仕事にはやって楽しい仕事と苦しい仕事があります。
かくいう私もつい先日、(これはやらねばならない仕事から逃げているなあ)と思う瞬間がありました。
それは依頼されている研修講義の資料作りでした。
そもそも講演とか講義というのは、自分が何を伝えたいのかをまずしっかりと固めたうえで、導入部、展開部、確信部、そしてエピソードなどと進めてゆくのですが、この構想を練るのは実はかなり脳に負担をかけます。
そんな負担を脳は嫌がって、資料作りの作業をしようとしません。
気がつくと机の上の書類を片付けたり古い資料を捨てたりとそんなことをしていて、創造的な仕事から逃げようとしています。
そういう自分自身の脳の嫌がり方がわかっているので、こちらも敢えてパソコンの画面に向かって、アイディア出しを始めて脳に抵抗します。
少しそうやって脳をアイドリングさせてやると、そこから先は少しずつ作業が積み上がってゆくのが分かります。
こうやってあたかも脳が自分の外にいるかのように書いていますが、脳は自分自身を動かしているようで実はその働きに癖があるということが私には分かっています。
その「私」とは脳内の自分みたいなもので、最近になってようやく自分自身を俯瞰的・客観的に眺めることができるようになりました。
こういうことを「メタ認知」と言いますが、自分自身をそんな視点で見られるようになって、自分自身や脳を制御できるようになりました。
これってある種の訓練でできるようになります。
自分自身がパニックになったり焦っていたりする時に、そんな感情のど真ん中にいないで、そんな自分を上から眺めて「おいおい、そんなに焦るな」と声をかけてやるようなもう一人の自分をイメージすると良いでしょう。
メタ認知ということを知っているだけでも一歩前進です。