サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

キューバの都市農業

2006-08-24 | 都市農業。
ソ連、北朝鮮、中国(上海だけですが)、ベトナム……ときたら、
次の社会主義国探訪はキューバでしょ!
と、きわめておたく的ミーハー心からこの国に興味をもち、
9年前にゲバラの故郷アルゼンチンを訪ねたときも、
次こそキューバだぁー!と息をまいたが、未だ機会を得ず。
そうこうするうち、この国はスゴイことになっていた。

アメリカの経済封鎖と崩壊したソ連からの援助喪失によって
ジリ貧に追い詰められたキューバは、独裁者政権ならではの
トップダウンの強みを活かして、決死的対抗策をぶちあげた。
そして今や、国をあげての都市農業と循環型エコ社会の実現に
世界で最も近いところに位置する国になってしまったのである!

コレに関しては吉田太郎氏のサイトや著作に詳しく記され、
ちょうどダーチャの本を書いたころに知ったのだが、
つくづく土・自然・環境に直結する問題は
社会主義的思考がないと解決できないものだと思う。

しかしそれを実践できるのは、コンパクトでフットワークの軽い国。
ソ連・ロシアのように象のごとき大きさでは、政府にできたのは
「土地をタダで与えること」どまり。
ダーチャを今日のような心豊かな農的空間に変えたのは、
むしろ無政府主義と個々人の自助努力の賜物である。
よって、個人の幸福が達成されれば、全体の幸福はどうでもよくって、
じつはダーチャはスローであってもエコではなかったりするのだ。

その点キューバは、食料確保と環境保全を対のものとしてとらえ、
環境にやさしい地産地消国家モデルを、わずか15年で構築。
首都ハバナの空き地という空き地は菜園と化し、失われた森は蘇り、
どんな辺境の学校でもソーラーパネルによる自家発電が可能とか。

もちろん現実はそう甘くはないだろうし、
プロジェクトのトップにいる人と底辺にいる人とでは
温度差もあるだろうけど、目指すところのものはかなり正しい。
それだけにカストロの容態と今後が気にかかる。
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