ある業界団体にいる後輩が転勤の挨拶に来ました。
彼はコロナで経営に苦しんでいる企業に対して、国の補助金や交付金を紹介したり受給できるように橋渡しをする担当をしていて、だいぶ忙しかったよう。
「コロナが落ち着いたりまた増えたりしているけれど、最近はどうですか?」
「そうですね、忙しさのピークは昨年の4月頃でした。今はだいぶ落ち着いてきているように思いますが、この先はまた不安です」
「僕たち建設業は、あまり仕事の減少を感じなくてすんでいるんですが、他の業界はどうですか?」
「ご想像がつくと思いますが、飲食や観光・宿泊系は大変です。建設業からの相談というのはあまりないのですが、昨年の頃なの流行り始めは建設でもドタバタした案件がありましたよ」
「それはどんな事例?」
「建築業でのお話ですが、ホテルとか戸建て住宅を建てるのに、中国で生産している便器とかユニットバスなど設備系の資材が入らなくなった時期がありました」
「便器が手に入らないという話は聞きましたね」
「そういう設備が一つでも入らないと、工事が終わりません。工事が終わらないとお金がもらえなくて下請けや仕入れ先への支払いもできません」
「それは結局どうなるの?」
「ホテルだったら開園を延期して一度そこで仕切りを入れます。家庭用だったら、約束の型式を変更できるか施主さんと交渉をして手に入るものにグレードを変更してその代わり値引きするとか、とにかく一度ありもので納めて工事を完成させて、いずれ望みの品が入ったらこちらの責任でリフォームする、という解決の仕方もありました」
お金が回らないというのは本当に困ります。
お金は貯めるだけではいけません。使うために貯めるのであって、価値あることにはまっとうな支出をしましょう。
自分のためにも世間のためにも、ね。