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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

介護スクール13日目 ~ 介護計画を個別に作る

2023-05-20 23:48:22 | Weblog

 

 今日は介護研修の13回目。

 テーマは「介護過程」と題して、介護計画を策定するという事の意味について学びました。

 利用者には様々な状況があるので、それぞれの人たちの様子に合わせた介護計画が必要になります。

 ケアマネージャーが作成する介護サービス計画を受けて、個別介護計画、個別看護計画、個別リハビリ計画など、多職種との連携で利用者の生活支援や機能保持などを図ります。

 そしてそれぞれが計画を実施して、できたこと・できなかったことなどを持ち寄って反省し、フィードバックして新たな介護計画を策定しなおすということを繰り返します。

 このあたりは、私自身の仕事でも提案型のプレゼンをするときなどはPlanーDoーCheckーAction というPDCAサイクルを回すことには慣れているので、全体の流れはスムースに理解ができます。

 ただそのためにはまず利用者の状況をしっかりと把握して理解することが肝心です。

 しかし実際の現場では、独り身で認知症の方などどういう状況なのかを把握することが難しい事例も多いとのこと。

 やはり何事も教科書通りにはいかないのです。


     ◆


 介護でのPDCAを回す際には、介護で得た反省を他の介護者、医療者などと共有をすることが大切です。

 私の方から「そういう情報共有のためには電子パッドやアプリを使うといった効率化は図られていませんか」と質問をしました。

 講師からは「最近は良いものもでき始めていますが、それらを導入するという事になるとまたそれなりの投資をしなくてはならないのでそういう余裕があるかどうかですね」とのこと。

 介護業界でもデジタルDXを進めるにはお金がかかります。


     ◆


 今日は他のコースからの臨時の参加者が一人いて、それが30代の主婦の方。

 聞けば「主婦の仕事の延長のような訪問介護をしようかと思っていて」というので、「お子さんがいるなら大変じゃないですか」と訊くと、「いえ、却って『この時間とこの時間ならお手伝いができます』という時間的希望をすり合わせることができるので時間が作りやすいんですよ」とのこと。

 どうやらお友達に介護業界で働いている人がいるらしくて、介護業界のいろいろな「あるある」話も伝わっているようで事情通です。

「友達に聞いたら、教科書通りに進んでいる現場なんてないと言っていました(笑)」と言い、暴力老人の話やら特養での機械的な入浴システムなどを面白おかしく話してくれました。

 授業中は、私などは結構質問の手を挙げるのですが、それをみて「なんか質問しやすくて明るいクラスですね」と驚いています。

「あなたのクラスはこうじゃないの?」
「うちは、雇用保険をもらうために職業訓練として介護の資格コースに入っている人たちが多くて、あまり前向きに介護のことを考えている人は少ないです(笑)」

 世の中いろいろな事情があるんですねえ。

 介護スクール、あと2回です。

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胃カメラは5月は避けるべし ~ 次回からは6月か7月に

2023-05-19 23:00:53 | 健康

 

 今日は年に一度の人間ドックの日。

 朝早めに病院に到着して早く始まる順番にしてもらいました。

 検査は番号の振られた部屋を指示されて次々に効率よく検査が進んでゆきます。

 さすがは人間ドックに特化した病院だけのことはあります。

 
 毎年のことながら一番つらい検査は胃カメラです。

 喉からは辛すぎるので、今回も鼻からの胃カメラにしてもらいましたが、鼻に苦い麻酔薬を二度に分けて入れるのも結構辛い時間です。

 しかも前夜にシラカバ花粉症の薬を飲むことができなかったので、カメラの時間が近づいたところで急にくしゃみと鼻水が出始めました。

 今回はベテランの女医の先生がカメラを入れてくれましたが、鼻から入れるのにちょっと苦労しました。

 その原因は花粉症による鼻の粘膜が炎症を起こしているので鼻の中の穴が狭くなっているのだそう。

「ちょっと痛いかもしれないけどごめんね~」と言いながら先生じわじわとカメラを鼻の奥から喉の方に押し込みます。

 こちらは目をつぶって耐えるしかありません。

 ようやくカメラは一番狭いところを抜けて喉へ通り、食道へと入ってゆきました。

 そこでも食道から胃にかけて鼻水が入り込んでいて、先生はそれを吸引してきれいにしながら手慣れた感じで検査を進めてくれます。

 胃の一番奥からさらに十二指腸の行けるところまでカメラは進み、そこから引き抜きながらの撮影と、食道近くまで来たらカメラを180度反対に向けてカメラが入ってきている穴付近も撮影してゆきます。

 全て終わったところでカメラをスーッと引き抜いて終了。

 手際の良さが良くわかります。


 終わってからは今見た胃の中の初見について説明を受けました。

「総じてきれいな胃でした。ピロリ菌はいないな~、という胃壁ですね」とお褒めの言葉。

 ただ、食道が胃に繋がっている接合部は逆流性食道炎の跡が見受けられて、「今は落ち着いているけれど、たまに炎症を起こしている痕跡ですね。そこは日頃の食生活でコントロールしてください」

    
      ◆


 午後からの総合的な診断でも、年相応に数字が悪い方向に進んでいるものが散見されましたが、総じて何か悪い感じがあるわけでもありませんでした。

 教訓として得られたことは、『人間ドックは花粉症の時期を避けるべし』ということでした。

 次回からは5月は避けて6月から7月に受信するようにしようと思います。

 皆さんも自分の健康状態を見える化しておくことって大切ですよ。

 

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語学ってやっぱり大事だな

2023-05-18 23:29:12 | Weblog

 

 卓球の石川佳純選手の引退会見をネット動画で見ました。

 記者からの質問に対する受け答えもしっかりしていましたが、中国語でされた質問を訳しながら中国語で答えているのを見て立派だなあ、と思いました。

 卓球という世界にいる以上、中国選手やコーチとのコミュニケーションを取る必要もあったのでしょうが、語学のレベルも堂々たるものでした。

 やはりこういう場面を見ると、特別な相手と直接的な意思疎通が図られるような語学能力って大事だな、と思います。

 国際派遣など、外国生活もしてみたかったのですがとうとう叶いませんでした。

 「習うより慣れろ」と言われても、慣れるような機会に恵まれなかったことを言い訳にしている自分が情けないな。

 
 さてこれからは通訳がAIに取って替わられて、語学を勉強する意味が薄くなるのではないか、という議論がありますがそうなんでしょうか。

 AIの力を借りて、語学学習はもっと効率的なものになるのでしょうか。

 今の孫たちを見ていると小学校高学年から英語の学習が始まっているのですが、この子たちがもっと成長するときに外国語ってどういう位置づけになっているのでしょう。

 楽しみなような心配なような…。

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暮らしの機械化…これからは情報化へ向かう

2023-05-17 23:04:32 | Weblog

 

 昨日は日本建設施工機械化協会北海道支部の総会がありました。

 この協会は、建設工事の機械化を進めるために施工業者、機械業者、測量業者などによって昭和25年に設立された団体です。

 建設工事で機械を使うなんて今では実に当たり前のことですが、実は戦前まではそのほとんどを人力工事で行うのが当たり前でした。

 そこに様々な土木工事においてバックホウやトラック、グレーダー、スクレーパーなどの建設機械が登場して施工の効率化を高め、インフラ作りが早くなった画期的な時代が昭和20年代だったのです。

 北海道での道路建設史上「金字塔」と言われるのが、国道36号札幌-千歳間の道路、通称『弾丸道路』の建設でした。

 札幌から千歳までの延長34.5キロメートルの舗装道路を、昭和27年10月の着工からわずか1年余りで完成させたのですが、それができたのは施工の機械化を大幅に進めたことと、それまで普通だったコンクリート舗装からアスファルト舗装への転換でした。

 こうした時代の変革期ともいえる画期的な新技術の導入によって、その後の建設産業は効率的な形になり日本の建設インフラの充実が進んだと言えます。

 日本建設施工機械化協会は、そうした建設業の機械化に関する様々な取り組みを行う社団法人ですが、今日の課題は建設機械の情報化というテーマです。

 GPSの利用による自動制御や遠隔制御などにより省力化、省人化が進められてきていますが、これらを駆使して来るべき人口減少社会でも耐えられる建設産業に近づけなくてはなりません。

 時代ごとの課題を一つずつ解決するために多くの知恵を集めたいものです。


     ◆


 さて、昨日は総会終了後に基調講演として北海道大学の萩原亨先生による、「札幌市の大雪と渋滞」についての研究成果のお話を伺うことができました。

 先生は、ETC2.0を積んでいる車の位置や速度などの公開情報を入手して、そこから昨シーズンの札幌の大雪によって生じた渋滞の状況を見える化する研究を行いました。

 その結果、大雪で道路が狭くなって車が動けなくなる状態を交通量と実行速度の関係で明らかにするMFDという手法で図に表せるということでした。

 先生は「大雪で渋滞が発生して、札幌市内では車はほとんど動けませんよ、という情報が見える形で提供されれば、渋滞混雑にわざわざ入って行こうとする車の量を減らせるのではないか。そうすれば除雪がしやすくなり渋滞解消が早まるという事が考えられ、雪国のドライバー意識を協力的になってもらうような形に繋げたい」とおっしゃいます。

 ただその時のカギは、リアルタイムでの車の位置や速度に関するプローブデータをどれくらい数多く集められるかだ、とのこと。

 トヨタやホンダなどの自動車メーカーは最近"コネクテッド"と称して、自社の車のプローブデータを収集できるような取り組みをしているのですが、それらは公開されていません。

 利用できる数少ない情報源が国土交通省が収集しているETC2.0ですが、これもリアルタイムではなく1~2日のタイムラグがあるそうです。

 様々な情報をだれもが自由に使えるような制度になれば、よりよい社会の仕組みに繋げられそうですが、まだまだそれには時間もかかりそうです。

 しかしこのような研究が広く知られるようになれば、都市部での渋滞解消などにつながるという理解が進むかもしれません。

 車もただ漠然と走っているのではなく、その状態をデータとして活用する新しい時代がやがて訪れるかもしれませんね。

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心が落ち着けばいいんだな

2023-05-16 23:09:40 | 健康

 

 今日は三カ月に一度の尿管メンテナンスの日。

 尿管狭窄で痛みの出た患部に9段階の太さの違う器具を段階的に入れてゆっくりと押し広げるのです。

 治療を始めたころは一番太い道具を入れるのがかなり痛かったのですが、それを数回繰り返すうちに、今や一番太い器具を入れてもそれほどの傷みや違和感を感じなくなってきました。

 この症状の根本原因は前立腺の肥大だ、という先生の見立てなのでそれ用の薬は服薬を続けていて、症状が落ち着いてきたのでしょうか。

 医師の先生とは、「次回は内視鏡を入れて、今回のメンテナンスでどれくらい縮まらなくなっているかを見てみましょう」と言われていて、本当に症状が落ち着いてきたら三カ月に一度が半年に一度になるかもしれません。

 一方この治療では効果が薄いと判断されれば次のステップに向かうことも考えられ、私としてはとにかく服薬を地道に続けつつ、あとは幸運を祈るばかりです。


     ◆


 介護の勉強をしていると、「〇〇をしたから病気にならなかった」という類の宣伝文句がむなしく聞こえてきます。

 それは、老化による障碍や機能の衰えはある確率で誰にでも起こりうるという事実を教えられるからです。

 もちろん、健康が維持されて家族や介護施設のお世話にならないのが一番良いのですが、何かを食べ続けたからとか何かの運動を続けていたから、というのはほとんど健康に寄与する面が薄いのではないかと思います。

 運動をしても内臓の病気になるかもしれないし、何かを食べ続けても関節や筋肉に痛みが出るかもしれません。

 それはひとえに確率の問題で、振り返って健康であればそれは本当に幸運だったとしか言いようがありません。

 もっとも、だからといって酒、タバコ、暴飲暴食を繰り返しても良いという事でもありませんが、その反対に、なにか効能のありそうな食品やサプリなどに血眼になるというのも違っているように思います。

 先日耳鼻科にかかったときに耳鳴りの薬を処方されましたが、耳鳴りは波のように押し寄せてきて、薬が効いているのか効いていないのかよくわかりません。

 ただ、何もなすべきことがなくて不安に思うよりも「とりあえず薬を飲んでいるから」と思うことで、なにか改善しているような気になって心に安心感が漂います。

 先生に「薬が効いているかどうかわかりませんが、なにか安心感があります」というと、「確かにねえ、薬を飲んでいるから安心というプラシーボ効果だってありますからね」とのこと。

 ドクターも、薬の効用の一つにプラシーボ効果による安心感を認めているのか、と思って、まあそれでいいじゃないか、と思うようになりました。

 高齢者の不思議な水やサプリもプラシーボ効果だと思えば高くはないのかもしれません。

 これからも一つ一つの症状と付き合ってゆくしかないのですねえ。

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浴室リフォーム終ったけれど…

2023-05-15 23:36:00 | Weblog

 先週一週間を費やした我が家の浴室のリフォーム。

 月曜日に始まって土曜日の夕方には終わるはずだったのですが、土曜日の最終工程を前にしてなんと入口にあってはならない1センチほどの段差があることが判明。

 どうやら現場で作業をする大工さんと浴槽ユニットの職人さんとの間で意思の疎通に齟齬があって、段差ありの前提で作業をしてしまったようです。

 バリアフリーの浴室なので浴室に入るのに段差があってはならず、この段差修正が必要になる手戻り発生。

 しかしもう段差ありの前提の寸法で浴室扉の木製枠組みができていて、天井と木枠の間のボードも張っているほか、浴室そのものも本来あるべき姿から全体に1センチほどレベルが上がった状態で施工されていたために、この床全部をたった1センチと言えども下げなくてはなりません。


    【段差が修正された後】

 この手の工事って、まっさらな状態から完成に向かう前提で工程を組んでいますが、一度施工してから間違いが見つかると、今まで作った部分を一度外してからやり直すという二重の手間がかかるので実に厄介です。

 本来ならば、現場の職人同士で疑問が生じたことは現場監督に問い合わせて指示をもらって進めるべきなのですが、今回はちょうどその施工時に監督の立場の人間が居合わせなかったことが災いしました。

 土曜日の夜に終わるはずだった工程を今日の夕刻まで伸ばしたは良いものの、設備屋さんに配管をいじってもらって、ユニット屋さんは浴室の床下に入って1センチを下げるのに苦労して、並行して大工さんが入り口の木枠の造作を直すという、狭い空間に複数の職人さんが入り込んでのカオスな状態に。
 
 それでもとりあえず手戻りを乗り越えて、なんとか夕方にはクロス屋さんが最終のクロス張りを行い、美装屋さんが養生の撤去と清掃までしていってくれました。

 ところが「じゃあ今日はお風呂に入れますね」と訊くと、「申し訳ないんですが、コーキングが固まり切っていないので、今日もう一日だけ我慢していただけないでしょうか」とのこと。

 施工時間のずれのしわ寄せで、お風呂に完璧な状態で葉入れるまでには至りませんでした。

 まあここまで来たら、この一日を焦って不具合を生じさせたくもないので、もう一晩だけの我慢です。


  【中はきれいになりました】

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躓いて気がついたこと

2023-05-14 23:31:29 | 健康

 昨日、毎週土曜日の介護スクールに通うためにバスを降りて街中を歩いていたときのことです。

 突然何かを蹴飛ばしたように、左足のつま先に異常な痛みを感じました。

「痛ーーーっ」

 見ても蹴飛ばされたような石などはありません。

 しかしよくよく見ると…、なんと歩道のインターロッキングのブロック一つが以上に突出しています。

 その段差の高さは1.5㎝以上あって、躓くのも仕方がないといえる高さでしょう。

 しかも運悪くつま先が柔らかいソフトな靴を履いていたので、衝撃が指に非常に強く加わりました。

 施工したときにこれでOKを出したとは思われないのですが、よくよく見るとブロックの一角を削った跡も見受けられ、高くなっていることに気がついて削ろうとしたのかもしれません。

 恐らくは使っているうちに飛び出してきたのかもしれませんが、道路管理の水準から言えば、これで怪我をしていたら管理瑕疵を問われかねない現状だと思った次第。

 幸いなことに数分その場で我慢していたらやがて痛みも引いて大けがではなかったようです。

 
 よりによって広い歩道のたった一個だけ飛び出していたブロックに足をぶつけるというのも運のない話ではあります。

 しかし同時に、じぶんがそれだけ"すり足"で歩いていたのか、という事にも気がつきました。

 いま介護を勉強している中で、歳を取ると歩行の際に足が上がらなくなり歩幅も狭くなるという話を聞かされていたところです。

 まさに、これこそ気がつかないうちに老化が足からひたひたと近寄ってきている証拠ではありませんか!

 道路管理にいちゃもんをつけるのは、それはそれで次の歩行者に対する注意喚起として必要かもしれませんが、同時におかげで自分自身の老化現象にも気がつきました。

 それからは少し気を張って歩行のスピードもできるだけ早くし、足先を上げてすり足にならないように気をつけながら歩いています。

 日頃の生活では、体も脳もついつい楽な方へ変化しがちです。

 通気ルートが毎日全く変わらない、通うお店がいつも同じ、生活に変化を嫌うようになる…、なども脳が衰えて考えることを避けようとしている老化現象の一種だと思われます。

 自分の老化や衰えに、ふとした出来事からできるだけ気がついて、日常を変えるように努力してみましょう。

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体の清潔を保つ入浴と清拭 ~ 介護スクーリング13/15回目

2023-05-13 23:20:19 | 介護の世界

 

 ゴールデンウィークの間はお休みだった毎週土曜日の介護スクーリングが再開。

 今日で15回中12回目が終わりました。

 今日のテーマは「入浴と部分浴について」で、体をきれいにするための入浴や手だけの手浴、足だけの足浴、体を拭く清拭(せいし)などについて学びました。

 日常生活を営むことにあまり苦労しない我々はほぼ毎日と言って良いほどシャワーか入浴をしていますが、これが身体機能や認知機能に障碍を持つようになると自分一人での入浴がままならなくなります。

 入浴には身体を清潔に保ち、血行を良くして体を温めることによる健康増進やリフレッシュが期待されます。

 また体を清潔に保つことで対人関係も円滑になったり社会参加意欲やなにより生きる意欲につながるという効果も期待できます。

 逆に身体の障碍や意欲の減退で入浴を忌避するようになると、これらの要素が失われてしまいます。

 日頃当たり前にできていることが一たびできなくなると、それによって失うものは結構多いことに気がつきます。

 
     ◆


 入浴というと、まず肩までお湯につかる"全身浴"を思い起こしますが、体の状態によっては浴槽に椅子を入れる半身浴や、立ち上がるだけの力もない場合は手や足だけでもタオルで拭くことで皮膚の清潔とリフレッシュ効果を期待することができます。

 今日の実習は、半身麻痺の方を二人で介護士ながら体を洗って半身浴まで導く、というものと、熱いお湯に浸したタオルで体を拭く清拭(せいし)を行いました。

 お湯は暑いお湯と水で温度を調整しますが、今の主流は56℃という高温のお湯にタオルを浸してそれを絞ったもので体を拭くというものだそう。

 56℃のお湯って、実際には相当熱いです。

  浸したタオルは両端をひねってできるだけ高温のお湯を絞ってから最後は水分がしたたり落ちないように気合で絞り切るのですが、2~3回と繰り返すうちに手がひりひりしてヤケド一歩手前くらいの手への刺激がありました。

 でもペアで互いの腕を拭きとり合うと、これくらいの温度のタオルで拭かれると実に気持ちがよくリラックスできます。

 利用者には快適なサービスですが、介護者にはいささか辛いケアだと感じます。


 あと、高温のお湯と水を混ぜ合わせて利用者のお好みの温度のお湯を作る際は、「先にお湯を入れてから水を入れて温度を調整してくださいね」と講師から言われました。

「なぜですか」
「反対に先に水を入れて後からお湯を入れて温度を調整するのを『逆さ水』と言って、人が無くなった時の湯灌のお湯を作るときの作法なので、そういう知識のある方の前でそれをすると、嫌な思いをさせることになりかねませんので」

 湯灌のお湯はそうやって作るとは知りませんでしたが、注意すべき点ですね。


 さて、今日をもって実技らしい実技は終了です。

 あと3回の講義は主に講義と座学が中心で、これまで習ったことを振り返りながら総合的な支援技術の充実を目指します。

 まだまだ油断はできません。

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関係性は目に見えないけれど

2023-05-12 23:11:21 | Weblog

 4人が参加するちょっとした飲み会がありました。

 ちなみに合コンではありません(笑)。

 この飲み会、参加者の4人が他の3人全員を知っている飲み会ではありません。

 参加者をA、B、C、Dとすると、AはBとCを知っている。
 
 BはAを知っている。

 CはAとDを知っている。

 DはCを知っている。

 つまりお互いが知り合いの関係を持ち寄っての飲み会なのですが、実はそれでいて全員がある町に住んでいたことがある、という共通の体験は持っているのです。

「それを共通の話題にして飲もう」ということになり、今日の飲み会が組まれました。

 それぞれが持つその町のイメージやエピソード、良い点や悪い点などを言い合って楽しい時間が過ぎました。

 この会合によって、会うまでは三つの関係しかなかったものが6つの関係性に増えました。

 人と人との関係は面白いもので、二人がお互いに以前から知っていたとしても、その共通の友人がいたり、共通点があるということでより親近感が増したり、評価がぐんと上がったりします。

 人と人との関係性と言うのは目に見えないものですが、大人になって世間というものが分かってくると、その真の価値に気が付くものです。


 そもそも人の印象も、自分が信頼している人から「あの人はいい人だよ」と言ってもらえば自分の感じ方も安心ができます。

 誰を知っているかということも大事なら、その誰かからちゃんと評価されているかどうかも大切です。

 大人になるということは、そういう人からの信頼を少しずつ得る旅のようなもので、他人を真に知っているのは大人の証ともいえるでしょう。

 今日もお互いに初めて話をするような人同士も楽しく話ができて、今日という共通体験があることでこの4人の親近感も増したことでしょう。

 コロナが落ち着いて、ようやくこのような時間を気兼ねなく持てるようになりました。

 人が触れ合えない日々ってやっぱり異常だったのだと思います。

 銀座の時計店を襲撃した強盗団は闇バイトで集められた一瞬のチームだったのでしょうか。

 良い人生のために良い友達を持ちましょう。

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子供の頃の習い事

2023-05-11 21:43:06 | Weblog

 

 私の若い頃はほとんど習い事をしませんでした。

 時代的にまだ塾が一般化する夜明け前という感じでしょうか。

 2歳下の私の弟は小学校6年生から塾に通い、5歳下の妹はピアノを習わせてもらっていましたが塾に入っていなかったはず。

 まあ習い事に潤沢にお金を使えるほど裕福でもなかったということなのですが、振り返ればそれはそれでほのぼのとした幸せな時代だったと思うのです。

 弟が塾に行ってくれたことで、私は当時ちんぷんかんぷんだった英語で助けられたことがあります。

 中学校一年のときの英語の先生が性に合わなくて英語はまったく成績が上がりませんでした。

 そんななか、弟に「どうして"I am do"ってならないの?」と訊ね、「バカだな、英語にはbe動詞とdo動詞と言うのがあるんだよ」と教えられました。

 今でもそれを聞いた時に目から鱗が落ちた記憶がはっきりと残っていて、それから英語が分かるようになり(ホントです)、高校受験や大学受験でも英語は点数の取れる科目になりました。

 弟の塾通いには今でも感謝しています。


      ◆


 さて、そんな私が唯一習い事として通ったのはお習字の塾でした。

 小学校2年生から3年生にかけて稚内に住んでいた時に習っていたもので、先生は白い髭を生やした結構なお歳のお爺さんでした。

 ただきわめておちゃらけで不真面目だった私は、塾での時間中はふざけることが多く、隣で字を書いていた同じくらいの歳の子供と顔に墨を塗りあってゲラゲラ笑って、先生に叱られたこともありました。

 月に一度、昇級試験があって課題文字を書いて先生に提出して、翌月の会報に昇級結果が掲載される制度でしたが、上達もそれほどではなく2年間通って最終の成績は2級どまりだったという記憶があります。

 その程度のお習字歴なのでその後も字が上手になることはなく、塾通いも思い出のかなたの話です。

 ただ一つだけ塾の先生から言われて今でも覚えている一言があります。

 それは、失敗した半紙をぐちゃぐちゃにしてゴミ箱に捨てていたのを見かねた先生の一言で、「あなたは紙に恨みがあるのかい?」という言葉でした。

 決して強い叱責ではなく、呆れたという感情よりも、ちょっと悲しげな物言いでした。

 その言葉を聞いて(ああ、確かに自分は紙に恨みはない。失敗したのは紙のせいではなくて自分のせいだし…)と思い、それからは紙を捨てるにもちゃんと折りたたんで捨てるようになりました。

「恨みがないのなら物に当たるな、それは自分のせいでしょ」

 今でも何かを捨てるときに、ときどきそのときのことを思い出して捨てるものへの申し訳なさや感謝の念が沸き起こります。

 習字の塾に通ったことで字が上手になるという約束された結果はとうとう得られませんでしたが、代わりに生き方をちょっと変えるような一言が得られたのが私の人生の大事な一コマになりました。

 今は長女の孫が二人してお習字を習っているそうで、「だいぶ字がうまくなってきたよ」とのこと。

 人から何かを習うときには、思いもよらない宝を得ることもあるものだ、というのが私の経験です。

 人生は出会いで形作られるのですね。

 皆さんはなにか習い事の思い出ってありますか?

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