北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

改めて道東の観光を考える講演会

2012-09-27 23:45:43 | Weblog
「釧路地域の観光の将来を考える」というタイトルでの観光講演会。

 今日は、首都大学東京大学院都市環境化学研究科観光科学域教授 の清水哲夫さんと東京海洋大学流通情報工学科兵藤哲朗教授のお二人をお招きして観光に関する様々なお話を聞きました。

 冒頭で清水先生は、「韓国の人はほとんど札幌にしか行っていないのに、北海道には行ってしまったという感覚があるのではないか」という問題提起をしてくれましたが、それはまさに私が日頃から考えている問題点と同じです。

 「北海道の東」などと言っているうちは、北海道のどこかを見物した段階で北海道はすべて行った気になってしまっています。

 私も「東北海道」などと北海道の冠にコバンザメのようにくらいついているのではなく、「DOTO」などといった新しいエリアブランドを形成するべきだと思っているものの一人。

 道東などと言うくらいなら、「オホーツク」と言った方がよほど地域をよく表しているというものです。

 エリアブランドを形成するにはどんな名称や単語が良いでしょうか。



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 清水先生は、「例えば日本ならば『イタリアへ行く』と言うだろうけれど、ロンドンに住んでいる人ならば、『ミラノへ行く』とか「ベネッィアへ行く」と言うに違いありません」と言います。

 目的地への距離にもよるけれど、現場の地理やエリアは何度も旅するうちに分かってくると言います。

 では道東の旅をする人たちは、どこへ行くつもりをしているのでしょう。

 そしてこれは我々が与えるよりも、海外からのインバウンド観光客に、「どこを楽しみにして、どこへ行く旅ですか、あなたはどこへ来たのですか?」と訊いてみたいものです。

 案外、釧路空港へ降り立っても「やっと旭山動物園が見られる」などと楽しみにしている人がいるかもしれませんが、だとしたら釧路や阿寒のステータスが問題です。


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 続いては東京海洋大学の兵藤哲朗教授。主に観光統計を上手に使って自分たちのまちの観光を適正に評価しよう、というお話でした。

 兵藤先生は、学生時分にサイクリングの旅で道北から道東を回られたのですが、もう30年も前のことだと言います。

 ぜひとも、30年間一度も来ようとは思わなかった理屈と、それでも道東へ行くならここへ行きたいと思うところはどこですか、と訊いてみたかったけれど、ちょっと果たせませんでした。残念。

 
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 いずれにしても、一朝一夕に地元の観光資源を作り出すわけには行きませんから、またゆっくりとやり直すことにいたしましょう。

 観光の話で面白かったのは、リゾート地で長逗留をするライフスタイルでした。

 リゾート地へ行ってそこからどこへも行かずにただボーっとしているのは、何か新しい出会いを求める旅とは違って、『単に日常が広がって日常のエリアを越えていっただけ』とも言えそうです。

  沖縄は最近リピート観光客が増加していると聞きますが、その実態は馴染みの旅館に安く泊まって、ダイビングだけして帰るという、お金を使わない旅になっているのだとか。

 そういう先達の苦労を感じながら自分たちは何ができるのかを考えたいですね。

 お二人の先生、どうもありがとうございました。


コメント
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