北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

平均余命と地方発スタートアップの記事 ~ 今日の日経新聞より

2022-12-09 23:14:21 | まちづくり

 

 今日の日経の記事から、一つ目は中央大学准教授松浦司さんの「やさしい経済学⑥」の「平均余命で見える異なる光景」。

 記事の趣旨は、
①労働力の減少を補うには女性と高齢者の労働参加が必用
②日本は世界指折りの高齢社会だが、単なる年齢で見ては間違う

③1960年の65歳男性は平均余命が11.6年だったのに対して、2010年のそれは、18.7年。
④平均余命で考えると高齢化率の上昇は緩やかになり、平均余命から見ると高齢者就業の余地は十分にある。

⑤日本の高齢者は他の先進国と比べて労働力率が高く、就業意欲も強いと言われる。
⑥政府も70歳までの就労機会確保を企業の努力義務とするとして高齢者の就労を促しているが、高齢者の雇用を守ることで新卒採用が抑制されることには注意が必要。

 
 高齢者をいつまで働かせるのだ!という声がある一方で、社会参加という刺激で緊張感を保ちつつ少しの収入につながる効果は大きなものがあります。

 そのため就業を求める高齢者も多くいるのが実態。現役を支えるという役割で社会への参加と貢献ができる余地は十分にあると思います。

 ただ現役時代の職業や立場と同じ道を延長して走っていると、ともすると老害になりかねません。

 ここは今までの流れを断ち切って、「リカレント教育」という形で今までとは異なる新たな時代の需要を受け止めるように頭を切り替える方が良いのではないか、とも思うところ。

 まあ勉強と共に実践なのですが。


      ◆


 日経新聞よりもう一本。お次は「エコノミスト360°視点」のコーナーで、ちばぎん総合研究所社長の前田栄治さんの「スタートアップで地方の課題解決を」という論文。

 趣旨は、
①スタートアップは岸田政権が掲げる重点投資分野の一つで、スタートアップ5か年計画も策定された。
②最近は日本でも起業意欲が高まり、大学発ベンチャーの数は21年度に3300社にのぼり、5年前の8割増。

③スタートアップは東京の事と思われがちだが地方でも可能性があり、医療・介護、子育て支援、農林水産業の後継者養成など地域の課題解決に貢献することが期待される。
④ある地域の成功事例が他の地域でも展開されれば日本全体の課題解決につながる。

⑤地方の動きで注目されるのは、先行企業化が後続者に学びの場を提供する「イノベーションベース」という支援の取り組みだ。
⑥地方のスタートアップも民主導であるべきだが、地域の課題は公的部門が多いことから、自治体や大学はそうした動きを支える連携の仕組みが大切。

 …というもの。

 確かに民間の自由な発想で新しい課題に対して新しい情報技術などで取り組むことは行政主導では難しいでしょう。

 自治体が行うと、コンセンサスづくりや予算取りに年単位の時間がかかってしまい、スピード感が伴いません。

 しかし逆に、民間はトライ&エラーはこなせても、最後には儲からないとなるといとも簡単に撤退してゆくものでもあります。

 行政は儲からなくても最後まで面倒を見る存在ともいえ、根底で地域を支える行政の力も侮れません。

 地方都市のヒアリングを重ねていると、除雪から業者さんが手を引いて行くことへの嘆きが聞かれます。

 儲からないということもありますが、なにしろ担い手がいないというのが事業継続の大きな障害です。

 こればかりはお金をつけて儲けてもらってもどうにもならない、という業者側の声も切実です。

 私などはこのようなどうしても必要なエッセンシャル・ワークには最後は再び行政が直営舞台として職員を雇用するしかなくなるのではないか、とすら考えます。

 民間主導を推すのは、まだまだ若い人材がいる地域でのみ可能なできごとなのでないでしょうか。


     ◆


 ここでまた余談なのですが、ある町ではやたら若い人たちが結婚していると聞きます。

 その理由を尋ねると、「まちにあるスナックに遠くから若い女性がやってきて働いていて、そこに集う男性客と次々に結ばれているんです」という驚きの答えが返ってきました。

 ここでもよりどころとしてのスナック効果が発動されているようです。

 この際、自治体が経営するスナックで若い女性を集めるという政策も案外冗談ではなくなる時代も来るかもしれませんね。
  

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