駒子の備忘録

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新野剛志『あぽやん』(文春文庫)

2013年04月20日 | 乱読記/書名あ行
 遠藤慶太は29歳、大航ツーリスト本社から成田空港所に「飛ばされて」きた。返り咲きを誓う遠藤だったが…パスポート不所持や予約消滅といった旅客トラブル解決に奮闘するうちに、空港勤務のエキスパート「あぽやん」へと成長していく…さわやかな空港お仕事小説。

 テレビドラマの方は、一話完結ものが苦手で見なかったのですが、せっかくなので原作を読んでみました。まあドラマ化されたのはシリーズ2冊目のほうですが。
 初めて読む著者でしたが、ミステリー作家のようですね。それが取材してお仕事ものを書いたのでしょうが、なんといっても主人公が女々しくて後ろ向きでプライドばかり高い女の腐ったような男だったのがもの珍しかったです。
 そういうキャラクターとして立てているんじゃないの。おそらくごく普通の男性主人公としてただ普通に書いているんだろうけれど、そこはかとなく嫌らしさが漂うの。一人称形式なだけに逆にある種の客観性が出るのが救いでしたが、読んでいてチクチクイライラさせられました。普通は主人公に共感して、感情移入して、主人公を応援しながら読むものですからね。
 どうせならダーティ・ヒーロー、アンチ・ヒーローにしてしまえばいいのになあ…絶対無自覚だよこの作者。まあ別にいいんですけれどね…機会があれば推理ものも一応読んではみたいと思っています。

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