万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮のミサイル発射-”騙し打ち”の予行演習か?

2012年12月12日 15時20分36秒 | アジア
ミサイル取り外しの動き、「見せかけ」の可能性(読売新聞) - goo ニュース
 昨日まで、発射台からのミサイル取り外し作業が観察されたことから、”当面はミサイル発射はない”と見られていた矢先、北朝鮮は、不意を突くかのように、本日午後、ミサイルをフィリピン沖に向けて発射しました。表向きは、衛星の打ち上げとされていますが、長距離弾道弾ミサイルの発射実験であることは疑いようもありません。

 ところで、北朝鮮は、今回の実験では、念には念を入れて、周辺諸国の裏をかこうとしたようです。先立っては、技術上の問題が見つかったことを敢えて公表し、発射期間も29日まで延長しました。秘密主義の北朝鮮としては、異例なほどに素直に実情を公表したのです。加えて、ミサイル取り外し作業まで行ったのですから、周辺諸国が油断してしまったことも、無理からぬことです(別のミサイル基地から発射したという説も…)。最近になって、北朝鮮が、これまで以上に自国の映像を海外に発信するようになった理由は、映像を用いることで、国際社会を騙そうとしたのかもしれません。北朝鮮は、決して秘密主義から転換したのではなく、情報発信を騙しの手段に使っているに過ぎないのです。

 北朝鮮とは、手段を選ばない無法国家ですので、仮に、北朝鮮が、戦争に訴えるとしますと、それは、”騙し打ち”を以って始まるのではないでしょうか。突然のミサイル発射の目的が、周辺諸国の対応力や迎撃態勢を確認することにあったとしますと、今回のトリッキーな工作は、”騙し打ち”の予行演習であったかもしれないと思うのです。どこまで他国を騙せるのかを知るための…。

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コメント (2)
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