきたのです。それにも拘わらず、韓国側は、日本国の自衛隊による武力奪還を想定した軍事訓練を実施しているのですから、同国が、真に平和を愛する国であるとは思えません。北朝鮮に対しては平和的な手段による南北統一を語りながら、日本国に対しては武力行使を公然と示唆しており、その態度には一貫性が見られないのです。仮に、真に平和を愛する国であるならば、同様に竹島問題に対しても平和的解決手段を追求するはずです(日本国側の提案を受け入れて、ICJでの解決を選択する…)。

 韓国による竹島軍事演習の実施は、韓国の謂う‘平和’とは、所詮は同一民族が居住する地である朝鮮半島限定であり、他の国際問題、特に日本国との紛争についてはその枠外にあることを自らの行動で示すようなものです。そして、この事実は、朝鮮半島の‘平和’が必ずしも東アジアの安定に寄与するとは限らず、今後の展開によっては、中国をバックとした南北両国が(米韓共同軍事演習の中止は習近平主席の要望とも…)、日本国、あるいは、日米両国と軍事的に対峙する構図が出現する可能性をも示唆しているのではないでしょうか。

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トランプ大統領の方が日本国民を理解している?-移民大量送り込み発言

2018-06-17 12:31:17 | 国際政治
トランプ氏、安倍首相に「日本に2500万人のメキシコ移民送れば君は退陣」
先日、カナダのラマルベーで開催されたG7において、トランプ米大統領が安倍首相に投げかけた発言が注目を集めています。その発言とは、「晋三、君はこの問題を抱えていないが、私なら日本に2500万人のメキシコ人を送り出すことができる。そうすれば君はあっという間に退陣することになる」というものです。

 メディアでは、暴言として扱っていますが、この発言、なかなか意味深長です。文脈としては、ヨーロッパ諸国で紛糾している移民問題に言及した際に放たれたとされています。おそらく、移民受け入れ政策に対する安倍首相の態度が、どちらかと言えば好意的であったのに対して、受け入れ反対の立場を貫くトランプ大統領としては、皮肉の一つでも言いたくなったのでしょう。そして、その皮肉が、移民政策に対する安倍首相と一般の日本国民との間に横たわる認識に‘ずれ’を衝いているところに、この発言の妙味があるように思えます。

 即ち、トランプ大統領は、一般の日本国民は、移民受け入れ政策に反対であるとする認識の下でこの発言をしているのであり、仮に、2500万人もの移民が日本国内に押し寄せることにでもなれば、当然に、日本国内の世論は一気に反安倍政権に傾き、内閣総辞職に追い込まれるか、もしくは、三選目はないであろう、と述べているのです。その真意は、もちろん、移民政策に反対である‘アメリカの立場を支持せよ’、というものなのでしょう。つまり、安倍首相は、移民反対への転換を暗に求められたこととなります。

 トランプ大統領が日本国側に反移民政策への転換を促していたとしますと、その後の安倍首相の対応は、その逆と言うことになります。何故ならば、メキシコ移民でもなく、2500万人とまではいかないまでも、昨日、閣議決定された「骨太方針2018」では、単純労働者を含む移民受け入れの拡大方針を示しているからです。安倍首相は、トランプ大統領の‘忠告’に耳を貸すこともなく、自らが政権の座を追われる可能性が高くなる道を、自ら選択しているのでしょうか。

日本国政府に対して政策の転換を示唆した点においてトランプ大統領の発言は確かに内政干渉的なのですが、その一方で、一般の日本国民の心情に基づいていると言う点では、むしろ、日本国民本位の提言であったことになります。日本国民を無視する日本国政府と、その目的はどこにあるにせよ、日本国民の心情を理解して日本国政府の政策に苦言を呈するアメリカの大統領。この両者のクロスした構図からしますと、トランプ発言を単なる暴言として批判することはできないように思えるのです。

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日朝平壌宣言は日本国の外交カードか?

2018-06-16 15:40:33 | 日本政治
6月12日の米朝首脳会談を機に、日本国内のマスメディアでは、暫くの間、影を潜めていた日朝平壌宣言に注目する論評が目立つようになりました。同宣言こそ、日本国の対北外交の切り札ともなるとする意見もありますが、この宣言の内容を思い起こしますと、手放しでは評価できないように思えます。

 そもそも、同宣言は、‘サプライズ外交’で知られる小泉純一郎元首相が突然の平壌訪問により北朝鮮の金正日前委員長と交わした合意文書であり、国会で審議されることもなく、日本国民のあずかり知れぬところで作成されています。いわば、‘密約’といっても過言ではなく、しかも、その歴史認識も、かの‘村山談話’を踏襲しています。このため、同宣言では、日本国側が過去に朝鮮半島において過酷な‘植民地支配’を行った、謂わば‘加害者’と認定されています。現実には、日本国による朝鮮半島統治時代には、日本国が近代化を推し進め、毎年財政移転を実施していたにも拘わらず…。そして、日朝国交正常化に至った暁には、日本国側は北朝鮮に対して日韓請求権協定に準じて1~2兆円もの経済支援をすべし、とする意見も、同宣言に基づいているのです。

 拉致問題に端を発した電撃的な訪朝が日朝平壌宣言の契機となった経緯を振り返れば、同宣言の効力こそ疑われてしかるべきなのですが、大方のマスメディアは、同宣言内容の履行を既定路線の如くに捉えています。そして、北朝鮮の「完全な非核化」の行方があやふやなまま、来るべき日朝首脳会談で拉致問題に進展があれば、日本国政府は、直ぐにでも平壌宣言に基づいて経済支援を開始する用意があるかのように報じているのです。

 この展開は、拉致事件が一種の‘人質事件’である点を考慮しますと、極めて奇妙です。何故ならば、一般の人質事件の犯人のセリフは、“人質の命が惜しければ、身代金を払え”なのですが、拉致事件では、被害者側が、“身代金を払うから人質を開放せよ”と犯人側に迫っているようなものであるからです。つまり、拉致事件にあっては、平壌宣言は、犯人に身代金を払うための正当な根拠を与えており、犯人側、すなわち、北朝鮮のためのお膳立としか言いようがないのです(北朝鮮側があからさまに身代金を要求しなくとも、一部であれ、拉致被害者を解放すれば、日本国から莫大な経済支援が転がり込む…)。

 こうした日朝平壌宣言が日朝交渉に果たす役割を考えますと、同宣言は、日本国の外交切り札ではなく、北朝鮮側の外交切り札となりかねないリスクがあります。北朝鮮側は、平壌宣言を盾にして、日本国に経済支援を要求することができるからです。こうした懸念がある以上、日本国側から平壌宣言を拉致問題解決の呼び水にすることは、自らを窮地に陥らせる結果を招きかねません。日本国の政府も国民も、平壌宣言の危うさこそ、深く認識すべきではないかと思うのです。

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‘平壌裁判’は開かれないのか?-朝鮮戦争は侵略戦争であった

2018-06-15 10:52:15 | 国際政治
 米朝首脳会談において公表された共同声明には、朝鮮戦争の終結を意識した文言を見出すことができます。かねてより、北朝鮮は、アメリカとの直接交渉によって平和条約締結を実現し、米朝関係を正常化する戦略を追求してきました。今般、アメリカも、この方針を受け入れたように見えますが、朝鮮戦争の発端に思い至りますと、この解決方法は、国際社会における法秩序、並びに、人類のモラルの崩壊をもたらしかねません。何故ならば、朝鮮戦争とは、国連安保理でも認定された北朝鮮による侵略戦争であったからです。

 第二次世界大戦にあって、ドイツと日本の両国は、連合軍が設けた国際軍事法廷、即ち、ニュルンベルク裁判と東京裁判によって戦争責任者が厳しく断罪され、裁かれました。当時にあっても、事後法の遡及となるため、刑法の原則に反するとする批判はあったものの、これらの裁判は、国際法秩序形成への一里塚として正当化されたのです。法秩序を尊重するこの基本原則は、朝鮮戦争に際しても貫かれており、国際法において定められた南北境界線である38度線を越えて韓国領に侵入した北朝鮮に対して、国連安保理は明確なる侵略認定を下しています。そして、ソ連邦の欠席による安保理決議成立とはいえ、侵略国家と戦うための軍事組織として‘国連軍’が結成されたのです。

 この経緯を考慮しますと、朝鮮戦争とは、アメリカ・韓国陣営と中国・北朝鮮陣営の間で発生した通常の‘戦争’ではありません。侵略国家対国際社会(国連)の構図で捉えるべき戦争であり、正確に言えば、北朝鮮の侵略戦争を排除するための、軍事制裁としての武力行使であったのです(この意味において、朝鮮戦争とは侵略戦争+軍事制裁の二重戦争である…)。実際に、この当時、米韓同盟は未だ存在せず、アメリカ軍が軍事行動に参加する正当な根拠は、上記の国連安保理決議にありました。つまり、アメリカは、‘世界の警察官’として、法秩序の下で平和を守るという自らの義務を引き受けたのです。軍事介入した中国に至っては、侵略国家の側に加担したのですから、いわば、‘共犯者’の立場にあります。

 ところが、今般の朝鮮戦争終結をめぐる各国の動きを見ますと、朝鮮戦争が、国連が認定した侵略戦争であった事実が忘却されているかのようです。おそらく、その背景には、同戦争において侵略側、即ち、国際軍事法廷の被告席に座るべき北朝鮮、中国、そしてロシアの意向が働いていることは容易に想像できます。これらの諸国は、朝鮮戦争を‘南北戦争’、あるいは、‘米朝戦争’にすり替えることで、自らの侵略行為を誤魔化そうとしているのでしょう。最終的に米朝二国間、あるいは、中国、韓国、あるいはロシア等の諸国による平和条約締結に持ち込めば、戦争責任者の追及や処罰のプロセスをカットできる上、経済支援まで引き出せるからです。

 これまでのところ、アメリカのトランプ政権も、この路線に引き込まれてしまっているかのようです。しかしながら、国際社会の法秩序の観点からしますと、この‘解決策’は、人類を堕落させる怖れがあります。侵略行為が公然と追認され、捕虜虐待といった通常の戦争法における違法行為さえ不問に付されるからです。こうした北朝鮮、並びに、犯罪国家陣営に対するあまりにも寛容な対応には、多数の死刑者を出すなど、厳罰に処されたドイツや日本国には承服できないでしょうし、何よりも、善悪の判断放棄を伴う国際法秩序の崩壊がもたらされます。米朝首脳会談共同声明でも、両国の関係を‘緊張状態’並びに‘敵対関係’と表現し、その克服を記していますが、朝鮮戦争が侵略戦争であった事実に鑑みますと、この表現は、歴史における事実を歪めています。警察官と犯罪者の関係は、対等な者同士の平凡な対立関係に巧妙に置き換えられているのです。

 法的論理一貫性を以って朝鮮戦争を終結させるには、まずもって、侵略の責任を明らかにする必要があるのではないでしょうか。中国やロシアが国際法を踏み躙る行動を繰り返す中、“平壌裁判”なき戦争の終結は、全世界の無法地帯化に拍車をかけかねません。米朝首脳会談が近い将来‘第二のミュンヘンの宥和’とならないためにも、通すべき筋を通し、なし崩し的な対北朝鮮融和策には人類史的な視点に立って歯止めをかけるべきではないかと思うのです。

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トランプ大統領は‘騙されたふり’をしたのか?-全諸国による核武装の可能性

2018-06-14 14:41:53 | 国際政治
去る6月12日にシンガポールで開かれた米朝首脳会談は、何とも後味の悪い結果に終わりました。直接対話に臨んだトランプ大統領自身は共同声明への署名に自画自賛するものの、同会談に対する論評を見ますと、その大半は“金正恩の勝利”です。

 ある意味、今般の米朝首脳会談の展開は、謎に満ちています。何故ならば、蓋を開けれてみれば、アメリカ側の大幅譲歩、即ち、中国やロシア案への歩み寄りに過ぎず、少なくとも共同声明の内容を読む限り、アメリカが独自に交渉を展開した痕跡すら見当たらないからです。かつて六か国協議で合意された共同声明の劣化コピーとも評されるぐらいですから、そのお粗末さは度を超しています。となりますと、何故、過去の失敗した政策を知り尽くし、その二の舞にはならないと誓ったはずのトランプ政権が、この決意とは逆の合意を嬉々として受け入れたのか、全く以って不思議でならないのです。

 そこで、アメリカが譲歩した背景を推測して見ると、(1)何らかの国際勢力が最初から仕組んだ茶番であった、(2)核兵器、並びに、ICBMの開発に成功していた北朝鮮が、会談の席でトランプ大統領を恫喝した、(3)トランプ大統領は、北朝鮮の核保有を認めることがアメリカ、あるいは、国際社会の利益に適うと考えていた、といったシナリオが考えられます。(1)と(2)については、情報不足等の理由により検証が困難なので、ここでは可能性を示すに留めますが、それでは、(3)の推測はあり得るのでしょうか。

‘敵を騙す前に味方を騙せ’、あるいは、‘肉を切らせて骨を断つ’とする格言があります。仮に、(3)の立場からトランプ大統領が妥協を演出したとしますと、トランプ大統領は、自らを捨て石にして北朝鮮の核保有を事実上認め、他の全ての諸国に核武装のチャンスを与えたとも考えられます。その理由は、全諸国が核を保有し、自己防衛が可能となれば、米国の軍事費削減にも繋がると共に、アメリカの若き兵士達が外国のために自らの命を犠牲にすることもなくなるからです。この点は、トランプ大統領自身が、大統領選挙時における遊説において何度も繰り返した主張と一致してますし、銃規制問題でも銃の携帯による正当防衛を支持していますので、あり得ないことではありません。

北朝鮮もイランも、NPT体制の下で自国のみが核兵器を保有したことから、国際社会から厳しい制裁を受ける事態に陥りました。両国とも、“自国は核を保有しても、他国には持たせたくない”とする優越的な地位を求める利己主義が禍いし、他の諸国から支持を受けることはありませんでした。しかしながら、北朝鮮の核保有によってNPT体制が崩壊するならば、当然にこれに替る新たなシステムが提起されてくるはずです。もちろん、全諸国核武装方式が平和に与える効果については議論の余地はあり、今日ではタブー視される嫌いもありますが、暴力主義国家が核を違法な手段で保有する一方で、他の順法精神を備えた善良な諸国が核を保有できないとしますと、それは、‘悪の勝利’という不条理以外の何ものでもありません。北朝鮮の核に脅され続ける日本国も例外ではなく、その際には、自国一国の核武装ではなく、世界の全ての国々の一斉核武装を、確固とした論理構成を以って主張すべきです。自国のみではなく、全諸国核武装方式であれば、日本国の提案に賛意を示す諸国も現れることでしょう。中国やロシアといった‘合法的核保有国’の脅威も増している現状では、長期的視点からは、全諸国核武装方式の方が、核保有国による一方的な核の脅しを無効にしますので、力の均衡という意味では平和や正義には貢献するかもしれないのです。

米朝首脳会談は、誰もが納得できない結果となったからこそ、国際社会に対して様々な問題を提起することとなりました。上述した全諸国一斉核武装の提案もまた、同会談がもたらした副産物でもあります。そして、上記の推測は、トランプ大統領の不可解な態度に対する些か好意的な解釈とはなりますが、核問題は全ての諸国の安全に関わるのですから、それがアメリカ一国の利益に基づくものであれ、また、北朝鮮やイラン問題を別としても、全諸国が参加する相互核抑止体制への転換については、将来に向けて真剣に議論されて然るべきではないかと思うのです。

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金正恩委員長との一蓮托生を選んだトランプ大統領

2018-06-13 13:16:04 | 国際政治
【米朝首脳会談】米与党は「歴史的」と評価も金正恩体制に強い警戒
 6月12日にシンガポールで開かれた米朝首脳会談では、北朝鮮の非核化の実現が期待されていただけに、発表された共同声明の内容については落胆の声が広がっています。米国内でも手厳しい批判があり、同会談が、トランプ大統領の目論み通りに外交成果として今秋の中間選挙において有利に働くのか、怪しい雲行きともなっております。

 共同声明においてとりわけ不評を買っているのは、“CVID”や具体的な措置に言及した文言は見当たらないばかりか、北朝鮮の「完全な核放棄」に先立って既にアメリカ側が北朝鮮に対して‘安全保障’という見返りを与えている点です。事実上、トランプ政権が基本方針を転換したに等しく、中国やロシアが主張してきた段階的な非核化措置の度に見返りを与えるとする、「段階的核放棄」に移行したと報じるメディアまで登場する始末です。この展開を歓迎するのは中国やロシアぐらいであり、他の諸国や一般の人々は、トランプ大統領の‘変わり身’の速さ、あるいは、仮面の裏の真の顔に唖然とさせられたことでしょう。常識や理性を備えた人であれば誰も、全世界を騙す‘平和’と云う名の‘茶番劇’ではなかったかと疑うレベルです。

 こうした批判に対して、トランプ大統領は、記者会見の席で懸命に弁明を試みており、“CIVD”の文字を記さなかった点を質された際には、金正恩委員長が完全な非核化を明言したことを根拠に、事実上、“CIVD”が約されたと説明しています。確かに、共同声明の文章には、「金委員長は朝鮮半島の完全非核化への確固で揺るぎのない決意(commitment)を再確認した」との一文があります。しかしながら、既に指摘されているように、あくまでも具体的な行動を伴わない独裁者の心の中における‘決意’に過ぎず、誰もが外から検証できませんので、口先だけでもその‘決意’を表明し続けることができます。金委員長には、後々、具体的な行動を採らなくても声明違反を回避できる逃げ道が予め用意されているのです。

 北朝鮮には逃げ道がある一方で、“CIVD”に関するトランプ大統領の説明は、大統領自身を追い詰める結果を招きかねません。何故ならば、声明文に欠けている“CVID”の実行を、金委員長の‘全人格’に託してしまったからです(トランプ大統領は、独裁者=国家と認識している節がある…)。同大統領は、記者会見の席でも、金委員長を手放しでほめちぎり、その指導者としての才能を讃えておりました。そして、この会談を機に、金委員長が心を入れ替えて、国民を虐待する暴君から善き統治者へと変貌し、善き隣人として国際社会に仲間入りするのみならず、北朝鮮の国民をも豊かにするかのように語っています。金正恩委員長を含めた北朝鮮の歴代指導者たちが、国民を飢えさせる一方で自らは豪勢な生活を送り、嘘で他者を騙す常習犯であり、かつ、無法者で暴力至上主義者であったことに鑑みますと、トランプ大統領の発言は、金氏の別人格への転換を意味します。言い換えますと、トランプ大統領の運命も、金委員長の‘改心’の如何に掛かっているとも言えるのです。

かくして、トランプ大統領と金委員長は、同会談によって、一蓮托生となってしまったようです。そして、生まれながら人格を変えることは難しいことですので、トランプ大統領の期待を裏切って金委員長が悪しき暴君のままでいる場合、即ち、CVIDによる非核化を実行せず、また、非人道的な体制を維持する場合には、トランプ大統領は、重大な決断を迫られることでしょう。それは、歴史に鑑みず、三度目も、同じ方法で騙された愚かな大統領としてアメリカの歴史に名を遺すのか、それとも、軍事制裁を含むあらゆる手段を用いてでも北朝鮮を非核化するのか、という二者択一の選択です。それとも、トランプ大統領は、何か深い考えがあって、秘策を隠しているのでしょうか。

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米朝首脳会談-ノーベル平和賞よりも大切なもの

2018-06-12 14:16:11 | 国際政治
合意文書に署名へ 米朝首脳
 いよいよ本日6月12日、米朝首脳会談がシンガポールの南部サントーサ島においてカペラホテルを会場として開かれる運びとなりました。会談で話し合われた具体的な内容は午後4時(日本時間で5時)に予定されている記者会見を待たなければなりませんが、報じられている映像から判断しますと、アメリカのトランプ大統領がホスト役を務めているように見受けられます。

 北朝鮮が核開発を進めた背景には、核保有国になれば、アメリカを対等な立場での交渉に引き摺り出すという思惑があったと指摘されています。しかしながら、同会談の光景を見る限り、この戦略は成功したとは言えず、遠路はるばる訪れた金正委員長がトランプ大統領に謁見している構図にしか見えないのです。これまでアメリカに罵詈雑言を浴びせてきた北朝鮮側の恭順を示すような態度への転換は、強大な軍事力という無言の圧力があったことは言うまでもないのですが、ここで懸念すべきは、膝を折った北朝鮮に安心したアメリカ側が、アメリカ国内向けに外交的成果を確実にするためにも、北朝鮮に対してCVIDの条件を壊すような一定の譲歩を見せることです。

 中間選挙を控えた今、トランプ大統領には、アメリカ国民に対して目に見える外交的ポイントを挙げる必要があるとされています。その格好のチャンスが米朝首脳会談とされており、この場において米朝首脳間で何らかの合意が成立すれば、二期目のトランプ政権も現実味を帯びてきます。そして、米朝合意を期待するメディアも、トランプ大統領のノーベル平和賞受賞の可能性を煽っており、同大統領の名誉欲をも刺激しているのです。

 しかしながら、このノーベル平和賞こそ‘曲者’です。何故ならば、同賞の歴代受賞者達の多くには、得てして逆の行動が見受けられるからです。1945年には、かの「ハルノート」で知られるコーデル・ハルに授与されていますし、2000年には、南北首脳会談を実現させた功績で、韓国の金大中大統領も受賞者リストに名を連ねました。そして、2002年にカーター元大統領が受賞したのに続いて、2009年には、‘戦略的忍耐’の方針の下で北朝鮮の核保有を事実上許したオバマ前大統領も受賞しているのです。昨年は、核兵器禁止条約を成立させたICANが受賞者となりましたが、実績ではなく将来的な‘期待値’に基づく偽善的な選定は、むしろ、国際社会を混乱させると共に、真の平和を遠のかせているのです。

 かくしてノーベル平和賞の権威は低下の一途を辿っているのですが、ノーベル平和賞が’平和’を保障しないという現実を見ますと、北朝鮮に対する妥協の結果としてトランプ大統領が同賞を受賞したとしても、必ずしも同大統領の支持率アップに繋がるとは言えないように思えます。むしろ、前政権の失敗を繰り返し、個人的な名誉欲に駆られてアメリカの安全保障を蔑にしたとする批判を受けないとも限りません。ノーベル平和賞がしばしば逆の結果を招いているとしますと、同賞の受賞を諦めることこそ、無法国家北朝鮮の核の脅威を取り除くという、真の平和への貢献を意味するのかもしれないのです。そして、米朝首脳会談は、トランプ大統領が真の姿を現す場となるように思えるのです。

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北朝鮮との合意が難しい理由-‘抜け道見つけ’の名手

2018-06-11 15:14:43 | 国際政治
米朝首脳会談あす開催 両国代表団が詰めの協議
米朝首脳会談を明日に控え、両首脳とも空路で既にシンガポール入りしている模様です。成り行きについては正確に予測することはできませんが、北朝鮮との合意は極めて難しい、ということだけは、少なくとも言うことができます。

 合意を困難とする最大の要因は、両国の条件の不一致、即ち、北朝鮮側による、アメリカが要求するCVIDに基づく「完全な非核化」の拒絶なのですが、その他にも、阻害要因がないわけではありません。その要因とは、北朝鮮という国が、法の抜け道を見つけることにかけては‘悪の天才’である点です。

この才は、1994年の米朝枠組み合意が崩壊した過程を検証すれば一目瞭然です。当時、北朝鮮はプルトニウム方式による核開発を進めていたため、合意文書では、プルトニウム方式を前提とした核開発放棄の手続きを定めていました。この限定的な表現に目を付けたのが北朝鮮であり、その後、核開発の方法をウラン方式に切り替え、枠組合意には違反していないと公然と言い放つのです。忍耐強い交渉の末、ようやく成立した‘非核化合意’はあえなく空文化し、ここに、対北交渉に臨んでのアメリカ側の‘甘さ’が露呈することにもなったのですが、今般の米朝首脳会談にあっても、同様の失敗が繰り返される可能性があります。

例えば、非人道的、かつ、大量虐殺を可能とする兵器は、核兵器に限られてはいません。実際に、無法国家である北朝鮮は、生物・科学兵器の開発にも力を入れており、昨年2月にマレーシアで発生した金正男暗殺事件においても、VXガスが使用されたとする指摘もあります。同国とシリアとの軍事面における特別な技術協力関係を考慮すれば、北朝鮮もまた、サリン等の兵器を既に開発・保有していることでしょう。また、核の運搬についても、アメリカがとりわけ懸念を表明しているICBMの他にも、潜水艦発射型のSLBMもありますし、よりローテクな手段としては、核兵器を秘密裏に米国への持ち込み、工作員に命じて米本土を核攻撃させることも不可能ではありません。あるいは、より強力なレーザー兵器やEMP爆弾等を開発し、アメリカのみならず、他の周辺諸国を恫喝するかも知れないのです。

北朝鮮がかくも狡猾な国であることを考慮しますと、北朝鮮を遂にCVIDによる「完全な非核化」へと追い込んだ、とアメリカが信じ込み、その合意の成立を外交的勝利として誇ったとしても、北朝鮮側は、合意文書の中に既に抜け道を見つけ出す、あるいは、秘かに抜け道を準備しており、‘アメリカを上手に騙した’と内心ではほくそ笑んでいるかもしれません。もっとも、朝鮮戦争の終結がセットであれば北朝鮮は反米政策を放棄するので、上述した懸念は杞憂との意見もありましょうが、それでも、米中対立が抜き差しならない状況に至れば、北朝鮮が中国に靡き(軍事クーデタや中国人民解放軍による政権奪取もあり得る…)、再度、アメリカに牙を剥く可能性は否定できません。

何れにしましても、米朝首脳会談にあっては、アメリカが‘抜け道塞ぎ’を怠りますと、合意文章の上ではアメリカの外交的勝利であっても、実際には、将来的に北朝鮮側の騙し討ちに遭うという不名誉な結果となりましょう。トランプ大統領が名実ともにCVIDによる「完全な放棄」を実現できるのか、全世界は、固唾を呑んで見守っていると思うのです。

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本当は米朝首脳会談では解決しない‘核問題’

2018-06-10 14:13:44 | 国際政治
 本日の日経新聞の朝刊一面には、日本国政府がプルトニウムの保有量を削減するようアメリカから要請を受けているとする記事が掲載されておりました。プルトニウムは核兵器の原料となるため、核拡散の防止がその理由となりますが、この記事、北朝鮮の核問題が一筋縄ではいかない複雑性を秘めている現実を物語っております。何故ならば、北朝鮮の非核化問題は、表面に現れた国際社会における‘核問題’の一部でしかないからです。

 アメリカとしては、北朝鮮に対してCVIDによる「完全な核放棄」を強く求めた手前、同盟国を含め、全ての諸国が核兵器を保有するリスクを排除しなければ公平性に欠ける、ということなのでしょう。あるいは、米朝間の事前交渉において、「完全な非核化」の受け入れ条件として、北朝鮮側、あるいは、その背後に控える中国が、朝鮮半島のみならず、日本国をも潜在的な可能性も含めて‘非核化’するようアメリカに要求したのかもしれません。何れにしても、アメリカとしては、ダブル・スタンダードを避けたことになります(もっとも、最悪のケースは、米朝首脳会談でアメリカがCVIDを徹底できず、北朝鮮の核保有を事実上認める一方で、日本国だけが‘非核化’されてしまう展開…)。

 ところが、この問題は、これで決着しそうにはありません。第一に、たとえ北朝鮮の「完全な非核化」が実現したとしても、非核保有国が核で脅迫されたり、実際に核攻撃を受けるリスクは‘ゼロ’とはならないからです。核保有国である中国やロシアは、国際法を順守する意思も、核による先制攻撃の可能性も否定してはいませんし、実際に、中国のミサイル基地に配備されている核兵器は、日本国の主要都市等に照準を合わせているとする指摘もあります。日本国に限らず、中国の周辺諸国にとりまして、同国の核は常に安全保障上の脅威なのです。つまり、現行のNPT条約は、非核保有国に対しては厳しい一方で、核保有国に対しては極めて‘甘く’、核保有国の行動規範、あるいは、外部的な監視体制を強化しないことには、非核保有国は、自らが核の脅迫や攻撃を受けるリスクから逃れることができないのです(本来、核兵器禁止は、核保有国の脅威を解消させた後、NPTの改正によって実現すべきであった…)。

 第二に、国連安保理常任理事国以外に存在する、‘事実上の核保有国’の問題があります。アメリカが、ダブル・スタンダードの排除を徹底するならば、イスラエル、インド、並びに、パキスタンに対しても、非核化を求める必要があります。イランの核開発は、イスラエルに対する対抗措置として理解されていますが(不思議なことに、イランは、何故か、イスラエルの核保有を自国の核開発の根拠として強く主張していない…)、国境を接しているか否か、あるいは、対立関係の如何に拘わらず、非核保有国は、公式の核保有国の他にも、非公式の核保有国からの核の脅威に晒され続けることとなるのです。

 来る6月12日において、北朝鮮のCIVDによる「完全な非核化」に目途が付いたとしても、それは、核問題の幕引きとはならず、非核保有国への核拡散防止が表面であれば、その裏面である‘核保有国問題’に国際社会は向き合わざるを得なくなります。日米ともに、‘ポスト北朝鮮問題’、即ち、‘悪しき核保有国問題’に対してどのように対応するのか、戦略を練り合わせる必要があるのではないでしょうか。

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米朝首脳会談費負担の謎

2018-06-09 15:35:33 | 国際政治
高級ホテル周辺、交通規制開始…シンガポール
<いよいよ米朝首脳会談が開催される6月12日が近付いてまいりましたが、ここに来て、非核化とは直接的には関係のない問題が持ち上がっているそうです。それは、同会談の費用負担に纏わる謎です。

 米朝首脳会談の開催地はシンガポールのサントーサ島であり、島内の高級リゾートホテル「カペラ・シンガポール」がその会場となります。ただし、両首脳とも同施設に宿泊するわけではなく、先遣隊の姿が目撃されたことから、北朝鮮の金正恩委員長は、シンガポール中心部の高級ホテル「セントレジス」に宿泊するのではないか、とする憶測が広がっています。シンガポール政府は、両施設周辺の地域を「特別行事区域」に指定しており、既に交通規制も始まっていると報じられています。警備やテロ対策も含めて、米朝首脳会談に要する費用は相当額に上るものと推測されますが、費用負担については幾つかの謎があります。

 第1の謎は、宿泊費以外の米朝首脳会談に付随する費用は、どの国、あるいは、誰が負担をするのか、というものです。上述したように、セキュリティー一般はシンガポール政府が担っていますが、その費用も開催地の国の国庫から支出されるのでしょうか。仮に、会談の影響で休業状態となる会場や米朝両国の一行が宿泊するホテル、あるいは、その他周辺の商店等の損失まで補償するとしますと、その額は決して少なくはないはずです。オリンピック等の国際イベントの誘致と同じく、自国の宣伝効果を考慮して自己負担を当然と考えているのでしょうか。あるいは、シンガポールを開催地に選定した手前、アメリカ政府が負担するのでしょうか。本来、この問題を引き起こした張本人は北朝鮮ですので、請求書は北朝鮮に送られるべきなのですが、不思議なことに、北朝鮮が負担すべきとする声は聞こえてきません。

 第2の謎は、金委員長の宿泊費の払い手です。アメリカ政府は北朝鮮分の費用を引き受けるつもりはないと明言しているため、核兵器禁止条約を取り纏めた功績でノーベル平和賞を受賞したICANが費用負担に名乗りを挙げています。しかしながら、仮に、北朝鮮が非核化を拒絶した場合でも、ICANは、支払いに応じるのでしょうか。また、会談の行方に拘わらず、本来、活動費となるはずのノーベル賞の賞金や寄付金が、独裁者の贅を尽くしたホテルでの滞在費に費やされるとしますと、納得できない人々も現れることでしょう。

 そして第2に関連して第3の謎は、金委員長は、シンガポールの滞在費の支払いに窮するほど、“貧しい”のか、という疑問です。メディアの報道ぶりでからしますと、厳しい経済制裁を受け、かつ、最貧国である北朝鮮は外貨不足が深刻であり、その支払い能力はない、というものです。しかしながら、独裁者が世界屈指の大富豪であることは、共産主義国の常です。中国の毛沢東然りです、キューバのカストロ然りです。表向きは、貧しい人々のために暴力革命を起こしたように見せかけながら、その実、独裁者たちは、ちゃっかりと私腹を肥やしているのです。北朝鮮の歴代独裁者たちも例外ではなく、タックスヘブンの世界各地の銀行に隠し財産を保有していることでしょう(近年、スイスは規制が強化されたため、秘密口座が存続しているかは不明…)。国民が貧困に喘いでいる国と言う北朝鮮のイメージからしますと費用請求は非人道的にも見えますが、建前とは違い、金一族は裕福なのですから、滞在費の請求書は北朝鮮に向けて送るべきです。北朝鮮、否、金一族が保有する外貨を減少させる効果も期待できますので、一石二鳥なのです。

 以上に米朝会談の費用に纏わる謎について述べてきましたが、米朝首脳会談をめぐる費用負担問題からは、国際社会における‘偽善’の問題も見えてきます。そして、これらの‘偽善’が北朝鮮を暗に擁護する役割を果たしているとしますと、米朝会談では、アメリカが用心深く注意を払うべきは、北朝鮮のみではないのではないかと思うのです。

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日本国には対北経済支援の余力はない-巨大地震による甚大被害の予想

2018-06-08 10:53:01 | 国際政治
政府の地震調査委員会は、今後30年以内に南海トラフ巨大地震が発生する確率を凡そ70%から80%、首都直下地震を70%とそれぞれ予測しています。南海トラフ巨大地震による被害は関東から九州までの太平洋沿岸一帯に及ぶため、死亡者数も最悪の場合には32万3千人というのですから、その規模は東日本大震災を遥かに凌ぎます。直下地震が襲うのも、まさしく日本国の中枢である首都圏ですので、その被害は計り知れません。

こうした甚大な被害が予測される中、昨日6月7日、日本土木学会において、南海トラフ巨大地震による被害は膨大な人的被害に留まらず、その経済的損害は、20年間で1410兆円にも上るとする衝撃的な推計が発表されました。首都直下地震のケースでは778兆円と試算されていますので、両地震の合計で、損害額は2000兆円をゆうに超えます。

 推計損害がかくも巨額となる理由は、交通インフラが寸断されるからです。東日本大震災に際しても、サプライチェーンが崩壊したために製造停止を余儀なくされた企業が続出し、日本経済は危機的な状況を迎えました。首都圏は言うに及ばず、太平洋沿岸も工業地帯が連なり、産業の大動脈となる交通インフラも集中していますので、巨大地震の発生に因る産業全体に与える影響は致命的と言っても過言ではありません。同報告に依りますと、日本国は、‘最貧国’にまで転落する可能性もあるそうです。大航海時代の先陣を切り、一時は‘世界帝国’を構築したポルトガルも、1755年11月1日に突如その首都を襲ったリスボン大地震による津波によって壊滅的な被害を受け、‘最貧国’には至らぬものの、かつての栄華を二度と取り戻すことはできませんでした。

 それでは、度重なる巨大地震の発生を機に、経済大国から‘最貧国’に落ちるという過酷な運命を、日本国は避けることはできないのでしょうか。この問いに対しては、同報告は、「インフラの耐震化などに南海トラフ地震は約40兆円、首都直下地震は約10兆円投じれば、被害額は3~4割減る」と指摘しています。乃ち、インフラ施設の耐震化のみならず、首都機能の地方への分散化を含め、少なくとも凡そ50兆円規模の対策費を投じれば、両地震による損害額は、900兆円以下に抑えることができることとなります。となりますと、今後、政府が万全な対策を講じようとすれば、対策期間を10年と定めた場合でも、年ペースで5兆円の予算を増額させる必要があります。

 財政再建も間々ならない状況にあって、年間5兆円の対策費は簡単に捻出できる額ではなく、政策の優先順位を見直す必要も生じてきます。巨大地震に伴う被害は、国民の命や生活基盤と直結しますので、当然に、政策上の優先順位は高くなりましょう。今般、北朝鮮問題に関連して、仮に北朝鮮がCVIDによる非核化に応じた場合、日本国に対して‘最貧国’の状況にある北朝鮮を援けるべく、巨額の経済支援を引き受けるべきとの意見も聞かれますが、日本国は、近い将来、自らが‘最貧国’になる危機に直面しているのですから、対北支援に予算を割く余力はありません。人為的に避けることができない自然災害であればこそ、日本国政府が丁寧に説明すれば、‘日本ファースト’であっても、国際社会の理解を得られるのではないかと思うのです。

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米朝会談へのロッドマン氏参戦問題-真面目に徹するべきでは?

2018-06-07 16:56:58 | 国際政治
ニューヨーク・ポストが報じるところに拠りますと、NBAの元スター選手、デニス・ロッドマン氏が、来週12日に予定されている米朝首脳会談に合わせてシンガポール入りするそうです。かねてより北朝鮮の金正恩氏とロッドマン氏は‘親友’とされ、同氏は過去にも数回北朝鮮を訪問しております。それでは、この訪問、誰が何を意図して計画したのでしょうか。

 本来、米朝首脳会談とは、その中心議題が核問題なのですから、人類の未来をも左右しかねない重大な交渉の場となるはずです。ところが、大真面目であるべき同会談については、どこか‘ふざけた’雰囲気がないわけではないのです。先日も、シンガポールに金委員長の‘そっくりさん’が出現し、観光客を驚かせたとするニュースも報じられていました。また、韓国の文在寅大統領も、二回目の南北首脳会談の場で、同委員長に対して‘韓国でも人気が高まっている’といった趣旨の言葉をかけたそうです。共産主義国家の御多分に洩れず、北朝鮮という国家が、何事においても‘演出’を政治手法としていることを考慮しますと、ロッドマン氏の訪問の背景にも、北朝鮮の影が感じられます。

 おそらく、金委員長は、米朝首脳会談において自らの存在を最大限アピールし、交渉における対米不利な状況を、自らに有利な‘雰囲気’を醸し出すことで補おうとしているのかもしれません。例えば、首脳会談に先立ってアメリカの有名プロバスケットボールの選手と仲良く笑顔で写真や動画に収まり、メディアを通して全世界に発信されれば、金委員長=残虐な独裁者とする従来のイメージは緩和されるかもしれません。一般のアメリカ国民に対しても、アメリカ文化への親しみを演出できれば、たとえ米朝首脳会談が不調に終わったとしても、対北強硬の世論を押さえる効果が期待できるかもしれないのです。しかも、ロッドマン氏は著名な黒人選手ですので、黒人層から厚い支持を受けているアメリカ民主党からの影ながらの支援も夢ではありません。

このように考えますと、北朝鮮側が、アメリカ国内の世論対策をも考慮した結果として、この役割にうってつけな人物として、ロッドマン氏に白羽の矢を立てたのではないでしょうか。そして、ニューヨーク・ポストの記事は、「ロッドマンの存在をどう考えようが問題でない。確かなことは、巨大な視聴率を出すということだ」とする、とある情報筋の談を伝えています。この情報からしますと、米メディアも一枚絡んでいる可能性もありますが、米朝首脳会談が‘政治ショー化’されればされる程、同会談は北朝鮮のプロパガンダの舞台となりますので、ここは、やはり真面目に徹するべきではないかと思うのです。

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移民受け入れ拡大方針-日本国政府は‘悪代官’か?

2018-06-06 11:17:47 | 日本政治
外国人労働者50万人超必要 25年までに 人手不足深刻化で転換
 本日の日経新聞の朝刊一面には、「外国人就労 拡大を表明」の見出しで、安倍首相が昨日5日の経済諮問会議で外国人労働者の受け入れ拡大を表明したと報じています。この記事には「選ばれる国」への課題とする小見出しが付されているのですが、この発想、本末転倒ではないかと思うのです。

 同会議において首相は「移民政策とは異なる」と説明しておりますが、国際移住機関(IMO)では、移民を「当人の (1) 法的地位、(2) 移動が自発的か非自発的か、(3) 移動の理由、(4) 滞在期間に関わらず、本来の居住地を離れて、国境を越えるか、一国内で移動している、または移動したあらゆる人」と定義していますので、これに当て嵌めれば、その資格の如何に拘わらず、外国人就労者はれっきとした移民です。おそらく、公約違反、あるいは、公約からの逸脱となることを怖れて‘移民’という表現を避けたのでしょうが、国民の側からしますと、政府に騙し討ちにされた気にもなります。

 こうした言葉の誤魔化しも然ることながら、この政策に潜む悪意は、“選ばれる国”という表現に凝縮されております。何故ならば、政府、並びに、その背後で蠢く国際勢力は、移民の受け入れを当然視するに留まらず、‘移民側のみに移住先の国家を選ぶ権利がある’と見なしているからです。逆に言えば、移民を受け入れるか否か選択肢は、受け入れ国の国民には無いということになります。しかも、この政策は、決して合理的でもなければ、必然性もありません。

第1に、移民受け入れ拡大の理由として挙げられている‘人手不足’は、根拠脆弱です。例えば、兼業農家が多数を占める農業分野における人手不足説は怪しい限りです(少なくとも稲作は凡そ機械化されている…)。それでも移民の必要性が強調されているとしますと、そこには、日本の農業形態を南北アメリカ大陸やアフリカ等に見られるプランテーション型へと転換させる意図が隠されているのかもしれません。本来、日本国の農業の未来については国民的な議論の下でコンセンサスを形成すべきところなのですが、国際勢力をバックとした政府は、外国人農業労働者の既成事実化によって、日本の農業形態を根底から崩しにかかっているように見えるのです。しかも、他の解決方法を模索しようともせず、各分野における‘人手不足説’に対する疑問に対しても、自らが恣意的に設定した推定数で押し切ろうとしています。

第2に、AIやロボットの導入による将来的な雇用の減少予測についても、政府は、頑なに耳を塞いでおります。これらの普及が先行した金融分野では、既に大幅な人員削減が行われています。国内において失業率が上がったとしても(現状でも、国内にはニート状態の人々もいる…)、政府は‘数値目標’を計画通りに達成すべく関連省庁を挙げて2025年までには50万人超えの移民を受け入れるのでしょうか。しかも、新資格のみで50万人ですので、他の資格による受入れ移民数は、この数字を大きく上回ることでしょう。一般の日本人が将来に雇用不安を感じている中、政府は移民拡大に邁進しているのですから、誰がどう見ても、政府の方針と国民意識がかみ合っていないのです(移民拡大とAI・ロボットの普及は両立しない…)。

 第3に、「選ばれる国」と表現した理由は、先進国のみならず、新興国においても近い将来人手不足が深刻化し、移民が“売り手市場”となることを想定しています。つまり、受け入れ国は、‘最大限の優遇措置をとりますから、是非、我が国に来てください’と揉み手で移民にお願いする立場にあると見なしているのです。しかしながら、どの国も移民受け入れに消極的であり、むしろ、EU等では押し付け合っている現状があり、この発想は、現実と乖離しています。日本国内を見ても世論は移民受け入れに反対であり、仮に揉み手で移民を歓迎する人々が存在するとしますと、それは、人材派遣業者といった一部の事業者なのではないでしょうか。また、ロボット先進国と化した中国が国内的には人件費の高騰を押させるために雇用を減らす一方で、余剰労働力を海外に送り出すために日本国の移民受け入れ政策を利用するとしたら、これ程馬鹿馬鹿しいお話もありません。

 そして第4に挙げられる点は、「選ばれる国」の真の意味は、移民自身ではなく、仲介事業者によって‘選ばれる’という意味なのではないか、という疑いです。海外から移民労働者を受け入れる場合、通常、企業から請け負った仲介事業者が現地で募集作業を行います。移民の人々は、自ら自発的に国を選んで個人的に移民するのではなく、仲介事業者の募集に応じる形で海外に労働者として向かうのです。となりますと、仲介事業者は、自らのビジネス繁盛のために、各国政府に優遇政策を導入するよう積極的に働きかけていると推測されます。しかも、各国政府を‘受け入れ競争’に狩りたてているのですから、全く以って狡猾なのです。

 以上に述べてきたように、日本国政府による‘移民ファースト’の政策は、到底一般の日本国民が納得できるものではありません。かくも傲慢で無神経な態度を見ますと、日本国政府は、経済的利益の最大化と国家破壊の一石二鳥を狙う国際勢力(新自由主義+共産主義)によって擁立された‘悪代官’なのでしょうか。政府とは、本をただせば国民のためにこそ存在するのですから、決して’悪代官’になってはならないと思うのです。

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