この夏休みに東京の娘が飛行機で帰省してくるのには、ANAの株主優待券を使いました。
飛行機会社にとって夏休みの稼ぎ時は航空運賃も値上がりをして羽田~新千歳空港では片道で4万円以上にもなります。
ここで力を発揮するのが株主優待券で、ANAの株主になれば持ち株に応じて年に何枚かが発給されるのと、無記名なので市中の金券ショップで購入すればそれを使って割安に登場することもできます。
金券ショップではだいたい一枚4千円から5千円程度で売られているので、片道4万円が半額の2万円になるのであればその差額でも相当にお得です。
特にぎりぎりまで乗る日取りも決まらないというようなことであれば、乗る日にちが近くても比較的空いているので乗る便にも困らないことでしょう。
さて、この株主優待券ですが、以前は株主優待券で予約すると、旅行会社や空港のカウンターで購入する際に本人確認と優待券を持参していなくてはなりませんでした。
ところが今回道北キャンプをしたあとに娘が稚内空港からの予約便に乗る段になって、その株主優待券を札幌で渡すのを忘れたことに気がつきました。
「え~?優待券がないと株主優待料金じゃ乗れないかも。痛いな~」と空港めがけて車を走りらせながら車中は思い空気に。
「まあまずはANAの予約センターにどうしたらいいか訊いてみようよ」ということで、車中から電話をしてみました。
「株主優待券を忘れてしまったのですが、それでも乗れますでしょうか」
すると電話口のオペレーターは、娘の名前と乗る便を確認した上で、「お客様の株主優待券はスクラッチ付きのパスワードがついているものでしたでしょうか」と訊ねてきました。
妻に訊くと「あ、確かスクラッチ付きの優待券で、(娘の)携帯にそのパスワードをメールしてあったはず」とのこと。
先方もすぐにそれがわかって、「お客様の予約はパスワードも登録されていますので、あとは空港でご本人様が確認できればそのままご登場していただけます」とのことで、実際空港では娘の本人確認ができると何の問題もなく優待券価格で登場することができました。
今年度の上期の発給から優待券のシステムは、券の登録番号とあとはもらった本人がパスワードをスクラッチになったパスワードを削りだしてそれを伝えることで券の所有が確認できるというシステムになっていたのでした。
情報が登録されていれば、券や紙などのモノを介在しなくてもサービスが受けられる社会になっているという現実を見て、(そうか、デジタル社会ってこういうサービスが可能になるんだな)と改めて社会の進歩に気が付きました。。
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ところがその一方で、「JR新幹線がインターネットで事前に簡単に予約できない」という声が聞かれるようになりました。
それは海外からのインバウンド観光客が日本を旅しようと思って予定を立てても、ネットでの予約が簡単ではないという現実があり、日本の旅を不便にしているという議論です。
ネットの東洋経済onlineにはこんな記事もありました。
【プロから見て、新幹線には大きな欠点がある
ネットを通じた予約が世界の常識!~東洋経済ONLINE】
http://toyokeizai.net/articles/-/78833
「おもてなし」を売りにしていながら、笑顔と心配りにばかり関心が向いて、社会の便利という真のおもてなしができていないのではないか。
航空会社の対応とJRの対応を比べて、IT技術にしても制度資本にしても、社会が便利になることはやっぱり社会が進歩することです。
そして改めて、海外観光客に対してもこちらの独りよがりではなく、ユーザー目線のサービスこそおもてなしであり、まだまだ足りないことは多いものだと感じたのでした。