万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

‘中国の夢’が叶わない理由

2020-08-12 13:53:35 | 国際政治

 習近平氏が中国の国家主席に就任して以来、中国の拡張主義はその速度を増し、様々な方面でトラブルを起こすようになりました。同主席が目指す究極的な目標とは、現代にあって大中華帝国とそれを中心とした冊封体制を復活させ、自身は、この大帝国の皇帝として君臨することなのでしょう。しかも、帝国の版図、あるいは、冊封体制の範囲は、歴史上の中華帝国を遥かに超え、全世界というのですからその構想は壮大です。

 

 東京裁判に照らせば国家の指導者が抱く‘世界支配の野望’は、実のところ戦争犯罪の認定要件なのですが、国際法を空文としか見なさない中国にとりましては、戦争犯罪も存在しないに等しいのでしょう。チャイナ・マネーに汚染されているのか、日本のマスメディアも、この点については、申し合わせたかのように押し黙っています。何れにしましても、中国の昔の栄光を取り戻さんとする復古主義的な野望は、現代にあって、国際社会の平和に対する深刻な脅威となると共に、国際法秩序を破壊しかねない危険性を帯びているのです。

 

 習主席は、世界支配の願望を‘中国の夢’と表現したのですが、それでは、現代という時代にあって、この夢は実現可能なのでしょうか。‘中国の夢’の行方を占うに際して注目すべきは、‘絹’の存在です。シルクロードにその名を遺すように、中国は、古来、絹の大輸出国でした。中国産の絹は世界各地で珍重されために重要な輸出品となり、長らく門外不出とされてきました。日本国では、弥生時代から絹(中国産の絹よりも細い日本独自の品種)の生産は行われていましたが、ユーラシア大陸にあって最初に中国以外の地に絹がもたらされたのは、シルクロード上に位置する都市国家であったホータン王国であり、ホータン王に嫁いだ中国の王女が自らの鬘に蚕の卵を忍ばせて持ち出したと伝わります。紀元1世紀頃の出来事とされていますので、凡そ後漢時代に当たるものと推測されます。

 

 そもそも、中華帝国の成立と西域との関係は浅からず、中国最初の帝国を築いた秦は、春秋戦国時代の戦国七雄にあって地理的には最も西方に位置していました。始皇帝の後見人であり、かつ、実父とも噂された呂不韋は裕福な商人でしたし、秦帝国の成立後、始皇帝は全国的に交通網を整備すると共に、通貨の統一事業を実施し、手工芸品の育成にも努めています。この頃には既に東西の商人たちによって中国と西域との間で交易が行われていたのでしょう。シルクロードが本格的に確立するのは西域諸国と公式に通商関係を結んだ前漢の時代を待たなくてはなりませんが、以後、絹織物は中国歴代帝国の主要な輸出品となり、その独占的な状態は清代末まで続くのです。絹織物貿易による収益は、歴代中華帝国の国庫を潤したでしょうし(金の流入…)、今日の‘パンダ外交’と同様に、外交上の懐柔手段として使われたことでしょう。

 

 また、絹はユダヤ人とも無縁ではなく、今日、金融財閥としてその名の知られるかのロスチャイルド家の家業も絹を扱う商人であったとされています。言い換えますと、絹を絆とした中華帝国とユダヤ系商人を結ぶラインは今に始まったわけではなく、現代にあって共産化しつつも、中国の背後に国際金融の影が見え隠れするのも、古来の水脈がなおも維持されているからなのかもしれません(しばしば、イギリスが煮え切らない態度を示すのも、その内部に親中派を抱え込んでいるからなのかもしれない…)。因みに、明治維新の背景には、日本国を、動乱に見舞われていた清国に代わる絹織物生産国としたい英国系財閥の意向があったともされ、絹の歴史は、日本国の歴史とも関係しています。

 

 しかしながら、現代にあっては、もはや中国には‘絹’はありません。歴代中華帝国を繁栄に導いた主要因が絹の生糸、並びに、絹織物の独占にあったとしますと、現代の中国には、この要件が欠けているのです。かつて鄧小平氏はレアアースを以って絹の役割を期待したようですが、代替品の開発や他の地域での採掘成功により、この夢も露と消えています。絹なき現代にあって、中国の夢は、やはり、他の諸国にとりましては迷惑この上ない白昼夢ではないかと思うのです。

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中国製品を使わない買わない

2020-08-11 11:34:10 | 国際政治

 香港では、怖れられていた事態が現実となり、国家安全維持法の下で民主化運動のリーダーであり、‘民主の女神’とも称されていた周庭さんが自宅で逮捕され、反中親民主派メディア「リンゴ日報」の創始者であった黎智英氏も囚われの身となりました。計9名の民主派の活動家の方々が逮捕され、何としても香港の民主主義を潰したい北京政府の頑迷な意志が示された事件となったのです。

 

 日本語も流暢であった周庭さん逮捕のニュースが流れると、日本国内では、自由や民主主義を弾圧する中国に対する批判が高まると共に、ネット上では、日本国政府に対して周さん救済、並びに、対中制裁を求める投稿も見られるようになりました。ところが、こうした投稿は、日本国政府に対して中国に対する厳しい対抗措置を要求しつつも、どこか突き放したような書き方が圧倒的に多いのです。日本国政府が動くはずはないと…。

 

 香港問題を内政問題と主張する北京政府が諸外国の要望を素直に受け入れるはずもなく、逆切れするのは目に見えているのですが、日本国の国内世論の政府に対する一種の諦観は、一党独裁体制の維持を最優先課題とする中国の現実にのみに起因しているわけではないようです。新型コロナウイルスを機に明るみとなったのは、中国政府の情報隠蔽体質、人道・人命軽視の態度、暴力主義的拡張主義ばかりではありません。日本国政府の親中傾斜もまた白日の下に晒されたのであり、習近平国家主席の国賓訪日、並びに、中国からのインバウンドを優先した結果の初動体制の遅れは、日本国民の多くに失望をもたらすと共に、政府との信頼関係を決定的に損なう結果を招いたのです。

 

 政府の‘チャイナ・ファースト’の態度の背景には、言わずもがな、自民党の二階幹事長や連立相手である公明党の意向が強く働いたこと想像に難くはなく、親中派による連立政権、否、日本政界の支配が続く限り、この傾向は、今後とも続いてゆくことでしょう。それ故に、周さんや黎氏等逮捕の報に接しても、日本国政府は黙認するのではないかと国民の多くは予測しているのです。つまり、中国に媚びてきた日本国政府には、殆ど何も期待はしていないのです。

 

 こうした状況は、11月の大統領選挙を前にして、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン氏の両候補者が、お互いに対中強硬策を競っているアメリカとは雲泥の差があります。歴史的に中国との関係が深く、親中派と目されてきた民主党でさえ、反中を国民にアピールしなければ大統領選挙には勝てないほど、アメリカ世論は反中に傾斜しているのです。この点、日本国の世論も変わりはないのですが、何故か、政治サイドだけは未だに国内世論のみならず国際世論の変化に乗り遅れている、あるいは、無視を決め込もうとしています。

 

 日本国政府が何もしないとなりますと、一体、一般の日本国民には何ができるのでしょうか。政府の確信犯的な無策を前にして無力感に襲われるのですが、個人レベルでもできることあります。それは、中国製品を使わない、買わない、というものです。新型コロナウイルス禍の初期におけるマスク不足と価格高騰で示されたように、今日、ファウェイ製のスマホといったIT分野の製品のみならず、国内市場は食品から日用雑貨に至るまで中国製品で溢れています。中国は、世界の工場の地位を獲得し、輸出促進で外貨準備を積み上げで大国に伸し上がった国ですから、日本国の消費者による中国製品不買は、事実上の経済制裁の効果が期待されます。また、アメリカでは、中国系のアプリが使用禁止となる方向にありますが、TikTokやアリババ系各種サービス、並びに、ネットゲームを含め、ユーザーが中国系のネットサービスの使用を止めれば、中国経済に少なくないマイナス影響を与えると共に、日本国民の個人情報が中国政府によって掌握されるリスクも回避することができましょう。

 

 自由主義経済とは、消費者の選択の自由を基盤として成り立つ経済システムですので、消費者から拒絶されますと経営も傾くこととなります。共産主義のイデオロギーの下で政治と経済が一体化している中国は、政経一体体制が仇となって、日本国民をはじめとした自由と民主主義、そして、法の支配を尊ぶ人々からの、無言の抗議を受けることになるのではないかと思うのです。

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フォークランド紛争も民間人上陸から始まった―尖閣諸島の危機

2020-08-10 10:28:18 | 日本政治

 新型コロナウイルス禍の対応に追われる周辺諸国の混乱を好機と見た中国は、積極的な領土拡張政策に打って出ています。南シナ海やブータンにおける侵略的行動に留まらず、今や中国は、日本国にもその鋭い牙を剥きつつあります。

 

 中国政府が定めた休業期間が開ける8月16日は、日本国にとりまして、最も警戒すべき日となることでしょう。何故ならば、尖閣諸島周辺海域に大規模な中国漁船団が出現することが予測されているからです。漁業操業とは言っても民間の中国人漁民によるものではなく、中国漁船団は、常に中国の巡視船によってガードされており、同巡視船も、とりわけ領海を侵犯する際には、さらに中国軍のミサイル艇によって援護されているそうです。つまり、民間漁船、中国海洋警備船、中国海軍の三段構えの形で尖閣諸島に迫っているのであり、こうした行動が、尖閣諸島侵略計画の一環であることは疑いようもありません。

 

 そして、ここで思い起こされるのは、1983年に発生したイギリスとアルゼンチンとの間で武力衝突に至ったフォークランド紛争です。この紛争は、英領フォークランド諸島(マルビナス諸島)の領有権をめぐる両国間の争いが背景にあるのですが、この時の開戦経緯を見ますと、尖閣諸島沖の中国漁船団の動きを楽観視はできなくなります。同年3月19日、アルゼンチン海軍の輸送艦によって鉄くず回収業者の一団が同島に上陸し、この民間事業者の一団に作業員として紛れ込んでいたアルゼンチン軍の軍人が、同島にアルゼンチンの国旗を掲げたことが開戦の発端となったからです。つまり、他国の離島を奪取するに際して、まずは民間人を装った軍人を上陸させるのが、戦術上の常套手段の一つなのです。

 

 フォークランド紛争の前例からしますと、今般の中国漁船団の‘来襲’は、楽観視できないことになります(中国の漁民は、‘当局の指示次第’とも…)。実際に、2010年9月に発生した尖閣諸島中国漁船衝突事件において逮捕された中国人船長は人民解放軍に属していたとする有力説もあり、今般の漁船団にも、人民解放軍の軍人が民間漁民を偽装して潜んでいる可能性も否定はできません。否、堂々と中国軍艦隊を引き連れて尖閣沖に現れ、‘偽装漁民’が尖閣諸島に上陸するのを援護するかもしれないのです。

 

 中国漁船衝突事件に際し、当時の日本国政府が中国人船長を釈放して帰国させるなど、甘い対応に終始したことから、その後、尖閣沖における中国船の活動がさらに活発化したとする指摘もあります。今般、中国漁民の上陸ともなりますと、その衝撃は同衝突事件の比ではなく、日中関係は一気に緊迫化します。フォークランド紛争と同様に、局地的であれ、軍事衝突に発展しかねない事態を迎えるかもしれないのです。

 

 もっとも、フォークランド紛争のケースでは、フォークランド諸島がイギリスとアルゼンチンとの間の‘領土問題’(双方ともが同諸島を領有権の係争地であることを認め合っている状態…)であったことから、同盟国であるアメリカもNATOも同紛争には介入しませんでした。一方、尖閣諸島は、トランプ政権も日米安保条約の適用範囲であることを明言しており、‘尖閣の危機’は、米中戦争への導火線となります。今般、米中対立が日に日に激しさを増しており、何らかの切っ掛けがあれば、即、戦争、あるいは、第三次世界大戦の火蓋が切って落とされかねないのです。アメリカ国内でも反中感情が高まっていますので、同国の世論は、日米両軍による尖閣諸島奪回作戦の遂行を含め、対中武力行使を支持することでしょう。

 

 軍事衝突の可能性がある以上、日本国政府は、中国によって全責任を押し付けられる状態を回避するために、先ずは、国際社会を前にして、日本国による尖閣諸島領有の正当性を証拠を添えて説明すると共に、中国に対しては、仮に日本領有に異論があるならば、国際司法裁判所に訴えるよう要求すべきです。日本国政府は、中国からの提訴があれば、中国の主張を否定するためにこそ、合意することでしょう(一般的には、国際司法裁判所への提訴合意は‘領土問題’化するとして懸念する声もありますが、一般社会でも、隣人が力づくで自分のモノを奪い、自分の所有物であるとして裁判所に訴え出た場合、応訴しない人はいないのでは…)。たとえ中国がこの要求を拒絶したとしても、日本国政府には最善を尽くした実績が残り、国際社会において中国側が‘侵略国’であることを明らかにすることができます。日本国政府は、尖閣危機を想定し、8月16日に向けて準備を万全に期するべきではないかと思うのです。

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核禁止条約は正義なのか?

2020-08-09 12:34:08 | 国際政治

8月6日と9日は、日本国にとりまして特別な日です。75年前のこの日、人類史上初めて広島と長崎に原子爆弾が投下され、爆風で頭上高く沸き上がるきのこ雲の下で多くの国民が一瞬にして犠牲となったからです。このため、戦後、日本国政府は一貫して核廃絶を支持しており、1976年には核兵器不拡散条約(NPT)にも加盟しました。この流れからしますと、新たに国連で採択された核禁止条約にも加わるのが当然のようにも思えるのですが、日本国は、同条約への批准を見送っております。

 

 核兵器禁止条約に対する消極的な日本国政府の態度に対して、核兵器廃絶に対して後ろ向きとする批判も少なくありません。本日、長崎市の平和公園で開かれた平和記念式典にあっても、同市の田上富久市長は、平和宣言おいて日本国政府に対して同条約への批准を求めたと報じられています。核兵器禁止条約への消極的態度の理由としては、現状にあって日本国が同盟国であるアメリカの‘核の傘’の許にあることが指摘されており、自国の安全保障上のリスクが最大の理由となりましょう。そして、もう一つ、重要な理由があるとすれば、それは、NPTのみが、核保有国をも包摂する一般国際法としての要件を凡そ備えているからなのではないかと思うのです。

 

 核兵器開発に成功した中国とフランスがNPT体制に加わったのは、冷戦崩壊後の1992年に至ってのことです。NPTが採択されたのは1968年7月1日のことですので、国連の常任理事国であり、かつ、核保有国でもある5カ国がNPTのメンバー国として顔を揃えるまで、足掛け24年の年月を要したこととなります。1992年とは、核兵器の国際的リスク管理の側面からすれば画期的な年であり、ようやく一般国際法の体裁を整え、NPT体制が世界レベルで成立した記念すべき年であったとも言えましょう。そして、このことは、同時に、核保有国が、核保有の特権と引き換えに、核拡散を防止すると共に核軍縮交渉を行うという条約上の義務を負うことを意味したのです。

 

 一先ずは、NPTのみが核保有国に国際法上の義務を課しているとしますと、核禁止条約を批准することは、むしろ、1992年の成果を無に帰してしまうリスクさえ認められます。核の国際的リスク管理の問題は、核禁止条約に国際世論の関心が逸らされることで、むしろ、NPTの枠組みを弱め、核保有国による核軍縮交渉を経た段階的な核廃絶への道を後退させてしまう可能性も否定できないからです。同条約は、ようやく1992年に成立したNPT体制を根底から揺さぶる攪乱要因ともなりかねないのです。因みに、核保有国は、その一ヶ国さえも核禁止条約には署名しておらず、現在、非核保有国の40か国が批准しているに過ぎません(50カ国が批准すると90日後に発効…)。批准国が凡そ190を数えるNPTとは雲泥の差があり、インド、パキスタン、イスラエル、そして、北朝鮮やイランといった諸国が存在しつつも、NPTの包括性が一般国際法としてのポジションを支えているとも言えましょう。

 

 このように考えますと、核兵器禁止条約を推進した人々が、何故、NPTの第8条が定める改正や再審議の手続きを用いようとはせず、全く別の枠組みを造ろうとしたのか、理解に苦しむところです。そして、中国が核保有国としての義務を果たさず、かつ、北朝鮮やイランが違法に核兵器を開発・保有しようとしている今日、核保有国をも拘束してきたNPTもまた、風前の灯の状態にあります。仮にNPT体制が崩壊するとしますと、この事態に至って初めて、核禁止条約が全く無意味、否、破壊促進的でさえあったことに多くの人々は気が付くのではないかと思うのです。

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‘情報ワクチン’の効果とは?

2020-08-08 10:55:04 | 国際政治

 日本国政府は、米英の製薬会社と相次いでワクチンに関する合意を取り付けており、総数で2億回分ほどのワクチンは確保できる見通しのようです。数からすれば、国民全員に接種してもまだ余剰が生じる程なのですが、日本国政府は、内閣支持率が低下傾向に歯止めをかけるべく、国民に向けてワクチン確保の業績をアピールしたいのかもしれませんが、実のところ、逆効果ではないかと思うのです。

 

 WHOのテドロス事務局長も、「ワクチン国家主義」に警鐘を鳴らし、富裕国のみがワクチンを独占し、途上国の国民が感染危機に晒されたままに放置される事態を懸念しているとも報じられており、あたかも、国際社会では、激しいワクチン争奪戦が起きているかのようです。ワクチン確保が難しい現状にあるからこそ、日本国政府も、競合国が犇めく中で米英製薬会社との合意に漕ぎつけたタフな交渉力を、安倍政権の実績としたいのでしょう。しかしながら、新型コロナウイルスワクチンにつきましては、マイナス情報の方が余程目につきます。

 

 アメリカでは、昨日(8月7日)、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、たとえワクチン開発に成功したとしてもその有効性は50%から60%にとどまり、引き続き感染防止策を要すると述べています。この発言に従えば、重症化を避けたり、感染者数を減らす効果は認められるものの、コロナ以前の状態に戻す程の効果は期待できないようです。日本国における重症化率は諸外国よりも低く、ワクチンの効果も通常の生活形態に戻るほどのレベルにないとすれば、ワクチン接種の動機は低下することでしょう。

 

また、本日(8月8日)、日本国でも、国立感染症研究所が、日本国内では6月から突然に従来のタイプ(欧州系統)とは異なる遺伝子配列をもつウイルスが出現し、全国的に感染が拡大しているとの報告を発表しています。新型コロナウイルスはRNAウイルスに属しますので遺伝子配列が変異しやすく、今般の新タイプのウイルスも突然変異によるものかもしれませんし、あるいは、外部から持ち込まれたものかもしれません。何れにしましても、同ウイルスの高い変異性を考慮しますと、変異に拘わらず全てのコロナウイルスに対応するユニバーサル・ワクチンではない限り、米英で開発されたワクチンが必ずしも日本国において有効性を示すとは限りませんし、抗体依存性感染(免疫)増強のリスクも高まります。

 

 以前から抗体が短期間で消滅する可能性も指摘されており、感染拡大から1年も経ずしてワクチンの安全性が確認された状態に至るとも思えず、国民の大半は、ワクチン接種には消極的です。アメリカでは反ワクチン運動が既に起きているように、懐疑的と言っても過言ではないでしょう。ですから、‘ワクチン争奪戦’や‘ワクチン国家主義’といった言葉が登場してきても、むしろ、危ないワクチンなど‘確保できなくても構わない‘、あるいは、‘確保して欲しくない、と考えている国民の方が多いかもしれないのです。ワクチンを調達した途端、日本国政府は、法律を改正して国民に対して強制接種を試みようとするかもしれないのですから。

 

日本国政府によるワクチン合意を報じる記事に付されたネット上のコメントを読みますと、’最初に政治家から打って欲しい‘という意見も散見され、如何に政府が国民から信用されていないかを如実に語っています。ネット時代を迎え、国民もまた新型コロナウイルスやワクチンに関する知識や情報を備えている今日、国民は、’情報ワクチン‘によって政府に騙されにくくなっており(予め危険性を伝える情報…)、こうした拒絶的な反応は、政府が不審な行動をとるとすぐに警戒モードに入るような、謀略に抗する’免疫‘を獲得した結果なのかもしれないと思うのです。

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グローバリズムは何故植民地主義を呼び覚ますのか

2020-08-07 12:34:03 | 国際政治

 本日の日経新聞朝刊の一面には、中国による途上国に対する過剰融資の問題が取り上げられておりました。融資先のリストを眺めますと、ジブチを筆頭にアフリカ諸国や太平洋諸国が上位に名を連ねており、中国の海洋支配をも包摂する世界戦略の一環であることは一目瞭然です。そして、この実態は、グローバリズムというものが、眠れる植民地主義を呼び覚ました理由をも説明しているように思えます。

 

 自由貿易主義の基礎理論であり、かつ、グローバリズムの効用を説明するに際しても用いられるリカードの比較優位説は、国際収支については全く何も語っていません。二国二財に単純化されたモデルによって示されているのは、貿易国双方による生産性において優位な産業分野への特化による互恵的な国際分業の成立です。貿易国双方が発行する通貨、貿易決済通貨、国際通貨といった貿易に付随する‘交換の媒介手段’については同モデルから排除されているのであり、逆の見方からすれば、貿易決済の側面が閑却されているからこそ、同モデルは、広く自由貿易主義に論理的根拠を与える理論として信奉されてきたのでしょう。

 

 しかしながら、現実を見ますと、貿易とは、二国間のみではなく多角的に行われるものですし、世界大の自由貿易ともなりますと通商関係はより複雑となります。つまり、貿易相手国が増える程、現実はリカードの単純モデルから離れてゆきます。そして、何よりも、同モデルにおいて無視されている国際収支が、自由貿易に限界をもたらすこととなります。何れの国も、自由、無制限、かつ永遠に貿易を拡大させることができるわけではなく、相手国、あるいは、外国企業に対して輸入品の代金としての支払いができなくなった時点、即ち、国際収支が赤字に陥った時点でブレーキかかり、限界を迎えるのです。

 

同限界を乗り越えための手段の一つは、外部から融資を受けることです。自由貿易主義を掲げつつも、第二次世界大戦後は、国際収支の問題を緩和させるためにIMFが設立され、デフォルトの危機に直面する国を救済する仕組みが設けられています。しかしながら、同基金も万能ではなく、全ての諸国を救済できる程の能力を備えているわけではありません。IMFの他にもEUといった地域機構にあって同様の融資システムを有する場合もありますし、多国間の枠組みでスワップ協定等が結ばれることもありますが、何れも、十分な対応力を有するには至っていません。そこで、国際機関に頼ることができないとなれば、外貨準備を積み上げている国、即ち、貿易収支の黒字国から融資を受けるしかなく、中国が、一躍、債権国として躍り出た理由は、グローバリズムの結果として多くの諸国が赤字国の立場に陥ったからに他なりません。

 

しかも、グローバリズムは、地球を一つの市場と化すことを目指しますので、全世界レベルでの交通網の整備やIT化をも強力に推進します(植民地主義は、大手IT企業の進出をも伴う…)。この結果、貿易赤字のみならず、インフラ整備のための受けた融資の債務も積み重なります。途上国ともなりますと、グローバル市場において競争力有する産業分野も少なく、輸入代金の支払いや債務返済に要する外貨を獲得するには、天然資源を主力輸出品とするか、あるいは、観光地化するしか道がありません。そして、天然資源や観光資源に乏しい途上国は、融資の代償として中国の世界戦略上において価値を有する自国内の拠点やコンセッション、さらには、統治権の一部を譲渡すると共に、国際社会にあっても常に中国の意向に沿った立場を採らざるを得なくなるのです。

 

かくして、グローバリズムが拡大すればするほど、全世界に新たな植民地主義が蔓延り、もはや、独立国家とは言えないような状態に陥る国が続出するのです。もちろん、その背後にあって中国は全世界の諸国に対して‘チャイナ・マネー’をばら撒き、政治家等の有力者を篭絡する、あるいは、親中派のリーダーを養成するのですから、これらの人々による売国的行為をブースターとして植民地化はさらに加速されることとなるのです。このグローバリズムの悪しき側面は、途上国に限ったことではなく、今や、日本国を含め、全世界は中国による植民地化の脅威に晒されていると言っても過言ではありません。

 

グローバリズムが植民地主義と表裏一体であるとすれば、前者に対する見直し論が起きるのも当然のことです。そして、グローバリズムと共に押し寄せてくる中国による植民地化を防ぐには、‘中国を貿易黒字国にしてはならない’ということになりましょう。中国の頸木から解放されるには、やはり、中国の経済力を削ぐしか道はないのではないかと思うのです。眠れる植民地主義は、現代という時代にあって、目覚めるべきではないのですから。

 

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最大の核の脅威は中国

2020-08-06 11:34:51 | 国際政治

NPT(核拡不拡散条約)は現代の不平等条約であると評されているように、NPT体制において、核保有国は、核保有という最大の特権が認められています。核保有を既成事実化している国としては、インド、パキスタン、イスラエルがあり、締約国でありながら秘密裡に核を保有した北朝鮮のケースは(脱退は未承認…)NPT違反となるのでしょうが、国連の常任理事国である、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、そして中国の5カ国は、警察官が携帯する拳銃の意味合いからも、核保有国としての地位を得ています。

 

 NPT体制の基本構図は、特権を有する核保有国が責任を以って核拡散を防止すると共に、非核保有国を核の脅威から護るというものであり、一先ずは権利と義務がバランスするように設計されています。非核保有国は、核保有が許されないものの、核保有国がその責任を誠実に果たしていれば、安全が確保されるのです。そして同時に、NPTの第6条は、核保有国間の核軍備競争を止めさせ、核軍縮へと向かうように軍縮交渉を義務付けています。同条文は全ての締約国に向けられていますが、核軍縮を求めている以上、核保有国の義務として解されているのです。

 

 冷戦の全盛期には米ソ両国は核兵器の保有数において相手国に優ろうとし、激しい核軍備競争を繰り広げましたが、米ロ両国は、2010年4月に調印された新戦略兵器削減条約(新START)が2021年2月に期限が切れるのを前にして、核軍縮交渉を進めることで一致しています。ロシア側は同条約の延期を希望していますが、アメリカは、中国を交えた新たな核軍縮の枠組みを提案しています。それでは、中国の反応はどうなのでしょうか。NPTが核保有国に課している第6条の義務からすれば、中国は、当然に、アメリカが提案している米ロ中3カ国間の核軍縮の枠組みに加わるべきことは言うまでもありません。ところが、中国は、同枠組みへの参加を拒否しているのです。‘アメリカが核保有数を中国と同レベルまで引き下げれば、喜んで協議に加わる’として…。

 

 この一件が示すように、中国にとりましての‘交渉’とは、一方的な自国の要求の突き付けであり、同要求が受け入れられなければ‘我が道を行く’ということなのでしょう。そもそも中国には‘交渉’という概念自体が欠落しており、‘イエスかノー’かの世界に生きているかのようなのですが、少なくとも、中国には、核軍縮の意思が全くないことだけは確かです。そして、核保有国でありながら核軍縮を拒絶するこの態度は、NPT第6条に違反していると言わざるを得ないのです。

 

 3国核軍縮の枠組みへの不参加表明は、中国による核軍備拡大路線の宣言とも言えるのですが、その可能性を強く示唆するのは、中国による原子力発電所建造計画です。現在、中国は世界第3位の原子力大国であり、将来的に原子力発電所の数は100基に迫るのではないかと予測されています。福島第一原発事故以降も拡大傾向は続いており、脱原発・反原発運動の中で新規拡大に抑制的な他の諸国と真逆の道を歩んでいるのです(使用済み核燃料の平和利用についても、中国から特に注目すべき情報は出てこない…)。そして、こうした中国の原発拡大計画は、安価な電力供給を供給することで‘世界の工場’の地位を維持すると共に(枯渇が懸念されているウラン資源も凡そ独占できる…)、上述した中国の核軍備拡大路線を支える役割を果たしているものと想定されるのです。

 

 昨日、8月5日、アメリカのポンペオ国務長官は、改めて中国に対して米ロ中の三カ国による新たな核軍縮交渉の枠組みに参加するよう求めたと報じられていますが、今日、日本国をはじめ非核保有国に対して核の脅威を与えているのは、中国に他なりません。国際社会にあって、暴力団が警察官の役割を果たしているようなものであり、非核保有国にとりましては、理不尽な状況が放置されているのです。核保有国としての義務を果たさない中国は、保有国としての特権を剥奪されるべきなのですが、非核保有国の一国として、そして、唯一の被爆国として、日本国政府は、中国に対して強く同枠組みへの参加を要求すべきではないかと思うのです。

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有力推理でも解けない‘謎の種’の謎

2020-08-05 12:28:53 | 国際政治

 アメリカ、イギリス、カナダ等で頻発していた‘謎の種’事件。注文もしていないはずなのに、中国から突然に正体不明の種子が送られてくるという事件です。日本国内でも発生が報告され、メディアをも騒がす事態となりました。国民の関心も高いのですが、ここで、この謎を解く一つの有力推理が登場してきています。それは、ブラッシング詐欺説です。

 

 ブラッシング詐欺説とは、確定されたわけではないものの、アメリカの農務省もその可能性を認めており、同事件を説明する有力説とは言えましょう。ブラッシング詐欺の手法とは、大手通販において出品業者が購入者から高評価のレヴューを得るために使う詐欺の手法であり、大手通販のサイト上の架空のアカウントを大量に作成し、偽の高評価を書き込むというものです。高評価のレヴューが増える程に売り上げも伸びるそうですので、詐欺を実行する側の動機をも説明しています。今般の‘謎の種’事件も、その多くはアマゾンの商品として配達されており、この説の信憑性を高めているのです。

 

 同事件に関しては、東洋経済オンライン上の記事にあって、ブラッシング詐欺の巧妙な手口が詳述されています。同記事によりますと、専門の不正業者が存在し、偽レヴューの書き込みを請け負っているそうなのです。そして、今般の事件頻発の背景として、大手通販によるレヴュー書き込み方法の変更が指摘されています。ブラッシング詐欺を防ぐために、大手通販では、商品の送付と配達完了の記録が残らない限り、レヴューを書き込むことができないように変えたのです。つまり、同詐欺を成立させるためには、請負業者は、何らかの商品を実在する住所に配達し、受け取ってもらう必要があるのです。しかしながら、この推理によって、謎の種子事件は一件落着するのでしょうか。

 

 おそらく、同推理を以って多くの人々が納得して安心する、といった状況には至らないように思えます。その理由は、同推理でも解けない謎が残されているからです。同記事によれば、配達物に貼ってある中国郵政のラベルは偽物であり、これを剥がすとその下に本物のベトナム郵政のラベルが現れるそうです。この仕組みについて、同記事は、国境を越えた複雑な操作の手口を詳述しているのですが、同説明を鵜呑みにすると出品業者や不正業者が中国郵政やベトナム郵政のラベルを勝手にプリントアウトできることとなってしまいます。まずもって、こうした行為が可能なのか怪しいのです。

 

 そこで、中国郵政やベトナム郵政のラベルは、これらの公社しかプリントできないと仮定しますと、詐欺の手口は以下のようになります。

 

1.不正業者は、大手通販の購入履歴等から入手した住所リストから、不正を請け負った出店業者に対して架空の注文を発注する。この結果、大手通販の許に発注記録が残る。

2.不正業者は、出店業者の商品は、中国の工場、あるいは、保管倉庫にあることとし、中国からの発送を装う。このため、発送元は中国の住所となるが、ベトナムの方が郵送料が安価なため、実際には、ベトナムにて何らかのダミー商品を調達する。

3-1.不正業者は、ダミー商品をパッキングし、ベトナムからベトナム郵政の正規便で商品をリストの住所に発送する。ラベルについてはベトナム港湾を買収し、発送時に偽造した中国郵政の偽ラベルをベトナム郵政ラベルの上に貼る。ベトナムを出港した郵便船が中国を経由する場合には、この手法を採ることができる。

3-2.もっとも、3-1では、中国を経由しない場合、ベトナムから輸送されてきた貨物に中国郵政のパッケージが混入されているため、日本国の税関にて怪しまれてしまう。そこで、ベトナム発のパッケージを中国発の貨物に積み替える必要がある。このケースでは、中国の港湾当局職員の買収が不可欠であり、ベトナムから中国の港に届いたパッケージに中国郵政のラベルを貼ってもらい、改めて日本向け貨物に積みなおす。

4.パッケージは日本国に届き、日本郵政を介してリストの住所に配送される。パッケージが配送された時点で配送が記録されることになり、大手通販にデータとして通達される。

 

 こうした手法をとれば、出店業者への注文からリスト住所への配達までが大手通販に記録され、大手通販がチェックしても不審な点は見当たらず、不正業者も、レヴュー書き込みの資格を獲得し、堂々と五つ星を付けて高評価なコメントを書き込むことができます。なお、上記の推理と記事との間の主たる相違点は、郵政ラベルのプリント元、並びに、中国港湾当局の‘協力’の有無にあります(3-2の場合…)。‘完全犯罪’のようにも見えるのですが、それでも謎は残ります。

 

第一に、注文を出した覚えのない商品が届けば、誰もが怪しみ、警察沙汰になることは容易に予測できます。狡猾な不正業者と雖も、犯罪が容易に発覚するリスクを踏んでまで、こうした大掛かりな詐欺を実行するとも思えません。また、不正を依頼した出店業者にも、レヴュー操作を行っていたとなれば、消費者からの信頼を失って経営が傾く甚大なリスクもあります。

 

第二の謎は、敢えてダミー商品として植物の種子を選んだ点にあります。植物については、生態系に影響を与える可能性もありますので、他の製品よりも厳格な検疫が実施されています。言い換えますと、意図的に発覚リスクが高いものを選んでいるのです。ここに、中国によるバイオテロ説が唱えられる背景があり、ブラッシング詐欺にしては選ぶ対象が不自然すぎるのです。しかも、送られてきた種子にジャイアント・ホグウィートといった有害植物が含まれていたとしますと、もはや、ブラッシング詐欺説は成り立たなくなります(アメリカ農務省によると、今のところは14種のハーブや草花の種とも…)。

 

同手法は、中国やベトナムの港湾当局の協力なくして実行し得ませんので、仮に、ブラッシング詐欺であるとすれば、両国の腐敗体質は凄まじいレベルと言わざるを得ないのですが、第三の謎は、中国当局の協力姿勢です。とりわけ中国では、ITによって経済・社会の隅々まで当局の監視が行き届いていますので、公務員の不正や腐敗は厳しく取り締まられているはずです。ブラッシング詐欺説に従えば、不正業者こそ中国政府をバックとした中国系の企業であり、対米攻撃の一環として、アメリカの大手通販のレヴューの信頼を落とすために、こうした事件を起こしている可能性も否定はできません。

 

 同事件は、米中対立の最中にあって発生しているだけに、人々に言い知れない不安感を与えています。上記の考察からすれば、単なるブラッシング詐欺説よりも、アメリカ大手通販の信用失墜、並びに、バイオテロの両方の線からアプローチすべきでしょうし、あるいは、両者を同時に狙った犯行とも推測されます。真相については、今後の捜査当局による調査結果を待つしかないのでしょうが、中国が絡むだけに、同事件を軽く見てはならないように思えるのです。

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官房長官による‘首相の職権乗っ取り’問題

2020-08-04 12:33:24 | 日本政治

 議院内閣制は民主的制度の一種ではあるものの、大統領制のように国民による直接、あるいは、間接的な投票によって選出されるわけではないために、必ずしも国民の信を得ているわけではない、という欠点があります。このため、しばしば、党内力学等によって国民が望んでいない人物が首相の座に就くことにもなってきたのですが、最近の日本国の政治を見ておりますと、別のリスクも見られるようになりました。それは、官義偉官房長官による首相の職権の‘乗っ取り’という問題です。

 

 本日8月4日の東洋経済オンラインの記事によると、新型コロナウイルスの感染数が再び増加に転じる中、安倍首相の気力低下が著しく、代わって菅官房長官が陣頭指揮を執っているというのです。政府自身がテレワークを推奨しているのですから、首相であっても、自宅からオンラインで執務することはできるはずです。同ウイルスに感染したイギリスのジョンソン首相でさえ、集中治療室に移されるまでの間、病室にあって執務を続けたとされています。安倍首相は健康体のはずですので、首相の‘巣ごもり’状態の説明には多くの国民が首を傾げるのですが、何よりも警戒すべきは、いつの間にか、日本国の首相の職権が、国会はおろか、国民の合意もなく別の人物に掌握されてしまう事態です。

 

 同記事は、この事態をとりたてて危険な兆候とは見なしておらず、むしろ、菅官房長官のリーダーシップを持ち上げる‘よいしょ記事’とも見られなくもありません。当然のことのような書きぶりなのですが、冷静に考えてみますと、これは日本国の民主主義の危機のようにも思われます。同官房長官は‘影の首相’とも称されてはきたのですが、安倍首相が「アベノマスク」の着用を止めたのも、菅官房長官が医療用マスクの追加配布を見直したためとされていますので、今や‘主従’の関係が逆転してしまっているかのようなのです。

 

 そして、菅官房長官に関して警戒を要する点は、同氏が中国と親しい関係にあることです。先日も、台湾の民主主義の父とも言える李登輝氏の逝去に際し、‘一つの中国’を主張する中国への配慮から葬儀への日本国の特使の派遣について「予定はない」と述べています。中国による台湾併合を認めかねないリスクのある発言であると共に、長きにわたり日本国を懸命に擁護してきた李登輝氏に対してあまりにも恩知らずな態度でもあります。菅官房長官は満州からの帰国者なのですが、何らかの中国人脈が同氏の言動に影響を与えている可能性もありましょうが、何れにしましても、二階官房長官、公明党、今井首相補佐官と共に、菅官房長官は日本国の政界にあって親中勢力の一角を成しているのです。同官房長官が今にあって‘ポスト安倍’の候補者として再浮上しているのも、中国からの後押しがあるからなのかもしれません。

 

もっとも、同記事では、菅官房長官の真の狙いは自らが‘ポスト安倍’の座を獲得することではなく、‘ポスト安倍’のキングメーカーになることではないか、とする憶測もあるそうです。これが事実であるとしても、同官房長官こそ、国外に居する影のキングメーカーから抜擢された、日本国内にあって画策とうの任務を担う‘キングメーカーのキングメーカー’かもしれません。何れにしましても、親中政治家としての菅官房長官による首相職の代行は、日本国の政治が、国民の意に反して、事実上、中国に乗っ取られてしまう危険性を示しているのです。

 

‘ポスト安倍’については、同記事を含めて大半のマスメディアは、○○派が△◆氏を支持しているといった自民党内の派閥力学や多数派形成に関する情報を報じてはいますが、国民の意向については殆ど関心を払っていません。大多数の国民が、親中政権の誕生など望んでいないにも拘わらず…。そして、菅官房長官が臨時国会の開催や今秋における衆議院議員の解散を否定するのも、現状を維持した方が、存分に首相職権を行使できるからなのでしょう。

 

議院内閣制の欠陥が表に現れた形ともなるのですが、そうであるからこそ、この欠陥を是正するために、民主主義の原点に返り、国民に‘ポスト安倍’を選択する機会が与えられるべきなのではないでしょうか。安倍首相は、心身の不調から自ら職務遂行が難しいと判断したならば潔く辞職すべきしょうし、解散総選挙に至った場合、各立候補者とも、自らが支持する‘ポスト安倍の’候補者を有権者の前に明らかにすれば、有権者は、親中派の候補者を排除することができます(自民党からの立候補者であっても、候補者自身を含め、それぞれの‘ポスト安倍’が違ってもよい…)。次期総選挙は、主権者たる国民が次期首相を選ぶ‘ポスト安倍選挙’とすべきではないかと思うのです。

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IoTの時代は来るのか-消費者が求めるのは‘繋がらない家電’では?

2020-08-03 15:42:57 | 社会

 かつて、全世界の市場を日本製品が席巻していた時代がありました。高品質、低価格、コンパクトという三拍子を揃えていたのですから、当時にあっては、‘敵なし状態’であったのです。しかしながら、今では、とりわけ諸外国の家電市場は、技術力で追いつき、大量生産を得意とする安価な中国製で溢れかえっており、日本製品の存在感はすっかり薄れてしまいました。こうした日本製品の劣勢を挽回する起死回生のチャンスとして喧伝されているのが、‘繋がる家電’をめぐる国際開発競争において勝者となる道です。

 

 ‘繋がる家電’とは、人と物がネットを介して全て繋がる状態を理想としており、IoTの時代を迎えると、職場のオフィスや外出先などの屋外にあっても家の中にあるあらゆる家電を操作することができるようになります。例えば、夏の暑い日や冬の寒い日には、帰宅前にエアコンを起動させて室温を快適化したり、技術開発に成功すれば、帰宅と同時に予め外部から指定したメニューのお料理がテーブルに並んでいる、という生活も夢ではなくなります。高齢者や乳幼児の見守りも屋内カメラを通して外部からでもできるのですから、こうした未来を語られれば、誰もがIoT時代の到来を待ち遠しくなることでしょう。しかしながら、‘繋がる家電’は、本当に人々の暮らしを便利にするのでしょうか。‘繋がる家電’には、幾つかの問題点があるように思えます。

 

 第1の問題点は、外部から全ての家電に向けて逐一指令を出さなければならない、という新たな‘不便さ’の出現です。現状であれば、家庭内の家事のことはすっかり忘れて仕事に集中したり、ショッピング等の外出を楽しみことができます。しかしながら、‘繋がる家電’が普及しますと、仕事や作業の傍らで常に自宅の家電操作を気にしなければならなくなります。例えば、午前中に掃除機を作動させ、お昼休みに洗濯機を動かし、勤務終了間近の時間にはエアコンのスイッチをオンにしなければならないのです。また、監視カメラによる見守り機能を用いている人々は、仕事の最中にあってもスマートフォンから目を離すことができなくなるかもしれません。‘繋がる家電’は、人々に一種の‘二重生活’を強いるのであり、その心理的な負担は無視できないように思えます。

 

 第2の問題点とは、第1の問題点と同様に心理的な負担に関するものです。‘繋がる家電’によって内と外が一体化しますと、自宅にあってもリラックスできなくなるかもしれません。何故ならば、常に家電によって外部から監視されているような感覚に陥るからです。今般、テレワークの普及により内と外の境界線が融解しましたが、IoTの時代ともなりますと、別の方向性から内外の区別がなくなり、人々が心から寛ぐことができる私的空間が失われるかもしれないのです。

 

 そして、第3の問題点として挙げられるのは、テレワークの定着です。自宅での勤務が常態化しますと、勤務先から家電を操作する必要性や利便性は著しく低下します。つまり、‘繋がる家電’が存在しなくとも、人々は全く困らなくなるのです。こうした人々は、IoT時代の到来を待ち遠しいとは思わなくなることでしょう。

 

 一党独裁体制の中国がITを国民監視システムとして活用し、IT大手が個人情報をも掌握してデータ支配を強める中、果たして、人々が、‘繋がる家電’の出現を歓迎するのかどうか怪しい限りです。むしろ、心理的な不安を覚えた人々は、敢えて‘繋がらない家電’を求めるかもしれません。かつて、日本企業は、人々の生活を便利にする家電を送り出してきましたが、‘バスに乗り遅れるな’とばかりにIoT時代対応の家電の開発に奔走するよりも(たとえ開発に成功して、規模に優る中国企業に敗北しまう…)、原点に返り、より人々の生活を豊かにし、家事負担をも軽減するような新たな家電の開発に努めるべきではないかと思うのです。

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TikTokは‘現代のアヘン’では?

2020-08-02 10:41:04 | 国際政治

 アメリカ政府は、中国のByteDance社が運営するTikTokのアメリカ事業を分割し、マイクロソフト社に売却する方向で規制を強化する方針のようです。TikTokとは、ショートビデオのプラットフォームであり、近年、急速に全世界にユーザーを広げています。2017年には、米国内にあって10代向けのソーシャルメディアプラットフォームを所有していた上海発のmusical.lyをも買収合併し、拡大路線をひた走ってきました。日本国内にも既に上陸しており、2017年10月からサービスを開始しています。

 

 インドでは主権侵害を理由として既にTikTokは禁止されており、アメリカでも国家安全保障が問題視されています。中国企業ですので、同サービスを介して収集された個人情報が、同国の「国家情報法」の下にあって中国政府に渡るリスクがあるからです。「香港国家安全維持法」は、海外に在住する外国人も適用されますし、また、アメリカでは、ウイグル人に対する弾圧に触れた動画が遮断されるという事件も実際に起きています。このため、日本国内でも個人情報が中国に渡るリスクを懸念して、自民党の議連が規制強化に向けた法整備を政府に対して提言することとなりました。中国脅威論が高まる中、TikTokに対する警戒感も強くなるばかりなのですが、TikTokには、その本質において、人類を堕落させる意図が隠されているようにも思えるのです。

 

 日本国内においてTikTok禁止の可能性が浮上したことから、ネット上では、同サービスの消滅を惜しむ声が見られるようになりました。その記事の一つを読んで気が付いたことは、同サービスには、中毒性があるということです。その理由は、アプリを利用するとユーザーの個人情報が同社に渡り、AIを用いて同ユーザーのし好や興味の対象が分析され、配信動画がパーソナライズされるからです。つまり、アプリを開くと同時に好みの動画を視聴できるのであり、上記の記事に登場するTikTok愛好者も、就寝前に必ず同動画を見るのが習慣になってしまったそうです。TikTokがなくなれば、禁断症状が起きるらしいのです。

 

 そして、同愛好者がTikTokに嵌まった理由として述べているが、コロナ禍による自宅で過ごす時間の変化です。他のネットやSNSでは政治や経済の話題が多くて精神的に疲れるため、何も考えないでぼんやり見ていられるTikTokに流れたというのです(ショートビデオなので集中力も要らない…)。TikTokは個人が投稿するため、自然の風景や動物などの‘平和的な動画’ばかりなので、癒されるとされています。もっともこの説明は怪しく、ネットでTikTokの動画を検索しますと、魔界に迷い込んでしまったかのような錯覚を覚える動画が散見されます。10代、あるいは、それ以下と思われる子供たちの動画もあり、TikTok規制の理由の一つが児童保護にあるのも頷けます。犯罪の温床になりかねないリスクも垣間見られるのです。

 

 以上のようにTikTokの特性を理解しますと、何故、中国が、同アプリを自国のみならず全世界に拡散しようとしたのか、その理由も見えてきます。中国共産党は、国民が政治や経済に対する意識を高め、現行の一党独裁体制に疑問を呈すに至る状況は、何としても回避したいと考えているはずです。国民の関心を娯楽に向け、TikTokといったたわいもない動画に国民が夢中になり、無為に時間を過ごしている方が望ましいのです。いわば、TikTokは、‘現代のアヘン’なのです。

 

そして、この動機は、対中批判を強める諸外国に対しても同様です。『旧約聖書』にも見られるように、敵を倒す手段は武力のみではなく、相手国国民を精神的に堕落させて骨抜きにする、という方法も勝利を手にする有効な手法です。こうした手法は中国、否、共産主義国家の得意技でもあり、全世界の政治家や有力者の多くが既にこの方法で篭絡されているとも指摘されています。中国政府は、全人類を‘アヘン窟’へと誘うことで安逸に浸らせ、中国の侵略的行為に抗い、その一党独裁体制を批判する健全な精神を人類から消し去りたいのでしょう。しかも、TikTokを禁止すれば、その批判の矛先は中国ではなく楽しみを奪った相手国政府に向けられるのですから一石二鳥なのです。

 

アメリカにおけるTikTokの事業体はマイクロソフト社に売却されると報じられていますが、同社と中国との関係を考慮しますと、人類堕落戦略の危機が完全に過ぎ去ったとは言えないようにも思えます(中国の国家情報法の適用からは外れるものの、人類堕落化の脅威は続く…)。日本国政府も国民も、TikTokに潜む危険性を鋭く見抜き、最先端のテクノロジーを纏った娯楽と共に忍び寄る巧妙な戦略に対して、精神的な防御を怠ってはならないように思えるのです。

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中国のバイオテロに警戒を―謎の種子事件

2020-08-01 12:20:45 | 国際政治

 新型コロナウィルスの発祥地でありながら、一早く都市封鎖によって同ウイルスを封じ込めに成功した中国。ところが、首都北京では、食品卸売市場の新発地において集団感染が発生し、輸入冷凍品が感染源として疑われています。当初は、ノルウェー産のサーモンに嫌疑がかかったのですが、今月に入ると、エクアドル産の輸入エビから同ウイルスが検出されたとして輸入停止措置を採っています。

 

 南米にあって太平洋に面するエクアドルは、石油産出国でありながら、2008年のデフォルト危機を機に中国から巨額の融資を受けたがために返済に窮し、石油資産を中国に押さえられています。財政の6割を中国に依存した時期もあったとされ、南米にあってとりわけ親中色の強い国でもありました。しかしながら、2017年にモレーノ政権が誕生すると、同国政府は親米路線へと転換しています。中国が、エクアドル産の海産物を輸入禁止にしたのも、あるいは、モレーノ政権に揺さぶりをかける政治的な意図があったのかもしれません。先日も、同国のEEZ付近に中国の漁船が大挙して押し寄せ、海洋資源を荒らすという事件も発生しています。

 

 一事が万事であり、中国の行動には政治的な意図が隠されているのですが、今般、日本国にも、遂に‘謎の種子’が送られてくるようになりました。最初にアメリカやイギリスにおいて報告されたのですが、中にはジャイアント・ホグウィートという有毒植物の種子もあるそうです(中央アジアが原産地であり、19世紀に観賞用植物としてイギリスに持ち込まれる…)。樹液に触れると長期的な皮膚に瘢痕が残るほどの火傷のような炎症が起こり、目に入れば失明しかねないというのですから、恐ろしい植物です。同症状はヒアリ事件を思い起こさせるのですが、この事件の背景にも、エクアドルの事例と同様に、自由主義国に対する攻撃的な意思を読み取ることができます。送り主は民間会社を装っているそうですが、共産党一党独裁体制の下にあって、中国の当局は、徹底的な国民監視体制を強いているはずです。個人のみならず、自国企業の輸出品についても全情報に把握しているでしょうから、中国政府が黙認している、あるいは、その指令の下で種子を“仮想敵国”に送り付けているとしか考えようがないのです。

 

 そして、最も警戒すべきは、中国からの輸入食品、あるいは、輸入製品全般にもウイルスをはじめとした何らかの有毒性のあるものが付着しているリスクです。WHOは、当初、公式サイト上のQ&A方式のファクト確認の最初の項目で‘中国からの手紙や小包を受け取っても安全’として、早々と‘安全宣言’を出していました。しかしながら、上述したように、冷凍食品とはいえ輸入品からウイルスが検出したとなれば逆も当然にあり得るのであり、過去であれ、現在であれ、冷凍食品をはじめ、中国から発送されたあらゆるものに新型コロナウィルスなどの有毒物が付着していた可能性も否定はできなくなります。同ウイルスの海外への感染ルートは、‘人’の国境を越えた移動のみではないのかもしれません。

 

謎の種子も、中国によるバイオテロを疑って然るべきように思えます。同事件は、個人情報が中国に漏れている証拠ともされていますが、他国に対して有毒植物の種子を送り付けるという悪意に満ちた行為は、他国の個人情報を取得した同国が民間人をも標的にしている証でもあります。中国にとりましては、国際法は紙切れに過ぎないのでしょうから、中国によるバイオテロについては、日本国政府を含む全世界の政府は検疫を強化すべきですし、同種子を徹底的に調査・分析すべきではないかと思うのです。

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中国の電力は大丈夫?-三峡ダム問題

2020-07-31 12:35:11 | 国際政治

 中国大陸に降り続く記録的な雨は、世界最大級のダムとして長江中流域に建設された三峡ダムを瀕死の状況に至らしめているようです。決壊も懸念される事態となりましたが、同ダムは、世界最大の水力発電所でもあります。

 

 同ダムの発電量は年間2250万キロワットに上り、原子力発電所や大型火力発電所で換算しますと16基分に当たるそうです。中国当局は、目下、上下流域における水害被害を承知の上で大量の水を放出し続けているのですが、決壊危機の中、同ダムの発電所は稼働しているのでしょうか。上流から濁流が流れ込み、既に警戒水位を超えているのですから、水力発電所は稼働を停止していると考えてしまいがちです。それでは、中国の電力事情は、実際には、どのような状況なのでしょうか。

 

 記録的な豪雨は6月に既に始まっていたのですが、人民網日本語版によれば、少なくとも7月9日頃の時点では、三峡ダムを含めて長江流域に設置されている4つのカスケード式ダムが今年初めてフル稼働と記録したことを誇る記事を発信しているのです。「経済・社会の質の高い発展にクリーンエネルギーの原動力のサポートを提供した」として…。発電総量は、全84基で3953万キロワットとされています。三峡ダムの発電量が中国の消費電力総量の2%ですので、4%弱が長江の水力発電に依存していることとなりましょう。

 

 新型コロナ禍による都市封鎖により経済活動が一時停止した中国では、習近平国家主席の旗振りの下で、経済のV字回復政策が推進されています。同記事の論調からしますと、中国政府は、水害による国民の被害を心配するよりも、電力供給量の増加を‘経済回復に力強く信頼性の高い「電力エンジン」’をとして賞賛しているのです。そして、いささか気にかかる点は、同記事は、「発電機年間検査・修理及び複数の重要設備の改造を速やかに完了」と記している点です。もしかしますと、中国政府は、異常気象等による豪雨の発生を予測しており、上流域から大量の泥水が流れ込んだとしても、それに耐えうるように予め水力発電施設の強化を図っていたのかもしれないのです。つまり、治水よりも発電を優先していたとも言えましょう(人工降雨説の論拠もこの点にある?)。

 

 水害については、記事の最後の部分において、4つのカスケード式ダムの共同調節の実施によりピークをずらし、「長江流域の洪水対策の安全、人々の生命・財産の安全を保証する」と申し訳程度に述べていますが、実施には、広範囲に及ぶ洪水が発生していますので、長江の治水には失敗しています。それでは、同記事の発信から20日以上を経た今日、水力発電所は、正常に稼働しているのでしょうか。実のところ、発電所が現在どのような状態にあるのかを知るすべはありません。中国当局による情報統制のために、水害のみならず発電関連の報道も乏しいからです。

 

もっとも、三峡発電所の電力供給範囲は、湖北省、湖南省、江西省、河南省、広東省、上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、重慶市とされていますので、これらの地域における電力供給状況を観察すれば、ある程度、長江流域の水力発電所の状況を推測することはできます。仮に、電力供給に不足が生じているとなれば、水力発電所は稼働停止の状態にある可能性は高くなります。そして、三峡ダム決壊論も現実味を帯びてくるということになりましょう。三峡ダムが決壊する、あるいは、大量放水によって大都市が水没すれば、当然に、長江流域に設置されている原子力発電所も稼働停止となりますので、中国は、深刻な電力危機を迎えるかもしれません。それは、中国政府のV字回復シナリオを打ち砕くと共に、既に揺らいでいる「世界の工場」としての地位をも揺さぶることでしょう。

 

果たして、中国政府は、水害に苦しむ自国民を犠牲に供しつつ、今なお、豪雨による水力発電の最大出力にほくそ笑んでいるのでしょうか。それとも、予想外の水力発電所の稼働停止のみならず、三峡ダムの決壊、あるいは、未曽有の洪水の発生を目前にして、狼狽えているのでしょうか。何れにいたしましても、新型コロナウイルス時と同様に情報隠蔽体質の中国政府が正確な情報を提供するはずもなく、日本国政府を含む各国は、中国の電力状況の変化などの僅かな兆候も見逃さず、リスク管理として、在中自国民の退避措置の準備にも取り掛かるべきではないかと思うのです。

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‘前門の虎後門の狼’とは中国とIT大手?

2020-07-30 11:59:34 | 国際政治

 新型コロナウイルス禍を自らの勢力拡大のチャンスとした勢力は、凡そ二つあります。その一つは、武漢を発祥地としながら同感染症のパンデミック化を放任し、他国の混乱に乗じて拡張主義政策に乗り出した中国であり、もう一つは、都市のロックダウンや自宅待機要請を機にオンライン化を社会全体に浸透させたGAFAといったIT大手です。

 

 新型コロナウイルスに関する謀略説の真偽は不明なものの、中国とGAFAとは、密接な関係にあります。グーグル社については、中国市場からは撤退しているものの、米軍統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォード氏は、議会において同社が中国からプロジェクトを受注していたと証言しています。この証言については同社が否定したために一旦は収まったものの、その後も、同社の急進左派的な政治スタンスが‘国家反逆的’であるとしてトランプ政権から批判を受けているそうです。

 

他の三社はより中国との関係が明白です。アップル社の世界最大の工場は中国に設けられてきましたし、今般の米中対立の流れにあって、今後、2割ほどはインド等に製造拠点を移すそうですが、昨日の報道によりますと(7月29日)、新たに中国の「舜宇光学(Sunny Optical Technology)」をサプライヤーに加えるそうですので、脱中国の本気度は疑われます。

 

一方、フェイスブック社と中国との関係は、同社の創始者であり、かつ、同社の株式の75%を保有するマーク・ザッカーバーグ氏と中国の習近平国家主席との間の個人的な繋がりに見出すことができます。同氏の夫人はベトナムに移住していた華僑出身であり、子供の名付け親は習主席その人であったとされます。中国人民元のデジタル化構想とリブラ構想が凡そ同時期に打ち上げられたのは、単なる偶然出会ったのでしょうか。

 

そしてアマゾンもまた、中国との間には密接な繋がりがあると言わざるを得ません。アマゾンの通販サイトを見ますと、とりわけ、IT機器や日用雑貨にあって商品の大半を占めているのは中国製品です。同社は、ネット通販事業についてはアリババに押されて中国から撤退することとなりましたが、今なお、中国に同国製品の輸出ルートを提供し続けているのです(しかも、ユーザーに対して中国製とは明記していない…)。

 

以上に述べましたように、中国とIT大手が強く結びついている故に、謀略説も実しやかに囁かれることとなったのでしょうが、今日、両者とも、日本国を含めた普通の国家や国民にとりましては看過し得ない脅威となりつつあります。中国の場合には、軍事面に関心が集まりがちですが、情報収集による国民監視システムの脅威については、両者は共通しています(この点、中国のIT大手も脅威…)。全体主義国であれ、自由主義国であれ、ITの急速な普及は、広範な個人情報をも掌握している国家、もしくは、民間のIT大手によって、全国民が厳格な監視体制に置かれる恐怖を与えているのです。この脅威は、IT大手のお膝元であるアメリカにおいても同様であり、米司法省がこれらの企業の寡占を問題視して規制強化に動いているのも、故なしとは言えないのです。

 

GAFAを4人の騎士に喩えて称賛する向きもありますが、4人の騎士が忠誠を誓い、仕えているのは中国なのでしょうか。それとも、中国の背後に潜む国際金融財閥といった影の組織なのでしょうか。マイクロソフト社も、新型コロナウイルスのパンデミック化を好機としてワクチン事業を世界大に展開しようとしていますが、同社は、5人目の騎士なのでしょうか。もっとも、新型コロナウイルスについては、中国とIT大手との間には何らの協力関係もないのかもしれませんが、少なくとも、人類の対する脅威と言う側面においては、中国が前門の虎であれば、IT大手は後門の狼のように思えるのです。

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安倍首相土下座像の題は‘永遠の不和’では?

2020-07-29 11:39:23 | 国際政治

 親韓派の政治家やマスメディアは、口を揃えるかのように日韓関係には相互理解が大事であると語り、両国間の交流の促進を促してきました。政治関係が冷え込んでいる時でも、民間レベルでの交流は継続すべきと主張してきまたのですが、この方針、今般、韓国で設置された「永遠の贖罪」と題された安倍首相の土下座像を見ますと、およそ現実離れした空論のように思えます。

 

同像を造ったのは平昌市の私営植物園(韓国自生植物園)の園長である金昌烈氏であり、れっきとした民間人です。そして、同像をめぐって賛否両論の論争が韓国国内で起きているように、これを支持する民間の韓国人も少なくないのです。仮に、土下座像に自らの願望の実現を託したとしても、それは、公衆の場ではなく、自宅の一室や庭などの私的な空間でも構わないはずです(それでも、密かに呪詛しているようで不気味…)。しかしながら、金氏は、敢えて自身が経営する植物園に設置して来園者に公開しようとしたのであり、同植物園を訪れる来園者の多くも同像に共感し、留飲を下げると考えたからなのでしょう。韓国の一般の人々は心の中では親日であるとする主張は、今般の騒動を見る限り、親韓派の希望的観測に過ぎないようなのです。

 

 そして、多くの日本人は、まずは同像の構図に驚いたことでしょう。否、背筋が寒くなったと表現する方が適切であるかもしれません。土下座は、誤る方が自らの非を認め、許す側に完全に屈服する構図となりますので、‘慰安婦’とされる少女を前にして日本国の首相、否、日本国の代表が土下座のポーズで謝罪を請う姿は、日本人にとりましては正視に堪えません。しかも、歴史的一場面を記念として再現したわけでもなく、完全なる空想の産物なのです。人とは、自らの理解の範囲を越えた存在に出会いますと、恐怖心や嫌悪感を懐くものです。安倍首相の土下座像は、まさにこのケースに当たると言えましょう。

 

一方、たとえ憎しみや恨みの抱く相手国であったとしても、日本人の多くは節度をわきまえていますので、たとえ不快な相手国であっても、その公人を公然と侮辱するような表現は避けるものです。仮に、文在虎大統領が戦争末期にあって朝鮮半島で虐殺された日本人少女に対して土下座する像を造ろうとすれば、提案者に対して誰かが必ず反対することでしょう(ベトナムにあって、文大統領がライダイハンの少女を前に土下座する彫像が設置されれば、韓国の人々は激怒するのでは…)。否、土下座の構図の発想さえ頭に浮かんでこないかもしれません。金園長の発想自体がおよそ日本人の理解を越えているのです。

 

加えて、慰安婦問題は、昨今、韓国国内でも‘賠償金ビジネス’であった実態が明るみになると共に、元慰安婦たちの証言が二転三転しているように歴史的根拠も曖昧です。日本軍が強制連行して強制的に労働を強いたわけではないことは当時の資料からも明らかです。それにも拘わらず、‘永遠の謝罪’と称して平然と既成事実化しようとする態度の厚かましさに、多くの日本人の理性が悲鳴を上げていると言っても過言ではありません。韓国人に対しては、理性も道理も通じないのですから。

 

結局、今般の一件によって、日本人の多くは、韓国の人々とは、日本国を徹底的に貶めるようとする傾向にあり、自国が日本国よりも上位にあるためには、手段を択ばない人々であると理解したことでしょう。日本人に対して不快感や屈辱感を与えることを十分に承知しながら敢えて侮辱的な行動をとるのですから、民間レベルにあっても友好関係など望むべくもありません。一般社会にあっても、一度でもこうした底意地の悪い行為を行えば、自ずと隣人は離れてゆき、もはや良好な関係を築くことは殆ど不可能となりましょう(もっとも、中国から謎の種子が米英の一般宅に送付されるという事件が多発しており、仮に留意点があるとすれば、同像の設置場所が植物園であったこと…)。韓国では、同土下座像は「永遠の贖罪」と命名されているそうですが、日本国にとりましては、両国間の「永遠の不和」を象徴する像となったのではないかと思うのです。

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