駒子の備忘録

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宝塚歌劇花組『New Wave!-花-』

2013年12月17日 | 観劇記/タイトルな行
宝塚バウホール、2013年12月13日マチネ、ソワレ。

 花組によってこれまでに上演された作品の名場面を再現すると共に、古今東西の名曲をエネルギッシュに届けるエンターテインメント・ショー。
 作・演出/三木章雄。全2幕。

 …とプログラムにあるとおり、私は一幕分くらいは過去の花組のショーの名場面の再演を観られるつもりでいたのですよ。そういうコンセプトのショーだと思っていたのです。
 でも、蓋を開けたらごくごく短いショー主題化メドレーが二幕のアタマにちょっとあるだけ…? ええええ???
 一幕は出演者の個性を生かしたそれぞれの新場面、新楽曲、とかでいいと思うんですよ。でも二幕は過去の名場面の再演を4,5場面+フィナーレ、とかの方が盛り上がったのでは?
 バウ公演なんてファンしか観に行かないものかもしれないけれど、ファンが喜ぶものを作っておけばOKなのかもしれないけれど、私みたいなフラットでそんなにディープではない観客だって観にいくよ? そのとき、知らない若手が知らない歌をパラパラ歌っていたってよっぽどのことがない限りおもしろくなんかないわけですよ。
 だけどそこを、たとえば『EXCITER!!』のプロローグをやり、『ダンナディズム!』のタンゴをやり、『CONGA!!』の海賊場面をやり、『ラ・ノーバ!』のリベルタンゴをやり、『VIVA!』のスーパーラティーノをやり、『メモアール・ド・バリ』のパッツィをやったら客席は盛り上がるんじゃないの?
 出演者たちがファン時代に好きだった場面、入団していたけれど出られず袖から観ていた場面、出ていたけど後ろの一番端で踊っていた場面を、今のこのメンツで、下手したらセンターに立ってやるからこそ意味があったんじゃないの?
 観客も懐かしい場面がフレッシュな今のメンバーでもう一度観られて、改めてその場面の良さと今の組子の素晴らしさに気づく、そういうショーになるんじゃなかったの? 少なくとも私はそういうものを期待していました。だからこの構成には正直がっかりしました。組子はもちろんがんばっていたけれど、それではもたないって。ファンは喜ぶかもしれないけれどファンしか喜ばないって。ファンが増えないって。それじゃ意味ないって。
 そういう意味で、劇団側のプロデュース能力の劣化を著しく感じました、私はね。
 私はもともとショーの見方が下手だし、基本的に舞台は、演目はセンターを観るものでその方が楽だと思っているし、だから必然的に若手にくわしくないからね。
 でもこういうお客まで楽しませてなんぼだと思うからさ。なんでもかんでも組子のがんばりに背負わせるんじゃなくて、お膳立てを整えてあげてほしいな、ってことですよ…

 そんなパラパラした脈絡のない、しどころがないと言ってもいい構成の中で、それでももちろん組子たちはがんばっていました。
 特にメインの五人はもう個性の差がきちんと確立されていて、しっかりがんばっていたのがとても頼もしかったし美しかったです。
 だいもんの優等生長男っぷり、器用になんでもできるんだけど意外に余裕がなくてはくはくしている感じとか。
 あきらがちゃっかりやんちゃな次男のようでいて意外に真面目にきっちり締めている感じとか。
 キキちゃんがのびのび三男としてほややんとしつつも意外に舞台度胸や大物感を見せる感じとか(でも個人的には同行者ともどもまったく萌えなかった…ストライクゾーン外なんですねすみません)。
 べーちゃんのヒロイン力はハンパなかった! 今までも可愛いとは思っていたし上手いとも思っていたけれど!! 『Vivtorian Jazz』を見逃したのは痛恨だったのかもしれない、いつのまにこんな、センターも取れて、かつセンターにたつ男役さんに寄り添うのか美しい娘役さんに…!
 おりしも組替えが発表されて娘役激戦区の花組はますます混沌としてきてしまっていますが、ホントもっと使ってあげてイイ仕事するから!!と叫びたくなりました。
 そしてユキちゃんも、上手いけど路線じゃないよねとか言われがちですが、いやいやなかなかどうしてそんなことないって、相手次第、場の空気しだいだよと思いました。こういう戦力を脇に回してしまったり女役としてしか使わなかったりするのはもったいないって、私はあまり好きじゃないけどずっと人気のあるフェアリータイプの若い男役トップスターとかにはいい嫁だと思うよ?使おうよ!と思いました。

 ここにすっと加わるるなちゃんも素晴らしいし(ただしジゴロ場面の女装は、私はメイクが受け付けなかった…ゴツく見えてしまいましたすみません)、ナナクラちゃんもきびきびリードを取ってたし、マキシム濃いし和海しょうと羽立光来の歌の上手さにはシビれたし、マイティもホントいい仕事してるし柚カレーの美しさはほとんど卑怯だし、エミちゃんは笑うと可愛いしヒラメちゃんはスチールが残念でも表情の作り方がいちいちイイしうららは可愛いし、もうたまらんのですよ!

 客席下りの大サービスも素晴らしいし、ショーの新公とかもっとあるといいよね、みんなにはいい経験になったよね、と思う一方で、お金取るんだからファンじゃない人も喜ばせてなんぼだよ、と苦言を呈したい部分もなくはない、そんなショーケースでした。






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2 コメント

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Unknown ()
2013-12-17 23:25:40
いつも楽しく読ませていただいてます。
私もショーの構成に関して同感です。三木先生はカノンも個人的にはちょっと不満でした。
べーちゃんはもっと使われても良いですよね?
歌もダンスも問題ないですし、だいもんとのコンビ萌えしてる知人が結構おります。相手とのコンビの良さを作り出せるのも貴重な魅力です。
ゆきちゃんももっと路線寄りにして、今のゆきちゃんポジにイブ様やきららを使えば綺麗な花娘をもっと有効活用出来るだろうに…と思いました。
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駒子より (凛さんへ)
2013-12-21 10:33:40
コメントありがとうございます!
多士済々の生徒を上手く生かし、新たな魅力を引き出し、
適材適所で輝かせるのも演出家のお仕事!と思うので、
がんばっていただきたいですよね。
生徒さんはがんばっているし、ファンは応援したいものなんですからね(^^;)。
べーちゃんにはお手紙書いてしまいました。
愛を伝えないではいられません…!

●駒子●
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