先日、アメリカでは、一部機密扱いとされてきたケネディ大統領暗殺事件に関する機密文書が公開されました。凡そ8万ページに及ぶ膨大な量に上るため、その全ての解析には時間を要するそうですが(こういう時こそ、AIの出番では?)、既に‘犯人は未だにオズワルド’とする落胆の声も上がっているそうです。その一方で、調査の時点で既に‘忖度’が行なわれているらしく、その作為的な不自然さがむしろCIA関与説、あるいは、陰謀説に信憑性を与えているとも言えましょう。
理性に基づく合理的な懐疑を‘陰謀論’の一言で封じる手段は、心理作戦に長けたCIAが開発したとする説もあるように、今般の機密解除は、陰謀の実在性を強く印象づけることになりました。そしてこのことは、近現代史は、陰謀を抜きにしては正確に理解することはできないことを示しています。第一次世界大戦を前にして‘余りにも都合良く’全世界が三つ巴となり、三つ巴が1対2の構図で戦われた第二次世界大戦後にも、‘余りにも都合良く’二つの超大国が拮抗する二極対立構造が出現しています。もちろん、この‘都合良く’は、グローバリストにとりまして‘都合良く’です。主たる対立軸はイデオロギーということになるのですが、暴力革命や全世界を巻き込んだ世界大戦こそ、グローバリストによる陰謀を疑って然るべきです。‘陰謀論’として嘲笑している人々こそ、物事を客観的かつ濁りなく見る理性を失っているようにも思えるのですが・・・(もしくは、陰謀組織の協力者か一員・・・)。
さて、実際に、厳重に警護されている要人の暗殺を成功させようとすれば、事前に綿密な練られた計画を必要とするものです。当然に、ターゲットの行動に関する詳細かつ正確な情報も広範囲に収集しなくてはなりません(政府内部の情報を入手するなど・・・)。第一次世界大戦の発端となったセルビアの一青年が放った銃弾の背後にも組織の存在が指摘されているように(犯人のプリンツィプは、大セルビア主義者の秘密組織であった「黒手組」と連携・・・)、おそらく、ケネディ大統領の暗殺計画でも、テキサス州ダラスでのパレードが計画された時点にあって、既に同計画は動き出していたのでしょう(犯行の日付が22というぞろ目であることにも注意を要する・・・)。オズワルド一人の犯行としては無理があり、組織的な協力なくして大胆且つ正確な暗殺はあり得ないとする方が、余程合理的な推理なのです。
事件発生当初からオズワルド単独犯説には疑問が呈されており、かつ、調査報告書も機密扱いされたことから、未解決事件の真相解明を求める声も高く、CIA説、FBI説、マフィア説、キューバ説、副大統領の職にあったジョンソン説、そして、機密解除後にあってはCIAと関連のあったジョージ・H・W・ブッシュ元大統領説まで飛び出しています。また、これらの組織の共犯とする説もあるのですが、仮に‘共犯説’が正しいとすれば、これらの組織を上部にあって統括する本部がなくてはならず、これこそ、世界大戦をも背後から操ってきたグローバリスト勢力、もしくは、同勢力に危機感を覚えた対抗勢力であったのかもしれません(前者の方が可能性としては高いような・・・)。
もっとも、突き止めるべきは、公的な組織をも動かすことができる人物、あるいは、暗殺を決定してその実行を命じた影の命令者のみではありません。何故、ケネディ大統領は暗殺されたのか、その理由が明らかにされないことには、同事件が真に解決されたとは言えないからです。真犯人が誰であったとしても、ケネディ大統領が白昼堂々と衆人の前で暗殺された理由は、同勢力のアメリカ、否、世界支配の確立や利権確保にとりまして不都合な存在であった、あるいは、仲間内でありながらも‘見せしめ’として暗殺する必要があったのかもしれません。もしくは、組織内部での権力闘争の結果とも考えられます。
日本国政府を含め、政府が国民に対して尤もらしいカバー・ストーリーや表向きの理由しか語らない現状を見ますと、真相の究明には、陰謀の実在性の認識こそが重要なように思えます。教科書的な説明と歴史的な事実が一致しないとしますと、現代に生きる人々は、表ではなく、裏の事実としての歴史こそ解明してゆくべきとも言えましょう。