万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

アメリカの独立性とディープ・ステート論-内部化した東インド会社?

2024年03月05日 11時47分30秒 | アメリカ
 政治家であるトランプ前大統領が‘ディープ・ステート’という言葉を使うようになって以来、ライバル政党である民主党を中心に、その実在を‘陰謀論’として否定する動きも強まるようになりました。しかしながら、次期大統領選挙戦において同前大統への支持がバイデン現大統領を引き離しているように、アメリカ国民の多くはディープ・ステート論に対して一定の理解を示しています。

 アメリカにおける陰謀実在論が受け入れられる歴史的な拝啓としては、イギリスからの独立戦争があります。世界史の教科書には、1775年4月19日に始まり、1783年9月3日のパリ条約の成立によって終結したアメリカ独立戦争によって、アメリカはイギリスから正式に独立したと記述されています。その一方で、独立を果たしたとはいえ、裏ではイギリスが手綱をしっかりと握り、水面下でアメリカをコントロールしているのではないか、とする疑いがアメリカ国民の間で燻り続けてきたからです。これは、アメリカ国民の被害妄想であるとする指摘がある一方で、アメリカが外部から操られているとする説は、強ち否定できないようにも思えます。

 アメリカ独立の実態を考える上でのヒントとなるのでは、アメリカ合衆国の国旗です。赤い横縞が下地となり、その左上のカントン(canton)と呼ばれる部分に青地に白い星が配されているかの星条旗です。白い星の数は州の数が増えるに従い増えてゆきましたが、赤い横柄のストライプには変化はありません。それでは、何故、この星条旗がヒントとなるのかと申しますと、アメリカの星条旗には、前身と推定されるデザインの旗が存在しているからです。その旗とは、英東インド会社の社旗なのです。

 それでは、イギリス東インド会社の社旗はどのようなデザインなのでしょうか。同社は、1600年に英国王の勅許をもって設立された民間の貿易独占会社です。基本となるのが、赤い横縞です(ただし、ストライプの数は変化している・・・)。その一方で、左上のカントン部分は、イギリスの歴史に沿って変化を見せています。最初に登場する旗には、イングランドの国旗、即ち、白地に赤い十字の聖ゲオルギウスの十字架が描かれています(セント・ジョージズ・クロス)。その後、スコットランドとの合邦によりイギリスの国旗が凡そ今日のユニオンジャックに代わると、英東インド会社の社旗も左上の部分も同デザインとなるのです。そして、独立戦争の後にアメリカ合衆国の国旗として登場してくるのが、ユニオンジャックを今日の星柄に代えたものなのです。

 この奇妙な出来事については、ベンジャミン・フランクリンなどのアメリカ建国の父達が、アメリカ合衆国の国旗として英東インド会社の社旗を採用するようにと訴えていたとされます。また、当時にあって、英東インド会社も英国王の課税政策に反対しており、両者は共闘関係にあったからとする説明もあります。詳細は不明なものの、現在の星条旗が東インド会社の社旗を一部変更したものであることは一目瞭然であり、このことは、国家としてのイギリスからは独立したとしても、独立後のアメリカが、なおも英東インド会社のコントロール下にあった可能性を強く示唆しているのです(統治機構にあって内部に浸透・・・)。

 ここに、アメリカの独立性に関する疑いが生じてくるのですが、グローバリストの先駆けであった東インド会社を温存させる形で、アメリカがその国家としての歴史を歩み始めたことが、その後のアメリカ、並びに、人類史に多大なる影響を与えてきたように思えます。アメリカ合衆国という国が、人々に夢と希望を与える自由で民主的な国としてアピールされながら、その実態において理想と現実とがかけ離れ、マネー・パワーが民主主義をねじ曲げてしまう理由も自ずと理解されてくるのです。そして、ソ連邦のKGと同様にCIAの活動も国民には秘され、それが極めて謀略的であることも、アメリカ国民の多くがディープ・ステートの実在を信じる要因となっているのではないかと思うのです。

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アメリカン・ドリームのパラドクスーグローバル・ドリームの問題

2023年12月01日 09時45分29秒 | アメリカ
 アメリカン・ドリームという言葉は、全世界の人々をアメリカという国に引きつけてきました。生まれた国にあって貧困や圧政などに苦しむ人々は、自由と民主主義を謳歌できる新天地で新たに事業や商売を始め、自らの才覚で億万長者になるという夢を抱いて、アメリカに渡ったのです。誰もが自由の国で大金持ちになるチャンスがあるのですから、アメリカは、まさに夢の国であったと言えましょう。かくして、アメリカの人口はヨーロッパ諸国をはじめ全世界からの移民で急速に増加し、開拓を伴う経済発展と相まって20世紀初頭には押しも押されぬ大国へと成長することとなりました。

 しかしながら、かつて輝いていたアメリカン・ドリームは、過去のものとなり、今や色褪せて見えます。アメリカの現状を見る限り、もはやアメリカン・ドリームは、‘誰もが実現できない夢’として消え入りそうなのです。人々がアメリカン・ドリームから覚めてしまった理由は、もちろん、現実が夢とは余りにもかけ離れていることに気がついたからに他なりません。それでは、何故、アメリカン・ドリームは、覚めれば消えてしまう夢になってしまったのでしょうか。

 第一は、自ら貧困から身を起こして大富豪となったとしても、その人物は、必ずしも、アメリカン・ドリームに対して好意的ではなくなるという、人間の利己心を挙げることができます。全員が同一のスタートラインにおり、凡そ等しい競争条件の下にある場合には、確かに誰にも平等に勝利者となるチャンスがあります。ところが、いざ競争が始まりますと、当然にゴールラインにあって勝利者が決まるのですが、この勝利者は、競争のやり直しを許そうとはしないことでしょう。ここに、勝者による独占願望の問題を見出すことができます。言い換えますと、富豪達は、自らの夢を実現した途端、自らはその恩恵を受けながらも、アメリカン・ドリームを壊す側に回ってしまうのです。

 第二に、競争のプロセスにあっては、ライバルとの熾烈な潰し合いが生じます。先頭を走る者は、後から追ってくる者を妨害しようとそうとしますし、後から追う者も、あらゆる手段を駆使して先頭を走る者を引きずり下ろそうとするかもしれません。‘自由な国’では、欲望のままに人々が無制限なままに自由に行動しがちであり、‘万人の万人に対する闘争’に近い状態になりかねないのです(自由の最大化はリスクの最大化・・・)。この場合、アメリカン・ドリームは、現実が地獄であることを隠すための、お飾りの言葉に過ぎなくなるのです。

 第三に、チャンスは全ての人に公平に開かれているとしても、勝者は一人、あるいは、少数に過ぎないという否定しがたい現実があります。全ての人々が億万長者になれるわけではありませんので、少数の勝者の陰には、その凡そ数万倍以上の敗者が存在しているのです。確率論からすれば、アメリカン・ドリームは、ロシアン・ルーレットとは言わないまでも、極めてリスクの高い‘賭け’と言えましょう。夢が叶うのは、全体からしますと圧倒的に少数であり、ほんの僅かな人たちなのですから。

 第4に指摘すべきアメリカン・ドリームの現実とは、そもそも全ての人々が同じスタートラインにあり、かつ、同一の競争条件の下にあるのではないのではないか、という疑いです。つまり、個人的な属性や血脈によって既に運命が半ば定まるようになっており、多くの人々にとって夢を追うことは、無駄な行為となりかねないのです。

 例えば、日露戦争において日本国債を引き受けたことで知られるジェイコブ・シフは、無一文でアメリカに渡りながら、一代で億万長者にのし上がります。まさしくアメリカン・ドリームの体現者であったのですが、本当のところは、シフ家は、ドイツのフランクフルトのゲットーにあって、ロスチャイルド家と緑の館で過ごしていたユダヤ系の一族です。このことは、ユダヤ人脈がアメリカでの成功の、必要不可欠とまで言わないまでも、重要な条件であったことを示唆しています。

 実際に、アメリカの富裕層あるいはセレブはユダヤ系で占められており、この結果、金融や産業界のみならず、マスメディアや様々な分野においてもユダヤ系の人々が地位を得ています。ユダヤ系のマネー・パワーは政界にまで及んでおり、アメリカの‘陰の支配者’とも称されるのは、その絶大なるマネー・パワーに求めることができましょう。

 以上に簡単に主たるアメリカン・ドリームの問題点を述べてきましたが、その理想と現実との違いは明白です。自由は勝者となった少数の大富豪のみが享受し、その大富豪も、血脈によって優位性を約束された特定のユダヤ人グループに凡そ限定され、そのマネー・パワーによってアメリカが牛耳られているのが現実なのです。そして、民主主義も、マネー・パワーによって歪められてしまうのです。おそらく、このパラドクスの根本的な原因は、アメリカン・ドリームの基本的なメカニズムの発動が、個々の心に潜む利己心や欲望の解放にあったからなのでしょう(自らが勝者になればそれでよく、他者の幸せを考えない・・・)。しかしながら、そろそろアメリカも、この利己的ドリームから目を覚ますべき時が訪れているように思えます。そして、グローバリズムがアメリカン・ドリームの拡大版であるとしますとーグローバル・ドリームー、目を覚ますべきは、アメリカ国民のみならず、日本国民を含めた全人類であるのではないかと思うのです。

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アメリカの政治に見る献金問題-恐るべきユダヤ系のマネー・パワー

2023年11月30日 11時33分47秒 | アメリカ
 日本国内では、ビル・アッカマン氏の名は、それ程には知られていないかも知れません。しかしながらここ数ヶ月の間に、同氏の名前を続けて二度目にすることとなりました。一度目は、イスラエル・ハマス戦争に際してハーバード大学に圧力をかけた人物として、そして、二度目は、時期アメリカ大統領選挙において現職のバイデン大統領を見限った人物として。それでは、ビル・アッカマン氏とは、どのような人物なのでしょうか。そして、同人物は、アメリカの政治における寄付問題を象徴しているようにも思えるのです。

 ビル・アッカマン氏、正式にはウィリアム・アルバート・アッカマン氏は、アメリカの運用会社であるパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントの創業者であり、保有する純資産は3000億円を超えるとされています。もっとも、ビル氏一代で財を築いたわけではないようです。

 アメリカにおけるアッカマン家の始まりは、1887年の祖父のアブラハム・アッカマン氏のロシアからの移住に求めることができます。同氏はアシュケナージ系ユダヤ人ですので、当時、ロシア国内で吹き荒れていた‘ポグロム’から逃れるための移住であったのでしょう。次いで祖父のヘルマン氏の代になると、1926年に兄弟と共にアッカマン・ブラザーズという名の不動産投資会社を設立しています。同社が、今日のアッカマン・ツィフ不動産グループの母体となるのですが(サイモン・ツィフが同社に加わることで、1995年に社名を改名・・・)、三代目となる父親であるローレンス・D.・アッカマン氏は、長らく同グループトップの座にあって、不動産関係の金融商品の開発や住宅ローンの仲介業などを手広く手がけるのです。そして、ビル・アッカマン氏こそ、アメリカン・ドリームを体現し、億万長者への道を歩んできたアッカマン家の四代目と言うことになります。

 かくして、ビル・アッカマン氏は、巨額の資金をバックとして‘アクティビスト’として活動することとなります。‘アクティビスト’と申しますと、日本語ではしばしば‘物言う投資家’と訳されるため、企業の経営に積極的に口出しをする大株主という印象があります。しかしながら、アッカマン氏が‘物言う’のは、自らの投資先のみではありません。上述したように、同氏は、寄付や献金等を手段とするマネー・パワーを活用して、先述したように教育界にも口を出しますし、政界にも多大な影響力を発揮するのです。

 こうしたマネー・パワーを有する‘アクティビスト’の活動が、アメリカの民主主義を著しく歪めてしまう、あるいは、内部から破壊してしまうことは、言うまでもありません。何故ならば、マネー・パワーは、あくまでもその保有者の私的なものであって、民主主義と凡そ同義とも言える国民自治の精神に基づく公共性や公益性が欠けているからです。アッカマン氏を見ましても、その言動の根底には、自らがユダヤ人であり、イスラエル支持という同氏の属性に関わる個人的な信条があります。同氏が物を言う時には、自分あるいは自分たち以外の他の国民の考え、即ち、国民世論の動向などは全く頭にはなく、ひたすら自ら、あるいは、自らが属する集団の私的な意向や思惑を、他の国民全員に押しつけようとしているのです。そして、その最も簡単で効果的な方法が政治家を自らのコントロール下に置くことであるのでしょう。かくしてアッカマン氏は、寄付や献金等を手段として、アメリカ大統領の椅子にさえ、自らの都合の良い人物を座らせようとしているように見えるのです。

 同氏は、民主党のディーン・フィリップス候補のみならず、「共和党候補指名をトランプ前大統領と争うニッキー・ヘイリー元国連米大使、クリス・クリスティー前ニュージャージー州知事」をも支持していると述べていますので、民主党のみならず共和党にも‘保険をかけている’ことが分かります。言い換えますと、当選後に自らの意向を忠実に実行する候補者であれば、政党やイデオロギーには関係なく、誰でもよいのです。この両天秤は、二頭作戦の現れでもあります。

 加えて、選挙に際して候補者には莫大な費用が準備する必要がある現状が、‘アクティビスト’の発言力をより一層高める方向に作用しています。寄付や献金がなければ選挙に勝利できないのであれば、寄付者や献金者の要望を断れないからです。共和党の有力候補者であるトランプ前大統領も、イスラエル支持の立場を表明していますので、アメリカの政界は、アッカマン氏のみならず他のユダヤ系勢力のメンバーからの寄付や献金によって身動きがとれず、がんじがらめにされているのかもしれません。つまり、アメリカの政界は、今やユダヤ系のマネー・パワーに支配されていると言っても過言ではないのです(なお、この問題は、アメリカに限ったことでもない・・・)。

 アメリカ政治の現状は、‘自由で民主的な国’というアメリカのイメージが幻想に過ぎないことを示しています。そして、今日、理想と現実との乖離を目の当たりにして、アメリカ国民は、建国以来はじめて、真に自由で民主的な国の再構築という、構造的な改革を要する重大な課題に直面しているのかもしれません。そしてこの問題は、アメリカ国民の一員として、ユダヤ系の人々も共に考えるべきことではないかと思うのです。

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アメリカの大学に見る寄付問題-ユダヤ脅威論の自己証明?

2023年11月29日 11時42分40秒 | アメリカ
 寄付という行為は、一般的には、特定の活動をしている団体や個人への資金的なサポートを意味します。活動の理念や基本方針、並びに、具体的な活動内容に賛同し、善意で自らの資金を提供するというものです。慈善的なニュアンスが強いため、寄付に対しては多くの人々が好意的な印象を持つことでしょう。しかしながら、イスラエル・ハマス戦争を機に、寄付に対するイメージは脆くも崩れつつあります。

 事の発端は、アメリカの東部名門大学であるハーバード大学における、30ほどの学生団体によるイスラエルのパレスチナガザ地区に対する攻撃に対する非難声明の発表にあります。同非難声明については、アメリカ国内におけるイスラム系学生の増加に伴う親パレスチナ派の抗議活動とする見方もありますが、むしろ、大学生としてパレスチナ紛争の歴史的経緯を詳しく知るからこそ、イスラエルを非難したという側面がありました。「何もない状態で突如起きたわけではない」とした上で、「イスラエルによる暴力は75年間にわたり、パレスチナ人の存在に関わる全ての側面において構造化されてきた」と述べているのですから。学生達の非難には正当な根拠が認められるため、抗議活動は同大学を超えてコロンビア大学、スタンフォード大学、エール大学、並びにペンシルバニア大学など、他の大学のキャンパスにまで広がっていったのです。

 学生達の間からイスラエル批難の声が上がる一方で、大学側は、これに対して厳しい態度で臨みます。ユダヤ系学生に対するヘイトクライムに対する対応を根拠としながらも、ハーバード大学創立以来、初めて黒人系にして女性の学長に就任したクローディン・ゲイ学長は、ハマスによるテロの非人道性を強調し、イスラエルへの批判を封じ込めようとしたのです。ゲイ学長の声明には、元米国務長官にして元学長のローレンス・サマーズ氏、同校出身のマサチューセッツ州選出の民主党議員ジェイク・オーキンクロス氏、及び、ドナルド・トランプ前大統領からの、同学長の対応の緩さへの批判とイスラエル支持への圧力があったとされます。

 こうした政治家による大学への‘政治介入’も大問題なのですが、大学当局並びに学生達をより震撼させたのは、寄付者達からの‘脅迫’であったようです。各大学の高額寄付者には、ユダヤ系の富裕層や大企業のCEO等が名を連ねています。こうした人々の中には、イスラエル批判の声明に署名した学生の採用を拒否する方針を示す者が現れると共に、寄付の中止をも示唆したからです。ユダヤ系の人々からの寄付が途絶えれば大学の経営も傾きかねません。そこで、大学側も、こうした寄付者達の要求、すなわち、学生によるイスラエル批判の封じ込め要求を、大学側も無視するわけにはいかなかったのでしょう。

 
 そして、ここで問題になるのは、仮に寄付を受ける側が寄付者の意向に沿った行動を取らなければならないとすれば、それは、合法的な賄賂や買収、あるいは、公共物の私物化を意味するのではないか、と疑問です。アメリカの大学では、高額寄付者の子弟に対して特別入学枠を設けている点が、公平性を損なうとして批判されてきましたが、学長が、寄付者の要求に応じざるを得ない状況を齎すとしますと、大学の存在意義さえ失われかねないからです。

 寄付とは、冒頭で述べたように寄付者が寄付先を無条件で支援するという構図でこそ慈善行為となります。しかしながら、マネー・パワーによって主客が逆転し、寄付を受ける側が、寄付者の意向を忠実に実現する機関に出してしまいますと、大学の目的まで歪められてしまいます。そして、自由であるべき学究の場の私的利用や私物化が、学問の自由のみならず、言論の自由や表現の自由等を著しく損ねることは言うまでもありません。しかも、今般の介入は、国際紛争にあって、寄付先に所属するメンバー、この場合には自由意志で入学して学んでいる学生に対して、事実上、一方の側の立場のみの支持、あるいは、沈黙を強要しています。寄付者によるこの行為は、個人の政治的自由をも束縛することとなり、民主主義の危機をも招きかねないのです。さらに宗教対立が絡むとなりますと、信教の自由の保障も怪しくなります。また、ゲイ学長の就任にも、寄付者達の意向が働いたのではないか、とする私的人事介入の疑いも生じます。多くの人々は、大学は、マネー・パワーによって腐敗したと言うことでしょう。

 今般の事件が、ユダヤ系の富裕層のマネー・パワーとそのパワーの‘使い道’を人々にまざまざと見せつけたとしますと、ユダヤ脅威論を自ら証明するようなものです。陰謀論も絵空事ではなく、イスラエルによる国際法違反の行為さえ反ユダヤ主義の名の下で封じられるならば、その国の国民は、決して自由で民主的な国家で生きているとは言えないと思うのです。

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ロバート・ケネディJr候補の米軍撤退発言を推理する

2023年05月17日 13時17分44秒 | アメリカ
 2024年に予定されている次期大統領選虚を前にして、アメリカでは、既に熾烈な候補者争いが始まっているようです。現職が有利とは言え、バイデン大統領は高齢に加え、その政策運営にも党内での批判があり、必ずしもその立場が盤石にあるとは言い難い状況にあります。米NBCが公表した世論調査の結果では、回答者の70%がバイデン大統領の再選に対して否定的であったとされます。こうした中、民主党内で注目を集めているのは、ロバート・ケネディJr候補です。

 その名が示すように、ロバート・ケネディJr氏は、かの政治家一族ケネディ家に生まれ、暗殺に斃れたジョン・F・ケネディ氏の甥にしてロバート・ケネディ元司法長官の次男です。同氏が関心を集めている理由は、ケネディ家からの出馬というニュース性のみではありません。同氏への注目度の上昇は、同氏は、伝統的な民主党の基本方針、並びに、それを踏襲するバイデン政権とは真逆とも言うべき政策方針を示したことに依ります。例えば、半ば強制的なワクチン接種やワクチン後遺症についてもナチス的手法として批判しており、バイデン政権とは一線を画しているのです。そして、自らが大統領選挙に当選したならば、全世界から米軍基地を撤退させると言うのですから、驚かされます。

 この主張、共和党のドナルド・トランプ前大統領のものと見紛うばかりです。実際に、スティーブン・バノン氏はケネディ氏を共和党候補者として立候補すべきと主張していますし、同前大統領の政治顧問を務めたロジャー・ストーン氏も、トランプを大統領に、ロバート・ケネディJr氏を副大統領に据える正副大統領構想を明かしています。

米軍については、ロバート・ケネディJr氏は、「軍隊は国を守るという本来の役割に戻るべき。代理戦争をはじめとして、他国を空爆したり秘密工作をすることがあまりにも普通になってしまっている」とする踏み込んだ発言もしています。同発言からしますと、戦争を誘導するための‘秘密工作’がアメリカの手によって頻繁に行なわれていることとなり、いわば陰謀の実在性を認めたことになります。トランプ大統領の口から同様の発言があっても、多くの人々は話半分に聞いたかもしれませんが、政治の世界に精通している政治家一族、しかも、民主党員からの発言ともなりますと、その信憑性は否が応でも高まります。これまでトランプ前大統領を批判していた民主党員も立場がなくなってしまうことでしょう。それでは、何故、民主党員であるロバート・ケネディJr氏は、真っ向からバイデン政権と対峙したのでしょうか。

先ず考えられるのは、アメリカの世論が圧倒的にトランプ前大統領の方針を支持しており、ライバル政党から票を奪うために敢えて類似した政策を打ち出している、というものです。言い換えますと、民主党が自らの政権を維持するための偽装作戦と言うことになりましょう。現行のバイデン路線では次期大統領選挙には勝てないとする判断が、同氏をしてトランプ前大統領の持論とも言える米軍撤退を主張させたこととなりましょう。

第2の推測は、米軍撤退論は、ロバート・ケネディJr氏自身が自らの良心に誠実に従ってアメリカ国民の意を汲む、あるいは、米国民の世論を独自に分析した結果であった、というものです。同氏は、アメリカが超大国として牽引してきた戦後の国際体制の変換を目指し、アメリカ国民の負担を軽減すると共に、同国も他の諸国と同列となる新たな国際秩序を提案したのかもしれません。叔父のジョン・F・ケネディー大統領も父親のロバート・ケネディ元司法長官も凶弾に斃れており、命の危険を顧みずに自らの信じる道を貫こうとするのが、ケネディ家の人々の特徴であるのかもしれません。

そして、第3に推測されるのは、ロバート・ケネディJr氏の真の目的は、アメリカ国民ではなく、むしろディープ・ステート(世界権力)を護ることにあるというものです。何故ならば、同氏は、‘秘密工作’を実行している主体は、アメリカという国家であるとしているからです。この点については、ディープ・ステート論を唱えたトランプ前大統領とはいささかスタンスが違っているように思えます。ロバート・ケネディJr氏は、‘奥の院’とも表現されるディープ・ステート(世界権力)まで追及の手が及ばないように、アメリカに陰謀の罪を着せようとしているとも推測されます。

なお、この点に関連して注目されるのが、ロバート・ケネディJr氏のウクライナ紛争解決策です。同氏は、国境付近のロシア軍並びに核を搭載したミサイルを撤退させ、ウクライナの自由と独立を確保した後、同地帯には国連の平和維持軍をもって平和を保障すべきと述べています。トランプ前大統領は、国連をはじめとした国際機関については否定的な見解の持ち主でしたので、米ロによる首脳会談と言った国家間の外交を舞台とした解決を主張することでしょう。仮にロバート・ケネディJr氏が善意からウクライナ紛争からの撤退を主張しているならば、国際主義者としての民主党のポリシーを継承していることになりますし、ディープ・ステート(世界権力)の利益を慮っているならば、同勢力にコントロール下にあるとされる国連の権威や権限の強化に貢献しようとしているのかもしれません。

また、さらに穿った見方をすれば、同氏は、アメリカを超大国の座から降ろすことで、ロシア、あるいは、中国の優位性を高めようとしているとも考えられます。‘キング・メーカー’を自認するディープ・ステート(世界権力)は、未来の世界をロシアや中国に仕切らせ、自由や民主義といった価値観を葬り去りたいのかもしれないのです。

仮に、同氏が共和党に引き抜かれることなく民主党の候補のままに次期大統領選挙に臨むならば、トランプ候補対ロバート・ケネディJr氏の対決は、米軍撤退後の‘世界構想’をめぐる国家主義対国連主義の構図となる事態もあり得ましょう。何れにしましても、ロバート・ケネディJr氏の米軍撤退発言は、アメリカのみならず、国際社会が重大な転換点に差し掛かっていることを示しているように思えるのです(つづく)。

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米軍の危機管理は大丈夫?―ワクチン接種の義務化問題

2021年08月11日 13時16分50秒 | アメリカ

 報道によりますと、アメリカでは、軍の将兵に対してワクチン接種が義務付けられるそうです。米軍のみならず、アメリカでは、連邦政府並びに地方自治体の公務員に対するワクチン接種を義務化する動きが広がっていますが、危機管理の側面からしますと米軍におけるワクチン接種の義務化には安全保障上のリスクが伴うように思えます。

 

 親中派と見られていたバイデン大統領は、就任直後からその態度を豹変させ、今では、対中強硬派の急先鋒の役割を担っています。米中対立は激しさを増す中、新型コロナウイルスの起源についても武漢ウイルス研究所流出説が信憑性を増しており、それが自然界の由来であれ、遺伝子操作の成果であれ、同ウイルスが生物兵器用に研究されてきた可能性も高まっています。言い換えますと、今日、新型コロナウイルス禍は、安全保障上の問題領域としても認識されるに至っているのです。

 

 仮に、新型コロナウイルスが生物兵器として性質を有しているとすれば、先ずもって、「コロナウイルス」という風邪の原因ともなるウイルスが選ばれた意味を考えてみる必要がありそうです。「コロナウイルス」は一本鎖のRNAウイルスですので、変異しやすいという特徴があります。今もって風邪に対するワクチンが存在していないように、そもそも、ワクチン開発が極めて難しい類のウイルスであると言えましょう。つまり、中国は、生物兵器の開発に際して、攻撃相手国が防御手段となるワクチンを開発するのが困難となるウイルスを敢えて選んでいるのです(因みに、同じくRNAウイルスの一種であるピコルナウイルス科に属し、風邪の原因ともなるライノウイルスは、100種類以上の株が存在するために、ワクチンの開発は絶望的とされている…)。

 

 もちろん、今般の遺伝子ワクチンの技術は、生物兵器による攻撃を想定して開発されたとされており、遺伝子の塩基配列を組み替えるだけで、様々なウイルスに対応できる迅速性と大量生産性を最大のメリットとしています。このため、変異が早い「コロナウイルス」への対応も想定はされていたのでしょうが、今般、デルタ株の出現はワクチン効果の低減を示しており、第3回目の接種も検討されています。つまり、現状のレベルでは、ワクチン接種は、「コロナウイルス」に対して十分な対応性を有していないようなのです。

 

 ワクチン効果に対する疑問に加えて、ワクチンの接種リスクは無視できないレベルにあります。接種時における副反応は若年層ほど強く、米軍の将兵の多くがこの層に属していることを考慮しますと、他の職業よりもリスクが高いことを意味します。しかも、CDCやイスラエル保健局によって既にワクチン接種との関係が認められている心筋炎や心膜炎を防ぐには、接種後の激しい運動の制限が奨励されているようですので、同副反応による直接的な健康被害のみならず、米軍全体の戦力にも影響を与えかねません。また、ADEといった中長期的な有害事象が発生した場合には、米軍が総崩れとなるシナリオもあり得ないことではないのです。ワクチン接種の義務化は、米軍にあって一人残らずワクチン・リスクが及ぶことを意味しますので、集団感染に負けずとも劣らない集団的な危険性が認められるのです(中国は、ワクチン生成抗体に反応性を有する毒物を散布する可能性も…)。さらに、ワクチン接種の拒否を理由とした将兵の退職の増加、並びに、志願者が激減する事態も想定され、米兵が数的に減少する可能性も指摘できるでしょう。

 

ワクチン・リスクが顕在化した場合、それによって高笑いするのは、孫氏の兵法に倣って’戦わずして勝つ’をモットーとしている中国、あるいは、その背後勢力ということになりましょう。自国が開発した新型コロナウイルスのパンデミック化によって、自ら手を下さなくとも’仮想敵国’が自滅してくれるのですから(相手国を追い込む高等戦術であるかもしない…)。日本国の自衛隊にあってもワクチン接種が進んでいるようですが、最悪の事態をも想定すべき危機管理の側面からしますと、接種の義務化は安全保障上の危機を招きかねないと思うのです。


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バイデン政権は日本国の対米不信を理解すべき

2021年01月23日 12時25分56秒 | アメリカ

アメリカでは一先ずはバイデン政権が発足し、日本国を含め、全世界の諸国の人々がとりわけ対中政策の行方に関心を寄せています。トランプ政権における対外戦略の成果の一つが、オバマ民主党政権下にあって軍事大国に伸し上がった中国の封じ込めであったため、同政策が引き継がれるのか否か、誰もが無関心ではいられないのです。今後のバイデン大統領の対中政策については、凡そ、2つのシナリオが想定されるかもしれません。

 

第1のシナリオは、深刻な分断が指摘されているとはいえ、反中においては結束しているとされる上下両院、並びに、アメリカ国民の世論に応え、トランプ路線を引き継ぐというものです。仮にバイデン大統領がその就任式で高らかに‘民主主義の勝利’を宣言したように、同政権が、アメリカ国民の世論を最大限に尊重し、これを最優先に政策決定を行うとするならば、前政権の対中強硬路線は継続されることとなりましょう。

 

第2のシナリオとは、就任直後にパリ協定への復帰に転じたように、反中政策から親中政策へと180度、舵を切り替えるというものです。バイデン大統領は、中国を増長させたオバマ政権下にあって副大統領を務めています。また、今般、民主党陣営を応援した金融やIT大手、並びに、米グローバル企業の多くは、中国に多額の金融利権を有したり、中国に製造拠点や開発拠点を設けるなど、半ば、中国と‘利益共同体’を形成する、あるいは、取り込まれている企業も少なくありません。フェースブックのザッカーバーグ氏のように個人的な血縁関係や交友関係にあって中国との間にコネクションを有する企業のCEOもおります。これらはアメリカの枠を超えた‘超国家権力体’のメンバーでもあるのでしょうが、バイデン政権が、国民よりも同権力体や一部企業の利益を優先するならば、バイデン政権は、アメリカ経済が衰退しようとも、中国との協調路線を選択することでしょう。

 

しかも、同職あって、同大統領は、訪中時に子息のハンター氏を同伴し、巨額の中国利権を獲得するチャンスを与えており(しかも、同氏が関わった中国企業は顔認証システムの提供によりウイグル人のジェノサイドにも関与…)、今なおもチャイナ・スキャンダルの渦中にもあります。事実である以上、否定のしようもない汚職疑惑なのですが、同大統領側が正当な報酬であったと主張したとしても、おそらく、中国側は、同大統領を脅迫する材料として同スキャンダルを利用することでしょう。

 

以上に二つのシナリオを挙げてみましたが、バイデン政権は、第2のシナリオを選択する可能性の方が高いように思われます。チャイナ・スキャンダルが示すように、同大統領が高い政治倫理を自らに課しているとは考え難く、マネーの力や暴力に対して人一倍弱いことは明白であるからです。しかしながら、‘民主主義の勝利’を打ち出し、‘中間層の擁護’に言及した手前、あからさまに第2のシナリオを遂行することは憚られることでしょう。そこで、同政権は、おそらく、アメリカ国民や全人類を騙そうとするのではないかと推測されるのです。その際のシナリオも、およそ二つ考えられます。

 

第1のシナリオは、中国がお得意とするサラミ作戦と同様に、国民に気付かれないように漸次的、かつ、目立たぬように反中路線を切り崩してゆくというものです。この目的のためには、国際機関を利用し、アメリカの対中強硬策を撤回させようとするかもしれません。アメリカのWHOへの復帰は、ワクチンを含む中国製の医薬品の国際的な販路拡大を援けるためかもしれませんし、WTOに対しましても、中国の主張を認め、現行の対中制裁関税をルール違反と認定するよう圧力をかけるかもしれません。バイデン政権であれば、自らの路線変更が世論の批判を浴びないよう狡猾に手をまわし、責任を巧妙に他者に転化させないとも限らないのです。

 

そして、第2のシナリオは、上述した第1のシナリオを利用するというものです。トランプ政権に対する評価の一つとして、‘戦争をしない大統領であった’というものがあります。この結果、アメリカの軍需産業が利益を得る機会を失い、軍産複合体とも称されてきた同業界がバイデン政権を支持する理由となったというものです。近年、中国による先端兵器の開発により平時における抑止力としての防衛力強化の必要性も増しているため、同説の説得力は薄いのですが、バイデン政権の対中強硬姿勢、あるいは、米中軍事衝突の裏側で、米中が密かに手を結んでいる可能性も否定はできなくなります。

 

第2のシナリオにおいて最も不利益、否、甚大な被害を受ける可能性が高いのは、実のところ、日本国からも知れません。オバマ政権下にあって‘ジャパン・ハンドラー’の一人とされたジョセフ・ナイ氏は、かつて、米中戦争に日本国を巻き込みながら(もっとも、尖閣諸島が発火点となれば、表向きは、日本国が米国を戦争に巻き込んだ形に…)、その途中で米軍を撤退させ、日本国を中国に明け渡すとする極秘シナリオを練っていたと噂されていました。同噂の真偽のほどは不明ですが、表面的な敵対関係とは裏腹に米中が結滞している場合には、日本国は、再度、国土が焦土と化すのみならず、人民解放軍が進駐してくる事態もあり得るのです。

 

バイデン政権の行方につきましては憶測の域を出ませんが、日本国政府は、政治の表面のみならず裏の裏までを読みませんと、形は違っても第二次世界大戦時の再来となりましょう。そして、バイデン政権も、その発足時の経緯からして同盟国から信頼されていない現状を理解すべきではないかと思うのです。もしかしますと、バイデン大統領がその就任式の演説で修復を訴えた‘同盟関係とは、過去の政権が構築した隠れた’米中同盟‘であったかもしれないのですから。


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どちらが嘘を吐いているのか?-大統領就任演説が提起する大問題

2021年01月22日 12時18分20秒 | アメリカ

 第46代アメリカ大統領の就任式は異例尽くしであったようです。首都ワシントンD.C.には兵士等によって厳重な警備体制が敷かれ、紅潮した面持ちの観衆で埋め尽くされるはずの国会議事堂前の広場には、国旗や各州の州旗のみが並んでいます。恒例のパレードも10分ほどで終えたと報じられており、まるで現実味のないバーチャルな世界の出来事のようです。

 

 今般の大統領就任式がかくも異様な様相を呈した理由としては、新型コロナウイルスの感染拡大の阻止と並んで、直前に発生した国会議事堂占拠事件が挙げられています。トランプ派の過激派による襲撃を恐れたというのですが、こうした異常事態の背景に選挙不正問題があることは否定し得ない事実です。仮に、軍事力を以ってしか鎮圧し得ないほどの大規模な暴動や攻撃を想定しているとすれば、歴史上の一揆や反乱が常々そうあるように、そこには、国民の多くが共感し、支持するような正当、あるいは、合理的な‘怒り’や‘不満’が認められるからです。米民主党が最も恐れたのは、不正選挙に対する一般米国民の‘義憤’であったのでしょう。

 

こうしたアメリカ国内の空気を読んでか、バイデン大統領は、大統領就任演説では、「真実(truth)もあれば、嘘(lies)もある。権力と利益のために嘘がつかれた」と述べています。さすがに自分自身を糾弾しているとは思えませんので、おそらく、トランプ前大統領の主張を全て権力維持のための嘘であったと主張したかったのでしょう。そして、この言葉が発せられた以上、アメリカ国民は、一つの難題を抱え込むことになりました。それは、トランプ前大統領とバイデン大統領のうち、‘嘘吐きはどちらか?’という大問題です。両者ともに大統領としてアメリカ史にその名が刻まれますので、どちらが嘘つきであってもアメリカ国民にとりましては不名誉この上ないのですが(もちろん、歴代大統領の中にも嘘吐きは存在してはいましたが…)、これ程はっきりと現職と前任者との間で二者択一の問題として示されたのは、前代未聞のことかもしれません。

 

そして上述した言葉の後に、‘我々は、真実(truth)を護り、嘘(lies)を打ち破る義務と責任を負っている’とも語られています。ここで言う‘我々’とは、同部文の中には‘指導者として(as leaders)’という言葉も見えることから、バイデン政権を支える民主党、並びに、その配下にあるマスメディア等のリベラル勢力全体を意味しているのでしょう。同政権が、自らの責任としてトランプ陣営の主張がフェイクであることを証明する決意表明にも聞こえ、この方針通りにバイデン大統領が行動すれば、米国民は、‘どちらが嘘つきか’の問題は新政権の下で厳正に事実関係が検証され、解決されるとする期待を抱くこともできそうです。

 

 しかしながら、バイデン政権下における同問題の解決が期待薄であることは、誰もが感じるところです。容疑者・被告人が裁判官を兼ねるようなものですし、政権発足後に独立的な調査権を付与された中立・公平な機関が設置され、徹底した調査がなされたとしても、その結果、同政権を‘嘘吐き’であったことが判明すれば、その時点で、バイデン大統領、並びに、議員を含め、不正選挙に加担した全ての民主党系の公務員は、通常の裁判であれ、弾劾裁判であれ、職を追われることとなるからです。つまり、バイデン大統領は、就任演説にあって自らに課した義務を果たそうとはしないかもしれないのです。

 

 しかも、さらに疑わしいのは、同演説では、真実(truth)という言葉が選ばれており、決して事実(facts)ではない点です。真実(truth)と事実(facts)は同義語のように思われながら、いささかニュアンスが異なっており、昨今、前者には主観性を帯びる傾向があります。そして、かのオーウェルの問題作『1984年』にあって、虚偽情報の発信源となり、また、事実の改竄を任務とする省庁の名称が‘真理省(ministry of truth)’であったことを思い起こしますと、戦慄さえ覚えます。もしかますと、バイデン大統領は、今日の中国や『1984年』の世界のように、自らを‘真実(truth)’の絶対的な決定者とし、強権を以って実際に起きた出来事としての‘事実(facts)’を抹殺してしまうかもしれないのですから。

 

 ‘どちらが嘘つきなのか’という問題は、アメリカ国民にとりましては、全体主義体制への移行の危機を意味するのですから、誰もが無関心ではいられないはずです。この点、退任を前にして弾劾裁判が決定されていたことは、不幸中の幸いであったと言えましょう。トランプ陣営にも、公の場で自らの主張を証明するチャンスが保障されていることを意味するからです。日本国民を含む全人類が知りたいのは、‘真実(truth)’ではなく、‘事実(facts)’なのです。


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バイデン大統領の行方―米上院の弾劾裁判に注目を

2021年01月21日 12時40分46秒 | アメリカ

 2021年1月20日、混乱の内にようやくホワイトの執務室の椅子に座ったバイデン大統領。公式には‘大統領’ではあっても、内心、これを認めたくない国民も多いのではないかと思います。水面下における選挙結果の容認派と否定派との分断とも言える状況を敏感に察してか、同大統領自身も、就任式の演説において‘民主主義の勝利’や‘国民の団結’を訴えています。しかしながら、これらの美辞麗句も、払拭し得ない不正選挙問題がある限り白々しく響くのみなのです。

 

 メディアでは、否定派を過激なトランプ支持者や狂信者のように報じていますが、分断が起きているのは一般国民の間でのことです。これは、バイデン大統領が演説で国民の団結を訴えている点においてむしろ証明しています。否定派の中核を成しているのは、常識や良識を備えたアメリカの中間層なのでしょう。ワシントン・ポストとABCニュースが実施した世論調査によれば、今般の大統領選挙が不正選挙であったとみなすアメリカ国民は3分の1程度と報じられておりますが、一貫してバイデン陣営に有利な報道に終始してきたメディアのことですから、この数字も怪しいものです。

 

 何故ならば、一般的な人としての理性を働かせれば、熱狂的なトランプ支持者ではなくとも、今般の選挙に不正があったことは、認めざるを得ない事実であるからです。実際に、ナヴァロ報告書等が示した証拠や証言のみならず、トランプ陣営から提起された訴訟に対する裁判所の却下理由の中にも、‘選挙結果を覆す程の影響はなかった’として不正行為の事実を認めているものもあります。不正選挙とは、‘勝つ’ために行われるのですから、‘選挙結果に影響がない’ということは、その実行者の状況判断や動機を推測しても、本来、あり得ないはずです。バイデン陣営が実際に国民からの圧倒的な支持を得ていたならば、不正を行う必要は全くなかったはずなのですから。

 

 それにも拘らず、不正問題の真相の究明なくしてバイデン大統領が誕生したのですから、納得しない人が出現するのは当然のことです(しかも、中国や超国家勢力も絡み、安全保障上の問題でもある…)。この状況下で、同氏が‘民主主義の勝利’や‘国民の団結’を訴えたとしても、当の本人がこれらを破壊した張本人なのですから、否定派がその声に素直に耳を傾けるとは思えません。否、選挙結果を認めてしまえば、自らの良心に恥じる行為として自責の念に駆られることになりましょう(悪の容認…)。米民主党は、過激なトランプ支持派の蛮行とし、全責任を負わせることで事態の収拾を図ろうとしていますが、真に恐れるべきは、一般の人々の良心なのではないでしょうか。自己の内面の良心を問うことは、政治的意見の相違、利害対立、そして個人的な好悪の感情を越えたところにあるからです。

 

 バイデン大統領が全国民から正当な大統領として受け入れられるには、トランプ陣営の主張に対して動かぬ証拠を以って反証し、身の潔白を証明する以外には道はありません。トランプ陣営側から提供された情報が全てがフェイクであったことを立証しなければならないのです。この点に鑑みますと、まずもって注目されるのは、今後、上院で開かれる弾劾裁判です。同弾劾裁判にあって何が明らかにされるのか、バイデン大統領の行方も、同裁判における事実の開示にかかってくるのではないかと思うのです。そしてそれは、与野党問わず、全ての米上院議員の良心をも問うこととなるのではないでしょうか。


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メディアやSNSの言論規制が暴力を誘発する矛盾

2021年01月18日 17時06分36秒 | アメリカ

国会議事堂占拠事件を待つまでもなく、メディアやSNS各社は、アメリカ大統領選挙にあって積極的な干渉を行ってきました。メディアは、トランプ大統領に対しては、それがフェイクニュースであってもネガティヴ情報の流布を放置しましたし、自らフェイクニュースを堂々と報じることもあったのです。SNSも負けてはおらず、政治的主張や事実の指摘に対しも書き込みを制限したり、ユーザーに対して警告を付してきました。遂に、ツイッター社は、同大統領のアカウントを永久に停止する措置を採ったのですが、その一方で、バイデン氏に対しては、それがたとえ事実であり、政治生命を失うような重大な不正行為や売国行為であったとしても、メディアもSNSも全力でネガティヴ情報の拡散を妨害し、‘バイデン押し’一辺倒で報じたのです。

 

こうした行為は、誰の目から見てもアンフェアですし、メディアやSNSの存在意義さえ問われる事態です。一体、メディアやSNSとは、何を目的として設立されているのでしょうか。メディアとは、判断材料や事実を知りたい国民一般に対して情報を収集し、それ等を提供するサービス事業者です。そして、SNSとは、一般の人々のコミュニケーション空間にあって意見交換や対話、あるいは、情報の発信ツールを提供するという、これもまたサービス事業者と言えましょう。

 

つまり、メディアもSNSも不特定多数の受け手やユーザーが存在しなければ成立し得ない事業であり、この一般的理解に従えば、メディアもSNSも事実のみを誠実に報じると共に、人々のコミュニケーションや情報発信に対して介入してはならないはずです。しかしながら、現実には、上述したように特定の政治的立場の宣伝機関、あるいは、世論誘導機関でしかなく、本来のサービス事業者としての役割を果たしているとは言い難い状況にあります。その理由は、これらの企業の経営方針には、スポンサーや株主の影響が強く反映されるからです。メディアが仲介者の意味を持つように、これらの企業は、資金力や政治力に優る特定勢力と一般大衆の間にあって、どちらの側にも転びうる立場にあるとも言えましょう。そして、近年、とりわけ前者への傾斜が著しく、特定勢力、すなわち、超国家性を有するリベラル勢力の‘所有物’となっていると言わざるを得ないのです。

 

メディアやSNSが特定の勢力によって私物化されているとしますと、これは、れっきとした陰謀です。そして、言論の自由を損ない、私的検閲にまで及んでいるとしますと、批判を受けても致し方ないと言えましょう。そして、国会議事堂への乱入事件に際し、暴力を煽ったとしてトランプ陣営を糾弾し、これに便乗するかのように米民主党側の不正選挙に関する発言や情報まで消し去ろうとしています。‘バイデン勝利’に対する異議申し立ての声を封殺し、‘なかったこと’にしようとしているのです。

 

 こうした民主党側による言論の抑圧は、暴力の阻止を根拠として行われているのですが、言論を封殺する行為こそ、暴力、否、力による抗議を誘発してきた歴史を忘れているようです。何故ならば、言葉によって権力者を批判したり、不正に対して抗議する道が塞がれてしまいますと、人々は、実力行使に訴えるしかなくなるからです。平和的に国制を改善したり、不正を糺すためには、自由な言論空間を要します。民主主義の発展も言論の自由の保障と軌を一にしており、公的な問題についてオープン、かつ、自由闊達に議論し、悪しきは悪しきとして指摘し得る言論空間こそ、力ではなく理性や知性によって問題を解決してゆくための必要不可欠の条件とも言えましょう。

 

この点に鑑みますと、マスメディアやSNSによる言論規制は、やはり、民主主義を損ねていると言わざるを得ないように思えます。‘ペンは剣よりも強し’とも申しますが、言論の自由を保障してこそ、剣に依らずして善き政治や社会が実現するのですから。


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アメリカ国民は不正選挙を追求すべきでは?-最大の被害者は米国民

2021年01月16日 12時40分06秒 | アメリカ

 1月6日に発生した国会議事堂占拠事件は、客観的に見れば、民主党側に極めて有利に働いたようです。トランプ大統領を罷免や弾劾するチャンスを得たのみならず、メディアに格好の報道材料を与え、紙面やネットニュースの見出しを同事件一色に変えることに成功したのですから。暴動は予め何者かによって‘仕組まれていた’とする説がまことしやかに囁かれるのも、同事件が、大統領選挙をめぐる一連の混乱にあって、民主党にアドバンテージを与える好機となったからなのでしょう。

 

 それでは、トランプ陣営が訴えてきた不正選挙は、全く事実無根のフェークニュースであったのでしょうか。仮にそれが事実であるとしますと、相当に大掛かり、かつ、組織的な作業を要することとなりましょう。少なくとも、大統領選挙にあって幾つかの州で採用されていたスマートテック社のホームページの記述さえフェイクとなりますと、トランプ陣営は、ネット上に開設されていた同社のホームページまでも改竄したことになります。同ホームページは、同社と米民主党のカーター元大統領やオバマ前大統領、並びに、共産主義者にして独裁者であったベネズエラのチャペス大統領との関係を、むしろ誇らしげにアピールしておりました。

 

また、トランプ派の弁護士陣営も、ネット接続やアルゴリズムの操作が可能なドミニオン社の製品を介した不正や海外勢力の介入について指摘していましたし(かつては、CNNもこのリスクを指摘…)、電子投票・開票システムに対する疑惑の他にも様々な不正が行われていたことは、ナヴァロ報告書にも詳細に記述されています。同報告書には監視カメラで撮影された映像も含まれていますが、これらの全ての証拠や証言等は、全てが偽造されたものであり、‘真っ赤な嘘’あるいは、‘デマ’であったのでしょうか。むしろ、短期間の間で民主党側の監視を潜り抜けてこれ程の偽の証拠や証言を揃えたとしますと、その組織力、並びに、速効性にこそ驚かされます。

 

アメリカ国民ならず、こうした情報に接すれば、誰もが、不正選挙を確信することでしょう。そして、重大な疑惑が寄せられているにも拘わらず、‘根拠のない主張’というフレーズを繰り返すだけで積極的に自らの潔白を示そうとしない民主党陣営の態度は、この確信をさらに深めさせたと言えましょう。そして、米民主党側に厳しい視線が注がれるに至った矢先に、今般の国会議事堂占拠事件は発生したのです。

 

 人には記憶力というものがありますので、不正選挙問題を人々の脳裏から完全に消去することはできません。このことは、民主党側が、たとえトランプ大統領を政界からパージし、首尾よくバイデン政権を発足させたとしても、国民の記憶の中に不正選挙問題が残る限り、常に、民主的正当性が疑われることを意味します。果たして、アメリカ国民は不正選挙問題に目を瞑り、民主党政権を受け入れるのでしょうか。国会議事堂占拠事件は、民主党側が主張するように暴力によって‘選挙結果’を覆す試みであったとしても、それは未遂事件ですが、民主党による不正選挙は、それが事実であれば既遂の犯罪であり、中国政府や海外勢力などの関与が証明されますと、国家反逆罪にも相当します。国民を直接に騙していることにもなりますし、前者よりも、後者の方の罪が重いのです。

 

そして、このまま同問題が有耶無耶にされるとしますと、最大の犠牲者は、アメリカ国民となるのではないでしょうか。アメリカ国民は、政治的スタンスの違いこそあれ、米政界に対して不正選挙の真相解明を要求すべきなのではないでしょうか。国民の正当な権利として。


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アメリカは‘民主党一党独裁体制’に移行する?

2021年01月14日 12時31分00秒 | アメリカ

1月6日に首都ワシントンD.C.で発生した国会議事堂占拠事件を機に、アメリカでは、ツイッターやフェイスブックといった大手SNSをはじめ、IT大手が一斉にトランプ大統領やその支持者を自らのプラットフォームから追放するという暴挙に出ることとなりました。今日、SNSは、公共インフラの役割を担っていますし、大手メディアも民主党系列に属していますので、この行為によって、トランプ大統領もその支持者の人々も、事実上、言論空間から締め出されることを意味します。こうした排除行為は、民間企業による私的検閲、あるいは、政治介入として国際的にも批判を浴びていますが、メディアや大手IT企業を含む民主党陣営は、幾つかの重要な点で国民の基本的な自由と権利を奪っているように思えます。

 

 先ずもって挙げられますのが、言わずもがな、言論の自由を含む表現の自由です。誰であれ、言論の自由は天賦の権利としてそれを有しています。しかしながら、歴史を振り返りますと、この自由は、為政者によってしばしば抑圧される、あるいは、奪われてきました。権力や権威を保持したい為政者にとりましては、言論の自由は、自らの悪政や失政、あるいは、悪行を国民から指摘される‘リスク’でしたので、体制維持や保身のためにはこの自由を認めたくなかったのです。今日にあっても、中国では、共産党一党独裁体制を保持するために徹底的な言論統制が敷かれ、国民は、自由に政治的発言することは許されていません。政府や政権批判は、一党独裁体制を脅かす‘政治的犯罪行為’なのです。

 

 国家の最高法規である憲法を以って言論の自由を厚く保障する理由は、それを国民から奪おうとする為政者を拘束するところにあるのですが、今般の民主党陣営の行動は、悪しき政治的言論弾圧、あるいは、政治的口封じの感があります。言論空間からの締め出しについては、‘暴動を扇動した’として肯定する意見も聞かれますが、トランプ大統領のツウィートに対する批判は、民主党側の主観的な解釈によるものです。為政者側の一方的な解釈によって冤罪を被せる手法は、ソ連邦にも見られた一党独裁体制における政治的粛清の常套手段でもありました。また、トランプ大統領こそが言論の自由を束縛する‘権力側’にあるとする指摘もありますが、資金力が政治力ともなり、‘第4の権力’とも称されているメディアが言論空間にあっても君臨してきた今日にあって、民主党陣営は、政府をも脅かす‘権力’です。そして、民間のメディアや大手ITとも結託して一大政治勢力を形成している民主党陣営は、政経が一体化し、民間企業をも共産党の傘下に置く中国の現体制と類似しているのです。

 

 また、国民の基本的権利に目を向けますと、民主党陣営は、国民の知る権利を奪おうとしています。国民には、政治判断に必要となる情報として、公職にある大統領の発言を聞く権利が当然にあるはずです。SNSは、トランプ大統領のみならず、政治家の情報発信ツールとしても機能してきましたので、その主観的、かつ、恣意的な判断に基づく一方的、かつ、即時的な遮断は、トランプ派の言論の自由を奪うと同時に、国民の知る権利をも奪う行為ともなるのです。

 

 以上に述べてきましたように、今般の一件を観察しますと、民主党派の排除行為にこそ、民主主義を破壊し、アメリカ国民を全体主義へと導く危険性が潜んでいるように思えます。民主党は、トランプ派に対して民主主義の破壊者として糾弾していますが、基本的な自由や権利の観点から見ますと、前者の方が‘破壊的’と言わざるを得ないのです。言論の自由は、国民が政治的な自由と権利を行使する上での前提条件ともなりますので、自由の抑圧は民主主義をも棄損します。

 

今後とも、この排他的な行動が強化されてゆくとしますと、‘言葉狩り’が強まると共に(不正選挙は禁句に…)、‘刀狩り(銃規制の徹底…)’も進むでしょうし、IT大手も、中国と同様に国民監視の手段となりましょう。‘万年野党’となる共和党も民主党に賛同する党員のみがその存在が許され(事実上の‘一党化’)、アメリカは、いつの間にか、中国の共産党一党独裁ならぬ、‘民主党一党独裁国家’へと変貌しかねないのです。真の危機とは何なのか、そして、それは何処にあるのか、アメリカ国民も、そして日本国民を含む全世界の人々が、真剣に見極めなければならない時期に至っているのではないかと思うのです。


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弾劾裁判はトランプ大統領にはチャンスでは?

2021年01月13日 12時48分33秒 | アメリカ

米民主党は、国会議事堂占拠事件を扇動した廉で、トランプ大統領を弾劾訴追するそうです。弾劾の動きに対して同大統領は怒り心頭に発していると報じられていますが、議会における弾劾は、むしろ、トランプ陣営にとりましてはチャンスとなるかもしれません。

 

 これまで、トランプ陣営が訴えてきた民主党側の不正選挙に関する訴訟は、州レベルであれ、連邦レベルであれ、悉く門前払いされてきました。裁判所にあって厳正なる審議に入る以前の段階にあって、無碍にも却下されてきたのです。仮に、何れの裁判所であれ、訴状が受理されていれば、トランプ陣営にも自らの主張を裏付ける証拠を提出し、バイデン陣営の不正行為を法廷の場で明らかにすることができたはずです。ところが、裁判所の拒絶によりこうした機会を失っており、それ故に、民主党側は、‘有罪判決がない=不正行為はなかった’という論法を以って、選挙結果は正しく、不正選挙を主張するトランプ陣営は民主主義を破壊している批判できたのです。

 

 トランプ陣営に対する司法の態度は、全ての人々に公平な裁判機会を与えるとする近代国家の原則も反するように思えるのですが、皮肉なことに、議会における弾劾裁判こそ、唯一、全国民、否、全世界の人々を前にして、同陣営がバイデン陣営による不正選挙を訴える場となるかもしれません。議会の手によるとはいえ、弾劾裁判も、司法権の行使の一つであり、その手続きは、裁判所と何らの違いはないはずです。当然に、証拠に基づく事実認定が為されるのですから、ここでトランプ陣営が、不正選挙の動かぬ証拠を提出すれば、流れが一気に逆転するかもしれません。弾劾決議案の骨子には、‘トランプ大統領が選挙に勝ったとする虚偽の発言をした’という内容が含まれていますので、この罪状は、不正選挙が立証されれば同大統領の無罪どころか、米民主党側の犯罪行為が事実として確定してしまいます。

 

 もっとも、議会において弾劾決議案が可決されたとしても、実際の弾劾裁判の開始は、1月20日以降となりますので、このままでは、バイデン氏が大統領に就任した後ということになります。弾劾裁判で有罪判決が下されれば、4年後の大統領選挙には出馬できなくなるそうですので、米民主党の狙いは、トランプ大統領の政治的影響力を徹底的に削ぐ、即ち、政治的粛清にあると指摘されています。通常の裁判所にあっても、発言の主観的な解釈を以って有罪判決を下しますと悪しき‘政治裁判’と見なされますので、有罪となる可能性はそれ程には高くはないかももしれません。そして、大混乱が予測されるとしますと、トランプ大統領による弾劾の成立ではなく、むしろ、裁判の過程で露呈する民主党の不正選挙の実態と同混乱の収拾なのではないでしょうか。

 

 1月20日以降の弾劾裁判にあって、民主党の大統領が不正選挙によって就任したことが判明しますと、当然に、その地位の正当性が問われることとなります。弾劾裁判の一部始終は公開されますので、米国民の大半は、‘バイデン大統領’に対する弾劾裁判、あるいは、完全なる不正防止措置を施した上での大統領選挙のやり直しを求めることでしょう。上下両院とも民主党が議会の多数を制しているとはいえ、この問題は放置できないはずです。仮に何らの措置も採らなければ、民主主義の破壊者、即ち、国民の参政権を奪った簒奪者として、米民主党は全国民を敵に回すことになりましょう。

 

 民主党員のみならず、シュワルツェネッガー氏のように、大統領選挙は疑いの余地もなく公正に実施され、トランプ大統領こそ‘嘘吐き’として糾弾する人もおります。この状態では、筆者を含めて不正選挙を確信している一般の人々まで、共犯者、あるいは、狂信者と見なされてしまいます。国民の前に真偽を明らかにするためにも、弾劾裁判の開催は、むしろ望ましいのではないでしょうか。そして、トランプ大統領には、是非とも、その国境を越えた背後関係や電子システムを利用した手口を含め、不正選挙の実態を暴いていただきたいと思うのです。


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シュワルツェネッガー氏のスピーチは藪蛇では?

2021年01月12日 12時29分24秒 | アメリカ

元カリフォルニア州知事にて俳優であるアーノルド・シュワルツェネッガー氏が、アメリカの国会議事堂占拠事件を受けて公開したスピーチ動画が関心を集めているようです。ハフポストの記事の見出しには、‘議会襲撃とナチス重ねたスピーチが胸を打つ’とあり、‘すべては嘘から始まった’とする同氏の主張を強調しています。しかしながら、トランプ大統領をアドルフ・ヒトラーに擬えたこのスピーチ、藪蛇になるのではないかと思うのです。

 

 同記事に対しては多数の人々からコメントが寄せられており、その大多数はスピーチの内容にいたく感動し、‘魂のこもった覚悟のスピーチ’や‘人の心に届く’といった表現で賛辞を贈っています。‘感動の嵐?’が吹く中に、本記事のような懐疑的な意見を書きますと、袋叩きに遭いそうなのですが、実のところ、巧みなスピーチによって人々の感情に訴え、自らの望む方向に人々を導く手法は、むしろ、ヒトラーの得意技でした。実際に、シュワルツェネッガー氏のスピーチに対する賛同の多くは、事実関係を確かめた上での冷静な評価ではなく、感情的なものです。

 

 藪蛇論の第一は、スピーチの利用という意味において、シュワルツェネッガー氏の方がヒトラーに類似しているということなのですが、第二の理由は、‘すべては嘘から始まった’こと自体が嘘である点です。同氏は、クリスタルナハト事件と呼ばれるユダヤ人襲撃事件を取り上げて、今般の国会議事堂占拠事件を批判しています。しかしながら、クリスタルナハト事件は、全くの嘘から始まったわけではないのです。同事件のきっかけとなりましたポーランド系ユダヤ人青年によるドイツ大使館員暗殺事件は、1938年11月7日に実際に起きた出来事なのです。この夜、ユダヤ人青年のヘルシェル・グリュンシュパンは、パリの在仏ドイツ大使館の三等書記官エルンスト・フォム・ラートを拳銃で殺害し、フランス警察の尋問に対して「迫害されるユダヤ人に代わって復讐したかった」と自白しています。仮に、シュワルツェネッガー氏が言うように‘すべてが嘘から始まった’のであれば、同暗殺事件もナチス側の陰謀であったこととなりましょう(あるいは、案外、これが真相かもしれない…)。

 

 第二点として挙げられるのは、シュワルツェネッガー氏には、不正選挙問題を含めた真偽を判断する立場にはない点です。同氏は既に公職を退いていますし、現職の政治家として全ての情報を入手し、真偽を判断し得る立場にあるわけではありません。裏付けや証拠もなく‘嘘’と決めつける態度は、むしろ、自己を絶対視する全体主義者の傲慢さが垣間見られます。

 

 また、同氏は、「政治家に必要なのは、権力よりも政党よりも偉大なもの、より高い理念に奉仕することです。」とも語っています。こうした政治家としての同氏の姿勢に感動する人も少なくないようなのですが、‘より高い理念’があれば、暴力や違法行為でも容認されるとする解釈も成り立ちます。しかも、‘より高い理念’に関連し、同氏は、自らがカトリック教徒であることを告白しています(宗教戦争も誘発?)。バチカンの目に余る腐敗が明らかにされつつある中、これもまた藪蛇なのですが、同氏には、宗教家やリベラルに固有の独善性が見受けられるのです。そして、同氏の理屈に従えば、不正選挙による‘偽大統領’の誕生を防ぐために議会を占拠する行為も、民主主義という基本的な価値に照らせば容認されることとなりましょう(もっとも、現状では、実行組織の背後関係は不明なのですが…)。第三の藪蛇とは、同氏のポリシーがそのまま相手方の行動を是認してしまう点です。

 

 シュワルツェネッガー氏のスピーチに真剣に感動してしまうようでは、同じ手口で何度でも騙されてしまいます。政治家のスピーチについては、距離をおいて構え、細心の注意を払って聞くべきですし、歴史を教訓とするならば、人々は、きれいごとを並べて言葉巧みに世論を誘導しようとするシュワルツェネッガー氏のスピーチにこそ警戒すべきと言えましょう。‘地獄への道は善意で敷き詰められている’とも申します。


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米民主党の不正選挙隠し ―隠れたるより現はるるはなし?

2021年01月10日 12時35分38秒 | アメリカ

マスメディアは、アメリカ大統領選挙に際して、一貫して民主党のバイデン陣営を応援してきました。本日の各紙の論調を見ましても、ペロシ下院議長を中心とする弾劾裁判への動きを報じ、民主党による選挙不正を追及するよりも、1月6日に発生した国会議事堂占拠事件に関してトランプ大統領の責任を問う姿勢が目立っています。

 

 メディアの一致した方針は、トランプ支持派を、Qアノンといった陰謀論を主張する組織が発信する偽情報を信じた狂信者と見なし、これらの過激派を暴力行使へと扇動したトランプ大統領の罪を問うというもののようです。メディア各社の報道姿勢の画一化ぶりには驚かされると共に、その背後には何らかの‘指令’、あるいは、‘合意’が推測され、報道の自由が既に失われている現状が垣間見えるのですが、最も憂うべきことは、不正選挙問題を消し去ろうとするその姿勢です。

 

 バイデン陣営は、トランプ陣営から再三にわたって不正選挙を訴えられてきました。その度に、バイデン陣営は、選挙は公正・公平に実施されたと主張するばかりで、疑惑に対して積極的に自らの潔白を証明することはなかったのです。否、ハンター・バイデン氏の中国ビジネス問題は、それが合法的に会計処理されたものであったとしても、副大統領という父親の公職を利用した行為であることは疑いの余地もなく(中国も、ハンター氏が副大統領の子息でなければ、巨額の利益が転がり込むビジネスチャンスを与えるはずもなく、当然に‘見返り’を期待したのでは…)、この事実を知れば、誰もがバイデン氏は信用に値いせず、国家の要職の地位に就くには相応しくないと判断することでしょう。アメリカ国民の多くはバイデン氏を清廉潔白な人物とは見なしておらず、喩え、バイデン氏が‘選挙不正はない’と言い張っても、その言葉も人々の耳には虚ろに響くのです。

 

 アメリカのみならず、日本国を含む全世界において民主党、メディア不信、並びに、社会・共産主義を含むリベラルに対するが蔓延する中にあっては、これらの勢力が一致団結してトランプ大統領の弾劾に人々の関心を向け、不正選挙問題から目を逸らさせようとしても、逆効果となるかもしれません。人の心理的傾向からすれば、疑惑を持たれている人が、それを隠そうとすればする程に、むしろ、より一層、怪しむからです。しかも、その行動が合理性に欠ける場合には、疑惑は確信へと変わります。過激派でも狂信者でもない、多くの一般の人々が疑念を深めるのです。

 

例えば、1月20日に大統領就任式が予定されているのに、何故、民主党は、弾劾裁判をかくも急ぐのでしょうか。しかも、トランプ大統領のツイッターの内容は、‘みんなで議会に行こう’というものであり、暴動を起こすように扇動したものとも思えません。この言葉を以って弾劾裁判で有罪を下すとしますと、それはまるで、徳川家康が豊臣家を滅ぼすときに口実とした‘国家安康事件’のような様相を呈してきます。つまり、それは、今日でも、中国にあってしばしば用いられる政治裁判と同類のものであり、司法権力を政治闘争の道具としているのです。そこには、自らの行為の犯罪性が問われているが故に、それを糾弾する側を犯罪者として葬り去りたいとする、歪んだ執念さえもが垣間見えるのです。因みに、社会・共産主義者は、革命という暴力を容認しながら、自らが権力を独占した途端に暴力の否定に転じ、人々から抵抗の手段を徹底的に取り上げようとするものです。

 

全ての組織犯罪は‘陰謀’とも言えますので、選挙不正を陰謀論として一笑に付すことはできないはずです。また、Qアノンといった情報発信者の存在がなくても、今般の不正選挙は、民主的正当性に拘わる案件として厳正に調査されるべきれっきとした犯罪事件です。中国の関与が指摘される一方で、カナダのトルドー首相の唐突なトランプ大統領批判も不自然ですが、今般の不正選挙が、国境を越えた背後関係を含めて徹底的に解明されない限り、アメリカ国民ならず、全世界の人々は、バイデン氏を正当な大統領とは認めないのではないでしょうか。全世界のマスメディアが同一方向に向かって一斉に世論誘導に動き出す異常さこそが、人々に不正選挙を確信させる反証となっているようにも思えるのです。

コメント (2)
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