美がすべてを支配したロココの時代に、その人が虜にしたのは画家たちの審美眼だけではなかった。ときの王だけでも、ヴェルサイユ宮殿だけでもない、フランス中を、ヨーロッパ全土を、いや世界中を魅了した。かの名はポンパドール、それはポンパドール侯爵夫人の世紀だった。
ファッション誌に連載されたものを加筆・修正したそうですが、この作家は『王妃の離婚』が小説としては最高峰で、あとは筆力が落ち続けているのではあるまいか…
歴史ものとしてもフィクションとしても中途半端でおもしろくない。何よりタイトルロールたるヒロインがまったく描けていない。
彼女がどんな女だったのか、この作家がどういう人間だったと考えていてどう書こうとしているのか、まったく見えませんでした。
何より許しがたいのが、彼女の台詞が「……」で終わるものが多いということです。言い切ることがないの。そして他人に遮られてばかりいる。
そういう、意外にも凡庸な女だったんですよ、と書きたいのか、いやいやとても非凡な女だったんですと書きたいのか、まったくわからない。
ただ歴史的な事実と、あったかどうかもわからない会話の場面が流れるばかりで人物はまったく見えてこない。もちろん王との愛も見えない。
雑誌のコラム的に短いページでエピソード的に読むならよかったかもしれないけれど…ううーん残念。
ファッション誌に連載されたものを加筆・修正したそうですが、この作家は『王妃の離婚』が小説としては最高峰で、あとは筆力が落ち続けているのではあるまいか…
歴史ものとしてもフィクションとしても中途半端でおもしろくない。何よりタイトルロールたるヒロインがまったく描けていない。
彼女がどんな女だったのか、この作家がどういう人間だったと考えていてどう書こうとしているのか、まったく見えませんでした。
何より許しがたいのが、彼女の台詞が「……」で終わるものが多いということです。言い切ることがないの。そして他人に遮られてばかりいる。
そういう、意外にも凡庸な女だったんですよ、と書きたいのか、いやいやとても非凡な女だったんですと書きたいのか、まったくわからない。
ただ歴史的な事実と、あったかどうかもわからない会話の場面が流れるばかりで人物はまったく見えてこない。もちろん王との愛も見えない。
雑誌のコラム的に短いページでエピソード的に読むならよかったかもしれないけれど…ううーん残念。